兵庫県は16日、県立尼崎総合医療センター(尼崎市)で、男性患者への検査で肺がんの疑いが見つかったのにもかかわらず、担当医が報告を見落とし、後に患者が死亡したと発表した。検査の1年後にミスが判明したが、回復が望めない段階まで症状は悪化していた。県は遺族に賠償金450万円を支払う。 県病院局によると、2018年5月、副腎腫瘍の治療中だった70代の男性患者=大阪府=にコンピューター断層撮影(CT)検査を実施。放射線科医が肺に2センチ程度のこぶを見つけ「肺がんの疑い」と報告書の所見欄に記入したが、担当する泌尿器科医が電子カルテ上の確認を怠ったという。 男性は翌19年5月、自動車の自損事故で同センターを受診。その際に担当した別の医師が電子カルテの所見に気づき、再びCT検査を行ったところ、ステージ4の肺がんと診断された。男性は治療を受けたが、20年6月に死亡した。 また県は、昨年8月に県立がんセンター