イランが国を挙げて進めるウラン濃縮施設の稼働が一時的に全面停止したことが国際原子力機関(IAEA)の査察で判明し、各国の専門家の間でさまざまな憶測を呼んでいる。技術上のトラブルが指摘されるが、イラン国内で感染が拡大するコンピューターウイルスが原因との見方も浮上、情報は錯綜している。 IAEAが23日にまとめたイラン核問題報告書によると、査察官が今月16日に中部ナタンズの核施設で、低濃縮ウランを製造する約4800基の遠心分離機すべてが止まっているのを確認した。実際の停止期間は不明だが、イランは22日、大部分が稼働を再開したと伝えてきたという。 施設の遠心分離機は旧型で、IAEAに近い外交筋によると、過去3年ですべての遠心分離機の稼働が止まったケースが数回発生、今回も技術的な問題が起きた可能性が「極めて高い」とみる。(共同)