MT-135
名称:MT-135
打上げ国名・機関:日本/宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
開発機関・会社:気象庁/宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関・会社:宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打上げ場所:気象ロケット観測所/鹿児島宇宙空間観測所/種子島宇宙センター(KSC)
運用開始年:1970年7月15日
運用終了年:2001年3月21日解説:1961年に世界気象機構(WMO)からの勧告を受け、気象ロケット観測をおこなうための計画が推進されました。気象ロケット観測をおこなえば、長期の気象予測に必要な成層圏の上層部(高度50〜60km)のデータが得られます。そのために気象庁と東大宇宙航空研究所が共同で、気象ロケット「MT-135型」を開発しました。MT-135型は、パラシュート付きのロケットゾンデを搭載して、高度60kmに到達することが可能な小型単段式ロケットです。1970年、気象庁は岩手県の三陸町綾里に「気象ロケット観測所」を開設し、毎週1回の定期観測をおこなっていました。ここから打ち上げられるロケットは、漁船に対する危険防止策として落下するモーター部に緩降下用にパラシュートがつけられたもので、MT-135P型と呼ばれています。気象ロケット観測で得られた高層気象データはWMOに提供され、世界の気象業務に役立っています。
MT-135をよく知るためのアラカルト
どんな形をして、どんな性能を持っているの?
打上げや飛行の順序は、どうなっているの?
どんなものを打ち上げたの?
どのくらい成功しているの?
この他に、同じシリーズでどんな機種があるの?
分類:ロケットMT-135をよく知るためのアラカルト
どんな形をして、どんな性能を持っているの?
打上げや飛行の順序は、どうなっているの?
どんなものを打ち上げたの?
どのくらい成功しているの?
この他に、同じシリーズでどんな機種があるの?1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
MT-135型ロケットは、高度60kmに到達することができる小型単段式ロケットです。全長は3.3m、直径は0.135m、全重量は70キログラムです。パラシュート付きのロケットゾンデを搭載して、気象観測をするために打ち上げられます。搭載重量は約2キログラムです。ロケットゾンデが格納されている先端は、空力加熱から守るために、ガラス繊維強化合成樹脂FRPが使用されています。
2.打上げや飛行の順序は、どうなっているの?
発射時間が近づくと、そのときに吹いている風を考え、方位角146度、高度60kmにおける水平距離25kmの地点に打ち上がるように発射台の発射角度をセットします。発射時間に発射スイッチで点火すると、推進薬が急速に燃焼し、エンジン部内の圧力を高め、この高圧ガスが後尾のノズルから噴射されて、ロケットが発射します。発射後約10.4秒で推進薬の燃焼が終わり、これ以後は慣性により放物線を描いて上昇を続け、発射後約110秒で最高点(約64km)に達します。発射後約95秒で切断用タイマーが働き、ロケットゾンデ部をエンジン部から切り離します。
3.どんなものを打ち上げたの?
気温センサーを組み込んだ観測器(ロケットゾンデ)を打ち上げています。4.どのくらい成功しているの?
気象ロケット観測所では、1970年7月15日にMT-135P型の第1号機を打ち上げ、その翌年から毎週1回の定期観測をおこなっていました。2001年3月21日に運用を終了しています。5.この他に、同じシリーズでどんな機種があるの?
1964年に鹿児島宇宙空間観測所でテスト機であるPT-135の打上げに成功、1970年にはモーター部がパラシュートで緩降下するような構造にしたMT-135Pへの改造がおこなわれました。
※参考文献/大澤弘之・監修「日本ロケット物語」三田出版会、斎藤成文・著「日本宇宙開発物語」三田出版会、山中龍夫・的川泰宣・著「宇宙開発のおはなし」日本規格協会
MT-135
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/18 09:33 UTC 版)
詳細は「MT-135ロケット」を参照 世界気象機構(WMO)の勧告を受けて気象庁と共同開発した気象観測用ロケット。1963年に開発に着手し、1964年から運用に入った。気象庁気象ロケット観測所で毎週水曜日の定期気象観測に用いられた他、M-4Sロケットの小型予備試験機としての運用や国立極地研究所昭和基地での中層大気観測にも供されるなど、2001年の運用終了までに1,000機以上が打ち上げられた。
※この「MT-135」の解説は、「IX計画」の解説の一部です。
「MT-135」を含む「IX計画」の記事については、「IX計画」の概要を参照ください。
- MT-135のページへのリンク