私は最近、全国の小中学校の校長先生の研修会で講師をやることが多いのだが、その冒頭に、津波に関してこんなふうに聞いてみることにしている。 「先生たちは朝礼や始業式で何度も東北の『津波』被害の話をしていると思いますが…ところで、『高波』と『高潮』と『津波』の違いについて、はっきり説明できる方はいらしゃいますか?」と。 すると若干名の勇気のある先生方は、周囲の先生と相談しながらこんなふうに答えてくれる。「風で起こるのが『高波』で、台風などの低気圧で起こるのが『高潮』。ここまでははっきり分かるんですが、『津波』は海底の岩盤の地震によって起こるというのが違いじゃないですか?」。 この答えは間違ってはいないのだが、点数をつければ100点満点の50点。 発生原因の違いはこれでいい。でも『津波』本来の性質の違いを指摘しなければ、なんで、あの強靭な防波堤・防潮堤までを破壊して、何キロメートルも陸地に押し寄せ