70代の山本正男受刑者=仮名=は無期懲役の判決を受け、徳島刑務所(徳島市)で刑に服している。犯した罪は強盗殺人。事件を起こしたのは1970年代、20代の時だ。 勤務先の社長の家から現金十数万円を盗み、居合わせた社長の母親を金づちで殴って殺害した。「いまだに心に残るくらい強烈なうめき声だった」。恐怖を打ち消そうと、思わず火を放った。事件を起こした動機は「遊興に明け暮れて妻の出産費用に困った」。一審では死刑判決だったが、二審で無期懲役になった。 殺人などの罪で服役する無期懲役受刑者は、人生の大半を刑務所で過ごすことになる。彼らは過去とどう向き合い、何を思って過ごしているのか。無期懲役受刑者を多く収容する徳島刑務所で、3人の受刑者がインタビューに応じた。1人目は刑務所で約40年過ごしてきた山本受刑者だ。(共同通信=今村未生) ※筆者が音声でも解説しています。「共同通信Podcast」でお聴きくだ