ストレスなどからココロを病むビジネスパーソンが増加し、社会問題化しています。メディアでも大きく報じられ、小説や映画などでも描かれるようになりました。 このコラムでは、ココロの病を扱った映画を題材にして、日本精神科看護技術協会に所属し、日々患者に接している精神科看護師の解説を交えながら、誤解されやすいココロの病の本当の症状や対処法などを明らかにしていきます。 今回に紹介するのは、若かりし時の熱愛の日々とともに、年老いて病を患った妻を献身的に支える夫の姿を描いた米映画『きみに読む物語』。この作品の中で、どのようなココロの病が描かれているのか。名優たちのリアルな演技を通して具体的な病状を正確に把握し、理解を深めていきましょう。 アメリカ南東部に位置するノースカロライナ州のとある町。川のほとりに建つ病院に併設された療養施設に入居している老婦人アリーの元を、分厚いノートを抱えた老人が訪れる。 看護師