【断 大月隆寛】まただまされるのか わずか数年前のことですが、もうみんな忘れているようです。だったら、思いだしましょう。前回、あの「郵政解散」後の総選挙、どうして小泉首相率いる自民党に当時、あれだけ圧倒的な支持が集まったのか。「だまされた」という向きもこのところ多いですが、「だまされた」だけではただ受け身の被害者意識。そんな了見のままだと、また別の方向から「だまされる」のが関の山。柳田國男が説いていたように、「反省」とはこういう時にこそ、誰もができる未来を選択するための頼りになる知恵であり、武器です。 あの時、あの「構造改革」に期待して1票を投じた気分というのは、実は今でもそんなに変わっていない。いや、それどころか、さらに切実です。自浄のできない公務員制度、ハコもの乱造の公共投資やどっち向いて仕事しているのか謎なマスコミ、勉強もさせない学校教育…などなど、「戦後」のまま「そういうものだから