企業の経営者は自社の顧客を熟知し、既存事業を守ろうとする。しかし、破壊者は既存ビジネスとは全く異なる事業形態で市場に参入してくるため、初期の段階ではディスラプションだと感じられない。誰かがあなたのところにやってきて、「明日あなたの会社の顧客をもらっていくよ」と告げることはない。ただ単に、あなたがそれまで大事にしてきた顧客が、一度も競合相手と見なしたことのないプレーヤーに突如として乗り移ってしまうのだ。その理由は圧倒的な低コストかもしれないし、製品に対する関心の変化かもしれない。いずれにせよ、テクノロジーが未来に与える変化を注意深く観察していない経営者は、いざディスラプションが始まったときには、まるでそれまで何も見ていなかったように感じるだろう。そして、その時点ではもう手遅れなのだ。 グーグルXでの自動運転車開発は当初、株主などから批判を浴びた。それはちょうど、グーグルがアンドロイドを買収し