厚生労働省は昨年12月17日、過重労働に関してハローワークなどに深刻な相談が寄せられた5111事業所のうち、4189事業所で労働基準関連法令違反が判明したと発表した。違反項目の内訳としては、「違法な時間外労働」が最も多く43.8%、次に多いのが「賃金不払い残業」で23.9%、以下「賃金、労働基準を明確にせず」(19.4%)、「就業規則の更新届けなど怠る」(16.6%)と続く。厚労省は違反企業に是正勧告をしたが、改善が認められなければ社名を公表する方針だ。 この調査を評価するのは、いわゆるブラック企業の被害に遭った若者の労働相談を手がけるNPO法人・POSSE代表で、昨年11月に『ブラック企業ビジネス』(朝日新聞出版)を上梓した今野晴貴氏である。 「ブラック企業問題では、現在の若者は粘りがなくて、何か嫌なことがあるとすぐに退職してしまうから離職率が高くなるという見方もあった。しかし、国がブラ