世界三大ブルーチーズのひとつでもある「ロックフォールチーズ」。この青カビチーズの代表格をめぐり、米国と欧州連合(EU)の対立が深まっている。日本にはなじみの薄いニュースだが、米国のブッシュ前政権が輸入関税の引き上げを決めたのが発端。折しも米国はバラク・オバマ新政権が発足し、関係が好転するとの観測もあった。しかし、米景気対策法をめぐり保護貿易主義的な思惑が顔をのぞかせたこともあり、チーズ産地であるフランスの生産者の気分は晴れない。 ■シーン1 「ブッシュのとんだ置きみやげ」「制裁関税撤廃!」 米国でバラク・オバマ大統領(47)が就任した1月、パリの米国大使館近くには、ロックフォールチーズへの関税軽減を求めるプラカードがたくさん掲げられた。 ロックフォールチーズをめぐる米とEUの対立は根が深い。EUは、成長促進ホルモンを使った米国産牛肉を禁輸。世界貿易機関(WTO)の裁定を無視して禁輸を続けて