漂い始めた終わりの雰囲気 安倍晋三首相は自民党総裁選挙のさなか、「私にとって4回目であると同時に、最後の総裁選となる」と述べた。総裁選3選を受け、文字どおり終焉(しゅうえん)に向けてスタートした安倍政権だが、早くも終わりが近づいたかのような雰囲気が漂い始めている。 9月20日の総裁選で安倍晋三首相は地方票で圧勝できず、石破茂・元幹事長が安倍後継の有力候補となった。この地方での支持の薄さをそのまま反映するかのように、9月30日の沖縄県知事選挙では、政権が強力に肩入れした前宜野湾市長の佐喜真淳候補が翁長雄志・前知事の後継となった玉城デニー候補に8万票の差をつけられて惨敗した。公明党もまた与党候補の当選を目指し、積極的に運動したにもかかわらず、敗北したのである。 政権浮揚効果がなかった内閣改造 10月2日に成立した第4次安倍改造内閣では、官房長官、財務相、経済財政政策担当相などの中核閣僚は留任。