残業規制強化による「2024年問題」で、路線バスの運転士不足が深刻だ。公営と民間の事業者が待遇改善を競い、引き合いが強まっている。一部路線で減便を余儀なくされている相鉄バス(横浜市西区)を訪ね、現場の窮状をみた。 「うーん、この日はどうしよう」。綾瀬営業所(綾瀬市)の事務員が、運転士の勤務表とにらめっこしていた。4週ごとに作るシフトが埋まり切らない。 運転士の定員は144人。11月末時点で1割足りず、12月に入ってインフルエンザ感染による病欠も重なった。欠便は「ご法度」(担当者)。休日出勤や運転経験のある事務員の応援でしのぎ、「自転車操業です」。退職者が相次いだ綾瀬営業所はとりわけ運転士不足が深刻で、1月から続く減便は解消の見込みが立たない。 高い給与、市営バスに人材奪われ