京都大学の山中伸弥教授らが開発した万能細胞(iPS細胞)について、作製方法の特許が国内で成立したと京都大は11日発表した。マウスだけでなく人も対象にした「根幹の特許の一つ」としており、実用化への一歩を踏み出した。iPS細胞作製関連の特許成立は国内初。今後は、国際特許が取得できるか、どこまで権利が及ぶかが焦点になる。 成立した特許の内容は皮膚などの体細胞に4遺伝子を導入して作る方法で、この方法で作る細胞にも権利が及ぶという。京大は「対象には、人も含むと解釈している」と強調する。今後は、京都大と金融3社が作った特許管理会社がライセンスを提供する。非営利機関は無料。産学連携推進担当の寺西豊教授は「基本特許の一つが成立したことで、研究のすそ野が広がる」と期待する。 今回の特許は、05年12月に国内出願した後、06年12月に国際出願した。20を超える国と地域での審査の結論はまだ出ていない。京都大