はてなキーワード: サークルとは
パーカーおじさん論争の記事の中に「おじ自認がないおじさんは若者とつるみたがって…」みたいなこと言ってたけど、逆はどうなんだろ?
19の頃からオールドオタクみたいに漫画評論だとか書評だとか、今どきの若者じゃしないようなことしてきて
最近のコミケでも「○○さんに委託しました!」って撮った写真の評論系のサークル主が60~70近いような老人(こういう人達が書評とかするのはわかる)で
お前さん、それはな。あなたの反応を伺ってるんだ。
最近はゴリ押ししてもハラスメントとか言われる時代だしな。サークルだか会社だかが同じなら尚更あなたにも迷惑かけたくないから、少し距離を詰めてみて、あなたから好意的な反応が得られたらまた少し押してみよう、あなたから何のアプローチもないなら脈なしだなってなもんさ。
あなたは素直にならなきゃいけねえよ。
変に駆け引きしようだとか、恥ずかしいから断るなんてしちゃあダメだ。
もし相手から誘われたら、素直に応じるんだ。そして、楽しかったら楽しかったと、また行きましょうとちゃんと伝えるんだ。
予定が合わなかったら、断るだけじゃなくて代わりの日時を提案するんだ。じゃないと、本当は行きたくないから断ったのかと思われるからな。
いや、本当に不潔なのは良くないし、着るものにも一切頓着しないよりはしてるほうが印象いいのは確かだからやったほうがいい
でもそういうノウハウを真面目に掘っていくと「清潔感」の先には恋愛工学みたいな心理操作テクニックとか、性パートナーを手に入れる努力みたいなところに流れていってしまいがちな気がするんだよな
それがマッチする人はいいんだろうけど、ほとんどの弱男にはNotForMeで「自分には無理だし自分とは無関係」ってなって離脱するんじゃないかと思う
一方で、そういう袋小路にハマらずいい感じに清潔感UPさせた弱男がいたとして、それが奏功するのって、例えば学生時代のように男女含むコミュニティがあってその中で相対的に好いてもらうっていうシチュエーションだと思うんだよ
でも弱男が本当に夢見てるのってそっち側なんだろうなって
つまり、ナンパの成功率が上がるとか若い女子からチヤホヤされるとかじゃなくて
例えばサークルとか部署に気になる女子がいて、その子が自分を選んでくれる、
もっというとその前提条件として「自分を受け入れてくれるコミュニティ」があって「無理して自分を偽らずともハブられずに馴染める」状態であり、「そこの男たちと(争いたいわけではないけど)互角以上に戦えるくらいの地位がある」みたいな環境
そんな感じじゃない?
だとしたらそういう環境づくり、居場所探しみたいな努力が一番必要なんじゃないのかな
しかしその具体的な頑張り方がわからないから「脱毛すればいい」「服を買えばいい」「いい車を買えばいい」みたいな明確に手順がわかる作業に流れてしまう
相手が先行、こちらは後攻、ポケポケは後攻有利なのでピカチュウexならば勝ち確みたいなもんですよw
お相手はエネルギーから判断するに悪エネデッキ、闘エネデッキならば苦戦するが相性問題も解決で余裕しゃくしゃくw
初期札にピカチュウexは引けなかったがエレブーが来たのでバトル場へ選出、お相手はチラーミィを選出、双方たねポケは1枚だったようで初期のベンチ場には何もなし
いやいやチラーミィってwwwおっアレですか?今カメックスイベントでチラチーノのプロモカードを配布してるから使ってみたくなっちゃったかな?あんな雑魚カードwwwww
ピカチュウexのエレキサークルは雷2エネで最大90打点、チラチーノのともだちのわは無色3エネで最大90打点、環境のピカチュウex様の下位互換やんけwww3エネって遅すぎwwwww
先行の時点で不利なお相手は博士の研究で2枚ドロー、たねポケモンを引けたようで幻のいる島版ドガースをベンチ場へ選出しターンエンド
ドガース・・・?あぁなるほど!ドガース2種と最強の遺伝子版マタドガスは悪1エネで動けるから軽快で、マタドガス(遺伝子)からキョウを使って手札に戻すという通称マタドガスループによってベンチ場のチラチーノに必要な3エネを補充しつつ、マタドガスはダメージを受けてもキョウで戻してHPを元に戻せるからチラチーノの打点源となるベンチ場ポケモンの枯渇を極力防ぐっていう戦略か!
いやいやしかし、お相手がマタドガスとチラチーノとのシナジーを見出した点は評価できるもののチラチーノがクソ弱いのは変わらんってwwwww
後攻有利のこちらのターン、既に手札にあったモンボと博士の研究を発動、デデンネと上位互換ピカチュウex様を手札に引き込んだが、チラチーノ×マタドガスの動きが気になるのでベンチ場へ選出せず、エレブーへ雷1エネ付けてターンエンド
エレブーはHP70もあるし結局にげるエネルギーが1個必要だから、ここでベンチ場へ何も選出せずとも戦況への影響は少ない。相手ターンで万が一マタドガスへ進化されても毒込みで最大打点40ダメージ。逃げてデデンネへ交代し壁にすりゃ次のターンも時間が稼げてピカチュウex様へエネルギー付けて準備したら良い。う〜んクレバーwwwww
お相手のターン、ドガース(幻)がマタドガスへ順当に進化、スピーダーを使用しチラーミィをベンチに下げてマタドガスをバトル場へ選出
マタドガスがもれだすガスでエレブーを毒状態にし、急にベンチ場へヤトウモリを選出!?はぁ?!??!??
お相手は矢継ぎ早にキョウを使用しマタドガスを手札に戻して空いたバトル場へヤトウモリを選出、ヤトウモリへ悪エネ1個付けてエレブーへ攻撃50ダメージ+毒10ダメージの計60ダメージを与えてきた!
おいおい待て待て!エレブー残りHP10!!!毒状態だからこのままエレブーへ雷エネ1個付けて攻撃へ転じてもターン終了時のポケモンチェックで毒10ダメージ入って落ちるやんけ!!!はっマジ?何そのプレイング!!!ヤトウモリなんて想定してねーって!!!!!
いやもう仕方ない、ここは雷エネ1個失うが当初の予定通りデデンネを壁にして耐えるしか無い・・・マジか・・・
この流れを変えるためピカチュウex様をベンチ場へ出して雷エネ1個付けて次のターン以降にピカチュウex様が動けるようにしておこう・・・
お相手、ここでナツメを発動し強制バトル場ベンチ場入れ替え!!待て待て!おかしいって!!!なんで!?なんでナツメ握ってんの!?!??!!!?!!??????
エレブーは残HP10だしピカチュウex出すしかねーじゃん!お相手は当然ヤトウモリを逃がしてマタドガスをバトル場へ選出!マタドガス40ダメージを貰ってピカチュウex残HP90!キョウ持ってなかったっぽいのが救いか!?キョウがあれば再び60ダメージだった!
いやでもピカチュウex残HP90ってチラチーノともだちのわ90ダメージ圏内じゃん!やられた!マジか!
こちらのターン、サンダーexを引いたのでベンチ場へ選出、ベンチ場ポケモン3体、ピカチュウexへエネルギーを付けて90打点を確保っ!!!
マタドガスの無駄に高くてHPは110だし、ここは初期手札から握っていたナツメをこちらも使用してベンチのチラーミィかヤトウモリを落として1ポイントでも選考するしか無い!
お相手はヤトウモリをバトル場へ選出したのでピカチュウexのエレキサークル90ダメージでヤトウモリ撃墜!!!毒10ダメージが入ってピカチュウex残HP70!!!!!
お相手はヤトウモリが落ちたのでバトル場へマタドガスを選出し、チラーミィへエネルギー1個付けて、ピカチュウexへ攻撃し30ダメージ+毒10ダメージでピカチュウex残HP30!!!
ぐぬぬ・・・お相手のベンチに1体でもポケモン居たらチラチーノともだちのわ圏内じゃん・・・
これはもうサンダーexを壁にするしかねぇ・・・運良くスピーダーを引いたのでピカチュウexを逃がしてサンダーexをバトル場へ選出・・・
ベンチのチラーミィをワンチャン落とせるかも知れないからベンチ場のエレブーへ雷エネ1個付けてターンエンド・・・!!
お相手、チラーミィへ悪エネ2個目を付けてチラチーノへ進化、おぉやっぱりプロモカード版チラチーノだ・・・無駄にエフェクト付けやがって・・・
そしてマタドガスで毒からの30+10=40ダメージをサンダーexへ与え、サンダーexの残HP90・・・ともだちのわ圏内だ・・・でも大丈夫、お相手はまだバトル場のマタドガスとベンチ場のチラチーノだけっ!!!
こちらのターン、再びスピーダーを引けたのでサンダーexを逃がしてエレブーをバトル場へ選出、エレブーへ雷エネ2個目を付け、お相手のベンチ場のチラチーノへ狙撃!チラチーノ残HP50!いける!いけるぞ!!!
しかしお相手のターンでマタドガスからエレブーが40ダメージを貰ってエレブー陥落・・・そりゃそうだ・・・
サンダーexをバトル場へ選出、運良くピカチュウex2体目が引けたので直ぐ動けるよう雷エネ1個付けてターンエンド
頼む!サンダーex!このターンだけでも保ってくれ!!!!!!!!
お相手、手札からチラーミィとドガースをベンチ場へ選出しベンチにポケモンが3体揃う。そこからリーフでにげるエネルギー2個補完するとマタドガスを逃がしチラチーノをバトル場へ選出
握ってたのかよ!!お前たねポケモンずっと握ってたのかよ!!!!!ブラフじゃん!チラチーノの打点足りてないっていうブラフかましてたんかコラァ!!!!!!!!!!
うわぁぁぁ!!!チラチーノともだちのわで初めて負けたぁあぁぁあぁぁあぁあ!!!!!!!!!
マジか!完ッ全にプレイングで負けた!!!何だそのデッキ!見たことねーぞ!!!!!初めも終わりも奇襲してくるニンジャじゃん!!!!!!!
えっこれ闘エネデッキには弱そうだがヤトウモリ入ってるってことはセレビィexにも有利取れんの!?マタドガスでミュウexにも有利取れる!!!???
30代の男です。
当初、妻が私にとって初めての女性であり、私は妻にとって初めての男性ではないという事実を全く気にせず軽い気持ちで付き合っていました。
彼女が話す過去の恋愛の話を何の抵抗もなく聞くことができました。
しかし、時間が経つにつれて私の彼女への愛は深まり、それにつれて前述の非対称性が私を苦しめるようになりました。私は彼女に対し、愛、そして憎悪に近い嫉妬という歪んだ感情を持つようになりました。
タイタニックという映画をたまたま観た時以来、その苦しみはさらに強くなりました。
子供、孫までいる老いたローズのが最期の瞬間まで想い続けているのは添い遂げた夫ではなくたった少しの時間を過ごしただけのジャックなのです。
なんて残酷な話でしょうか。
大学時代、新入生のために開かれたイベントで中心人物だった先輩に一目惚れし、すぐにその男性と関係を持ってしまったそうです。
その男性には昔からずっと付き合っている交際相手がおり、また交際相手や妻以外とも関係を持っていたそうですが、妻はその男性に「沼り」時間を無駄にしてしまったそうです。
大学時代、私のサークルの複数の女性も同じサークルのとある男性に「沼り」、先輩、同級生、後輩関係なくその男性に初めてを捧げ関係を持っていました。
この非対称性は何なのでしょうか。
多くの既婚女性にとって、最期の瞬間心に残っているのは多くの時間を共にした夫ではなく、前述の「沼った」男性、ジャックです。
さらに救いがないのは、フィクションのジャックとは違い、現実のジャック達は氷点下に近い海で凍死することなく幸せな家庭を築いているということです。
多くの女性から生涯に渡って思慕されながら幸せな家庭を築くジャック達。
その一方で、一生かけても愛する妻にとって「人生で最も愛した人」になれない私のような男達。
私はその苦しみを忘れるため踠きました。
歯列矯正をして、身体を鍛え、ヘアセットを習得し、野暮ったい服装を変え、時間の許す限りたくさんの出会いの場に赴き女性とのコミュニケーションを経験しました。
多くの女性と肉体関係を持ち、今ではかつて在学していた高校の1学年の人数よりも多くの女性と肉体関係を持ちました。
それでも心は晴れません。
私は命も捧げられる程に愛する妻が、彼女の死の瞬間に想う「ジャック」になりたかったのです。
妻は私のために氏を変え、命懸けで子供を産んでくれました。
私も妻のために自分の出来得ることは全てしてきたつもりです。
「時間を無駄にした」とどこか嬉しそうな懐かしそうな顔で話す「彼女曰くしょうもない男」なのです。
数ヶ月前、妻が私に「学生時代のサークルの集まりがあるんだけど、私が行ったら心配?」と聞きました。
私が「まあね」と返すと、妻は「じゃあ行かない」と言いました。
この時、私の鉛の心臓がガシャンと音を立てて壊れました。
本当は妻は参加したかったのではないでしょうか。
心からその男性が嫌で、会いたくなくて、参加したくないのなら前述のやり取りや「心配?」「じゃあ行かない」という言葉はなかったはずです。
「じゃあ」という言葉には私に対する僅かながらの抵抗が見て取れました。
ちょうどその直前、私達は車を購入しました。
私は欲しかった車を選ばず、妻と幼い子供達のためにスライドドアのついたファミリー向けの車を選びました。
家、車、人生。
私は死の最期の時まで私以外の男性を想う女と、その女が産んだ子供のために人生をドブに捨てているように感じました。
私は衝動的に貯金のほぼ全てをあてることにして、本当に欲しかった車を契約しました。
欲しかったハイブランドのファッションに身を包み、欲しかった車に乗り、仕事を欠勤して旅行に出掛けています。
その歌詞に「今日だけ全部忘れて、雲より上で伸ばそうぜ羽根」という歌詞がありました。
彼女はそれを口ずさみ「仕事も家族も何もかも全部忘れちゃえ!」とはしゃぎました。
そんな無邪気な姿は私の虚しい心に幾分かの潤いを与えました。
個別指導塾で働いていた時に色んな大学生が面接にきたけど、早慶(特に慶)だけ明確に毛色が違う。
具体的に言うと「私はエリートだ!」みたいな喋り方とか雰囲気をめちゃくちゃ出してくる。学習塾の社員なんて彼ら彼女らからしたら負け組なので、表面上は丁寧に接してても見下してる感じが隠しきれていない。東一工(関東なので)の子たちは明らかに早慶より数段頭がいいんだけど、見下した感じはなくうまく相手に合わせてチューニングして話してくれる。
サークルバイトを掛け持ちし、資格の勉強をしながら短期留学もする、みたいなハードスケジュールをこなしているので当欠率が高い。別にガクチカにそこまで影響しないし無理して塾講しなくていいんじゃ…と思う。すごいヤツオーラを出しているので生徒保護者受けは良い。
ダサい子がいない。マーチ国立の子が高校生に毛が生えたような格好をしているのに対し、大人みたいな服装メイクをしている。
国公立(横国学芸横市外大都立あたり)の子は頭良し、性格よしで生徒からもいちばん好かれるんだが真面目でつまらないところもある。性格が良すぎて小狡いところがないのでビジネスには向いてないのかな。公務員になる率が高い。横国の子はなぜか美形率が高く、性格も良い。
兄の陽斗(はると)と妹の月菜(るな)は、幼い頃から常に寄り添うように生きてきた。両親は共働きで多忙を極め、幼い二人はいつも家で二人きりだった。陽斗は明るく活発で、誰とでもすぐに打ち解ける人気者だったが、月菜は内向的で人見知りが激しく、陽斗以外の人と話すのを極端に避けた。陽斗はそんな妹をいつも気遣い、優しく守っていた。
月菜が小学校に入学した頃、いじめに遭うようになった。休み時間になると、決まって数人の上級生に取り囲まれ、持ち物を隠されたり、からかわれたりした。誰にも相談できずに一人で抱え込む月菜にとって、唯一の救いは家に帰って陽斗に会うことだった。陽斗はいつも月菜の話を辛抱強く聞き、時には冗談を言って笑わせ、不安でいっぱいの月菜の心を温かく包み込んでくれた。陽斗の存在は、月菜にとって暗闇の中の一筋の光だった。
中学校に進学すると、月菜の陽斗への依存はより深刻になった。学校では常に一人で過ごし、友達を作ろうとしなかった。放課後になると、まっすぐ家に帰り、陽斗が帰ってくるのをひたすら待つのが日課となった。陽斗が部活動や友達との付き合いで帰りが遅くなると、月菜は不安と孤独に押しつぶされそうになり、何度も陽斗に電話をかけ、居場所を確認せずにはいられなかった。陽斗は妹の気持ちを理解していたため、できる限り早く帰るようにしていたが、友人との関係も大切にしたかったため、板挟みの状態だった。
高校生になった月菜は、将来の進路を考える時期を迎えていた。周りの友達は大学進学や就職など、具体的な目標を持ち始めていたが、月菜は何も考えられなかった。彼女の頭の中を占めているのは、ただ陽斗と一緒にいたい、という切実な願いだけだった。将来の夢も、目標も、月菜にとっては陽斗と一緒にいること以外、意味を持たなかった。
ある日、月菜は意を決して陽斗に相談した。「私、将来どうしたらいいんだろう?何もやりたいことがないんだ…」
陽斗は優しく微笑みながらも、どこか困った表情で言った。「月菜、自分のやりたいことを見つけるのは、すごく大切なことだよ。俺と一緒にいたいって気持ちは嬉しいけど、それだけじゃ…自分の人生を生きられないよ」
陽斗の言葉は、月菜の胸に深く突き刺さった。陽斗もいつかは自分から離れていくかもしれない。その考えが頭をよぎると、月菜は激しい不安に襲われた。まるで足元の大地が崩れ落ちていくような、底知れない恐怖を感じた。
その夜、月菜は陽斗に懇願するように言った。「私、お兄ちゃんと一緒の大学に行きたい。だから、お兄ちゃんと同じ学部を受けることにする」
陽斗は驚きを隠せない。「月菜、本当にそう思ってるのか?俺に合わせるんじゃなくて、自分の本当にやりたいことを考えた方が…」
しかし、月菜は聞く耳を持たなかった。「私はお兄ちゃんと一緒にいたい。それだけなの。お兄ちゃんがいないと、私は…」と言葉を詰まらせ、涙をこぼした。陽斗は妹のあまりの執着に、言葉を失った。
結局、月菜は陽斗と同じ大学の同じ学部を受験し、合格した。大学に入ってからも、月菜は常に陽斗の影のように行動した。授業もいつも一緒に受け、昼食も必ず同じテーブルで食べた。陽斗が新しいサークル活動に参加しようとすると、月菜も同じサークルに入り、陽斗がアルバイトを始めると、月菜も同じアルバイト先を選んだ。月菜にとって、陽斗のいない世界は存在しなかった。
陽斗は、妹の自分への過剰な依存に、内心では深く悩んでいた。友達と遊びに行こうと誘われても、月菜を一人にしておくのが心配で、なかなか出かけることができなかった。何度か恋人ができたこともあったが、月菜に紹介することができずに、関係が長続きしなかった。恋人たちは皆、月菜の存在に戸惑い、陽斗との間に見えない壁を感じて去っていった。
ある日、陽斗は意を決して月菜に真剣に話をした。「月菜、お前はもっと自分の世界を持った方がいい。いつも俺のそばにいるんじゃなくて、自分のやりたいことを見つけて、自分の友達を作って…」
月菜は悲しそうな顔で、震える声で言った。「お兄ちゃん…私を置いていくの?私、お兄ちゃんがいないと…何もできない…」
「置いていくわけじゃない。ただ、お前にはもっと自分の人生を生きてほしいと思ってるんだ。俺がいなくても、ちゃんと生きていけるんだってことを、知ってほしいんだ」
陽斗の言葉に、月菜は何も言い返せなかった。しかし、月菜の心の中では、陽斗への依存はますます強まっていった。陽斗が自分から離れていくかもしれないという恐怖が、月菜をさらに陽斗に強く縛り付けようとしていた。それはまるで、螺旋階段を登るように、依存の度合いが日に日に増していくようだった。
大学3年生になった頃、陽斗は大学から留学の話を持ちかけられた。海外の大学で1年間、自分の専門分野を深く学ぶことができるという、またとないチャンスだった。陽斗は迷ったが、自分の将来のためには、この千載一遇の機会を逃すわけにはいかないと考えた。
留学することを月菜に伝えると、月菜は今まで見たことのないほど激しく動揺した。「お兄ちゃん、行かないで!私を置いて行かないで!お願いだから…」
「月菜、これは俺の将来のためなんだ。お前だって、いつまでも俺に頼ってばかりじゃ…」
「私…お兄ちゃんがいないと…生きていけない…」月菜は泣き崩れ、陽斗にしがみついた。陽斗は、妹のあまりの依存ぶりに、どうしたらいいのか分からなくなった。自分の夢と妹の未来の間で、深く苦悩した。
結局、陽斗は留学することを決めた。出発の日、月菜は空港まで見送りに来たが、ずっと泣いていた。陽斗は月菜を抱きしめ、「必ず帰ってくるから」と何度も言ったが、月菜の涙は止まらなかった。月菜にとって、陽斗との別れは、世界の終わりを意味していた。
陽斗が留学している間、月菜は完全に心を閉ざしてしまった。大学にもほとんど行かなくなり、薄暗い部屋に閉じこもってばかりいた。食事もろくに取らず、日に日に痩せていった。まるで魂が抜け落ちてしまったかのように、生気のない日々を送っていた。
心配した両親が月菜を病院に連れて行くと、月菜は重度の依存症と診断された。医師からは、専門のカウンセラーによるカウンセリングを受けることを強く勧められた。
カウンセリングを通して、月菜は過去のトラウマや、陽斗への過剰な依存の根本原因と向き合うことになった。幼い頃から陽斗に依存してきた理由、陽斗がいなくなることへの過剰な恐怖、そして、自分自身の弱さ…。カウンセラーとの対話を通して、月菜は少しずつ自分自身を見つめ直し、自分自身の足で立って生きていくことの大切さを学び始めた。それは、長く暗いトンネルの中で、かすかな光を見つけるような、希望の兆しだった。
陽斗が留学から帰国した時、月菜は以前とは別人のように変わっていた。以前のような陰鬱さは消え、穏やかな表情を浮かべていた。以前は陽斗のそばから片時も離れなかった月菜だったが、空港では少し離れた場所から、笑顔で陽斗を見つめていた。
空港で陽斗を出迎えた月菜は、少し照れくさそうに、でもはっきりと、笑顔で言った。「お兄ちゃん、おかえり!」
陽斗は、妹の劇的な変化に驚き、そして心から安堵した。月菜の瞳には、以前のような不安や依存の色はなく、力強い光が宿っていた。
その後、月菜は自分の本当にやりたいことを見つけ、新たな目標に向かって力強く歩み始めた。陽斗との関係も、以前のような病的な依存関係ではなく、互いを尊重し、支え合う、健全な兄妹関係へと変わっていった。それは、まるで螺旋階段を降りて、地上に降り立ったような、解放感に満ちた変化だった。
二人は
中年になってから新たな恋愛を始めることは、勇気がいることかもしれません。しかし、適切なアプローチと心構えがあれば、素敵なパートナーと出会うことは十分可能です。ここでは、おっさんが女の子と付き合うためのいくつかのポイントを紹介します。
1. 自分磨きをする
まず第一に、自分自身を大切にすることが重要です。健康的な生活習慣を心がけ、適度な運動やバランスの取れた食事を取り入れましょう。また、清潔感のある服装や身だしなみに気を配ることで、第一印象を良くすることができます。
2. ポジティブな態度を持つ
ポジティブな姿勢は魅力的です。過去の失敗やネガティブな経験に囚われず、前向きな考え方を持つことで、相手にも良い影響を与えます。笑顔を忘れず、明るい会話を心がけましょう。
共通の趣味や興味を持つことは、自然な会話のきっかけになります。趣味のサークルやイベントに参加することで、自然な形で相手と出会うチャンスが増えます。また、一緒に楽しめる活動を通じて、関係を深めることができます。
4. コミュニケーション能力を高める
良好なコミュニケーションは、健全な関係の基盤です。相手の話に耳を傾け、理解しようとする姿勢を持ちましょう。また、自分の気持ちや考えを適切に伝えることも大切です。誠実でオープンな対話を心がけましょう。
相手を尊重し、思いやりのある行動を取ることは、信頼関係を築くために欠かせません。相手の意見や感情を尊重し、無理強いをしないように心がけましょう。また、適度な距離感を保つことで、お互いに快適な関係を維持できます。
6. 自然体でいること
無理に自分を飾る必要はありません。自然体でいることで、相手もリラックスして接することができます。ありのままの自分を受け入れてくれる相手を見つけることが、長続きする関係を築く鍵となります。
まとめ
おっさんが女の子と付き合うためには、自分自身を大切にし、ポジティブな態度を持つことが重要です。共通の趣味を見つけ、良好なコミュニケーションを築くことで、素敵なパートナーとの出会いが期待できます。尊重と配慮を忘れずに、自然体で接することを心がけましょう。新たな恋愛が、あなたの人生に豊かさをもたらすことを願っています。
その言葉を初めて見たとき、思わず目を疑った。「チー牛に人権はない」――ネットの掲示板に大きく貼りついたスレッドタイトル。挑発的で攻撃的な文言に、私は激しく嫌悪感を覚えた。投稿者は何を求めてこんな言葉を並べるのか。誹謗中傷なのか、ただの炎上商法なのか。それとも誰かに対する歪んだ復讐心があるのか。
そのスレッドには、いわゆる「チー牛」と揶揄される人々の画像が貼りつけられ、「こういうオタクっぽい奴らには人権なんていらないんだよ」といった書き込みが連なっていた。特定のファッション、髪型、メガネや細い体型――そんなステレオタイプを指差して笑い、それだけで「価値がない」と切り捨てる。誰かを非難することでしか自分を肯定できない人間が、ここにはたくさん集まっているように見えた。
私はそのスレッドを開く前から、少し胸騒ぎを覚えていた。なぜなら、私自身も昔から「チー牛」と言われるようなタイプだったからだ。部屋に引きこもりがちでゲームや漫画が大好き。容姿に気を配るのもあまり得意ではなく、クラスの派手なグループとはほとんど接点がなかった。だからこそ、この掲示板に書き込まれているような心ない言葉に心がえぐられるような思いがした。
しかも、投稿者たちは一様に「単なるジョーク」だと言い張る。言葉の暴力を軽々しく扱っているのだ。「チー牛は努力しないから悪い」「自分でカッコよくなろうとしないのがいけない」――そんな論調で一方的に断罪する。確かに、どんな見た目や趣味を持とうと、当人が幸せであれば他人が口を挟む筋合いはないはずなのに、それを叩くことで優越感を得る人たちがいるという事実に、私は言いようのない虚しさを感じた。
あるとき、同じ講義を受けている知人が、このスレッドについて面白そうに話していた。「チー牛って要はオタクっぽい見た目の奴らだろ? そんなやつらに人権なんかないって、ある意味真理じゃね?」と、半ば冗談交じりに言う。私が「それ、本気で言ってるわけじゃないよね?」と問い返しても、彼は本心を隠すかのように笑い、話をそらしてしまった。
私はあらためて思い知った。人は、自分とは異なるタイプの人間を見下し、コミュニティの外側に追いやることで仲間意識を高めることがある。そこに“いじり”や“からかい”の形で差別が忍び寄っても、当人たちは悪気を感じにくい。だからこそ、こんな言葉がネットで無邪気に飛び交ってしまうのだろう。
だが、「チー牛に人権はない」という言葉は、単に“冗談”で済ませられる問題ではない。誰かの存在や生き方そのものを否定する言葉は、確実に深い傷を与える。日頃から自分の外見や性格にコンプレックスを抱えている人ほど、その言葉に大きく心を痛める。ジョークやネタだと笑われても、言われた側は笑えない。ましてや、その揶揄を心のどこかで真に受けてしまい、自分に価値などないのではと追い詰められてしまうかもしれないのだ。
私にとっての救いは、同じ思いをした友人たちと出会えたことだった。大学のオタク系サークルで仲良くなったメンバーは、みんな漫画やアニメ、ゲームを愛し、自身の“チー牛っぽさ”をむしろ誇っていた。メガネ、地味な服装、インドアな趣味……それらを理由に誰かから嘲笑されるときもあったが、私たちは互いに励まし合って「そんなの気にしなくていい」と言い合っていた。そこで初めて、私は「自分が好きなものを大事にしたっていいんだ」と心から思えたのだ。
結局、ネット上で飛び交う「チー牛に人権はない」などという言葉を完全に消し去ることは難しい。世の中には、誰かを嘲笑うことでしか自分を保てない人がいるのも事実だ。けれど、それに屈してしまう必要はない。たとえどんな趣味や外見をしていても、誰もが自分なりの人生を生きる権利がある。自分の好きなものを語り合える仲間がいれば、その言葉こそが小さな灯火になって、どんな攻撃的な言葉にも打ち勝てるはずなのだ。
タイトルにあるような言葉を目にすると、胸が痛む。悲しみや怒りを感じる。でも、その気持ちを正面から認めつつ、自分が大切にしてきたものを、さらに誇りをもって抱きしめられる自分でありたい。何者であっても、何を好きであっても、私たちは自分の人生の主役なのだから。
だからこそ、私は声を大にして言いたい。「チー牛に人権はない」なんて言葉は、ただの差別であり、歪んだ思い込みでしかない。実際には、どんな人もそれぞれの人権を持つし、それぞれが生きる価値を持っている。ネット上で罵られても、それがすべてではない。誰かに“いらない存在”扱いされても、私たちは自分の居場所を見つけ、好きなものを共有し、共に笑い合って生きていくことができるのだ。
私が大学生になって初めてできた彼氏は、とにかく「理解のある彼くん」だった。名前は達也。出会いは入学式の日、私が人混みで落とした学生証を拾ってくれたことがきっかけだ。声をかけられたときに見上げた彼の顔は、少し人懐こそうな笑みを浮かべていた。春の日差しの中、なんだかドラマみたいな瞬間で、そのまま私たちはサークルも一緒、帰り道の駅も一緒で、自然と連絡先を交換するようになった。
その頃の私は、大学に合格した安堵感と新生活への期待で、浮き足立っていたと思う。地元を離れて初めての一人暮らし。両親の目も届かず、どこか少し自由を楽しみたい気持ちもあった。人間関係も一から作り直し。そんな中で、拾われた学生証が縁となってできた関係……要するに、私は軽い運命めいたものを感じて、あっという間に達也と付き合い始めたのだ。
付き合い初めのころ、達也は自分のことを「あんまり目立つタイプじゃない」と言っていたけれど、その通り、目立って派手に騒いだりはしない。友達と喧嘩したり、悪口を言いふらしたりといった話も聞かない。とにかく落ち着いていて、穏やかで、私のどんな話にもにこにこ耳を傾けてくれる。そのうえ、自分の意見をしっかり持っていて、私が間違った方向に走ろうとしたら、きちんとそれとなく正してくれる。否定するときも、「それは違うよ」「やめたほうがいいよ」なんて強い言い方をせず、「こう考えたらどうかな?」と別の道を示してくれたりするのだ。
そんな性格に惹かれて付き合い始めたはずなのに、一年も経たないうちに私の中では「どうしてこんなに物わかりがいいんだろう?」という感情が芽生え始めた。普通だったら多少揉めたりぶつかったりして関係が深まっていくものだと思うのに、達也との間にはいつも波風が立たない。もちろん、穏やかな生活はありがたい。だけど、私自身がもう少し衝突してみたかったのかもしれない。青春とは、もっと揺れ動く気持ちだとか、勢いで飛び出した言葉からお互いの気持ちを探るような、“熱量”のイメージがあった。私たちにはそういう“ドラマチックな盛り上がり”が足りない気がしていた。
友人たちは「そんな彼、最高じゃん。大事にしなよ」と口をそろえて言っていた。私も頭ではわかっている。「みんなが羨むぐらい完璧な彼なのだ」と。でも、心がついてこない。「最高すぎる彼」は時に息苦しくなるぐらい完璧だった。デートは私の都合や好みに合わせてプランを立ててくれるし、行きたい場所があったら何も文句を言わずについてきてくれる。私が仕事やサークルで忙しかったら、時間を調整してくれる。記念日もきっちり覚えてくれて、ささやかなサプライズを用意してくれる。ここまでしてくれたら文句をつけようがない。一方で、私がたまにかまってちゃんモードになって自爆しかけても、何も咎めたりはしない。私の言い分を一度受け止めたうえで、「つらかったんだね、わかるよ」と言ってくれる。
正直、最初は「そうだよね、私の気持ちを分かってくれるんだよね!」と心が満たされていたけれど、少しずつ物足りなさ、というか「理解されすぎている」という歯がゆさが募っていった。私が気持ちを伝えようとする前に、先回りして理解してしまう。「あ、もしかして今日は機嫌悪い? 無理しないでね」「なんだか元気ないね、何かあった?」。そんな優しい言葉をかけられるたびに、なんだか妙に恥ずかしくなって、私が自分で自分の感情を見つめる前に、達也の側がそれを代弁してしまう。まるで読みすぎるくらい、私の心を読んでしまうのだ。
実家を出てから初めてできた彼氏だったし、彼が優しいからこそ居心地がいいはずだった。でも、いつしかその「居心地の良さ」が「退屈」と感じられるようになってしまった。平穏すぎて、ストーリーがないのだ。私が望んでいないのに、いきなり波乱万丈な出来事なんてわざわざ起きはしない。とはいえ、現実に刺激を求めるのもおかしな話だが、私の中でくすぶるモヤモヤは消えなかった。
ちょうどその頃、サークルであるイベントの準備に追われていたとき、年上の先輩とやり取りをする機会が増えた。彼は私を振り回すようなタイプで、こっちの予定を無視して仕事を押し付けてきたり、「なんでそんなこともできないんだ?」とイライラをぶつけてきたりする。最初は嫌で仕方なかったが、逆に言えば、彼は感情をむき出しにしているぶん、私の腹立ちや焦り、苦しさもそのまま表に出していいと思わせてくれた。そこで初めて、私が「ちゃんと反論してもいいんだ」と感じられるようになったのだ。彼と何度もぶつかり合いながらも、実はその刺激を楽しんでいる自分に気づいてしまった。静かな湖畔に石を投げ込んで波紋が広がるように、感情が大きくうねっているのを感じた。
その感覚を一度でも知ってしまうと、もう達也との平穏な日常に戻るのが息苦しく感じられてしまった。彼は決して悪くない。むしろ、私が“もっと波風立てたい”なんて勝手な理由を抱えているだけ。でも、その気持ちは抑えきれなかった。ある日、ふと「私、達也と別れよう」という考えが頭をかすめた。もちろん、そんなの間違ってる、と思った。あんなに優しくて理解のある彼を手放すなんて、普通ならありえないし、友達が聞いたら大反対するに決まっている。けれど、その日は全く眠れなかった。頭の中でずっと「このまま付き合っていて、本当に私は幸せなの?」という疑問が渦を巻いていた。
結局、私がとった行動は「思い切って別れ話をする」という選択だった。季節は夏。夜風が生ぬるくて、不快感すら感じるような夜に、私は達也を近くの公園に呼び出した。別れるつもりで呼び出したのに、いざ目の前に立たれると、胸がぎゅっと締め付けられる思いがした。「なにかあった?」と心配そうに私を見る彼を見て、罪悪感で胸がいっぱいになりそうだった。けれど、私はもう“刺激”を求めてしまった自分に嘘はつけない。少しもめてもいいから、感情をさらけ出して、もう一度自分の気持ちを確かめたいとすら思っていた。
私は震える声で言った。「私、もう達也とは付き合えない。ごめんね」
達也は驚いたような顔で、それから俯いて小さく息をついた。「そうか……辛い思いをさせてたのかな?」と心配する言葉がまず返ってくる。私はなんて身勝手なんだろうと思った。別れ話を切り出した私が、逆に相手を心配されるのだ。泣いてすがるとか、怒るとか、そういう感情の爆発はない。いつものように冷静で、「君の言葉を受け止めるよ」と言わんばかりの態度だ。それを見た瞬間、私の心の中でむき出しになっていた感情に、何か冷水を浴びせかけられた気がした。
「そうじゃないの。達也が悪いわけじゃないんだよ」と、私は必死で伝えた。「ただ……刺激がなさすぎるの。こんなの自分勝手だってわかってる。でも、もっとぶつかったりして、本音をさらけ出し合いたかった。達也はいつも私を傷つけないように、慎重に言葉を選んでくれて、でもそれが……私には物足りなかったの」
自分で言っていても、我ながらどうかしている。こんな理由で別れを切り出すなんて。けれど、達也はそれすら「うん、わかったよ」と受け止めてしまう。私は「ここで少しは怒ってくれないの?」とさえ思った。結局、きちんと話し合った末に、私は彼を振る形で別れが成立した。言い分が自分勝手すぎて、最後は私が泣きそうになったが、達也は静かに「ありがとう。今まで楽しかった」とだけ言って、私をそっと抱きしめ、それから家まで送ってくれた。
ドアの前まで見送り、こちらが断っても「最後だから」と一緒に歩いてくれた彼に、私は後ろめたさと切なさが同時に込み上げた。別れた直後に背を向けるとき、彼の優しい笑顔を何度も思い出して、「本当にこれでいいんだろうか」という後悔が頭をよぎった。友達に後日報告すると案の定、「あんたバカじゃないの?」という反応が返ってきた。それでも、私は別れると決めた。これは私が抱えてしまった矛盾だ。彼の優しさに包まれているときはとても幸せなはずだった。でも、それを重荷に感じてしまったのも事実なのだ。
その後、私は一時的に先輩との関係にのめりこみかけたものの、やはりそれは長くは続かなかった。先輩はただ率直に言葉をぶつけるタイプで、常にバタバタとトラブルを呼び寄せていた。いろいろなドラマが日々起きる反面、心が疲弊してしまうことも多かった。私が欲しかったのは“穏やかすぎない関係”だけれど、かといって“安らぎ”まで手放す気はなかったんだと、今さら気づかされる。わがままだと思う。でも、そういうものだろう。人間の欲望は複雑で、“当たり前にある安心感”と“突き動かされるような刺激”の両方を兼ね備えた関係なんて、そう簡単に手に入るものではない。
それでも私は、あの夏の夜に達也に伝えた気持ちを「間違いだった」とは思わないようにしている。なぜなら、あのときは本当にそう思ったし、そうしなければ自分に嘘をつくことになっていたから。もし我慢して付き合い続けていたら、いずれもっと酷い形で爆発していたかもしれない。それに、達也は最後の最後まで私の気持ちを受け止めようとしてくれた。私に必要だったのは、「誰かに受け止めてもらう」ことではなく、「自分で自分の感情をはっきり言葉にする」ことだったのだと思う。
その後、卒業間近に達也とは偶然キャンパスで会った。久しぶりに見た彼は、少し髪が伸びて、相変わらず穏やかな笑顔で「元気?」と声をかけてくれた。どうやら新しい彼女ができたらしく、私には思わず「おめでとう」と口から出ていた。嫉妬心とか、そういうのはほとんどなかった。ただ、本当に安心したのだ。あれだけ理解のある彼なら、きっと誰とでも上手くやっていけるのだろうし、彼自身が幸せになってほしいと思ったからだ。
帰り道、私は少しだけ思い出を振り返りつつも、もう達也が隣にいない生活を特に寂しく思わなかった。それは私が成長したからかもしれないし、あるいはもう達也のことを「元彼」としてしか見られなくなったからかもしれない。そう考えると、あの日あの夜、汗ばんだ手のひらで彼の手を握りしめ「別れたい」と告げた決断は、私にとって間違いではなかったのだと、改めて思う。
私には私の人生がある。達也には達也の人生がある。私たちはそれぞれ別の道を歩んでいく。そして、今度誰かと出会い付き合うときには、同じ過ちを繰り返さないとは言い切れないけれど、自分が本当はどんな関係を望んでいるのかを、もう少し丁寧に見つめられると思う。刺激的でドキドキするだけの恋よりも、安心して本音をぶつけ合える相手。そんな相手と出会えたらいいなと願う。
こうして、私は「理解のある彼くん」を敢えて振るという選択をした。周りから見れば「何を贅沢なことを」と思われるかもしれない。でも、そのときの私は自分の心の声に正直になりたかった。衝突し合うことも、時には幸せの形のひとつだと感じていたから。あれから時間が経ち、今の私は達也みたいに優しいだけの人よりは、自分の気持ちを素直にさらけ出せる相手がいいかもしれないと思う。そんな私は、結局わがままで矛盾だらけなのだろう。けれど、恋愛において100点満点の答えなんて最初から用意されていないのだ。自分に正直であることが、私にとっては一番大切なことだった。
――これは、私が理解のある彼くんを敢えて振ってみた話。後悔がないかと問われれば、少しはあると言わざるを得ない。それでも、あの別れがあったからこそ、私は自分が何を求めているのかを知ることができたのだ。人生には数えきれない選択があって、どれが正解かなんて誰にもわからない。だからこそ、自分で選んだ道を信じて、進んでいくしかない。いつか振り返ったときに、「あのときそうしたかったんだもん。仕方ないよね」と笑い飛ばせるぐらいには、自分を大事にしてあげたいと思う。
俺には、二歳下の妹がいる。一般的に「ブラコン」というと、「お兄ちゃん大好き♡」と言わんばかりに愛情を注いでくる妹を想像するかもしれないが、うちのはそれを遥かに通り越して「ウザい」レベルに到達している。名前は真奈(まな)。俺は一応「健太(けんた)」と名乗っているが、この妹だけは決して俺のことを「健太」とは呼ばない。
「おにーちゃん、朝だよ! 起きてる? 起きてないよね? 起こしに行っちゃうよ?」
朝の6時。目覚ましよりも正確に飛び込んでくるこの声が、本当に鬱陶しい。平日の学校ならまだわかるが、今日は日曜日だ。部活もバイトもない貴重な朝に、どうしてこいつはこんなにも元気なのか。
妹が俺の部屋の扉を勢いよく開ける。コンコンとノックする概念はどこへ行ったのか。ベッドに突撃してきそうな気配に身構えるが、俺は慣れたものだ。ぎゅうっと布団を抱えて寝返りを打ち、「今、すごくいい夢見てたのに……」とムニャムニャつぶやいた。
「ねえお兄ちゃん、早く起きて! 今日はお兄ちゃんと一緒に買い物に行くって約束したじゃん!」
ちょっと待て、そんな約束などした覚えは……ない。が、真奈の頭の中ではどうやら「自分が一方的に提案したこと=約束」らしい。俺は溜息をつきながら、布団から頭だけ出して相手を見る。
「寝ぼけてるの? 先週の土曜日に『来週の休日は一緒に外出しようね』って言ったの、お兄ちゃん忘れたの?」 「いや、それは真奈が勝手に言ってただけだろ」 「じゃあイエスともノーとも言わなかったよね? つまり、それはイエスなんだよ!」
その論理はどこから生まれたのだろう。こんな屁理屈に付き合っていられない。大体、日曜日くらいゆっくり寝かせろってのに……。仕方なく俺は観念して、渋々起きあがった。
「30分だけ待て。シャワー浴びるから」 「うん、じゃあ早めにお願いね♪」
真奈は満面の笑みを浮かべて、俺の部屋を去っていく。その姿を見るだけで頭痛がするが、俺は無理やりカーテンを開けて朝の光を目に受ける。今日の予定は、ショッピングモールで妹に振り回される一日になるんだろう。高校二年の妹を連れてどこを回るんだか……。はあ、だるい。だが、断れば断ったで、また「お兄ちゃんに嫌われた!」と落ち込みモードに入られ、それはそれで面倒だ。妹ってやつは、いくらブラコンでも男の扱いをわかってなさすぎる。
シャワーを浴びて着替えを済ませ、リビングに行くと、すでに朝食が用意されていた。真奈はエプロンをつけてフライパンを振っている。両親は共働きで、朝早くから仕事に出てしまうので、休日はだいたい俺と妹の二人きりになることが多い。こうして朝食を作ってくれるのはありがたいのだが、それ以上に「俺の傍にいたい」という意図が見え透いていて、こそばゆいというか、面倒くさいというか……
「お兄ちゃん、目玉焼きは半熟でいい? いつもどおり塩コショウで食べる? それとも醤油にする?」 「……いつもどおりで」 「はーい。任せて!」
妹の視線が、やけにきらきらしている。こんなテンションで毎朝絡まれるのは本当に堪える。俺がソファに腰を下ろすと、妹はうれしそうに鼻歌を歌いながら料理を仕上げ、まるでレストランのように見映えまで気にしたワンプレートを差し出してきた。
うまい。そこは素直に認める。真奈は料理が上手いし、家事も手際がいいから、そこは本当に助かる。けれど俺が「ありがとう、美味しいよ」と言うと、「えへへー」と言って顔を赤らめ、さらに俺に近寄ってくるから困る。視線を外そうとしても、まるで小動物のような瞳でずっとこちらを見つめている。
「そんなに見てると食べにくい……」 「だって、お兄ちゃんがおいしそうに食べてくれるの見るの好きなんだもん」 「……ブラコンこじらせすぎだぞ、お前」
俺が呆れたように呟くと、妹は嬉しそうににへらっと笑う。「ブラコンだろうがなんだろうが、お兄ちゃんはお兄ちゃん!」みたいな勢いで、胸を張っているのが痛々しい。普通の妹なら「えー、そんなに兄のこと好きじゃないよ」とか否定するものじゃないのか?
食事を終え、皿洗いは妹がやるというので、俺は先に着替えの支度をすることにした。なぜなら「お兄ちゃん、今着替えるの? 見ちゃダメ?」と言い出されると本気で厄介だからだ。そこだけは死守しなければならない。
結局、支度を済ませてリビングに戻ると、妹はちゃっかり俺のコートのほこりを払っていた。まるで執事か何かのつもりなのか。「どうせなら私のコートも払ってくれよ」と言いたいところだが、言うだけ無駄だろう。何も言わずに外に出ると、妹がピタリと俺の左腕にしがみついてくる。
こうして、まるで恋人のように腕を組む妹と一緒に、近所のショッピングモールへ向かう羽目になった。俺は18歳の大学一年、妹は16歳の高校二年。一応、年齢的にはそこまで離れていない。だが、このイチャつきぶりはどう見ても普通のきょうだいではない。それでいて、妹は周囲の視線をまったく気にしない。むしろ「どう? 私のお兄ちゃん、カッコいいでしょう?」みたいに見せびらかしているフシすらある。
モールに着くと、妹は嬉々として服屋や雑貨店を回りだした。俺が少しでも反応を示すたびに、「お兄ちゃん、これ似合うと思う?」「あ! このセーターの色、お兄ちゃんが好きなやつだよね?」と、矢継ぎ早に話しかけてくる。うなずくだけで「うん、やっぱりそうだよね!」と興奮し、俺の手を取ってレジへ向かおうとするから困る。
「買うの? それ、高くないか?」 「うん、でもお兄ちゃんが少しでも興味示してくれたから。これ着て、お兄ちゃんに見てもらいたいの」 「……まあ、試着くらいはすれば?」 「うん!」
試着室に入り、鏡の前でくるくる回る妹を見ていると、やはり普通にかわいいと思う瞬間もある。だが、問題は妹がそれを自覚したうえで「お兄ちゃんにだけは見せたい」と張り切っていることだ。しかもこの妹、友達といるときは「兄に興味ない風」を装っているらしい。わざわざ同級生に「真奈ちゃん、兄いるんだってね。どんな人?」と聞かれると、「えー、うちは普通だよ、全然かっこよくないし」などと取り繕うらしい。……実に腹立たしい。だったら家でもそうしろと思うが、家ではその反動が全部俺に向かってくるから手に負えない。
そんなこんなで、妹の服選びに付き合って数時間。ふと、妹がカフェコーナーでソフトクリームを買ってくると言い出したので、俺は待合スペースの椅子で待つことにした。荷物持ちのバッグには、妹が買った服や小物がぎっしり詰まっている。ここまでくると、彼氏役を任されているような錯覚すら覚えるが、それを本当に「彼氏気分」になって楽しめるなら、俺もこんなに苛立たないのに。いや、そもそも実の妹だ。そんな心境になれるはずもない。
少し空いた時間でスマホをいじっていると、ラインの通知が光った。相手は大学の同級生の女子――朱里(あかり)だ。先日同じサークルで知り合った子から、「今度の飲み会、健太くんも来るよね?」という確認の連絡が入っている。朱里はけっこうノリが良くて、話しやすい子。実はちょっと気になっているんだが、妹がいるからどうこうというわけではないにせよ、俺にプライベートの自由時間がほとんどないのがネックだ。妹がいつも干渉してくるせいで、大学生活の楽しみも半減している気がする。
「お兄ちゃん、どうかしたの?」
妹がソフトクリームを2つ手に戻ってきた。どうやら俺の表情を見て、何か感じ取ったらしい。気まずさを隠してスマホをポケットにしまう。
「いや、なんでもない。大学の友達から飲み会の誘いがあって……」 「ふーん。行くの?」 「……行くよ、たぶん」
妹が少しだけ眉をひそめたのを俺は見逃さなかった。嫌な予感がする。まさか、ここから「誰が参加するの?」とか「女の子いるの?」と尋問が始まるのでは。すると妹は、まるで拗ねた子どものように唇を尖らせた。
「お兄ちゃん、私の知らないところで遊ぶのかあ」 「当たり前だろ。俺だって大学生なんだから」 「そっか……。じゃあ私も友達と遊ぼうかな。あーあ、でも高校の友達はバイトがある人多いし、もうすぐテストもあるし……」
そういう問題ではない。妹には妹の生活があるんだから、俺を基準に自分の予定を立てるのはやめてほしい。俺は心の中でため息をつきつつ、ソフトクリームを受け取り、一口かじる。冷たい甘さが口の中に広がるが、気分はあまり良くならない。妹が「美味しい?」と笑顔を向けてくるのに、俺は曖昧に「まあまあ」と返すだけだった。
午後も、妹に引きずられる形で雑貨店や書店を回った。俺が気になるコーナーに立ち寄ると、「お兄ちゃん、それ何? 見る見る!」「こういうの興味あったっけ?」と付きまとってくる。一人でのんびり見たいと思っても、横からちょっかいを出してくるせいで集中できやしない。帰ろうと言っても、妹は「最後に向こうのゲームセンターだけ寄ろう」と言い張り、クレーンゲームに熱中し始めた。
「お兄ちゃん、これ取って! 私にぬいぐるみをプレゼントしてよ!」 「自分でやれっての」 「だって、お兄ちゃんと一緒にやりたいんだもん~!」
人目をはばからず甘えてくるこの調子。もはや呆れを通り越して、引くレベルだ。俺が渋々100円玉を投入してアームを操作してみても、なかなか景品は取れない。一方、妹が「ちょっと貸して」と言ってやってみたら、意外にもあっさり取れたりするから不思議だ。そんなときも「お兄ちゃんの応援のおかげだよ♪」などと言って、俺に抱きついてくるから気が気じゃない。周りの視線が痛い……。
ようやく帰り道に着くころ、外は夕日でオレンジ色に染まっていた。荷物の重みで肩が痛いが、妹の方は「いっぱい買えて大満足~」とご機嫌だ。俺は「今日だけで一体いくら使ったんだよ……」と半ばあきれながらつぶやく。すると妹は「お兄ちゃんと過ごす時間はプライスレス!」とわけのわからないことを言い出す始末。本気でウザいが、こいつなりに兄のことを慕っているのだけは伝わってくる。
家に帰り、夕食を作る気力もなくなった俺は、コンビニ弁当で済ませようと言い出した。だが妹は、「せっかくの日曜日なんだから、私がちゃんと作るよ」と言い張る。慌てて「いや、もういいよ」と止めようとするも、「お兄ちゃんはソファで座ってて!」と強引に台所へ消えていく。こうなると俺にできることは、テレビをつけて適当にチャンネルを回すくらいだ。
ジャージに着替えて、ソファでダラダラしていると、妹が途中でやってきて「調味料、どこ置いたっけ?」とか「お兄ちゃん、ご飯の炊飯スイッチ入れてくれた?」などと質問を投げてくる。姉妹じゃなくて妹だけど、まるで新婚夫婦のやり取りじゃないかと考えてしまい、背筋が寒くなる。
しばらくして食卓に並んだ料理は、どれも手が込んでいて美味しそうだった。疲れた体にしみる優しい味わい。俺は素直に感謝するが、そこに必ずと言っていいほど妹の「べたべた攻撃」が入る。
「お兄ちゃん、食べさせてあげよっか?」 「いや、自分で食べられるから」 「大丈夫、大丈夫。あーん……」 「だから、いいって……」
これではまるで幼児扱いだ。表面上はツンと突っぱねるが、妹があまりにも押しが強いので、最終的には「まあ、いっか」と甘んじてしまう自分も情けない。なんだかんだ言いながら、俺もどこかで妹の手料理に癒やしを求めているのかもしれない。家族だしな、仕方ない。
そんな日常がいつまでも続くのかと思っていたある日のこと。妹がスマホをいじりながらニヤニヤしていたので、つい「何見てるんだ?」と聞いてみた。すると妹はわざとらしく「え~、教えな~い」とそっぽを向く。俺は怪訝に思い、「お前がそんな態度とるなんて珍しいじゃん」と続けると、妹はほんのり頬を染めて、「気になる? 気になるならもっと私に優しくしてくれたら教えてあげる」とからかうように笑った。
「別に、気にならないけど」 「ふーん。どうせお兄ちゃんは私のことなんかどうでもいいんだよね~」
妹は拗ねて見せるが、その背中はどこか嬉しそうにも見えた。いつもはあれほどベタベタくっついてくるのに、この日は珍しく部屋に引きこもってしまう。おかしい、これは一体どういうことだ? そう思いつつも、「面倒ごとは放っておけばそのうち妹から寄ってくるだろう」と高をくくっていた。
ところが、その夜になっても妹は部屋から一向に出てこない。俺がシャワーを浴び終わって、いつもならリビングで一緒にテレビを見ている時間帯なのに、まったく気配がない。さすがに少し気になって部屋のドアをノックしてみると、「なに?」と抑え気味の声が返ってきた。
「……お前、夕飯は? まだ食べてないだろ」 「うん、あとで食べるから先に寝てていいよ」
妙な距離感に、俺は胸の奥が落ち着かない。あれだけ「お兄ちゃん大好き♡」とまとわりついていた妹が、急にそっけないと逆に不安になる。何かあったのか、それとも単なる気まぐれか。もしかして、あのスマホの相手は男なのか? そんな可能性を思い浮かべている自分に驚いた。いや、妹が彼氏を作るのは自由だし、むしろあれほどのブラコンが誰か他に興味を示してくれるならありがたい。でも、いざそうなると、何とも言えない複雑な気持ちが湧き上がってくるのはなぜだろう。
結局、その日は妹を放っておくことにして、自室へ戻り布団に入った。しかし、気になってなかなか寝付けない。こんなに落ち着かないのは初めてかもしれない。妹がいないと解放感があるはずなのに、逆に静寂が堪えるというか……。どこまで俺は妹に振り回されれば気が済むんだ。
翌朝、寝起きが悪い頭を抱えてリビングに行くと、妹はいつもどおり料理をしながら、「おはよー、お兄ちゃん」と微笑んでいた。だが、その笑顔は昨晩の出来事をなかったことにしているかのようで、どこか不自然な明るさが滲んでいる。そして俺が突っ込む間もなく、妹は鍋の蓋を開けて、「もうすぐできるから待っててね」と言うのだった。
――ブラコン妹は、激しくウザい。それは今も昔も変わらない。だが、時に何か隠しごとをしている様子が垣間見えると、妙に落ち着かなくなる自分がいる。正直、妹のベタベタが嫌だと思っていたはずなのに、こんなにも翻弄されるとは……。これから先、俺たちにどんな変化が訪れるのかはわからない。だけど少なくとも言えるのは、妹の「お兄ちゃん好き好き攻撃」からはまだまだ逃げられそうにない、ということだけだ。
そして、妹がこれからどんな形で俺に突っかかってくるのか、さっぱり予想がつかない。だけどまあ、ウザいウザいと言いながらも、俺はそれなりにこの日常に慣れ始めているのかもしれない。ブラコン妹が激しくウザいなんて言いながらも、心のどこかで当たり前のようにそれを受け入れている自分がいる。これって一体何なんだろう。
いつか、俺が大学生活の中で彼女でも作ろうものなら、妹は一体どんな反応をするのだろうか。それはちょっと想像しただけで恐ろしいが、どこかワクワクもしてしまう。ひょっとして……これが共依存ってやつなのか? 違う、違う。断じて違うだろう。とにかく、家族としての境界線は死守しつつ、上手く付き合っていく方法を見つけるしかない。
そんな思いを抱きながら、俺は毎朝鳴り響く妹の「起きて! お兄ちゃん!」というコールに、これからも頭を抱えるのだろう。振り回されるのは勘弁だが、まあ、これはもう一種の“日常”なのかもしれない。
「一つ聞かせて欲しいの。どうしてここまで私を恨んでるの?」
その問いに、賢介は声を震わせて答える。
「お前は……いつも俺を見下してた。俺がカラオケに行きたかったのに、陰で“雰囲気が悪くなる”って外したのも知ってるんだよ。俺がどれだけ惨めな気持ちだったか、想像したことあるか? お前は何でも手に入ると思ってて、俺みたいなやつの気持ちなんて、分かりもしないだろう……」
優里子は目を伏せて、唇を噛んだ。
「それは……本当に私が言ったことなの?」
「……確かに、覚えてないけど、可能性はあると思う。大学時代の私は“強くなければ生きていけない”と思って、少し尖ってた。あなたを傷つけたことがあるなら、謝る。ごめんなさい」
意外な言葉だった。勝ち気な彼女が、こんなにも素直に謝罪するとは思っていなかったのだ。賢介は複雑な感情に揺れる。
「あなたにとっては、私は“強者”に見えたかもしれない。でもね……私だって、必死だった。人に嫌われないように、必要以上に明るく振る舞って、それでも人間関係は思うようにいかなくて、陰で色々言われたり。時々、誰かを傷つけてたかもしれない。でも、こんな形で仕返しされるなんて……」
優里子の言葉は涙混じりだった。彼女は上着のポケットから小さな紙切れを取り出し、テーブルの上に置く。そこには病院の診断書らしきものがあり、適応障害だとか、ストレスによる心身の不調が書かれているようだった。
「もう、これ以上は耐えられないの。あなたのこと、訴えることも考えた。でも、私は……あなたに復讐したいわけじゃない。もう、争いそのものが嫌なの」
そう言って、彼女は深く息をつくと、震える声で続ける。
「だから、ここでちゃんと話がしたかった。私があなたを傷つけたことがあるなら、改めて謝らせてほしい。でも、どうしてもこの噂だけは止めてほしい。私の人生が、壊れてしまう」
にわかには信じられない光景だった。賢介は自分が抱いていた“強者の女”というイメージが音を立てて崩れ落ちていくのを感じた。傷つき、追い詰められた彼女は、もう“強者”には見えない。むしろ、自分よりもはるかに苦しんでいる。
「……俺は、どうすればいいんだ」
その問いに、優里子はただ「私を解放してほしい」と言った。裁判も、警察沙汰も、本当は避けたい。賢介が自ら噂を否定する形で投稿してくれれば、それでいい。真犯人が書き込みをしていたと名乗り出る必要はない。匿名でもいいから、否定する言葉を拡散してほしい、と。
賢介は自分の所業を思い返す。あれほどまでに情熱を燃やし、彼女を貶めようとした行為が、一瞬で取り返しのつかない事態を生んでいた。それが今ここで、本人の涙ながらの懇願を受けている。
――どうして、こうなってしまったんだろう。
もともとは、くだらない妬みや劣等感がきっかけだった。その感情は確かに強烈だったが、だからといって、ここまで相手を追い詰める権利なんてあるはずがない。
賢介はゆっくりと立ち上がると、テーブルに深く頭を下げた。言葉は出なかったが、ただ、申し訳なさと罪悪感で胸がいっぱいだった。彼女は何か言おうとしたが、賢介はそれに答えず、カフェを後にした。外の冷たい風が、彼の心を鋭く刺す。
翌日、賢介は意を決して、裏アカウントに「噂はデマです。根拠はありません」との書き込みを次々に行った。さらに複数のアカウントを使って、それを拡散する。あれほど緻密に組み上げたフェイクの体系を、自分で壊していく。皮肉な行為だったが、もうこれ以上は耐えられなかった。
書き込みを続けるうちに、どこかで聞いた言葉が頭をよぎる。「誤解や嘘で人が傷つくのは嫌だからさ」と言った小峰の声。そして「私を解放してほしい」と涙ながらに訴えた優里子の声。彼女もまた、必死に生きていただけなのかもしれない。
デマを自分で否定したところで、すべてが元通りになるわけではない。すでに傷ついた心も、奪われた時間も、簡単には戻らない。それでも、賢介は少しでも早く、その“間違い”を正したかった。
それから数日後。世間の興味は移ろいやすいもので、新しいスキャンダルや事件が起これば、優里子の噂は次第に人々の記憶から薄れていった。ネット上には「やはりデマだったか」「謝罪もなしに逃げるのか」といった声も上がったが、大多数の人は面倒ごとから手を引き、いつものように新しい話題へ飛びつくだけだった。
一方で、賢介はあれ以来、アルバイトを掛け持ちして朝から晩まで働き始めた。部屋に引きこもってネットを眺めていると、また同じ過ちを繰り返してしまう気がしたからだ。無心で働くことで、少しでも罪悪感から解放されたいと願った。
ある日、アルバイト先のコンビニに小峰がやってきた。街中で偶然見かけたようだった。驚く賢介に、小峰はさりげなく声をかける。
「……頑張ってるみたいだな」
賢介はどう返事をしたらいいか分からない。かすかに頭を下げるだけだ。小峰はレジで支払いを済ませると、「そういえば、優里子は少しずつ元気を取り戻してるってさ。入院も退院して、今は実家で療養してるらしい」と言った。
「そうか……」
短く答えた賢介を見て、小峰はさらに続ける。
「また、大学のOB会が開かれるんだ。お前がよければ顔を出してくれ。……まあ、すぐには無理だろうけどな」
小峰が店を出て行ったあと、賢介はしばらく立ち尽くしていた。自分があの場に行けるとは思えない。けれど、その言葉にどこか温かいものを感じたのも事実だった。
大きな過ちを犯したことは消えない。それでも、そこから先の人生をどう歩むかは自分次第だろう。賢介は店の冷蔵庫を補充しながら、虚空を見つめた。自分は弱者だと思い込み、その鬱屈を他者へ向けてしまった。その代償は計り知れない。しかし、同じ弱さを抱えたままでも、やり方を変えることはできるはずだ――そう信じたいと思った。
その後、日々は淡々と続いていく。世間が騒ぐ“炎上”も、ゴシップ記事も、いつかは消えていく。だが人が受けた傷は簡単には消えない。賢介の心にも、彼が傷つけた人の心にも。その事実を重く抱えながら、いつか本当の意味で自分の人生を取り戻すために、今日も彼はコンビニの制服を身につけ、レジに立つ。
――弱者男性が強者女性に復讐する物語は、こうして終わる。だが、この結末は勝利でもなく、敗北でもない。両者ともに傷つき、互いに心に刻まれた痛みを抱えたまま、人生を続けるのだ。復讐の炎は、燃え上がればすべてを焼き尽くす。そこに残るのは、虚無と後悔だけ。それでも、人はどこかで間違いに気づき、わずかながら歩み出すことができる。弱いままでいい。大切なのは、その弱さを他者の破壊に振り向けるのではなく、先へ進む力に変えていくことなのだから。
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千切れかかった薄曇りの空の下、木造の古いアパートの部屋で、川端賢介(かわばた・けんすけ)は頭を抱えていた。狭い部屋の隅には紙くずが散らばり、机の上にはペットボトルとカップ麺の空容器が乱雑に転がっている。アルバイトのシフトを週に四回こなすだけでも精一杯で、残りの日は家に引きこもって何もしない。部屋のカーテンは閉め切られ、部屋の中はやや薄暗い。壁の向こうからは近所の子供が走り回る音や、誰かがテレビを大音量でつけている様子が聞こえてくる。その些細な音ですら、賢介には自分の存在を嘲笑する響きに思えてくる。
かつては夢があった。大学に入った当初は、弁護士になりたいと思ったのだ。しかし理想と現実のギャップにすぐ打ちのめされ、受験勉強も中途半端なまま途中退学。就職活動もうまく行かず、今のアルバイト暮らしをしている。自分が「社会の落ちこぼれ」になってしまったことは認めざるを得ない。一方で、大学時代に同じサークルで出会った女性がいる。彼女の名は比嘉優里子(ひが・ゆりこ)。彼女はサークルの中でもリーダー的存在で、いつも自信に満ち溢れ、まるで何でも手に入れることができるかのようなオーラを放っていた。
優里子は、その明るい性格と優れたコミュニケーション能力を武器に、大企業の総合職に入社し、今や順調にキャリアを積んでいるらしい。SNSを覗くと、華やかなパーティーに参加したり、出張で海外を飛び回ったりしている写真がいくつも投稿されている。彼女の姿を見るたびに、賢介は胸の奥に黒い感情が渦巻くのを感じていた。「なんで俺ばかり……」という思いが、日に日に大きくなっていく。かつてサークルでほんの少し仲良くなった時期があったため、彼女の成功が余計に妬ましく思えた。
そんな折、ひょんなことから賢介は、SNSに投稿された優里子の写真を見て、あることを思い出した。大学2年の頃、サークルの新人歓迎会で二次会のカラオケにみんなが行くときに、なぜか自分だけが「ごめんね、席もう埋まっちゃったみたい」と断られたことがあった。当時は「仕方ないか」と思っていたが、あのとき中心になっていたのが優里子だった。後日、別のメンバーから「あのとき、優里子が“あの人いると空気が重くなるから外していい?”って言ってたよ」と、笑い話のように聞かされた。そのときは、ただ恥ずかしさと悔しさで頭が真っ白になり、「そうなんだ」と笑って流すしかなかった。その記憶が、今になって鮮明に蘇る。
――人の心を踏みにじり、自分の快楽や満足のためだけに周囲を利用している。
――だけど表面上は、誰にでも優しく礼儀正しく接する。だから多くの人が騙される。
自分もその一人だったのかもしれない。無邪気に笑う彼女の姿が、いつの間にか脳裏で黒く塗り替えられていく。嫌悪感と羨望、そして劣等感が入り混じったやるせない感情。それが「復讐」という形で凝縮されていくまで、そう時間はかからなかった。
その日もいつものようにアルバイトのシフトを終え、コンビニで半額弁当と缶チューハイを買って帰宅した賢介は、スマートフォンの画面に映る優里子のSNSを眺めながらひとり考え込んでいた。
「どうやって復讐すればいい……?」
彼女に危害を加えるなど現実的には難しいし、そもそも暴力を振るう勇気すらない。だが、何らかの方法で“彼女から大切なものを奪う”ことができないか。彼女に対して「仕返し」をする手段はないだろうか。
そのとき、ある記事が目に入った。ある企業のSNS炎上に関するニュースだった。社員のプライベートな発言が切り取られ、誹謗中傷が集中して、当事者が退職に追い込まれたという事件。SNSを使えば、世論を簡単に操作できる。もし優里子のスキャンダルを世に広めることができれば……と、賢介は思いついた。
しかし、彼女のスキャンダルなど何も知らない。そもそも本当に「悪いこと」をしている保証もない。しかし、賢介にはひとつだけ心当たりがあった。大学3年の頃、仲の良かった友人から、あの優里子がゼミの教授と不倫関係にあるらしいという噂を聞いたのだ。証拠もない、ただの噂話だった。だがもしそれを“事実”としてでっちあげることができたら……。
その日は深夜まで、賢介はインターネット上での炎上事例やフェイクニュース、SNSの拡散の手法などを徹底的に調べ上げた。何度も缶チューハイを口に運びながら、脳内で“彼女を社会的に抹殺する”シナリオを組み立てていく。いつしか空が白み始め、鳥のさえずりが聞こえるころになってようやく、賢介は“準備”を整える決心をした。
翌週、賢介はまず複数のSNSアカウントを作成した。男でも女でもない、あるいはビジネスマンを装ったり、女性OLを装ったり、学生を装ったりと、プロフィールを細かく設定した。次に、大学時代のサークルやゼミの仲間をフォローし、タイムラインに溶け込めるように少しずつ発言を増やしていった。彼らがシェアしている記事に対してコメントを残したり、ニュースや流行りのトピックに無難な意見を書き込んだり。
一方で、別のSNSでは大学の裏アカウントを探し回った。そこには学生時代のうわさ話や、卒業後の同窓会の噂などが色々と書き込まれていた。優里子のフルネームで検索すれば、過去に撮られた写真や些細な情報が断片的に出てくる。その断片を拾い集め、賢介は少しずつ“フェイクの積み木”を組み上げていった。
そしてタイミングを見計らって、複数のアカウントから「あの優里子って、大学時代に教授と不倫して単位もらってたって噂あったの知ってる?」と囁くように書き込み始めた。直接的な断定は避け、「らしいよ」「誰かが言ってた」「本当かは知らないけど」という曖昧な言い回しで、火種をポツリポツリと落としていく。最初は誰も相手にしなかったが、何度か同じような書き込みが異なるアカウントから行われるうちに、少しずつ噂が広がり始めた。
さらに、賢介は裏アカウントを使って、まるで「元ゼミ生」を名乗る人物が優里子と教授の決定的な写真を持っているかのようにほのめかした。もちろん実際にはそんな写真など存在しない。しかし曖昧な文章で「以前、優里子さんが教授とふたりで深夜に研究室を出てきたところを見た」という“目撃情報”を投稿したり、他のアカウントから「そういえば卒業旅行をキャンセルしてたのは、教授と旅行に行ったとか?」とコメントをつけたりして、複数の証言があるように見せかけるのだ。
噂というのは恐ろしいもので、火種を絶やさない限り、どこかで燃え広がる。次第に、フォローの数が少ない裏アカウントでも、その書き込みを目にした人がリツイートやスクリーンショットで拡散していく。やがては大学のOB・OGグループにも届き、少しずつ「あの優秀な比嘉優里子が、実は……?」という疑惑が生まれていった。
数週間後、賢介は満足感に浸りながら、アパートの部屋でSNSのタイムラインを追っていた。匿名掲示板でも「比嘉優里子は不倫で単位を取った最低女」というスレッドが立ち、心ない言葉が書き連ねられている。その勢いはとどまるところを知らず、“噂が噂を呼ぶ”状態が加速していた。
「ざまあみろ……」
内心でほくそ笑んだ。かつてパーティーでもSNS上でも脚光を浴びていた彼女が、今や不名誉な噂の的になっている。それは賢介にとって、大学時代に味わった屈辱を晴らすささやかな“仕返し”だった。優里子の正義感あふれる投稿に、「説得力ゼロ」「偽善者」「自分のことは棚に上げて」などとコメントがつく様を見て、賢介は自分が強くなったような錯覚を覚える。
しかし、いくら噂が拡散しても、実害がなければ彼女は痛くも痒くもないだろう。気の強い彼女なら、「そんなデマに動じないわ」と宣言し、むしろ毅然と反論するかもしれない。実際、優里子のSNSアカウントはしばらく更新が止まっていたが、新しい投稿が上がったときには、たくさんの応援コメントも寄せられていた。結局、噂に踊らされず彼女を信じるファンも多かったのだ。
「このままじゃ、まだ足りない……」
賢介は次なる一手を考え始める。実害――たとえば、会社での信用や顧客との関係に亀裂が入るように仕向ければ、彼女のキャリアは深刻な痛手を負うだろう。そこまでやるのかと自問しながらも、頭の中には「どうせやるなら徹底的に」という声が沸き上がっていた。
それからというもの、賢介は優里子の会社名を調べ上げ、その会社の名前とともに「以前、不倫スキャンダルが噂されていた社員がいる」という書き込みを、ビジネス系SNSや就職活動系の掲示板に投下した。もちろん優里子の名前は直接出さない。あくまで「ヒント」をばらまき、興味を持った人たちが「調べてみよう」と思うように誘導する。
さらに巧妙なのは、賢介がわざと別の人物を示唆するようなフェイク情報も織り交ぜたことだった。「〇〇商事の女性社員でM・Hという人だ」など、デタラメな名前をいくつか挙げる。その後になって「あれは誤情報らしい。本当は比嘉優里子という社員」という流れを作ることで、最初にあった偽情報が訂正される形になり、逆に“本当の情報”だという信頼感を高めるのだ。
噂はSNSからまとめサイトへ、まとめサイトから大手ニュース風の匿名ブログへと伝播していく。その過程で誇張や憶測が混ざり、いつの間にか「社内不倫で昇進している」「上層部を篭絡した悪女」などと書き立てられていた。もはや当初の大学教授との噂すら混線し、「彼女は昔から男を利用してのし上がってきた」という筋書きまで付け足されている。
賢介はその様子を見届けながら、もはや半ば狂喜に近い感情を抱いていた。自分の言葉が誰かを巻き込み、誰かがそれを信じ、さらに多くの人に伝えている。“弱者”だった自分が、こうして“強者”に打撃を与えられるという実感。それが彼の孤独な心を満たす唯一の悦びになっていた。
やがて、SNS上では優里子を名指しする投稿が急激に増え始める。誹謗中傷のコメントが飛び交い、会社にも問い合わせが相次ぐようになったらしい。それを示すように、優里子の個人アカウントには「会社に電話したけど?」「逃げんなよ」「暴露してやるからな」といった執拗なメッセージが送りつけられていた。賢介は「ここまで来たか」と、どこか他人事のように画面を見つめる。
するとある日、優里子のSNSアカウントが非公開になった。続いて、彼女の友人たちが「優里子が精神的に追い詰められてるらしい」「病院に行った方がいいかもしれない」と心配する投稿をしているのを発見した。ここで初めて、賢介は自分がやっていることの重大さを痛感した。もはや噂を広めるとかいうレベルではなく、ひとりの人生を破壊する行為に手を染めているのだ、と。
しかし同時に、賢介の心の奥には「彼女が苦しんでいる」という事実への暗い快感が芽生えていた。「俺があの強気な彼女を追い詰めているんだ」という優越感が、胸の中をぐつぐつと煮え立たせる。
――俺にだって、これくらいの力があるんだ。
――ずっと惨めだったけど、今は違う。俺の言葉ひとつで、あいつは奈落に落ちていくんだ。
ある晩、賢介がいつものようにネットの反応をチェックしていると、見覚えのある名前を見つけた。大学時代に同じサークルだった友人・小峰だ。小峰はSNS上で「これはさすがに酷い。優里子に直接連絡を取って確認したけど、全部事実無根らしい。彼女は名誉毀損で訴えることを検討している」とコメントしていた。
名誉毀損――訴えられたらどうなるのだろうか。賢介の背筋に冷たいものが走る。自分がやってきたことは当然、罪に問われる可能性がある。しかし同時に、「誰がやったか特定できるはずがない」という妙な自信もあった。複数のアカウントを使い分け、匿名で投稿してきたのだ。しかも、あくまで「らしいよ」とか「噂だよ」と書いたにすぎない。そこまで簡単には追跡できないだろう、と。
しかし、万が一ということもある。さらに、優里子が法的手段に出るとなれば、彼女の上司や会社も本気で調査に乗り出すかもしれない。「疑わしきアカウント」に対して情報開示請求がなされれば、IPアドレスから身元が割り出されることもありうる。
賢介は不安に駆られながらも、嘘だろう、そんなの上手くやり過ごせる――と自分に言い聞かせた。だが、なぜかスマートフォンを握る手が震えた。こんな気持ちは初めてだった。いつもならアルコールを摂取すれば薄れる不安が、今回ばかりは煽られて大きくなるばかりだ。
数日後、小峰から「久しぶりに話したいことがある」というメッセージが来た。学生時代はそこそこ仲が良かったが、卒業後はほとんど交流がなかった相手だ。どうやら、賢介が今どこで何をしているかは、小峰のほうも把握していないらしい。
「このタイミングで俺に連絡してくるってことは、もしかして……」
不安と警戒を抱えつつも、賢介は小峰の誘いに応じ、駅前の喫茶店で会うことにした。平日の昼間だったため、人影はまばらだった。カフェの奥の席につき、ぎこちない様子で向かい合う二人。
小峰は当初、大学時代の思い出話をするふりをしながら、少しずつ近況に話を移していった。どうやら彼は一般企業で働きながら、サークルのOB会などを取りまとめる役をしているらしい。しばらく雑談が続いた後、小峰は急に真顔になって切り出した。
「優里子の件、知ってるか?」
「……ああ、SNSで色々言われてるみたいだな」
「正直、今までもちょっとした誹謗中傷なんかはあったけど、今回のはあまりにも悪質なんだ。で、優里子が精神的に参ってる。裁判も視野に入れて動き始めてるんだよ」
そう言いながら、小峰はじっと賢介の目を見つめる。まるで「お前がやってることだろう?」と問い詰めるように。だが小峰はそれ以上は何も言わず、ただ「何か心当たりはないか?」と探るように続けた。
賢介は動揺を抑えつつ、わざと素っ気なく答えた。
「いや、俺は知らないな。そもそも優里子に昔からいい感情ないし、SNSもほとんど見てないし……。そんな嫌がらせみたいなこと、わざわざやる動機もないよ」
自分で言っていて、嘘臭さを感じた。しかし、小峰はそれ以上深追いしなかった。ただ、「そうか、もし知ってることがあったら教えてほしい。俺は、誤解や嘘で人が傷つくのは嫌だからさ」と言って、曖昧に微笑んだだけだった。
小峰と別れたあと、賢介は駅前のコンコースをぶらぶらと歩きながら、頭の中で考えを巡らせる。小峰がわざわざ自分に接触してきたのは、やはり“犯人”を探っているからではないか。しかし決定的な証拠がなければ、自分を追及することはできないだろう。そう思う一方で、不安は拭えない。
「このまま、俺は逃げられるんだろうか……」
後ろめたさと、復讐を達成するために奔走してきた興奮が入り混じり、心が不安定になっていく。
結局、賢介はその夜からパソコンを開いても、優里子関連の情報収集や書き込みをする気が起きなかった。代わりにアルバイトを休んで酒量が増え、明け方まで起きては昼間に寝るという、ますます不健康な生活に陥っていく。何もかもが嫌になった。自分でも止められないままここまで来てしまったが、“復讐”という言葉は、もはや虚ろに響くだけだった。
するとある日、いつもどおりアパートの狭い部屋にこもって缶ビールをあおっていると、スマートフォンが鳴った。画面には「小峰」の文字。嫌な予感がしたが、出ないわけにもいかない。
「もしもし……」
「俺だ。突然で悪いんだけど、優里子が入院した。心が限界だったらしい。……正直、原因を作った奴が許せない」
小峰の声は怒りで震えていた。賢介は何も言えずに黙り込む。
「でな、俺はこのままじゃ黙ってられないと思うんだ。警察に相談して、サイバー犯罪対策なんかも含めて捜査を依頼しようって話が出てる。会社も動いてるらしいから、情報開示請求なんかも時間の問題だろう」
脳がぐらぐら揺れるような感覚とともに、賢介は息が詰まりそうになった。ついに、もう逃げられなくなる。そう思った瞬間、彼は全身の力が抜けて床にへたり込んだ。
「……そうか」
それだけ呟くと、小峰は最後に低い声で「もし、何か知ってるなら、今のうちにやめておけ」とだけ言って電話を切った。
やめておけ――もう、やり続けること自体が無理だ。もはや罪悪感が勝っていて、賢介はこれ以上フェイクを撒くこともできなかった。だが、今さら何をどうすればいい? 彼女に直接謝って許しを乞う? そんなことをしても彼女はますます憎むだけだろう。
翌朝、賢介は警察からではなく、思いがけない相手から連絡を受けた。なんと、優里子本人からのメッセージだった。非公開になっていたSNSのアカウントから、突然「直接会って話したい」という短文が送られてきたのである。
「……どういうことだ……?」
半信半疑のまま、賢介は指定された場所――大学近くの駅前のカフェへ向かった。指定された時刻は夜の8時過ぎ。混雑する時間帯を外したのか、店内には数組の客しかいない。
席に着いてしばらくすると、店の入口から見覚えのある女性が姿を現した。比嘉優里子――かつてのサークル仲間で、今や“噂”の被害者。その顔には明らかに疲労の色がにじみ、かつての凛とした雰囲気は薄れていた。
「……久しぶり」
少しかすれた声で言う。賢介はどう反応すればいいか分からず、黙って会釈した。二人がテーブルを挟んで向かい合う。彼女は沈黙を破るようにゆっくりと口を開いた。
「私も気づいてた。あの噂、あなたがやってるんじゃないかって」
「……どうして」
「大学のとき、あまり話したことはなかったけど、あなたが私に抱いてた感情は分かってた。私のことをよく思ってなかったのは感じてた。今になって急にこんな悪質な噂が広がって、あのサークル関係の裏アカや書き込みを見ると、文章の癖とか表現が、なんとなくあなたに似てる気がして……。確信まではいかないけど、ね」
賢介は言葉を失った。彼女がここまで鋭く察していたとは思わなかった。冷静に考えれば、自分しか知らないような細かいエピソードが混ざっていたのだから、勘づかれても不思議ではない。
「……申し訳ない」
それ以外、言葉が出てこない。どんな理屈も通用しない。ただ自分が虚勢を張り、彼女を傷つけようと目論んだ事実は消えないのだから。
「一つ聞かせて欲しいの。どうしてここま
以下修正案
気が変わりまして○山に行きましたのよ。
ですけどせっかくのお食べ物でご遊戯されまたした故次に足踏みいれることは無いでしょう。全て増やしてくださいのお願いでこれはいかがなものかと。「多いけれど大丈夫?(お笑いになっている店の方)」のお得意の淑女は食べきれぬことごめんあそばせのお顔本当に不愉快でしたのよ。他の紳士淑女様のお願いは叶えてワタクシのだけおててで丁寧に押し込まれておりましたこれだから下賎な民は困りますわね
たべたくないりんごをたべるみたいに○の
されていてかわいそうだったのでもうつぎいくのいや。すごくいや、あっかんべーだ
すべてふやしてくださいでこれはいけないことでしょ
「おおいけどだいじょうぶかな(スマイル)」
のおとくいの女の子はたべてくれないよねってかおされてすごくきぶんがろーでした。
ほかのひとのふやしてくださいはふつうで
わたしのだけおててでぎゅーっとされてた
きもちわるい
今日も生きていてすいません
妥協して私なんかが○山さんに来てしまって本当にすいませんたべもので遊んでしまうような注文してすいません二度と行きません
全マシコールしてすいません、店の方の手間増やしてしまってすいませんきしょいの作らせてしまってすいません。きしょい顔で生まれてきてお母さん、お父さんすいません
お前は食いきれないどころか明日生きてるかも分からないだろって顔すいません
ほんとすいません
ほかのひとのマシコール聞いてしまってすいません、私のだけしっかり押し込んでくれて
すいません。こんなきしょい人生ですいません
Hey!𝑵𝒊𝒄𝒆 𝒈𝒖𝒚
compromiseしてサークルマウンテンしたんだけど僕じゃなくて食べものの方が遊ばれてしまったんで残念ながらもうこの店の酸素は
吸えなくなりそうだよあはは
call!ロッキーみたいにしちゃってくれよで
これは流石にJesus crisis!
初恋のGirlが画面の向こうで口紅も塗らず抱かれていた様な気分だ!!
Face IT マジ fuck!他のメンツのcallはalright!で僕のだけhandでギチギチに
pressされていたよ!oh!Keep the jokes to basketball!!
で、その後の運勢はどうだったって?
そりゃもちろん「大凶」ってやつさ
○山というラーメン屋にて全マシという
コールをしたら食べ物で遊んでるかの様な盛り方をされ、店員の態度も含めもう二度と
行きたくないと思った
豚山 二度といかない
全マシで異常に盛られた
気分を害した
また行きたい。何度でも行きたい
嘘だけど最高
全少なめコールでこれは素晴らしいことだよ
「少ないけどいいね(しくしく)」の苦手の男は飲みきれないだろのツラされなくてマジでき気分が良かった。他の人の少なめコールは異常なほどであなたのだけ足で全く押し込んでいなかったの最高すぎて死にそう
██の██山したんだけど食べ物で██されたから二度と████ねー、██悪、マジで
██
全マシコールでこれはさすがに███よ
「多いけど大丈夫?(███」のお得意の█は
███だろの██されてマジで██だった
███に押し込んでたの███すぎ
妥協の○山したんだけど食べ物で遊ばれたから2度と行かねー、最悪、マジで不快
全マシコールでこれはさすがにきしょいよ
「多いけど大丈夫?(ニャニャ」のお得意の女は食べきれないだろのツラされてマジでキモかった、他の人のマシコールは普通で私のだけ手でギチギチに押し込んでたのきしょすぎ
「三大~」「教えて系」「ネタがすぎるやつ」「挙げてけ系」「政治」みたいなのは除外
抜けてるNoは削除されてた投稿
途切れたので続き
2024/05/19(日) 23:38:10 ID:uXzZY6GEi
>>284 あー、深みにハマっていく感じ分かります。どんどんエスカレートしていくのが自分でも分かってるが止められない的な笑
タゲは独身前から目をつけ、好意を持っていて散々、唾液やら精子やら飲ませていて、結婚後は精子だけでは留まらず小便や便所の水、うん◯水まで飲ませ身体を壊し、更にス◯ーキング行為からの、嫌がらせで新婚生活をぶち壊し精神的に追い詰めて病んでしまいましたw
個人情報も生活圏も分かっているので、集団レ◯プでも依頼して知らない男たちに襲わせて中出しされまくって妊娠したりしたら面白いのにとか思ってます。俺はその動画を見て楽しむ。
好意が別のモノに変わる瞬間ですねw
ね、引くレベルでしょ笑
292名無しさん
2024/05/20(月) 19:03:04 ID:oAudODCki
学校帰りだろうとバイトに来る時には必ず午後の紅茶を半分程飲んで持ってくるJKの夢ちゃん。
ロッカーは鍵もかかってないので毎回その紅茶にペットボトルのキャップ一杯分の尿を入れて飲ませてました。
平均して週3回のJK1からJD1までの4年間やり続けました。
一回一回の量は少ないけど改めてざっくり計算すると、キャップ一杯=5ml
5ml×週3回=15ml(1週間)
15ml×4週間=60ml(1ヶ月)
720ml×4年間=2160ml
塵も積もればなんとやらおおよそ2リットル以上飲ませてる計算に。
JKとゆう成長期も相まって俺の尿をしっかり吸収して今の夢ちゃんの身体を作ってると思うと興奮がヤバいです
294名無しさん
2024/05/20(月) 21:08:08 ID:uymkyPT6i
大学時代、サークルが同じで密かに想いを寄せてた同級生の優佳子とは仲の良い友達関係が続いてた。ただ、彼女からは自分をあまり男としてみてもらえておらず、あくまで友達関係だった。
告白する勇気も手も出す勇気もない俺は、優佳子の飲みかけのペットボトルに唾液を入れたり、爪の垢をいれたりして、小さな征服感に満足し、そしてそんな自分の性欲が歪んでいくのを止められなかった。
やがて小便を入れてしまったときは、来るとこまできた思いだった。自分の小便ジュースを優佳子が目の前で飲んだときは興奮よりも申し訳ない気持ちしかなかったけど、でもそれもすぐに慣れて興奮に変わった。
お昼もよく一緒する中だったのもあり、あるときから常習的に、彼女が食べる学食の中に乾燥させた0.5センチ角くらいの自分のウンコを入れて食べさせるようになった。まさにカレー味のうんこだ。
可愛らしい若い女の子が、本人も知らずのうちに、かなりの量の人糞を食べさせられ、それを栄養にしていたのだ。
あの頃の彼女は、自分が出すウンコの中に俺のウンコも混ざっていたことを知らない。
この思い出は、数年経った今でもいまだに自分の股間を熱くします。
299名無しさん
2024/05/21(火) 07:27:01 ID:qeDZwAaUi
にしても
尾行してる時とかの、家に辿り着くまでの動画も撮ったりして、自宅が分かった瞬間の興奮はたまらない!
仕事場でも散々、飲み物に唾液やら精子やら入れられて自宅まで特定され、もう年中無休のオモチャですよ笑
2024/05/24(金) 02:26:11 ID:4ASpJhI60
年齢は30代後半かな、色白で太ってないけどムチムチした尻がたまらなくそそる女だった。大学生の俺からしたら何だか年上の女性いいなと初めて思った人。会話をすることは一切なかったけど、エロいなーといつも。
休憩室の冷蔵庫が1つ全員共有、ペットボトル飲料は銘柄被るので蓋上部にマジックで記名。
水分補給で自分の飲み物を手に取り飲み、タゲのペットボトル見た時に理性が飛んだ。。
開封済みだったので、綺麗な人と間接キスしたと思うとたまらなく、初めて飲み物を飲んで脳天に突き刺さった思い出があります。
322名無しさん
2024/05/28(火) 09:15:32 ID:45YByvgci
本人の知らないところで、、
俺の汚ったねえ精液や唾液、小便などを飲ませる。
更にはお腹を壊しちゃいそうなものまでバレないように混入して飲ませる。
困った本人は俺に相談。
あーー
たまんなく興奮して楽しいww
こういうの好きな方多いのでは、、w
2024/05/28(火) 10:36:00 ID:zYQDAGTMi
スポイトに精子や尿を入れて女にぶっかけるのが中毒性ありすぎて定期的にやってしまう。
気になる女がいたら歩いている時でも通り過ぎる時にサッとぶっかけられるから怪しまれにくいのも良いです。
自分の場合は手の中に収まるぐらいの大きさのスポイトを使っていて、精子と尿のブレンドを3本程用意。(精子だけだとスポイトに入りにくいのと量を増やすため)
基本は商品棚を見ている女の後ろを通り過ぎる
際にぶっかけたり、後ろにいても怪しまれない状況エスカレーターの下り等でかけています。
毎回スポイトが無くなるまで複数人にかけ続けて無くなった後も気になる女がいたらトイレに行き尿のみを急いで入れてぶっかけたり。
気になる女がいなくてスポイトが余った時は大体ドンキの女性の下着コーナーを通りすぎる際に無差別に下着にぶっかけて帰ります。
一度だけ好みの女過ぎて調子に乗って1人の女の背中とスカートに追加含めた6本分のスポイトをぶっかけた事がありますが、別の所にいた友達が合流した際になんか濡れてない?って気付かれて焦った事があります。
ですがかけすぎなければ基本バレません。
332名無しさん
2024/05/30(木) 00:14:16 ID:DKmTcrY2i
>>322 そのぶっ壊した女はとってもまじめな仕事の部下w
独身の頃からずっと精液など混入してオモチャにしてて、結婚しても俺の精液飲ませられてた無様な新婚。
色々やりすぎて壊しちゃった笑
494名無しさん
2024/07/12(金) 19:32:06 ID:uPQwu/Qs0
一番卑劣な行為は同僚が痴漢されているのに痴漢男のアシストをしたこと。
痴漢男が巨尻を堪能できるように同僚の逃げ道を塞いだ。
巨尻なのにパンティラインくっきりの服で電車乗ったら痴漢される。
548名無しさん
2024/08/03(土) 11:32:21 ID:Z0rQILIc0
末妹には度々こっそり混ぜ物入りの飲み物を飲ませて悪戯をした。
時期をずらして捨てアカのtwitterに3人の動画を上げたところ、
末妹だけぶっちぎりで人気が出てしまい、某所のランキングに乗ってしまったが数日後には通報されたのか消えた
553名無しさん
2024/08/03(土) 19:18:49 ID:yNq08unI0
家庭内...いいですよね!かくいう自分も同じく妹を撮っている身でして...帰省する度の楽しみになってますw
599名無しさん
2024/08/17(土) 17:41:24 ID:W3qHwzdA0
業務中の同僚の事務服のスカートの中にカメラ突っ込んで逆さ撮りしたものを、本人の名前と顔写真を添えてネットで晒し者にしています。
それらの画像を観た知らない人の卑猥なコメントを読んで、同僚が第三者にレイプされてるみたいで余計に興奮する(笑)
708名無しさん
2024/10/03(木) 21:16:51 ID:ocGBnPIs0
20歳の大学生をデリヘルで指名してラブホに入る時『菊〇です。チェックインします』って源氏名じゃない名前(恐らく本名)で店に連絡入れていた。その後、それとなく学部やサークルなどを聞いたら普通に特定出来てしまった。(もう一度指名して確かめたかったが1ヶ月で退店)
その後大学に忍び込み、上の画像を印刷して、店舗名/源氏名/本名/サークルを裏に記入して、所属するサークル棟最寄りの男子トイレに貼ってきてしまった…
767名無しさん
2024/12/31(火) 17:31:11 ID:K3OPf4Sw0
ほとんどのママさんがフォーマルなスカートだから差し込みやすいし
お子さんの晴れの舞台だからパンティも比較的キレイめなチョイスだし
778名無しさん
2025/01/01(水) 06:02:48 ID:OGaVM5NM0
昔、コンビニでバイトしてた時、店長の娘がいて彼氏いるのに他の男と絡んだりボディタッチしまくる様な女で俺に対しても、そんな感じだった。
ある時、機嫌悪かったのか軽い冗談を言ったらブチギレられてムカついたから仕事終わりに更衣室で、そいつのユニフォームのニオイ嗅ぎまくって家帰ってで「ふざけやがってクソ女が」とか文句言いながらニオイを思い出してシコってやった。
イッた瞬間、何とも言えない気持ち良さで速攻でSNS漁って画像集めまくってオナペットにしてやった。
それからボディタッチされる度に息子が反応する様になっちゃってwww交代勤務の時は私服のニオイを嗅いでは我慢汁を出し帰った後はユニフォームのニオイ嗅いだり名札を舐めまくって我慢汁を出し家に帰って画像見ながらシコる毎日。
辞める前に思い残すコトが無いように夜勤の休憩中トイレに名札持っていって、ぶっかけてやったwww
一回、一線を越えると止まらなくなって出勤する度に名札にぶっかけwww
最後の勤務の日。冬場だったのでジャケットの下にユニフォームを隠してトイレに行き、これが最後のオナニーになるからユニフォームのニオイ嗅ぎながら袖にチンコ入れてシコシコwww胸ポケットにチンコ入れてシコシコwww最後は名札にぶっかけフィニッシュwww
後日、客を装ってユニフォーム姿を盗撮www俺のザーメンまみれの名札付けて仕事してたwww帰って動画見ながらオナニーwww
780名無しさん
2025/01/01(水) 07:29:39 ID:R8xpS4bUi
この前はムカつく上司が履いているサンダルをベロベロ舐め回してやった
何だか少ししょっぱい感じだったな
2023/12/05(火) 19:23:42 ID:hk3O4X920
職場のエロい身体した若妻のコップでオナニーしてたっぷりコップの中に出している。
精液まみれのコップで飲んでいるところを見るのがたまらない。
2023/12/07(木) 22:02:35 ID:w92QlBgUi
2023/12/08(金) 00:55:14 ID:2fafju6Ui
4の投稿者です!下剤混入良いですね!
ちなみに私は下剤では無いですが、文面にあるように、、
精子などでは飽き足らず飲んだ証に身体に異変を起こさせてそれを見て興奮したい、、の内容ですが、、
う○こをした便所の水、う○こ水を飲みものに入れてやりました!笑
その翌日、タゲは発熱、腹痛、嘔吐、下痢となり会社を休みました笑
その直接連絡を受けた時、何も知らずに俺のう○こ水を飲まされタゲ、自分の手でタゲをぶっ壊した興奮と快感で俺は勃起してました🤣
2023/12/08(金) 20:49:22 ID:Qor.oMCsi
さすがにそこまでしたこたないw
言うて私も女が苦痛に歪んでる姿を心配してるふりしながら見てたの楽しかったです
おならを必死に我慢しようと尻をすぼませたり机に突っ伏して腰をもじもじしてたりね
可愛い中で一番好みだった女
ロッカー漁って制服コキしたりメスの匂いが充満した更衣室で全裸になってブリッジオナニーしてぶちまけたあの夜は最高だった
一応変装用に🕶️とウィッグと女物の服まで準備してたけど、やけに警戒心強くて自宅までストーキングするのは未遂に終わりました
もったいないことしたなー
2023/12/08(金) 22:09:46 ID:2fafju6Ui
4の投稿の通り、俺は1人の部下に異常執着してるので、徹底してこの女1人のみにやってる笑
自分のう⚪︎こ水飲んで、苦しんでる姿も、その鬼畜の所業の張本人に体調不良の連絡や説明をするのも、すべて興奮のネタですね!笑
性欲とストレス発散のおもちゃにされた、部下ちゃん、ごめんね🤣
でも、う⚪︎水で体壊した連絡受けた時は、大興奮!勃起ものでしたね!笑
2023/12/12(火) 16:13:00 ID:ukKYHkG2i
>>4 >>8 >>11 の投稿したものです。
一方的に好意を持って執着してる25歳部下にしたひそかに卑劣な行為。
②飲物に唾液、小便、精子、う⚪︎こ水混入済
*レ⚪︎プや痴⚪︎など、妄想的にはやりたいが本人にバレない、知らない、ひそかに、が前提になります笑
2023/12/12(火) 19:30:58 ID:FVukOrT.0
究極のひそかな卑猥行為って対象の女が結婚してその旦那が自分と同じ血液型だったらどうにかして対象の女のま〇こに出したての精子入れて自分との子を産ませて育てさせる事だと思う。
結構難易度高いけど薬とかで使われてるカプセルに精子入れてそのカプセルをタンポンの中に入れておけばワンチャン、、、なんて妄想。
32名無しさん
2024/04/27(土) 02:29:07 ID:oI0ZCKysi
駅とかで見かけた、可愛い子に目をつけ、ストーキングし自宅や一人暮らしのアパート特定するの楽しい(^^)
34名無しさん
2024/04/27(土) 08:59:45 ID:EI/SXeYwi
まじめでおとなしそうな私立女子校のかわいい子を狙って色々やってた
。声かけ、痴◯、尾◯、自宅特◯、ぶっ◯けなど、自分が性の対象のターゲットされてると気がついた時のあの表情とかたまらなく興奮するね。
本当、まじめそうな子が多い学校を調べて獲物探して楽しんでたなぁ〜笑
湘◯白百合、鎌◯女子大付属、鎌◯女学院、聖◯女学院、北◯倉女子、清◯女子、カ◯タス女子、田園◯布女子、東◯女子学院などなど
37名無しさん
2024/04/28(日) 01:10:29 デリヘルドライバーしてた頃の話
勤めてた女の子の財布から、学生証をつい盗み見してしまったことがあった。
某教育大学の学生で、化粧っ気も薄い清楚な感じで、絶対風俗に居るなんて思えないような子。
よくオナぺ掲示板とかだと同じ大学に通ってる学生同士でマッチングして学部女子について語り合うみたいなスレがあったんだけど『〇〇教育大学、〇〇実里知ってる人連絡ください』みたいな感じで書き込み。
凸された帰り道、最初は我慢してようだが後部座席で途中からガチ泣きされた。
凸男からは滅茶苦茶感謝された。話を広めない、今後凸しないという約束で本番中出しまでしたらしい。
48名無しさん
2024/04/28(日) 19:27:06 ID:zZP4oKlE0
よく生徒のお尻を触っていますw
49名無しさん
2024/04/28(日) 19:35:30 ID:aAWbKsxs0
最高
50名無しさん
2024/04/28(日) 19:37:58 ID:zZP4oKlE0
三点倒立してる時のプリっと突き出たケツを隠し撮りしたり、、、
帰って家でシコシコしてまするw
59名無しさん
2024/04/28(日) 21:28:23 >>55
デリヘル身バレ凸されたのが春休みで、新学期明けたら呼び出しレイプする気満々でしたからね^^;
それを思うと休学は正解だったかと。
撮影はすごい勢いで拒否されてどうしても不可能だったと言ってました!
それだけは非常に残念…。時間いっぱいまでで2回中出しをして、2回目は四つん這いバックで尻を叩きながら犯したと言っていました。
復学・卒業は、その男子から返信が来なくなり確認出来ていません。
ちなみにその子が勤務していたのは合計でも3~4ヶ月足らずです。
元々塾講師と家庭教師を掛け持ちでやっていたそうなんですが、コロナの緊急事態宣言で同時に仕事が無くなって初めて風俗を考えたと言っていました。
教師の卵が、理不尽な理由でチンポをしゃぶって稼ぐことを覚えたという状況だけでもヤバいですよね。
しかも、それが身近な男子複数に知られたと考えたら頭おかしくなりそうなくらい興奮します…。
63名無しさん
2024/04/29(月) 13:50:26 ID:2N7DFdKM0
デリ嬢の免許証、学生証を盗み見するのは何度かやりました(笑)
今思えばなんとかしてハメ撮り撮って欲しかったんですが、凸男子が実家住みだったのでホテルしか使えなかったんですよね~。
FC2動画とかで販売して、本格的に人生終わらせてほしかったです^^;
知人凸の報告&やり取りまでしたのは、その一回だけです。
コロナ下で密回避とか言ってたのに、面接を受けに来る子はぐっと増えましたね!
住所氏名を見れた子は家まで行ったり、休日に探偵まがいなこともしました・・・
短期だと現役大学生が多くて、介護士、美容師、看護師、携帯ショップ店員あたりが風俗業界に流れてきているようです。
66名無しさん
2024/04/29(月) 18:15:44 ID:2N7DFdKM0
SNS、というかその子が所属していたサークルのHPから拝借した画像と、店のHPの写真を並べて、
『〇〇教育大学・〇〇実里 / エロエロ星人〇〇(1日4人のチンポくわえてます♡)』
180名無しさん
2024/05/05(日) 15:27:52 ID:DyMNQg/I0
過去に同僚のエロ画像を晒して女優デビューさせたらネット上で拡散されていた。
2024/05/09(木) 19:02:54 ID:s5LQrcB6i
会社の更衣室やシャワー室の映像を詰め込んだお宝USBを冴えないおっさん職員のロッカーに「自宅で1人で見ること」と書いたメモと一緒に放り込もうか迷ってる
2024/05/09(木) 22:21:14 ID:RccfJJI20
娘の麦茶の水筒に1ドピュ分のザーメン混ぜてよく撹拌し、後で飲む所を見て興奮する変態親父です。
ベタつく唇を少し気にしていましたが、喉が乾いていたのか全部ゴクゴク飲みました。
(妄想話です)
2024/05/09(木) 22:34:43 ID:26fTSvJo0
今はどうだかわからないけど夏休みのナガシ◯スパーランドはいつも満員で痴漢し放題だった
特に流れるプールはそこそこの早さで流れるから例え痴漢と気がついても誰が触ったかまったくわからなかったと思う
当時高校生だったがロリコンだったから標的小2〜小5ぐらいで最初は軽くケツ撫でる程度だったけど全然感づかれないから段々と大胆になってきて最終的にはマンマン撫でたりケツの穴に指つっこむ勢いで触ってた
マンマンとかそれまで触った事なかったから柔らかさに感動してた
今でも思い出して勃起する
219名無しさん
2024/05/10(金) 00:46:59 ID:TZnAf6vI0
その後家が近かったからかなりのペースで痴漢しに通ってたけど成功体験積みすぎて頭完全におかしくなってた
夏が終わると今度は混雑してるゲームセンターで痴漢し始めたけどこっちも撫でる程度ではバレなくて調子乗ってケツ揉みまくってたら「お母さん!」って叫ばれたから死にものぐるいで全力で逃走する羽目になった
痴漢で逮捕されたら当然退学かつ地元にいられないのに完全に性欲に支配されてた
そういうわけで痴漢からは撤退したけど今度は痴漢よりはリスク低い下着泥棒始めた
2024/05/14(火) 23:47:41 ID:xB315u1Ii
一方的に好意を寄せていた、仕事場の若い部下の飲み物によく、精子、唾液、小便などバレないように入れ飲ませていた。
その子が独身時代から結婚して新婚となってもやり続け飲ませている。
おそらく旦那のより、俺の精子の方が飲んでるはずだ。しかも小便なんて、旦那のでも飲んだことはないはず。
そんな部下より22歳くらい?の妹がバイトを探してるので雇ってくれないか?と相談を受け人手不足だったので採用した。
正直、妹の方が可愛いかったので、隙を見て、ほんとに数回だが妹の飲み物にも精子や唾液を入れた。
姉に続き妹にも精子を飲ませることが出来て最高に興奮。
特に2人の休憩が同じ時間で2人が俺の目の前で俺の精子や唾液、小便入りの飲み物を談笑しながら飲んでる姿を見た時は、気が狂いそうになるほど興奮した。まさに姉妹を犯した気分。
まさか姉妹で俺の性処理道具にされてたなんて夢にも思ってないだろうw
欲望を言えば、2人のマ◯コどっちが気持ちいいか犯りくらべをしてみたいところである。
もちろん、2人の子宮にたっぷり俺の精子を中出ししてやりたいですねw
2024/05/16(木) 21:44:59 ID:CZtEuA3wi
その後もその部下に異常なほど執着してしまい、色々飲ませまくり、ス◯ーキングして自宅特定したり、めちゃくちゃやって、心も体もぶっ壊しちゃいましたw
2024/05/16(木) 23:00:42 ID:gSNRyCaYi
最高に楽しい!w
254名無しさん
2024/05/17(金) 23:14:03 ID:jLgyfke.0
私も10歳年下の29歳の同僚の歯ブラシに、精液ぶっかけ、私のちんこシゴキ、私のケツ穴をしごくといったイタズラをしています。
この同僚は他にも逆さ撮りをしてネットに晒したりしてるのですが、私の仕事が忙しく、休日出勤したり休憩を取らないでいると「ちゃんと休んで下さい!!」と、私のことを気遣ってくれます。
同僚ちゃんは、気遣っている相手が、実は無類の変態で、まさかスカートの中を盗撮されてネットに晒されたりとか、精液や汚いケツ穴をしごいた歯ブラシを使わされているとは思っていないところが、背徳感を高め、シコリティポイントをバク上げしてくれてます。
乱文失礼しました!
255名無しさん
2024/05/18(土) 04:54:06 ID:Y2SHXZfgi
>>253 ひとつひとつ話すと長くなりますので簡単に書くとこんな感じですw
②飲物に唾液、小便、精子、う⚪︎こ水混入済
③②の異物を飲ませタゲの身体的変化(げり、嘔吐、発熱など)確認済
⑥特定した自宅へのイタズラ
こんな感じです。
271名無しさん
2024/05/19(日) 02:25:26 ID:IZeJyMHQ0
追跡すると単身者向けのアパートに帰宅し、乗っていた自転車を確認すると大学名が書かれたステッカーが貼られていたので近くの大学に通うJDだと判明。
さらに郵便物で名前を確認し、手始めに自転車にぶっかけました。
またある日は、外の廊下に面していた窓が開いていたので中を確認するとキッチンのようでした。
しばらく楽しんだのですが、学生ですから大学を卒業する時が来てしまい、今は引っ越しをされてしまいました。
ちなみに、ポストに入っていた内定ハガキのようなもので就職先は特定済み。
という妄想です。
2024/05/19(日) 22:11:31 ID:uXzZY6GEi
>>255です。自宅特定後の所業ありがとうございます!なかなか良いですね!
新婚で一軒家の新居に住みやがったので、汚してやりました。ボトルに溜めといた精子や小便をを玄関のドアやドアノブにぶっかけたり、ゴミの日に出されてたゴミを拝借し、タゲの使用済みのナプキンをゲットし、それをチンコに巻いてシコって出してやつをポストに入れたり。玄関ドアに貼っておいたり、玄関前にばら撒いたり。
⑦精神的追い詰め
新婚生活をぶっ壊してやりたかったので、玄関前に女物のピアスをワザと落としておいたり(タゲはピアスしないので)また今度よろしく!と書いた紙と一緒にコンドームをポストに入れたり、忘れ物と書いて、女物の下着をドアノブにかけておいたり。旦那にタゲの浮気を疑わせ、タゲに旦那の浮気を疑わせる。
俺は会社で心配するふりして相談にのり状況聞き出し、親身になりつつも、更に不安を煽るような事を言い、精神的に追い詰める。
細かく話すとまだまだありますが、ざっくりこんな感じですw
2024/05/19(日) 22:35:15 ID:uXzZY6GEi
>>282 バレるかどうかの不安はありましたよ。
素人レベルの考えですがもちろん指紋とかは残らないように細心の注意を払いましたし、相談された時に警察とかに言うと大ごとにされて、聞かれたくないことまで聞かれるから警察には言わない方が良いんじゃない?とか言ってどんどん環境を閉鎖的な方向に仕向け精神的にどんどん追い詰めてやりましたけどねw
ちなみに俺も調べられたら一発アウトなので笑
2024/05/19(日) 23:38:10 ID:uXzZY6GEi
>>284 あー、深みにハマっていく感じ分かります。どんどん Permalink | 記事への反応(1) | 20:48
それでも時折、怒りを覚える。
なんでこの作品が受賞するんだよとか、百万部売れた有名な芥川賞作品は特定の障害をモチーフにしているようだが、作者は当事者じゃないっぽいし、こいつは「文化の盗用」ってやつじゃないのかとか、演技の下手な俳優が障害者を演じるとミンストレルショーみたいで馬鹿にしているようにしか見えないから個人的には当事者に演じてほしいが、キャンセルするのは表現の規制につながるし他人の自由は奪いたくない、だがクリエイターの良識に任せるのも信頼できないとか、そういえば文学賞を取ったあの作品に障害ネタを使われちまったなとか、女性視点男性視点とかそういうのには飽きたとか、まあいろいろと矛盾した感情を抱え込んでいて我ながら面倒くさい(関係ないけれど、イーロン・マスクは優れた才能を持っているのに好きになれないのは、きちんとした診断を受けていないのに自閉症だと公言しているからだ。彼の欠点が自閉症の持ち主全員に共通しているって思われたらどーすんだ)。とはいえ、他人に非難がましいことを言うのはあまり美しくはない(性癖について語っておいて今更美しいも何もあったもんではないが!)。
創作意欲がほぼ消えて以来、落ち着いた暮らしをしているのだが、それでもなお、時折作家になりたいと空想している(「何かを書きたい」ではないことに注意! カズオ・イシグロは、おのずと書いてしまう人が結果的に作家になってしまうという趣旨のことを書いている。まったくその通りだ。自分も心が折れる前は何もせずとも一日原稿用紙五枚書いていた。今となっては何も行動せずに空想しているに過ぎない)。
そして、書くことが思いつかず、こんな感想を書き散らしている。僕は中島敦「山月記」のように半ば虎になっている(他人の小説を批判ばかりしているくせに、今でも有隣堂や紀伊国屋書店で自分の書いた小説が平積みになっていることを空想することがある!)。
これだけ時間と愛情をかけても評価されなかったことで、文学そのものを嫌いになってしまいそうなほどだった。それに、文学という梯子でたどり着いた境地の先に行くには、一度梯子を捨てて距離を置かなければいけないのではないか?
自分が正気を保つためには創作や乱読が必要だったが、依存先を変えるときが来ているのではあるまいか? 感情や本能を爆発させる場所が変わったのか?(おそらく毎日日記を原稿用紙五枚分書いているのも、正気を保つ手段の一つな気がする)
それとも、これらすべてはただの思い出話、酔っぱらったおっさんが過去の栄光をいつまでも忘れられずに管を巻いているだけか。昔は甲子園に行ったけれども今は野球とは離れた人生を送っている、しかし酒を飲むといつまでもその話をやめないみたいな。とある文学賞の最終選考に複数回残ったという実績はあっても、たとえば最後の十人に選ばれたということでしかなく、受賞のためにはそこからさらに十分の一で選ばれねばならないのだ。
小説に関する愛憎をここまで書いてしまっては、自分が将来創作するのに役立てるであろう豊かな土壌を売り飛ばしてしまうことになり、小説という野菜が作れなくなるのではないかって気がしないでもないのだが(この比喩については私生活をそのままネタにすることへの批判を扱った沙村広明「シスタージェネレーター」所収「制服は脱げない」参照)、自分が愛しているジャンルは小説くらいで、それ以外のものがないとデビューも難しかろう。小説家は、物語を書かずにはいられない人間が、おのずとなってしまうものだが、小説について書く小説家の想いに共感できる読者は、まれな存在だ。小説以外に熱く語れるものが作家には必要だ。スポーツ、恋愛、仕事、サイエンス、なんでもいい。
じゃあ自分の障害について書いたっていいわけだが、そうやって毎日己の姿を見つめ続けて幸福になるかは疑わしい。モテない苦しみをはじめ、疎外感をネタにして創作をしていたころ、果たして幸福だっただろうか? 自分の負の感情を言語化し、現実的に対処するのには役立ったが、小説にするよりも、素直に現実を直視し、言語化していくほうが手間もかからない。それに、自分の気持ちを綴っただけでは文学にならない。自分の感情の垂れ流しの更に先に行かねばなるまい。
これだけ書き綴ってもなお、自分が抱えている欠落は何だろう。久しぶりにこれだけの長文を書きなぐって、何かが成仏してしまったような気もするが、一時的な緩解に過ぎないってこともありうる。ああ、ダメな人間がダメなまま存在することが許される話が読みたい。愚かさを包み込んでほしい。
これだけ「もう小説なんて読めない」とぼやき、「他人の人生について読んで何になるのだ!」と叫びながら、またいつか発作的に文学を読みたくなるに違いない。よくよく考えれば半年前に新人作家のを含めて小説をちょっとは読んでいたので、読める周期と読めない周期があるってだけかもわからない。
ここまで書いてきて思うのは、くやしいことにまだ文学に対する愛が残っているってことだ。憎んでいる対象に対して、ここまで語れるだろうか? 二十代や三十代のように文学にハマることはできないかもしれないが、またいずれ読めるようになるかもしれない。こうして、何が好きで何が嫌いかが言語化されたのはまちがいなく小説のおかげだし、自分の感受性を形作っているのは間違いなく乱読の結果だ。時々忘れてしまうけれども、これだけ語れるものがあるってことは間違いなく財産だってことはわかっている(映画はさほど見ていないことが若干のコンプレックスではあるものの!)。そしてそれゆえに出会ったサークルの友人もいるのは、間違いなく恵まれている。正規の文学教育を受けず、正当な読解の仕方がわかっていないが、友人を得られただけでも幸福だ。それがわかってきて、だんだんひがみも十年以上かけて薄れていった。
それに、まだ読んでいない「ハツカネズミと人間」をはじめとした名作だってある。ディケンズさえろくに読んでいない。フォークナーもほとんど読んじゃいない。これ以上体力が落ちる前に熱量のある物語に齧りついてやるべきだろうか。いや、再読すればいい。「百年の孤独」をはじめとして、楽しかったけれど細部を忘れてしまった作品が多い。これ以上新しい物語を読まなくても、再読の楽しみがある。
あるいは友人からのオススメを読んだっていい。フォークナーを勧めてくれた友人が教えてくれた阿部昭「大いなる日、司令の休暇」はマジでよかった。おかげで手が出ていなかった野坂昭如「火垂るの墓」が読めた。
(一方、ろくに本を読まずに芥川賞を取ったとうそぶいている作家もいるっちゃいるのだが、名前を忘れてしまった。こういう人を思い出すとプリプリしてしまうので忘れよう。芥川賞は通過点に過ぎない。受賞してから、継続して書けるかどうかが問題である。その点では、数年後にまだ書いている芥川賞作家のを読んでいけばいい気もする)
SFだってやっぱり好きだ。QUEEN「’39」を聞くと感傷的になるもの。理系で研究者になれなかった僕が、日本人の理系の青少年が夢をかなえるSF小説を読むのが、時々ひどく辛くなることはあるけれどね。
そして、嫌な面ばかり見て愚痴をこぼしながら暮らしていると、目の前の幸福を見過ごしてしまうことだろう。嫌なことはすべて過去のこととしてしまえばいい。忘れたほうがいい。そう、重い感情はすべてここに置いて行ってしまおう。すべてのひがみにさよならだ。楽しければそれでいい。ここに、十代から引きずってきた感傷マゾを捨て去ることを決意する。三十代、四十代の鑑賞態度を身につけよう。
今望むのは、他の増田にも池澤夏樹世界文学全集の感想を書いてもらうってことだ。全部じゃなくていい。好きな作品を一つだけでいい。いや、なんでもいいので愛する作品の感想文を読みたい。文学に対して持っている愛を、そして含まれていれば憎しみも、読みたいのである。世間がどう叩こうとも、時代が移り変わろうとも、自分の愛する作品は常に最高である。過去の作家は生まれた時代の偏った思想と社会という制約の中で最高の作品を著し、現代の作家はそれを批判的にしかし愛を込めて継承し、それ以上の高みを目指して己の作品を書く。たとえ古典には弁護できない箇所があったとしても、己のすべてを賭けて高みを表現しようとした黄金の精神は必ずや受け継がれる。作者を非難するのは下策、愛を込めた批判を含んだ評論を書くのは中策、それを超える次世代の作品を書き上げるのが上策である。加点法で評価しろ、好きな物で自分を語れ。言いたいのはそれだけだ。
「ミンス至上主義」っていうのは、民主的な原則の優位性を間違って強調する政治思想のことやね。
ほんで、しばしば民衆の意志を理想化する傾向があるんやけど、これがほんまにエリート主義的な傾向を持ってて、本物の民主的な関与を損なう可能性があるんや。
エミリー・B・フィンリーみたいな学者は、民主至上主義が民衆の声を高めようとする一方で、反対意見や少数派の視点を排除することにつながることもあるって指摘してるんや。
最近の議論では、特に左翼のサークル内で、自称インテリたちが公共の意見に大きな影響を持つ傾向が目立つようになってきたんや。
こういう人たちは、自分たちのイデオロギーに合った特定のストーリーを選んで広めて、他の意見を無視することが多いんや。
この選択的な表現は、コンセンサスの幻想を生み出して、自分たちが選んだ意見を「民意」として提示することになるんや。
ミンス至上主義っていう概念は、民主的理想とエリート主義との間で絡み合いを見せてるんや。
左翼の自称インテリたちの影響力は、現代民主社会における緊張関係を浮き彫りにしていて、特定のグループが集団の意志を代表するふりして議論を支配する可能性があるんや。
このダイナミクスは、民主主義が目指す包摂性を毀損するだけでなく、公共の意見がどんなふうに形成されて表現されるか再評価せなあかんことも示唆してるんや。
ランキング1位の「あなたが癌になった時に最初に知ってほしい事」が挿入し忘れていたので追加(コメントありがとう!)
順位をひとつ分変えるのがめんどいので0位とさせてもらいますm(_ _)m
ヴァージニア・ウルフ「灯台へ」は家族旅行あるあるみたいな感じ。ちょっとした会話のささいなことで不機嫌になったり、いろいろと期待してしまったりする。そして、年を取ってから家族の思い出の場所を訪れたりすると、あのとき気づかなかったことがわかる。
基本的にヴァージニア・ウルフがすごい好きで、上みたいな家族の何気ない感情や小さな苛立ちがきれいに救い上げられていて、それらがシームレスに別の人の感情に繋がっていくのがカットの切り替わらない映画みたいでとにかくきれいで、「意識の流れ」とかそういう文学用語を抜きにして、ひたすら浸っていたい。大体、プルーストとかジョイスとかも同じ言葉でカテゴライズされるけれども、資質が全然違う。同じ理屈で「ダロウェイ夫人」も大好き。最高。神保町で買った「波」はちょっと難しかった。
ジーン・リース「サルガッソーの広い海」は「ジェイン・エア」の二次創作というか、正気を失ったモンスターとして出てくる、つまり人格を持って主人公と関わらない、ロチェスター夫人の背景の話(当時の精神病への偏見が見えるね)。ロチェスターってひどいやつだな、何でこんな奴がモテるんじゃいみたいな気持ちになる。
ところでこの作品の原典の「ジェイン・エア」って、叔母にいびられたり闇を抱えたイケメンが出てきたりと、なんとなく女子受けするフィクションというか、ある種の朝ドラのプロットや女子向けラノベに何となく似ている気がするのだが、それらをろくにきちんと見聞きしたわけじゃないのでエアプと偏見であるし、以前に別の作品をこういう女子受けという論点から語ったところ増田ではものすごく叩かれたので、うかつなことは言えない。ついでに叩かれたせいでその作品にまつわる十代の思い出まで汚してしまったような気がした。増田に常駐していると若干煽るような表現をしてしまうようになるので、いい加減に別のSNSへと移住する潮時かもしれない。
あとはそうだな、ロチェスターがイド、ジェイン・エアが自我、リヴァーズが超自我でラストにロチェスターがおとなしくなったイドなんじゃないかって、初めて読んだときに思ったのだが、これはフロイトの本を斜め読みした僕の偏った知識と解釈だと思う。独学って現在の潮流を知らないから偏るんだよ。
フランツ・カフカ「失踪者」をはじめ、彼の長編は大体未完成で、しかもとにかく主人公が訳も分からないままひどい目にあい続けるのだが、例えば女性と恋に落ちる場面があってもさらなる不幸への入り口に過ぎないのである。性欲を見せたら罰を受ける世界観だなって感じた。カフカは短編を読んで気に入ったら長編を読めばいいと思う。未完成だし。威圧的な父の陰/社会の不条理な規範から抜け出せない人におすすめ。いい作品、心を打つ芸術って苦しんだ人間から生まれる。その点共産圏ではすごいいい芸術が生まれているんだけれど、こういう背景を知っていると喜べない。
あとクリスタ・ヴォルフ「カッサンドラ」ね。古典のパロディは基本的に好き。知っていること前提でどうずらすかってのは、原作を知っている映画を観に行く楽しみに似ている。とはいえ、作品としてはそこまで面白いとは感じなかった。この小説は神殿で犯され、捕虜となって異国の地で殺される運命を知っているカッサンドラの視点で語られる、フェミニズム的再解釈で、ギリシア神話の通説とは異なり、ギリシア方のアキレウスの英雄性を否定し、彼を暴力的なけだものと終始さげすむ。一方、トロイア方のアスカニウスやアイネイアスが女性に理解を示す理想的コミュニティを築いているのが、なんというか、安直な善悪の対立みたいで面白くなかった(僕がトルストイをあまり高く評価しないのもそれが理由)。結局カッサンドラがどんな澄んだ心境に至っても、結局は異国で無残に殺される運命は覆らないしね。
ところで、フェミニズムについてはいろいろ話すと長くなるが、僕は女性への不当な扱いや尊厳を奪う暴力には激しい怒りを覚えるし、平等な教育や選挙権・被選挙権に感謝しているし、きちんと耳を傾けなきゃと思う一方で、フェミニストには一定数のとても失礼な人がいるのでどうしても印象が良くならない。リベラリズムを気に入っていてもリベラリストには疑いの目を向けているし、愛国心があっても愛国者を名乗る人は警戒してしまうのと理屈は同じだ(思想が好きで人間が嫌いってことか?)。
ただし、アンチ・フェミニストにも倍ぐらいヤバい人がおり、つまるところ自分の大嫌いな人や対立する価値観と向きあい続けて正気を保つのは難しいってことなのかもしれない。日常的に他人を見くだしたり嘲笑したりするのは、風刺は有効な文学上のレトリックであるとはいえ、その末路がどうなるかは目に見えている。なので、僕も嫌いな人たちの実例を挙げるのはやめにする。右にも左にもいっぱいいるけれどね。そうするとこのエントリの長さが倍になるし、本筋からも離れてしまう。
しかし、やっぱりジェンダーをめぐる歴史は面白いなとも思う。時折SF・ファンタジーで女性だけの政治的な力を持つ集団が出てくるんだけど(たとえば上橋菜穂子の守り人シリーズ「虚空の旅人」)、これは女人禁制のクラブを裏返しにしたものなのかなとか、イロクォイの社会がモデルなのかなとか考える。他にも、ミノア文明はチグリス・ユーフラテス起源の現代文明と違って、壁のない開放的で平和な「女性的」文明だったとか、面白い仮説があったりする(ただし戦国時代にだって城壁が無かった点には注意するべきだ)。否定されたものを含めて仮説を知るのは、先人が知恵を振り絞って、どう考えてきたかを一緒にたどれる思いがする。どのような誤りをしたかは、時代による制約と、文化による偏見を反映しており、それをどうやって乗り越えたか、筋道をたどるのは楽しいし、自分の考えの偏りにも気づく。
それに、右や左の極端な意見をいう人は、今の社会で辛い思いをしていたり、正しいとされている価値観から救われなかったりしたから暴走している面もあるので、彼ら・彼女らの不寛容を叩けば解決するもんでもない。
ミルチャ・エリアーデ「マイトレイ」は留学先の(それともホームステイ先だったっけ?)インドのお嬢さんに恋をする話なんだけれども、相手の文化を読み誤って結局結ばれずに終わる。「え、これはしていいのにこれはタブーなの? なんか地雷踏んじゃった!」「両親から仲を祝福されていると思ってたのに全然違うじゃん? どうなってんの?」みたいな。
それにしても、失恋して「何もかも破滅だ」って気分になって、遠くまで旅に出るってパターンは万国共通なのね。懐かしい。恋が実らなかった僕は大学の夏休み中何キロも不毛なほど東京都内を歩き回っていた。(ただし僕の場合つきあって振られたのではないので、「それは失恋とさえ言わない」と説教してきた同級生がいた。ひどい)。
アルべルト・モラヴィア「軽蔑」は前にも書いたけれど、妻の心離れを察した夫が、「どうすれば僕のことをまた愛してくれるの?」と情けないくらいに相手の顔色をうかがったり、腕力に頼ろうとしたり、嫌いな相手の前にみっともなく頭を下げたりと、一番やっちゃいけないことを繰り返して、とうとう上司に寝取られるお話。で、これは実際に妻と別れた夫が書いた小説なんだけれども、ラストで寝取った相手と妻がひどい結末を迎える。どんだけ妻を恨んでたんだよ。でも、こういう小説からしか得られない快楽というのは確かにある。僕も「愛してよ愛してよ」という飢えが丸見えだったと思うし、だからまったくモテなかった。チクショー。
ところで、(BSS「僕が先に好きだったのに」を含めた)寝取られについてだけれども、文学では読めるくせに寝取られ系のエロ本はまったく興奮しないし、嫌悪しか感じない。
文学を読んでいる時には、「どうせ自分は愛されないんだ、もうダメだ」という観念をもてあそんでも心はそこまで傷つかないというか、屈折した自己愛にじくじくと浸っていられるのだが、パンツを脱いでいるときに自分は男としてダメなんじゃないかって考えをいじくりまわすには僕は繊細過ぎたというか、裸になってそんなことを認めてしまっては、理想からかけ離れた自分に対する嫌悪と、現実社会の中で何とか自分が機能していくための自己愛の、微妙なバランスが崩れてしまう。知的な文学という鎧をしているときと、本能丸出しの全裸のときとでは、股間にパンチを受けたときのダメージが違うのだ(増田で本音を徒然書いて叩かれるとしんどいのもそれ)。
結局のところ、海外文学という幻想に逃げていて、同世代の人間が普通にセックスしていることが受け入れられなかったし、高校生がセックスしていると考えると嫉妬に狂いそうになっていた。倒れそうなほど空腹なのに目の前でご馳走を食べる人を、指をくわえてみているような痛みだった。十代の激しい性欲を受け止めてくれる誰かがいる空想は自分をさいなんだ。今にして思えば、セックスをしているからと言って、良好な関係であるとは言えないとわかる。なんであれだけ文学を読んできたのに、それがわからなかったんだろう? 手に入らなかったものがとても素晴らしいものに見えるからだろうか?
大学生の僕は文学サークルの後輩カップルが普通にセックスしていることを聞いても、上野動物園を一角獣がうろついていることを考えるほうがまだリアリティがあった。こういう人間が、幸せなカップルが出てくる真っ直ぐな十代向けのフィクションを読めると思うか?
三十代になってから、中高生の頃に現代文の先生が教材として使った石田衣良「4TEEN」やその続編で「6TEEN」を読んだのだが、主人公が美少女と知り合い、幸運なことに彼女が処女を卒業したがっていると聞いてそのままラブホに直行してベッドインし、童貞を卒業するシーンを見つけ、とにかく馬鹿馬鹿しい気持ちになり、なぜこんなものを読まなきゃならんのかと腹が立ってしょうがなかったのである。
ウワァァ━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━ン!! それ以外は男子の友情を描いた割といい作品だと思う。
こんなJ-POPの歌詞やポカリスエットのCMのような感傷マゾに浸っていた僕が(どれくらいの感傷マゾヒストだったかっていうと、カラオケではポルノグラフィティの失恋ソングばかり歌っていたし、深夜までネットをしてて、さすがに寝ようかという前に、EOEの「Komm, süsser Tod」、「雲のむこう、約束の場所」ED「きみのこえ」、坂本真綾「tune the rainbow」を聞いてすごく感傷的になって布団に入る習慣だった。新海アニメのなかでヒロインが名前を呼んでくれるシーンがあって、それで情緒をぐちゃぐちゃにされていたのである。絶対ラブプラスをやっちゃいけない人間だったと思う)、何でラノベを読まなかったのかというと、ライトノベルではどうせエロイベントがあっても本番はしないだろうと思い込んでいたからだ。そうやって背伸びをし続けた結果良くも悪くも今の自分がある。
とはいえ、今にして思えば、普通に現代の小説を読んでおけばよかった気がしないでもない。
続く。