まずそもそもとして、別の食器で別の料理として出されたものを混ぜるのが下品であるとされているから、味噌汁とご飯がそれぞれどういう器に入っているかが判断基準として重要なの。
例えば味噌汁が急須に入って、茶碗の横においてあったら、ご飯にかける前提の設計になるし、大きいすり鉢に味噌汁が入った状態で持ってこられたら、やっぱりご飯の上にかけることが想定されていることになる。
いずれの場合でも、味噌汁が入っている器が「そもそも注ぐことを想定した形をしている」か「椀物として扱うことができないサイズ感」であるれば、それ単独で食べることはあまり想定されてないってことになる。
同じような話で、お店で鍋の〆に雑炊を頼んだ場合、よほど寒い居酒屋でもない限りお米は「おひつ」に入って持ってくることが多いじゃん。
あれも茶碗に盛られたご飯はそれ単独で成立している一品料理であり、それを鍋に入れることは下品とされているから。
洗う手間を増やしてでも、おひつにご飯を入れて、そこから鍋に入れて、出来上がった雑炊は茶碗に入れて提供される。
この辺の器による感覚って結構みんな何となくは持ってると思うんだよね。
例えばカレーソースを普通の椀に入れられたら「これはそういう汁物料理なのかな」って思って、ちょっとご飯にかけるのを躊躇するでしょ?