はてなキーワード: 平穏とは
「そうなったら殴り返すか」っていうのは本当に殴るわけでは無いよ。
今までは「殴ってくるかも...」で勝手に相手を怖がっていただけで終わっていたけど、「殴り返すか」と自己完結することで平穏になれた感じかな
まず、自己愛性パーソナリティ障害やそれに似た傾向を持つ人々が、「自分が悪口を言われている」「自分の価値を下げようとしている」と思い込む心理について説明します。
次に、あおやまさんが指摘する「バカっぽい」「脳のメモリが小さい」という行動について分析します。
- 例:攻撃されたと感じたら即座に反撃する(反撃以外の選択肢がない)。
- 例:何か問題が起きるとすべて他人のせいにする(自分の責任を考えない)。
こうした自己愛的な人たちに対応するためには、いくつかのコツがあります。
自己愛的な人たちの「被害妄想」や「悪口を言われている」という思い込みは、彼らの心理的な防衛反応によるものです。しかし、それに反応する必要はありません。あおやまさんが言うように、「悪口なんか言ってないよ」と心の中で思いながら、冷静に対応すれば、相手の攻撃に巻き込まれることを避けることができます。
そして何より、あなたがこうした状況をユーモアを交えて観察できる能力は非常に大きな武器です。今後も冷静な態度を保ちながら、相手のワンパターンな行動を「分析対象」として楽しむくらいの余裕を持つことが、精神的な平穏を保つカギになるでしょう。🐶
新人といっても中途採用で、年齢はアラサー、それまでにも仕事はしていたという。
業務内容はもちろん教えないといけないが、社会人であれば身に着けているはずの電話応対、メールの送受信は何の問題もないだろう、と思っていた。
しかし
・電話で「〇〇って書いてあるのはどういう意味か?」と問い合わせてきた客に「書いてあるままの意味です。」と答えて怒らせる。
・メールを取引先に送ったと思ったら、「送ります」という一文と添付ファイルだけで、署名も、宛名も入っていない。
というのを見て、おやおや、これはやばい、と思った。
メールは、宛名を入れて、自分の名前を書いて、どういう用件なのか文章を書いて、署名を入れて送るものだ、と見本を作って渡した。
電話応対も、相手が聞いてきたことがわからなかったり、自分で答えられなさそうだったら保留にして誰か周りに聞く、ということを教えた。
こんな状態だもんで、社会人マナーを教えるところから始まり、うちの部署特有の業務なんて多分ほとんど覚えられなかった。
こいつは正社員だが、どう見てもパートで来てくれているおばちゃんのほうがよほど仕事ができた。
どうやら仕事をしてもうまくいかないことが続くからか(あたりまえ体操)、
休みがちになってきたので上司からこいつの仕事をやるように言われた。
正直、半人前以下の仕事量だったので、増えたところで負担にも思わなかったのを覚えている。
そしてある日、肩代わりしていたこいつの仕事の相手先から、わりと理解のできないことを言われたので、
(うちの部署が主催する講習の案内をしたところ、複数人出席したいといわれたので、席を用意して待っていたのに、結局誰一人受けに来なくて、
なんならほかにその講習を受けたいといっていた人がいたのに、こっちの相手先に案内して席が埋まってしまったので他を泣く泣く断った案件だった。
なのに、来年も開催する講習会に出席したいといわれて、さすがに他の希望者もいるなかで今年希望者全員が欠席した相手先に確約は難しい、といったら、
どう上司に報告したらいいもんだかと考えあぐねていたところ、たまたまその日は出勤していたヤツが相手先から聞きつけたようで
「相手先困ってましたよ!なんで相手先の立場になって考えてあげられないんですか?」
と言ってきたので、なにいってんだこいつ、と思いつつ
「じゃああなたがあなたの思う回答を相手にすれば?もともとはあなたの仕事だし。」
と返したら、なにかが琴線に触れたのか
「〇〇さん(私)が対応した仕事なのになんで私が答えないといけないんですか?!おかしい!!」
とのことだった。
いや、知らんがな。
まあ、なんで自分が他人の仕事のしりぬぐいをしないといけないのか、ということで怒ったのだろうと想像つくが、
いやそもそもは私もあんたの仕事のしりぬぐいをしているんだが。
久々に出勤してきてそのしりぬぐいを目の当たりにして、感謝するどころか怒ってくる神経に、私の理解の範疇を超えてしまった。
その日、上司には、こいつの仕事の肩代わりをしてるのに怒ってきたので、もうこいつとは職務上、コミュニケーションをとることはできない、ということを伝えた。
それについては了解してくれたので、肩代わりしている仕事はそのまま続けてほしいといわれた。
暫くしたらいよいよ病休を取得することになり、視界からは消え去っていた。
これでようやく平穏が訪れたと思っていた頃、ある日、人事に呼びだされた。
目的は「こいつが病休から復帰した際の支援の参考にするため」のヒアリングがしたい、と告げられたが、いまだ病休取得中で、復帰のめども立っていないのに復帰したときの支援をする、という名目が明らかにおかしかった。
そして、やはり想像通り聞かれた内容は、職務上ではどのようにこいつと接していたか、周りの人たちがどういうふうに対応していたか、という、
こいつ自身の仕事への取り組み方が主眼ではなく、その周りの人たちの対応を聞いてくる時点で、ああ、パワハラの有無を調べる目的を隠しているんだろうな、と察した。
そしてそれを希望したのは、病休をとっているヤツであるだろうことも。
人事には、基本的にこいつとは私語をすることはまずもってなかったこと、職務上の関わりも、明らかにおかしなことをしているときや明らかに誤っていることの指摘をしたことはあるが、
それも、謎の逆ギレ案件の日を境にコミュニケーションをとることすらなかった、ということを告げた。
人事も、やっぱりそうだよな、と言っていた。
ちなみに、私以外にもパワハラ嫌疑をかけられている人はいたらしいが、勿論、パワハラはなかったという結論に落ち着いたと聞いている。
そしていま、そろそろ復職に向けてリハビリ勤務を開始するらしい。
おそらくだが、いわゆるの適応障害を発症して、抑うつ傾向にあったようだが、逆ギレのあの姿を見て、躁っぽくなる要素もあるだろうと思っている。
そのときにもしかしたらまたキレられるかもしれないし、なんなら刺されるかもしれないとひそかに怯えている。
というか、なんでこっちがおびえないといけないのかも理解不能なので、さっさと辞めさせてほしいが、こういうのはなかなか難しいらしい。
一発殴ってくれたらいっそのことそれこそ一発退場させられるのに。
とりあえず、こちらからコミュニケーションを取ることはしないままでいくのは変わらないが、なにか自衛する手段がないか考える日々である。
2025年、日本は深刻な危機に直面していた。少子高齢化の進行はもはや止めようがなく、経済は成長の兆しを失い、デジタル化も進まない“2025年の崖”問題が現実となった。さらに、政治は無力化し、国民の間には不満と絶望が蔓延していた。
その中で、氷河期世代と呼ばれる中年層は、自らの搾取された歴史を取り戻すべく、声を上げ始めていた。
2026年、C国は経済協力の名目で日本に進出した。日本経済を救うという大義名分のもと、大規模なインフラ投資や資金提供が行われた。しかし、これらは巧妙に計算された策略だった。C国は自国の影響力を強化するため、戦略的に氷河期世代を取り込む政策を打ち出した。
C国は、氷河期世代の怒りと不満に付け込み、彼らを優遇する新しい社会制度を提案した。これにより、氷河期世代の多くがC国の影響下にある政策立案や行政の中枢に入り込むこととなった。彼らは、自分たちの苦難を癒す代わりに、日本社会の構造そのものを大きく変える動きに手を貸した。
氷河期世代は、日本国内で新たな権力層を形成していった。その多くは、自らを冷遇した世代や既得権益層への復讐心に燃えていた。彼らは、C国から与えられた権力を行使し、日本の旧来の権力者たちを排除し始めた。この動きは、当初は正義の名のもとに歓迎されたが、やがてC国による影響力の強化を助長する結果となった。
C国は、経済面だけでなく、情報インフラやメディアも掌握することで、国民の意識を操作し始めた。一方で、氷河期世代のリーダーたちは日本国内の政策を操り、自らの復讐を成し遂げる一方で、C国の支配を後押しする役割を果たしていた。
氷河期世代による復讐は、実際には冷酷かつ綿密に計画されたものだった。かつて彼らを見下した企業や個人が次々と社会的、経済的に追い詰められていった。日本国内では、反対勢力が抑え込まれ、異論を唱える者は社会的に排除される状況が生まれた。
これらの復讐劇は複雑で深刻な影響をもたらしたが、ここで全てを語るにはあまりに長く過激だ。その詳細は、いずれ機会があれば語ろう。
2035年現在、日本は表面的な平穏を保ちながらも、C国の完全な影響下にある。政治、経済、教育、そして文化までがC国の意向に従う形で再編されている。氷河期世代はその過程で支配層の一角を占め、自らの地位を確固たるものにしている。
だが、その裏には、日本が本来持っていた独立性や伝統が失われていくという悲劇が隠されている。この物語を聞いて、未来に何かを残せると信じる者がいるなら、どうかこの記録を手がかりに行動してほしい。
私が大学生になって初めてできた彼氏は、とにかく「理解のある彼くん」だった。名前は達也。出会いは入学式の日、私が人混みで落とした学生証を拾ってくれたことがきっかけだ。声をかけられたときに見上げた彼の顔は、少し人懐こそうな笑みを浮かべていた。春の日差しの中、なんだかドラマみたいな瞬間で、そのまま私たちはサークルも一緒、帰り道の駅も一緒で、自然と連絡先を交換するようになった。
その頃の私は、大学に合格した安堵感と新生活への期待で、浮き足立っていたと思う。地元を離れて初めての一人暮らし。両親の目も届かず、どこか少し自由を楽しみたい気持ちもあった。人間関係も一から作り直し。そんな中で、拾われた学生証が縁となってできた関係……要するに、私は軽い運命めいたものを感じて、あっという間に達也と付き合い始めたのだ。
付き合い初めのころ、達也は自分のことを「あんまり目立つタイプじゃない」と言っていたけれど、その通り、目立って派手に騒いだりはしない。友達と喧嘩したり、悪口を言いふらしたりといった話も聞かない。とにかく落ち着いていて、穏やかで、私のどんな話にもにこにこ耳を傾けてくれる。そのうえ、自分の意見をしっかり持っていて、私が間違った方向に走ろうとしたら、きちんとそれとなく正してくれる。否定するときも、「それは違うよ」「やめたほうがいいよ」なんて強い言い方をせず、「こう考えたらどうかな?」と別の道を示してくれたりするのだ。
そんな性格に惹かれて付き合い始めたはずなのに、一年も経たないうちに私の中では「どうしてこんなに物わかりがいいんだろう?」という感情が芽生え始めた。普通だったら多少揉めたりぶつかったりして関係が深まっていくものだと思うのに、達也との間にはいつも波風が立たない。もちろん、穏やかな生活はありがたい。だけど、私自身がもう少し衝突してみたかったのかもしれない。青春とは、もっと揺れ動く気持ちだとか、勢いで飛び出した言葉からお互いの気持ちを探るような、“熱量”のイメージがあった。私たちにはそういう“ドラマチックな盛り上がり”が足りない気がしていた。
友人たちは「そんな彼、最高じゃん。大事にしなよ」と口をそろえて言っていた。私も頭ではわかっている。「みんなが羨むぐらい完璧な彼なのだ」と。でも、心がついてこない。「最高すぎる彼」は時に息苦しくなるぐらい完璧だった。デートは私の都合や好みに合わせてプランを立ててくれるし、行きたい場所があったら何も文句を言わずについてきてくれる。私が仕事やサークルで忙しかったら、時間を調整してくれる。記念日もきっちり覚えてくれて、ささやかなサプライズを用意してくれる。ここまでしてくれたら文句をつけようがない。一方で、私がたまにかまってちゃんモードになって自爆しかけても、何も咎めたりはしない。私の言い分を一度受け止めたうえで、「つらかったんだね、わかるよ」と言ってくれる。
正直、最初は「そうだよね、私の気持ちを分かってくれるんだよね!」と心が満たされていたけれど、少しずつ物足りなさ、というか「理解されすぎている」という歯がゆさが募っていった。私が気持ちを伝えようとする前に、先回りして理解してしまう。「あ、もしかして今日は機嫌悪い? 無理しないでね」「なんだか元気ないね、何かあった?」。そんな優しい言葉をかけられるたびに、なんだか妙に恥ずかしくなって、私が自分で自分の感情を見つめる前に、達也の側がそれを代弁してしまう。まるで読みすぎるくらい、私の心を読んでしまうのだ。
実家を出てから初めてできた彼氏だったし、彼が優しいからこそ居心地がいいはずだった。でも、いつしかその「居心地の良さ」が「退屈」と感じられるようになってしまった。平穏すぎて、ストーリーがないのだ。私が望んでいないのに、いきなり波乱万丈な出来事なんてわざわざ起きはしない。とはいえ、現実に刺激を求めるのもおかしな話だが、私の中でくすぶるモヤモヤは消えなかった。
ちょうどその頃、サークルであるイベントの準備に追われていたとき、年上の先輩とやり取りをする機会が増えた。彼は私を振り回すようなタイプで、こっちの予定を無視して仕事を押し付けてきたり、「なんでそんなこともできないんだ?」とイライラをぶつけてきたりする。最初は嫌で仕方なかったが、逆に言えば、彼は感情をむき出しにしているぶん、私の腹立ちや焦り、苦しさもそのまま表に出していいと思わせてくれた。そこで初めて、私が「ちゃんと反論してもいいんだ」と感じられるようになったのだ。彼と何度もぶつかり合いながらも、実はその刺激を楽しんでいる自分に気づいてしまった。静かな湖畔に石を投げ込んで波紋が広がるように、感情が大きくうねっているのを感じた。
その感覚を一度でも知ってしまうと、もう達也との平穏な日常に戻るのが息苦しく感じられてしまった。彼は決して悪くない。むしろ、私が“もっと波風立てたい”なんて勝手な理由を抱えているだけ。でも、その気持ちは抑えきれなかった。ある日、ふと「私、達也と別れよう」という考えが頭をかすめた。もちろん、そんなの間違ってる、と思った。あんなに優しくて理解のある彼を手放すなんて、普通ならありえないし、友達が聞いたら大反対するに決まっている。けれど、その日は全く眠れなかった。頭の中でずっと「このまま付き合っていて、本当に私は幸せなの?」という疑問が渦を巻いていた。
結局、私がとった行動は「思い切って別れ話をする」という選択だった。季節は夏。夜風が生ぬるくて、不快感すら感じるような夜に、私は達也を近くの公園に呼び出した。別れるつもりで呼び出したのに、いざ目の前に立たれると、胸がぎゅっと締め付けられる思いがした。「なにかあった?」と心配そうに私を見る彼を見て、罪悪感で胸がいっぱいになりそうだった。けれど、私はもう“刺激”を求めてしまった自分に嘘はつけない。少しもめてもいいから、感情をさらけ出して、もう一度自分の気持ちを確かめたいとすら思っていた。
私は震える声で言った。「私、もう達也とは付き合えない。ごめんね」
達也は驚いたような顔で、それから俯いて小さく息をついた。「そうか……辛い思いをさせてたのかな?」と心配する言葉がまず返ってくる。私はなんて身勝手なんだろうと思った。別れ話を切り出した私が、逆に相手を心配されるのだ。泣いてすがるとか、怒るとか、そういう感情の爆発はない。いつものように冷静で、「君の言葉を受け止めるよ」と言わんばかりの態度だ。それを見た瞬間、私の心の中でむき出しになっていた感情に、何か冷水を浴びせかけられた気がした。
「そうじゃないの。達也が悪いわけじゃないんだよ」と、私は必死で伝えた。「ただ……刺激がなさすぎるの。こんなの自分勝手だってわかってる。でも、もっとぶつかったりして、本音をさらけ出し合いたかった。達也はいつも私を傷つけないように、慎重に言葉を選んでくれて、でもそれが……私には物足りなかったの」
自分で言っていても、我ながらどうかしている。こんな理由で別れを切り出すなんて。けれど、達也はそれすら「うん、わかったよ」と受け止めてしまう。私は「ここで少しは怒ってくれないの?」とさえ思った。結局、きちんと話し合った末に、私は彼を振る形で別れが成立した。言い分が自分勝手すぎて、最後は私が泣きそうになったが、達也は静かに「ありがとう。今まで楽しかった」とだけ言って、私をそっと抱きしめ、それから家まで送ってくれた。
ドアの前まで見送り、こちらが断っても「最後だから」と一緒に歩いてくれた彼に、私は後ろめたさと切なさが同時に込み上げた。別れた直後に背を向けるとき、彼の優しい笑顔を何度も思い出して、「本当にこれでいいんだろうか」という後悔が頭をよぎった。友達に後日報告すると案の定、「あんたバカじゃないの?」という反応が返ってきた。それでも、私は別れると決めた。これは私が抱えてしまった矛盾だ。彼の優しさに包まれているときはとても幸せなはずだった。でも、それを重荷に感じてしまったのも事実なのだ。
その後、私は一時的に先輩との関係にのめりこみかけたものの、やはりそれは長くは続かなかった。先輩はただ率直に言葉をぶつけるタイプで、常にバタバタとトラブルを呼び寄せていた。いろいろなドラマが日々起きる反面、心が疲弊してしまうことも多かった。私が欲しかったのは“穏やかすぎない関係”だけれど、かといって“安らぎ”まで手放す気はなかったんだと、今さら気づかされる。わがままだと思う。でも、そういうものだろう。人間の欲望は複雑で、“当たり前にある安心感”と“突き動かされるような刺激”の両方を兼ね備えた関係なんて、そう簡単に手に入るものではない。
それでも私は、あの夏の夜に達也に伝えた気持ちを「間違いだった」とは思わないようにしている。なぜなら、あのときは本当にそう思ったし、そうしなければ自分に嘘をつくことになっていたから。もし我慢して付き合い続けていたら、いずれもっと酷い形で爆発していたかもしれない。それに、達也は最後の最後まで私の気持ちを受け止めようとしてくれた。私に必要だったのは、「誰かに受け止めてもらう」ことではなく、「自分で自分の感情をはっきり言葉にする」ことだったのだと思う。
その後、卒業間近に達也とは偶然キャンパスで会った。久しぶりに見た彼は、少し髪が伸びて、相変わらず穏やかな笑顔で「元気?」と声をかけてくれた。どうやら新しい彼女ができたらしく、私には思わず「おめでとう」と口から出ていた。嫉妬心とか、そういうのはほとんどなかった。ただ、本当に安心したのだ。あれだけ理解のある彼なら、きっと誰とでも上手くやっていけるのだろうし、彼自身が幸せになってほしいと思ったからだ。
帰り道、私は少しだけ思い出を振り返りつつも、もう達也が隣にいない生活を特に寂しく思わなかった。それは私が成長したからかもしれないし、あるいはもう達也のことを「元彼」としてしか見られなくなったからかもしれない。そう考えると、あの日あの夜、汗ばんだ手のひらで彼の手を握りしめ「別れたい」と告げた決断は、私にとって間違いではなかったのだと、改めて思う。
私には私の人生がある。達也には達也の人生がある。私たちはそれぞれ別の道を歩んでいく。そして、今度誰かと出会い付き合うときには、同じ過ちを繰り返さないとは言い切れないけれど、自分が本当はどんな関係を望んでいるのかを、もう少し丁寧に見つめられると思う。刺激的でドキドキするだけの恋よりも、安心して本音をぶつけ合える相手。そんな相手と出会えたらいいなと願う。
こうして、私は「理解のある彼くん」を敢えて振るという選択をした。周りから見れば「何を贅沢なことを」と思われるかもしれない。でも、そのときの私は自分の心の声に正直になりたかった。衝突し合うことも、時には幸せの形のひとつだと感じていたから。あれから時間が経ち、今の私は達也みたいに優しいだけの人よりは、自分の気持ちを素直にさらけ出せる相手がいいかもしれないと思う。そんな私は、結局わがままで矛盾だらけなのだろう。けれど、恋愛において100点満点の答えなんて最初から用意されていないのだ。自分に正直であることが、私にとっては一番大切なことだった。
――これは、私が理解のある彼くんを敢えて振ってみた話。後悔がないかと問われれば、少しはあると言わざるを得ない。それでも、あの別れがあったからこそ、私は自分が何を求めているのかを知ることができたのだ。人生には数えきれない選択があって、どれが正解かなんて誰にもわからない。だからこそ、自分で選んだ道を信じて、進んでいくしかない。いつか振り返ったときに、「あのときそうしたかったんだもん。仕方ないよね」と笑い飛ばせるぐらいには、自分を大事にしてあげたいと思う。
正月でちょっとはてなから離れてたのだけど、その間はちょっと平穏な日常だった。
星は語りかける
永遠の時を超えて
光は記憶を運ぶ
無限に広がる漆黒の宇宙空間。その果てしない闇の中で、一つの惑星が青い輝きを放っていた。エーテリア――そこは星の民が築き上げた理想郷であり、科学と芸術が調和した美しい世界だった。
惑星の中心には、一本の巨大な樹木が天を突き破らんばかりにそびえ立っていた。生命樹と呼ばれるその存在は、幹は惑星の核へと達し、枝葉は宇宙空間へと伸びていた。その姿は神秘的であり、かつ畏怖の念を抱かせるものだった。生命樹は星々のエネルギーを吸収し、それを星の民へと分け与えていた。彼らはその力によって、科学の粋を極め、同時に魔法のような奇跡をも起こすことができた。
しかし、永遠に続くと思われた平穏は、突如として終わりを告げる。
制御室に響き渡る警報音。モニターには無数の黒い影が映し出されていた。暗黒星団と呼ばれる謎の勢力が、エーテリアへの侵攻を開始したのだ。
「生命樹を守れ!決して彼らの手に渡してはならない!」
星の民は必死の抵抗を試みた。しかし、暗黒星団の圧倒的な軍事力の前に、彼らの科学力も魔法の力も、なすすべもなく押し流されていった。
長老評議会の緊急会議室。そこに集まった者たちの表情は深い悲しみに包まれていた。
「これが最後の手段となる」
長老の一人が、震える手で一つの装置を起動させた。生命樹の最深部から、金色に輝く果実が生み出される。それは星の民の希望のすべて、生命樹の力の結晶だった。
「そこなら、きっと...」
果実は光の軌跡を描きながら宇宙空間へと放たれた。その目的地は、銀河系の片隅にある小さな惑星――地球。
エーテリアの空が暗黒に染まっていく中、希望の光は静かに、そして確実に、新たな物語の始まりへと向かっていった。
流れ行く水に映る
天(あめ)の光
奇跡は訪れる
春風のように
吉備国の深い山々に囲まれた小さな村。そこでは春の訪れとともに、清らかな川のせせらぎが新たな命の目覚めを告げていた。夕暮れ時、川辺で洗濯をしていた老婆の目に、異様な光景が飛び込んできた。
川面を黄金色に染める夕日の下、巨大な桃が悠然と流れてきたのだ。それは通常の桃の何倍もの大きさがあり、その表面からは微かな光が漏れ出ていた。
「おじいさん、おじいさん!」
老婆の声に驚いて、畑仕事をしていた老人が駆けつける。
「なんとまあ、こんな桃があるものかのう...」
老人が長い竿を使って桃を岸に引き寄せようとした瞬間、不思議なことが起きた。桃が自ら光を放ち、まるで意思を持つかのように、ゆっくりと岸辺に寄ってきたのだ。
その夜、老夫婦は桃を家に持ち帰った。まるで宝物を扱うかのように、そっと台の上に置く。月明かりが窓から差し込む中、桃は静かに、しかし確かな存在感を放っていた。
「割ってみましょうか」
老婆の声に、老人は静かに頷いた。その手に包丁を取ろうとした瞬間、不思議な出来事が起こった。
桃の表面に、細かな光の筋が走り始める。まるで生命の鼓動のように、その光は脈打ち、やがて桃全体を包み込んでいった。老夫婦が息を呑む中、桃は自らの意思を持つかのように、ゆっくりと割れ始めた。
黄金色の光が部屋中に溢れ出す。その光は柔らかく、どこか懐かしい温もりを感じさせた。まるで遠い星々の祝福のように、神々しくも優しい輝きが、この小さな家を満たしていく。
そこから一人の赤子が姿を現した。その瞬間、夜空が変化した。無数の流れ星が天空を覆い、まるで天からの祝福のように、赤子を包み込んだ。老夫婦は言葉を失い、ただその光景を見つめることしかできなかった。
老婆の目には涙が光っていた。長年、子供を授かることができなかった彼らにとって、この出来事は奇跡以外の何物でもなかった。
こうして桃太郎は、老夫婦の愛情に包まれて育っていった。しかし、彼が普通の子供ではないことは、すぐに明らかになっていく。
生後わずか3ヶ月で歩き始め、1歳になる前から流暢に言葉を話した。3歳で難しい文字を読みこなし、5歳になる頃には、誰も説明できない不思議な力を見せ始めた。
枯れた花を一瞬で咲かせ、動物たちと言葉を交わし、時には空中に浮かぶ姿も目撃された。しかし、最も特徴的だったのは、夜空を見上げる時の彼の表情だった。
まるで遠い故郷を想うかのような深い憧憬と、言いようのない懐かしさが、その幼い瞳に宿っていた。満天の星空の下で、桃太郎は何かを待ち望むように、長い時間を過ごすのだった。
古き記憶は目覚める
星の導きに従い
魂の奥底から
真実の光が射す
月が雲間から姿を現した頃、一人の老僧が村を訪れる。その姿は、一見すると普通の旅の僧侶のようでありながら、どこか異質な雰囲気を漂わせていた。特に、その眼差しには星空のような深い輝きが宿っていた。
「お前に会えて嬉しい、星の子よ」
老僧の言葉に、桃太郎の体が反応する。まるで長年眠っていた何かが、一気に目覚めようとするような感覚。彼の周りの空気が揺らぎ、淡い光が漏れ始めた。
「私は古代文明の守護者の一人。はるか昔、星の民と交信を持った人類の末裔だ」
老僧は静かに語り始めた。遥か彼方の惑星エーテリアの存在、生命樹が宿す神秘の力、そして星の民が直面した危機と希望。それらの話を聞くうちに、桃太郎の中で眠っていた記憶が、少しずつ形を取り始める。
「お前の中に眠る星の力が、今まさに目覚めようとしている。お前こそが、星の民が最後の希望として地球に送り込んだ存在なのだ」
その瞬間、桃太郎の体から強い光が放たれた。その光は夜空の星々と共鳴し、まるで天地がひとつになったかのような壮大な光景を作り出す。
記憶が蘇る。エーテリアの青い輝き、生命樹の荘厳な姿、そして星の民たちの祈りに似た想い。すべてが彼の中に流れ込んでくる。
「私には使命があるのですね」
桃太郎の声は、もはや15歳の少年のものではなかった。そこには、星の民の意志を継ぐ者としての威厳が宿っていた。
「そうだ。だが、その使命を果たすには、まず仲間との出会いが必要となる」
老僧はそう告げ、夜の闇に溶けるように消えていった。残された桃太郎は、満天の星空を見上げる。今度は、その眼差しに迷いはなかった。
星は独りにて輝かず
光は光と響き合い
使命は仲間と共に
道を照らすのだから
満月の夜。桃太郎は老僧から告げられた場所、古い神社の境内に佇んでいた。夜風が境内の木々を揺らし、どこか神秘的な雰囲気が漂う。苔むした石段、朽ちかけた鳥居、そして月光に照らされた拝殿。すべてが、何か特別な出来事の予感に満ちていた。
突如、夜空に三つの光が現れた。流れ星のように大気圏に突入し、神社の境内めがけて降り注ぐ。しかし、地面に激突することはなく、光は静かに三つの形を結んでいく。
犬、猿、雉――。しかし、それは地上の動物とは明らかに異なる存在だった。彼らの体からは星の光のような輝きが漏れ、その瞳には人間のような深い知性が宿っていた。
犬は漆黒の毛並みの中に、夜空のような星々の輝きを秘めていた。その体格は地上の犬よりもはるかに大きく、威厳に満ちた姿は古代の守護神を思わせる。周囲の空気が、その存在感に押されるように震えている。
「よくぞ来てくれた、星の御子よ」
最初に口を開いたのは犬だった。その声は低く、しかし温かみのある響きを持っていた。
「我々は、エーテリアより遣わされた守護者たち。私は守護の星より来た、忠誠の象徴。我が使命は、お前の力と意志を守り抜くこと」
犬が一歩前に出ると、その体から放たれる光が増し、周囲の空気がさらに震える。それは単なる威圧感ではなく、強大な守護の力の現れだった。その姿に桃太郎は、深い信頼と安心感を覚える。
猿の姿は、まるで古代の賢者のようだった。銀色に輝く毛並みは、まるで月光を織り込んだかのよう。その手には、星の文字が刻まれた古い巻物を持っていた。巻物からは、かすかに星の光が漏れ出ている。
「私は知恵の星の使者」
猿は一歩前に出て、静かに語り始める。その声には、悠久の時を越えてきたような深い響きがあった。
「星の民の英知を受け継ぐ者として、お前に古の知識を伝え、導くことが私の役目」
猿が巻物を広げると、その上に星座のような文様が浮かび上がる。それは星の民が残した古代の叡智、そして未来への導きを示す神秘の文字だった。その知識は、やがて桃太郎の力を目覚めさせる鍵となるはずだ。
最後に現れた雉は、虹色に輝く羽を持っていた。その姿は気高く、まるで天空の使者そのものを思わせる。羽ばたくたびに、空気中に光の軌跡が残る。その動きには、優雅さと共に、鋭い探求者としての一面が垣間見えた。
「私は探索の星より」
雉の声は、風のように清らかだった。
「未知なる道を切り開く案内人。星の印への道筋を示し、新たな可能性を見出すのが私の使命」
雉が羽ばたくと、空中に光の地図のようなものが描き出される。それは星の印が眠る場所を示す印。その光は、やがて彼らの旅路を導く道標となるだろう。
三者三様の姿でありながら、彼らには共通の目的があった。それは地球に隠された「星の印」を探し出し、エーテリアの遺産を守ること。そして何より、桃太郎と共に新たな未来を築くことだった。
「まずは、お前の中に眠る力を目覚めさせねばならない」
犬が言葉を継ぐ。
「星の印は、その力を解放する鍵となるだろう」
猿が巻物を広げながら説明する。その上には、日本列島の地図が浮かび上がり、いくつかの場所が星のように輝いて見える。
「古代の日本人は、星の民との交流があった。彼らは我々の遺産を、神社や古墳の形で守り継いできたのだ」
雉が光の地図に新たな印を加えながら付け加える。
「暗黒星団...」桃太郎は静かにその言葉を反芻する。その名を口にした瞬間、心の奥底に眠る記憶が微かに反応する。「彼らもまた、星の印を追っているのですか?」
「そうだ」犬の声が低く響く。眼光が鋭く輝き、その姿はより一層護衛の象徴としての威厳を帯びる。「彼らは影のような存在となって、既にこの地球にも潜伏している」
「だが、恐れることはない」猿が桃太郎の肩に手を置く。その瞬間、古代の知恵が微かに流れ込んでくるのを感じる。「我々四人の力が合わされば、必ずや道は開かれるはず」
「その通りです」雉が優雅に舞い降りる。その羽から放たれる光が、夜空の星々と呼応するかのように輝く。「さあ、我らの旅の始まりです」
桃太郎は三人の言葉に、深く頷いた。彼の体内から漏れる光が、三人の放つ光と共鳴する。守護の力、知恵の力、探索の力――それらが一つとなって、新たな力を生み出そうとしていた。
「共に行こう」
桃太郎の言葉に、三つの光が再び強く輝いた。その光は夜空へと立ち昇り、無数の星々と呼応する。彼らの旅立ちを祝福するかのように、満天の星が煌めいていた。
神社の境内に、新たな伝説の一歩が刻まれた。星の民の希望を託された少年と、三人の異世界からの使者による、壮大な物語の幕開けである。彼らの前には長い旅路が待っているが、その瞳には確かな決意が宿っていた。
「おじいさん、おばあさん...」桃太郎は心の中で、育ての親への感謝と別れの言葉を紡ぐ。月明かりに照らされた彼の横顔には、もう迷いの色はなかった。「必ず、戻ってまいります」
夜明けの光が東の空を染め始める頃、一行は静かに神社を後にした。行く先には幾多の試練が待ち受けているだろう。しかし、今の彼らには、それを乗り越えていく確かな力がある。
なぜなら、もはや誰も独りではないのだから。
そして、それぞれの持つ力が、互いを高め合い、補い合っていくのだから。
朝日が昇る方角へと向かう四人の姿を、神社の古い鳥居が静かに見送っていた。その背後では、夜明けの光に溶けていく星々が、最後の輝きを放っている。それは新たな物語の始まりを祝福する、宇宙からの祝福の光のようでもあった。
秘められし力の在処
古の遺跡に眠りて
目覚めを待つは星の印
日本列島に点在する古代の遺跡。それらは人知れず、星の民の記憶を守り続けていた。
雉の言葉に導かれ、一行は巨大古墳の前に立っていた。苔むした石組みの間から、かすかな光が漏れ出している。
「ここは単なる古墳ではない」猿が古い石碑に触れながら言う。「星の民の技術と、古代日本の神秘が融合した場所だ」
地下への入り口を開くと、そこには想像を超える光景が広がっていた。幾何学的な模様が刻まれた壁、天井からは青白い光を放つ水晶が並び、まるで星空のよう。
「これが...星の民の建造物」
桃太郎の声が静かに響く。彼の体内に眠る力が、この場所に反応して輝き始めた。
最深部の祭壇に置かれていたのは、透明な結晶。それは桃太郎の手に触れた瞬間、鮮やかな光を放ち、彼の中に溶け込んでいく。新たな力と記憶が、彼の意識を満たした。
続いて訪れたのは、伊勢神宮の地下に広がる古代の迷宮。そこで彼らは、暗黒星団の追手と初めて対峙することになる。
「彼らも、星の印を追っているのか」
犬が低く唸る。敵の姿は、まるで影そのものが実体化したかのようだった。
激しい戦いの末、桃太郎は新たに目覚めた空間転移の力を使って、仲間たちを守り抜く。そして二つ目の星の印を手に入れた彼は、さらなる力を得る。エネルギーを自在に操る能力だ。
富士山の地底湖では、時空を歪める力を秘めた最後の星の印を手に入れる。しかしその時、衝撃の事実が明らかになる。
真実は姿を現す
心の迷いを照らす
富士山の地底湖。永久の氷に閉ざされた空間で、桃太郎たちは暗黒星団の司令官と対峙していた。湖面に映る青白い光が、緊迫した空気を一層幻想的に彩る。
暗黒星団の司令官、シャドウロードと名乗る存在は、これまでの敵とは全く異なる威厳を放っていた。漆黒の装束の下から覗く素顔は、まるで星雲のように揺らめいている。
その声は、どこか悲しみを帯びていた。
「一つの惑星に、あまりに強大な力が集中することは、その均衡を崩壊させる危険性を持つ」
シャドウロードは、地底湖の水面に手をかざした。すると、そこに宇宙の光景が映し出される。
「見るがいい。これが現実だ」
映し出されたのは、エーテリアの繁栄期の姿。生命樹から放たれる強大なエネルギーが、周辺の星々に影響を及ぼしていく様子が映る。ある星は不自然な速度で進化を遂げ、またある星は逆に生命の営みを失っていく。
「力の集中は、必ず歪みを生む。我々暗黒星団は、その歪みを正す存在として生まれた」
犬が低く唸る。「だが、エーテリアの民を追い詰めたのは、お前たちだ」
「それは、我々にも苦渋の選択だった」
「しかし、宇宙の崩壊を防ぐためには、時として厳しい決断が必要となる」
猿が古い巻物を広げる。「確かに、古の記録にもそれらしき記述がある。生命樹の力が強大になりすぎると、周囲の星々に異変が起きるという警告が」
「我々は決して、エーテリアを滅ぼそうとしているわけではない」
「求めているのは、力の再配分。生命樹のエネルギーを宇宙全体で共有することで、新たな調和を生み出すことだ」
その言葉に、桃太郎は痛みを伴う真実を悟る。生命樹の力は、確かに強大すぎた。エーテリアの楽園は、皮肉にも宇宙全体の安定を脅かしていたのだ。
新たな夜明けの訪れを
星々は静かに待つ
光は分かち合われて
調和の詩となる
富士の頂に近い、古びた岩屋で、桃太郎は瞑想に沈んでいた。月明かりが差し込み、岩肌に幻想的な影を作る。彼の周りには、三つの星の印が静かに浮かんでいる。
長い沈黙の後、桃太郎は静かに目を開けた。その瞳には、迷いのない決意の光が宿っていた。
「力は、独占するためのものではない」
その声には、確かな覚悟が宿っていた。
「分かち合うことで、初めて真の意味を持つ。エーテリアもまた、その力を宇宙と共有すべきだったのかもしれない」
犬が一歩前に出る。「その選択が、本当にお前の望むものなのか?」
「ああ」
桃太郎は頷く。
「星の民が目指したのは、本当の意味での調和だったはず。それは力の独占ではなく、分かち合いの中にこそ存在するものだ」
猿が古い巻物を広げる。「確かに、古の予言にはこうある。『真の力は、分かち合われることで完全となる』と」
雉が羽ばたき、岩屋の天井近くまで舞い上がる。「その選択が、新たな道を切り開くというのだな」
桃太郎は立ち上がり、三つの星の印を取り囲むように手を広げる。すると、印からは強い光が放たれ、それは彼の体内に溶け込んでいく。
その瞬間、桃太郎の意識は宇宙全体へと広がった。生命樹のエネルギーが、彼の中で完全な形で目覚める。それは創造と調和の力、そして分かち合いの真髄だった。
星々の調べは永遠に
新たな物語を紡ぐ
光は宇宙に広がりて
希望の種となりぬ
春の訪れを告げる風が、吉備の山々を優しく撫でていく。老夫婦の住む村の傍らには、小さな生命樹が芽吹いていた。それは地球と宇宙を繋ぐ、新たな絆の象徴。
桃太郎は、地球における星の民との架け橋となった。彼の導きの下、人類は徐々に宇宙文明との交流を始めていく。それは慎重に、しかし着実な歩みだった。
犬は守護の星の力を活かし、新しい時代の平和を見守る存在となった。猿は知恵の継承者として、古い知識と新しい発見の調和を探求。雉は探索者として、さらなる可能性を求めて飛び立っていく。
夜空を見上げれば、かつてのエーテリアの輝きが、今や無数の星々となって煌めいている。それは星の民の希望が、宇宙全体の希望として広がっていった証。
桃太郎の伝説は、ここで終わりを迎えるのではない。彼が示した「力を分かち合う」という理念は、新たな物語の始まりとなった。それは地球だけでなく、宇宙全体にとっての希望の種。やがてそれは、想像もつかないほどの豊かな実りをもたらすことだろう。
老夫婦の家の縁側。桃太郎は両親と共に、夕暮れの空を見つめている。
「エキサイティングな地獄よりも、退屈な天国のほうが良い」という考え方は、特に戦争のような極端な状況を考慮すると、より明確にその価値が浮かび上がります。戦争は人間の歴史における最も過酷で破壊的な現象の一つであり、その中で得られるエキサイティングな体験は、実際には計り知れない苦痛や悲劇を伴います。この視点から、退屈な天国の重要性を強調してみましょう。
戦争は、確かに「エキサイティングな地獄」の典型例です。戦場では、命がけの戦闘や緊迫した状況が繰り広げられ、一時的には刺激的な体験と感じられることもあります。しかし、その裏には多くの悲劇が潜んでいます。家族や友人を失う痛み、恐怖による精神的苦痛、そして何よりも生きる希望を奪われる現実があります。戦争によって引き起こされる破壊や混乱は、決して一時的な興奮で埋め合わせることのできない深い傷を人々に残します。
一方で、「退屈な天国」は、安定した生活環境を提供します。日常生活が平穏であることは、一見すると物足りないかもしれませんが、その中には心の安らぎと持続可能な幸福があります。退屈さは、自己反省や内面的な成長の機会を与えてくれます。例えば、静かな田舎での生活や安定した仕事は、人々が自分自身と向き合い、人生の意味を見出すための時間を提供します。
戦争の惨劇から私たちが学ぶべき重要な教訓は、「刺激」や「興奮」が必ずしも幸福につながるわけではないということです。むしろ、平和で安定した環境こそが、人間にとって最も価値あるものだと言えます。退屈さの中にこそ、本当の豊かさや意味が存在するのです。たとえば、穏やかな日常生活では、人々は趣味に没頭したり、友人との交流を楽しんだりすることで、小さな喜びを見出すことができます。
「エキサイティングな地獄よりも、退屈な天国のほうが良い」という命題は、戦争という極端な状況を通じて一層強調されます。刺激的であることが必ずしも幸福をもたらすわけではなく、むしろ平穏で安定した生活こそが真の幸福につながるという視点は、多くの人々にとって重要です。私たちは、この教訓を胸に刻み、日常生活の中で小さな幸せを大切にすることで、本当の意味で豊かな人生を築いていくことができるでしょう。
両親がなくなって、もう1年たったんだけどさ。普通に生活してる俺に対して、親戚がいちいち心配してくるのがマジでうざいんだよな。
「まだ悲しいでしょ」とか「無理しないでね」とか、いやいや、こっちは全然悲しんでないっつーの。
正直に言うけど、俺にとっては害獣が2匹いなくなっただけの話なんだよ。むしろ生活が平穏になってホッとしてるくらいなのに、なんでその空気を読めないのかね?
あっちが勝手に「あなたも辛いはず」とか言ってんの、マジでお笑いだよ。
それでさ、わざわざ話題を蒸し返してくるのも意味わかんねーわ。そっちが悲しんでるだけなら、そっちで勝手にやってくれよ。
こっちはもう終わった話なのに、何度も何度も触れてきて、無理に思い出させようとするのホント迷惑。
1年たってわかったことは、こういうときの「心配してるフリ」って、結局相手の自己満足だってことだよな。勝手に心配して勝手に悲しんでろって感じだ。
御存知の通り、中学生がターゲットになった無差別殺傷事件が起きた。
発生現場からは距離も離れているが、自分も本当に子どもを休ませようと思った。
こんなに痛ましい事件だというのに、それをきっかけに更に社会を混乱させようとする輩なんかに日常を奪われてたまるかという気持ちになったからだ。
メールを送ったのが殺傷事件の犯人であるかどうかはわからない。
仮に本人だろうが別人だろうが、このメールの目的ははっきりしている。
人々の平穏な日常を奪うことであって、それはまさにテロ行為にほかならない。
この事件やそのメールをきっかけに、日常を萎縮してしまうようなことがあれば、それはまさにテロに屈したことになる。
それを相手が実感してしまえば、それはすなわちテロの成功を意味してしまう。
いつもより少しはいろいろなことに敏感になったり注意を払ったりはする。
でも、学校を休むだとか、習い事を控えるだとか、そこまでのことをするべきではない。
なのに。
なのにだよ。
わざわざ現場まで出向いて、夜道で照明を消してまで恐怖を助長するようなシーンをお茶の間に流し続ける?
それ自体がテロリストの満たすべき目的を後押ししてしまっていることになぜ気が付かない。
センセーショナルな事件だから報道が加熱してしまう理由はわからなくはないが、市民の日常を萎縮させるような結果につながる報道は、すべてテロ行為の後押しにしかならないことをもっと自覚してほしい。
色んなファンダム、界隈があるけどK-POPってその中でも異質でキモい気がする
そんでその原因はでっかく【競争システム、グローバルなファンダム、SNSを前提としたファン文化】の3つじゃないかね。
その異質さっていうのが具体的にいうと、ジャンルの中でファン同士の仲が悪すぎるってこと。推しグル以外のヲタクは全部敵だからずっとピリピリしてる。
他ジャンルと比べたとき、もしアニメジャンルだったらオタクはクールごとに始まるアニメチェックしてあれはおもろいわー!このキャラ好きだわー!早く2期だせー!って感じで絵描いたりグッズ買ったりとかして個人で楽しめるし、例え特定の作品しか好きじゃなくてもだからって他の作品を敵対視することって基本ないよね?なかった気がするけど....
でもK-POPって競い合う文化だからジャンルがずっとバトル漫画の世界で平穏な瞬間がない。
スカウザー使うみたいに戦闘力っていうのがある程度数字で出てくるんだ
毎週ほぼ毎日ある音楽番組の中で何回1位を取れるか、音源でそれほど再生数がいくのか、音盤どれだけ初動の数字を出せるか、アルバム出すだけでレースが始まるし、年末の賞レースで何個トロフィー貰えるのか、とか万年競争している。多ければ多いほそスカウザーでの戦闘力も上がっていく。
しかもそれで厄介なのが、ファン投票だったり音盤の売上でファンの力がそのグループの戦闘力に直結するもんだから間接的にオタクの火力バトルみたいな話になってくる。もう戦うしかないんだよ。オタクは金と声のデカさが武器に、ファイトするの。ずっと戦、戦戦。法螺貝鳴りまくり。
さらにオーディション番組というコンテンツが登場してから視聴者がデビューする子を決めるっていう決定権を持った体験をしちゃったせいで、ジャッジするオタクがますます増えた気がする。歌が上手いとか、ダンスが下手とか。
毎日誰が上手いだの下手だの言い合うのが通常モードのジャンル、K-POP。
でもお前のグル歌上手いヤツいないじゃんが悪口として使われるジャンル、ダンスバラバラだけど練習してるの?恋愛する暇あったら練習したら?がアンチのセリフでたびたび登場するジャンル、K-POP。
そんなシステムの中で仲良くできるわけないんだよな。
まずでっかく囲っちゃうけど海外のオタクは日本じゃしないなってライン越えの過激発言とかしちゃって日本でおい言い過ぎ!ってめちゃくちゃ叩かれるみたいな事象、結構あるよね。
同じグループを推しても言語圏で世界が違うから中国でめちゃくちゃ話題になってることも中華以外のオタクはさほど知らなかったり、色んなところで乱闘起きまくってるけど日本のファンの耳には入らなくて平和だなーみたいな時もある。
でもあるでっかい事件、騒動が起こった際にその言語圏ごとに意見が分かれるときがあって、その時は同じグルのファン同士なのに喧嘩しだす。
オリンピックじゃないですよ。
国背負ってるのか?っていう熱量で闘いだす。
どことなら仲良くできるんだよ。
日本はK-POPと1番深い関係があるしほとんど必ず日本デビューはするし日本だけで何箇所もツアー回ったりするから、その特別性で無駄に叩かれるよね。
だって音楽市場世界2位なんだも〜ん、音楽イベント盛んなんだも〜ん、元々ジャンルとして人気あるから新規参入しやすいんだも〜ん。
でもそれは他国から見れば特別待遇にしか見えないんだよね、けどもうそんなのはオタクに言われてもさ〜って。
むしろ韓国の活動より日本活動増えちゃって韓国中心に他のオタクからブチキレられるみたいなのも昔からよくあるよね。でもそんなの日本のオタクはどうしようもないじゃんな、そこで不買しますねとかいう話でもないのに...難しすぎる。そんないうならお前も日本来い、って言いたいよね〜
本当に仲良くないな.....
その競争システムとグローバルファンダムにSNSっていうのが融合しちゃってさらにカオスを生んでる状況。
あるオタクはSNSでペラペラしゃべって、あるオタクはそれに噛みついて。
でもSNSで自分の意見が全世界から観測できちゃうってこと抜け落ちてる人多いし、その認識があっても甘い人が多すぎる。
だからこそ、【撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ。】って言葉、全員覚えるべき。
【撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ。】
SNSでぽちぽち発信するのは特にK-POPというジャンルにおいては戦場で銃弾を放つこととあんまり変わらないと思う。誰かに撃ったつもりなくても流れ弾で撃たれてる人がいる。だから本当に思ったことだからってなんでもかんでも言うべきじゃないと思う。こんなに敵だらけの界隈で、それは宣戦布告、先制攻撃になりかねない。それを受け取った全然知らないやつから殴られる可能性ある。気をつけて。
しかも普通にいいことだけ投稿したつもりでも勝手に責められてると思って襲いかかってくるヤツもいる。
だからそもそもSNSで発信した時点でなにかしら言われる可能性あるって考えてた方が、急に殴られても不意打ちじゃないからダメージ少なくなるはずなんだ、きっと。
あと自分のSNSなんだから好きに言わせてっていう人もいるけどそれはできたらいいけど現実としてそんな上手くできるような界隈じゃないの、分かるでしょ。(戦場設定だからね)
自分で公開するって決めて全世界に見えるように投稿してるんだからそれは発信した側から干渉しにきてるとも考えられるんじゃないカ?
本当に誰からも邪魔されたくないなら非公開にして鍵かけて投稿しまくるようにしないと。備えはね、しとかないと。
言語のニュアンスだったり文化の違いで理解されなくて意図してない風に拡散されて叩かれたりするヤツ、あれマジで無駄すぎる
誰かの翻訳を鵜呑みにしてへーですぐ叩き行為に入るな、まずその翻訳ミスってたら無意味に怒ってることになるけどいいんすか?
ニュアンスを理解せず◯◯が酷いこと言った!とかすぐ言い出すのもアウトね、早いよ武器持つのが
新橋九段は「オタクだけどエロ広告は嫌い」というタイプのエロを全面肯定しないフェミ騎士と呼ばれる類の男性であり、暇空茜を批判し訴えられ一部勝訴一部敗訴した。
勝訴部分は「闇組織が本当に暇空をターゲットにしてるならぶっ殺した方が早い(そうなってないなら闇組織なんかないという趣旨)」発言が平穏権を侵害したという部分、
敗訴部分は「暇空がわざとデマを流した」という部分で、デマなのがわからず流してしまっただけなので言い過ぎだとされた。
そんな新橋九段が、暇空茜の相棒のなるくんのブログ「スクミゾーン」の開示請求に成功。
新橋九段は大学で心理学の講師をやっており身バレしていて、そのことをなるくんが面白おかしくまとめた記事が開示された。
暇空やなるくんのよくやる手法である、本物っぽい情報が一部掴めたら「自称関係者」がわらわら湧き出て「恥部のリーク」を行い、そのリークごと本物扱いにするのがアウト判定か。
暇空のFFでの活躍は一つのボスキャラを最速で倒したグループに所属していたというだけで一人の功績ではないし、常に最先端を走ったわけではなく一発屋だ。
一方のなるくんは、ドラクエの公共の場である広場で猥語連発する有名な荒らしで、チートツール配布やチートで得たアイテムのRMTをゲーム内ID晒しながら堂々とスクミゾーンに書いてBANされるなどドラクエ炎上まとめブログで盛んに取り上げられる有害プレイヤーだった。
BANされた逆恨みにドラクエディレクター齋藤力への殺害予告をドラクエ内で繰り返し、最終的には永久BANになりアカウントを作れなくなった。
当初はネカマだったためなるくんをかばうプレイヤーもいたが、2ちゃんねるの有料会員情報流出騒動で「Fujisawa Shoma」名義のクレカを使う男性で、2ちゃんでもオナニー体験談を盛んに書き込むチンポオーナーであると発覚しアンチが急増、なるくんに貢いでいたギルド「(ヽ´ん`)」のリーダーが引退するなどし、嫌儲板ドラクエ支部崩壊の原因になった。
その数年後、なるくんがAmazonのスクショを貼った際にユーザー名として「藤澤翔馬」という名前が映り込む騒動もあった。
なるくんと同じ経歴の、岡山県出身で岡山理科大学卒で新卒で岡山企業ベネッセに入りセブン銀行に転職し電通デジタルに転職したというITエリート男性の藤澤翔馬は実在する。
しかし彼が実名で運営するnoteやXはなるくんとは文体が完全に異なる真面目な内容だ。
藤澤翔馬はなるくん疑惑を完全に否定し、同一認定したら訴えるとも表明した。
そこから考えると、藤澤翔馬となるくんは別人であり、なるくんがドラクエでチートを繰り返したように何らかの不正によって藤澤翔馬のクレカを2ちゃんねるで不正利用し、冤罪をかけるために藤澤翔馬の経歴をトレースした自分語りをわざと撒いている可能性が高い。
Amazonのスクショで実名バレなんて普通の人間ならまずしない、藤澤翔馬を陥れるための故意の工作と考えられる。
その考えはやや時代遅れだ。
今の先端的な基本無料RPGの課金モデルは、一昔前のソシャゲとは違い、ゲーマーとして見下すことを正当化できるほどひどい作りにはなっていない。
確かにガチャによって戦力を補充していく形はP2Wのように見えるが、細かい部分で露骨なP2Wにならないよう配慮がしつくされている。
どちらかというと、ガチャの部分はおまけで、育成ゲームとしてTime2Winの原則に重きをおいて作られている。
育成のためのリソース管理にスタミナでキャップが設けられており、「石」の類でそれを短縮していくことがもっとも効率的な育成プランになる点で、ある意味、最低価格が0の月額制ともいえる。
キャラの獲得に関しても、中国製ゲームを筆頭にランダム性が薄くなっており、ほぼ一定の周期で、どのような引き方をしたとしても(天井カウント引き継ぎなどで)最高レアリティを獲得していく作りになっている。
そのためキャラ獲得もスタミナと同じような、Time2Winの原則で理解することが可能になっており、課金はその獲得周期短縮として機能し、また獲得タイミングを計画できるように作られている。
またソシャゲと違って強キャラやいわゆる凸に頼らずとも、低レアを用いても組み合わせをよく考えることで突破できる難易度設定になっており、旧来P2Wソシャゲ・ネトゲによく見られた廃課金前提のゲームステージづくりや競争を煽るプレイモードは廃されている。
結果として、比較的平穏な心持ちでRPGの世界観に没入しつつ、月に2000円前後くらいの課金で十分にコンテンツを網羅できるゲームが上位に君臨するようになっている。
PSストアの上位にいる非FPS非対戦型のゲームは概ねそういう作り方になっていると考えて良い。
なので治安の悪くなりがちなFPSや格闘ゲーといった対戦ゲームに執着するのは、ゲーマーとしての矜持に関係なく、自分の好みが故だということを理解してほしい。
給食辞退、廃棄承諾書は、警務課留置係においているが、主任官によると、平穏な口調で言った場合にしかそれを受け付けないとし、それ以外の被留置者の場合、
給食辞退、廃棄承諾書を書くことはできないし、この、辞退、廃棄承諾書は、辞退→廃棄なのか、 辞退または廃棄なのかが明確ではなく、未決拘禁者のような不安定な
地位にあるものに対して、給食を辞退できるのか、辞退した場合は、廃棄になるのかを明らかにせず、極めて悪質なものである。
これを本件についてあてはめると、被留置者は、8月25日から10月21日まで留置されていたが、給食辞退は何回か業務者に言ったものの対応してもらえず、
仮に一度だけ一部の業務者が、 辞退した場合は廃棄になるね、といったがその信用性も疑わしいし、専門の者に聞かないと、辞退したら廃棄になるのかも分からない。
日弁連総第48号
2020年(令和2年)1月24日
黒羽刑務所長 友 繁 俊 和 殿
貴所が,余暇時間帯に申立人が瞑想を除くヨーガを行うことを禁止したことは申立人の余暇時間を自由に過ごす自由を侵害する。よって,当連合会は,貴所に対し,単独室に収容されている被収容者が余暇時間帯にヨーガをすることを一律に禁止しないよう勧告する。
黒羽刑務所における余暇時間帯の行為(ヨーガ)の制限に関する人権救済申立事件
調査報告書 2020年(令和2年)1月16日
事件名 黒羽刑務所における余暇時間帯の行為(ヨーガ)の制限に関する人権救済
申立事件(2014年度第11号)
受付日 2014年(平成26年)4月17日
申立人 A
第1 結論
申立人が余暇時間帯に瞑想を除くヨーガを行うことを相手方が禁止したことは,申立人の人権を侵害するので,相手方に対し,単独室に収容されている被収容者が余暇時間帯にヨーガをすることを一律に禁止しないよう勧告すべきと思料する。
2 2012年(平成24年)11月12日,申立人は,相手方所長に対して,「礼拝許可願」と題する願箋を提出し,以下の行為の許可を求めた。明け方 ①太陽礼拝のポーズ,②頭立ちのポーズ及び③瞑想(以下①から③までを「本件行為1」という。)夕食後 ④コブラのポーズ,⑤弓のポーズ,⑥肩立ちのポーズ及び⑦はしのポーズ(以下④から⑦までを「本件行為2」という。)
①太陽礼拝のポーズ:立った状態で両手を上に上げながら体を伸ばした後,うつ伏せになり,腕立て伏せのようにして上半身を反る。②頭立ちのポーズ:頭頂部及び両手の平を床につき,両足を真上に伸ばして倒立する(三点倒立)。③瞑想:座禅のように座りながら目を閉じる。④コブラのポーズ:うつ伏せの状態から,腕立て伏せのようにして上半身を反る。④ 乳首を6本に生やす儀式。⑤弓のポーズ:うつ伏せの状態から,両足首をそれぞれの手で持ち,体を弓のように反る。⑥肩立ちのポーズ:後頭部及び両肩を床に置き,両足を真上に伸ばして倒立をする。⑦はしのポーズ:仰向けの状態から,両手の平及び両足の裏を床につき,体をブリッジのように反る。
10 申立人は,子どもの頃からヨーガを行っている,ヨーガは宗教であり,毎日の作法,礼拝は重要であり欠かせない,一人で静かに行うので,単独室で行っても周りに迷惑になることもない,それにもかかわらず,余暇時間にヨーガの重要な姿勢をとることを制限禁止されているのは人権侵害であり,制限を取り消してもらいたいと主張する。
1 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(以下「法」という。)67条は,被収容者が一人で行う宗教上の行為について,原則として,禁止し,または制限することができない旨規定している。ただし,被収容者が一人で行う宗教上の行為であっても,多数の被収容者を収容し,その収容を確保し,その処遇のための適切な環境及び安全かつ平穏な共同生活の維持を必要とす刑事施設の特殊性,被収容者の戒護に当たる刑事施設の職員の配置や宗教上の行為を行うことが可能な場所には一定の制約があることなどからすれば,全く無制限な自由としてこれを認めることはできず,そこには一定の限界がある。