2024年12月14日(土)
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メディアに関する話題を、週替わりで5人のメンバーでつづります。
私が白髪を染めなくなってちょうど6年がたちました。当初は「新語・流行語大賞」にもノミネートされるなど話題になり、「グレイヘア」という言葉もしょっちゅう見たり聞いたりしました。しかしつい最近、仕事先で「グレイヘアはかなりブームになったのに、あまりちまたに増えませんでしたねえ」と言われました。いやいや
長い夏と短い秋を経て師走に入った。少し早めだが、この1年のドラマを振り返ってみたい。 1月期で光っていたのが「不適切にもほどがある!」(TBS系)だ。脚本は宮藤官九郎。主人公は1986(昭和61)年から現在へとタイムスリップしてきた小川市郎(阿部サダヲ)である。市郎は生粋の「昭和のおじさん」だが、
大相撲九州場所11日目の20日、元横綱・北の富士さんの訃報が伝えられた。既に近親者のみによる葬儀を終えられての公表となったのは、やはり本場所開催中を考慮してのことだったのだろう。 昨年の春場所から解説者として休場が続き、体調を心配されていた。けれども今年の名古屋場所初日にVTRという形ながら久々に
「嘘(うそ)解きレトリック」(フジテレビ系、月曜午後9時)は、昭和初期を舞台にしたレトロミステリー。主人公・浦部鹿乃子(松本穂香)は、人の嘘を聞き分ける特殊能力を持つ。しかし、村人から化け物呼ばわりされ、追われるように村を出た。たどりついた九十九夜(つくもや)町で、もう一人の主人公で、貧乏な探偵・
今、ニューヨークにいる。わずか数時間前に、米大統領選でのトランプ氏当選が米メディアで一斉に報じられた。激戦州の全てをトランプ氏が制することが判明したからだ。あっけなかった。敗北の結末は実に残酷だ。母校ハワード大学で「勝利演説」をする予定だったハリス副大統領は、急きょ演説を中止。待っていた支持者たち
テレビ番組のナレーション原稿は、内容やコンプライアンスのチェックなど、現場はもちろん、専門部署も通して何度も検討が重ねられます。これは番組を作る上で大切な作業の一つです。ただし、娯楽であるバラエティー番組は、クソ真面目なだけでは面白くも何ともなく、笑いも毒も下品も入れて、満場一致の原稿にするのはと
脚本家・野木亜紀子の快進撃が続いている。昨年の「フェンス」(WOWOW)の舞台は沖縄。米兵による性的暴行事件を取材する雑誌ライター(松岡茉優)を軸に、沖縄と本土、日本とアメリカ、ジェンダーや人種の相違など、さまざまな<フェンス>を乗り越えようとする人間の姿が生々しく描かれていた。第74回芸術選奨・
11日(日本時間12日)のナショナルリーグ地区シリーズをドジャースが制し、ワールドシリーズ制覇へ向けてさらにコマを進めた。ダルビッシュ有、松井裕樹を擁するパドレスのファンには申し訳ないが、これでまだ今年の「大谷翔平祭り」続行と相成った。ことほどさように、2024年の主役は、日本のプロ野球がいかに白
NHKBS時代劇「おいち不思議がたり」の舞台は江戸・深川。町医者の父・松庵(玉木宏)を手伝いながら、医者になることを夢見るおいち(葵わかな)には、無念のうちに亡くなった者の声を聞き取り、その姿を見るという不思議な力があった。そのことがきっかけとなり、彼女は岡っ引きの仙五朗親分(高嶋政宏)とともに町
自民党総裁選をめぐるテレビ報道は、勝ち馬が「決まるまでは」おおよそ競馬レースの予想以上のものではなかった、と断じておきたい。出走したどの馬が頭一つリードしているとか、3頭が抜き出ているようだとか、3頭目がどうやら失速したようだとか。政治記者や評論家、コメンテーターらが勝ち馬の倍率をにぎやかに予想解
沖縄の人は何気ない会話の中で、よく沖縄以外の地域のことを都道府県名ではなく、全部ひっくるめて「内地」と言います。私の聞く限りでは口癖のように自然に発せられるので特別に区別して話しているふうには見えません。ただ、県外出身の私には、沖縄は琉球王朝時代からヤマトと対峙(たいじ)する社会であり、薩摩藩の侵
クドカンこと宮藤官九郎が脚本を手掛けたドラマでは、特定の街・地域が背景となることが多い。「池袋ウエストゲートパーク」(TBS系)や「木更津キャッツアイ」(同)、そして岩手県の北三陸が登場したNHK連続テレビ小説「あまちゃん」もそうだった。 先日幕を閉じた「新宿野戦病院」(フジテレビ系)もまた、東京
開催中の大相撲秋場所。その初日、NHKの幕内中継の後半、実況の大坂敏久アナウンサーのお詫(わ)びが差しはさまれた。これを正確に引用すると、「先ほど、今日の放送の中で不適切な表現がありました。失礼しました」。私も放送を見ていて「?」とは感じたが、さして気にすることもなく、その後の土俵に興じていた――
NHKの大河ドラマ「光る君へ」では、二人の芸人がいい味を出す。 一人は、藤原実資役のロバート・秋山竜次。細身色白の公卿(くぎょう)が多い中、どどんと健康的な体格で日焼けもしているので、やたら目立つ。面白いのは、帝(みかど)の側近として秩序を守り堅物と言われながら、時々隙(すき)を見せること。透けた
世の中、選挙だらけですね。日本でも順番から言えば、立憲民主党の代表選、自民党総裁選が9月に相次いで行われる。自民党の総裁選は、実質的に次の首相選びという性格を持つので、いやが応でも注目せざるを得ないというわけだ。すでにうんざりするほど、自民党総裁選についての「報道」がメディアを覆っている。と、人ご
パリ・オリンピック真っただ中の8月上旬、夏休みを利用して南フランスのプロバンス地方を訪れました。車の窓から見えるぶどう畑には翡翠(ひすい)色の実が豊かに実っていました。行く手にセザンヌの愛した山、サント・ビクトワール山が優雅に横たわり、その稜線(りょうせん)に向かい走り続けると、開けた高原の景色へ
連続ドラマの重要な「設定」が重なることがある。例えば今年の春ドラマでは「記憶喪失」がそうだった。「約束~16年目の真実~」(日本テレビ系)、「くるり~誰が私と恋をした?~」(TBS系)、「9ボーダー」(同)、「アンメット ある脳外科医の日記」(フジテレビ系)、そして「366日」(同)などだ。 1年
パリ・オリンピックも残すところ、あとわずかとなった。 コロナ禍の東京大会が開催そのものでモメたのとはまた別に、今回のパリもまた問題噴出となってしまったようで――広くは選手村の食事や空調への不満、競技によってはその環境。生じるべくして生じたジェンダー問題。さらに日本がらみだと、深刻度を増すSNS(ネ
この夏、現代劇と時代劇で正反対の性格の主人公を演じるという珍しいスタイルでドラマを盛り上げているのが、杉野遥亮である。 「マウンテンドクター」(フジテレビ系、月曜午後10時)では、整形外科医で山岳医の宮本歩役。故郷の長野県の信濃総合病院に赴任した宮本は「MMT(マウンテン・メディカル・チーム)」に
米国がくしゃみをすると日本は風邪を引く。若い頃から当然のようにそう言われてきた。米大統領選が、日本の首相選びや東京都知事選なんかより、ずうっと一大事だよと言わんばかりに、このところ大々的に報道されている。 それはそうだろう。米国のテレビで生中継中、演説さなかのトランプ前大統領が狙撃された。右耳を貫