「売れるクルマ」出せぬ日産 背景に「ゴーン改革」と高コスト体質

日産自動車の内田誠社長=横浜市の日産自動車本社で2024年5月31日午後5時19分、秋丸生帆撮影
日産自動車の内田誠社長=横浜市の日産自動車本社で2024年5月31日午後5時19分、秋丸生帆撮影

 日産自動車が深刻な業績不振に陥っている。最高財務責任者(CFO)など複数の幹部を異動させる異例の人事を11日に発表し、経営の立て直しを進める姿勢を示したものの、多くの役員は横滑り。経営責任を明確にしたとは言えず、社内外から「踏み込みが足りない」との声が出ている。日産は、再び回復軌道に乗ることができるのか。

続く販売不振

 日産が苦境に陥っているのは、「売れるクルマ」を投入できない状態が続いているためだ。

 11月に発表した2024年9月中間連結決算は営業利益が329億円となり、前年同期と比べ9割も減少した。世界の巨大市場である北米や中国を中心に販売不振が響いた。

 特に北米事業が深刻で、営業損益は41億円の赤字に転落した。過去3年は2000億円前後の黒字を稼ぎ出しており、落ち込みが激しいことがわかる。

 日産は長年トップに君臨したカルロス・ゴーン被告の意向もあり、…

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