ミレニアル
「千年紀に関する」という意味で、「ミレニアム」(millennium)の形容詞形。
主に米国において、西暦2000年頃に成年となる、1980年代から1990年代に生まれた若者世代を、「ミレニアル世代」と言う。ミレニアル世代は、生まれたときにはインターネットやソーシャルメディアが存在していたデジタルネイティブであり、それまでの世代とは異なる新たな価値観を持つ世代とされる。
ミレニアル世代とは一部重複するが、1970年代半ばから1980年代に生まれた世代を「ジェネレーションY」と呼ぶ。こちらは、ベトナム戦争から冷戦終結までの時代に生まれた世代を指す用語である。
また、ジェネレーションYよりも1世代前、1960年代から1970年代半ばに生まれた世代を、「ジェネレーションX」という。この世代は冷戦終結の頃に成人しており、社会的に冷めた視点を持つとされる。
ミレニアル世代
別表記:M世代、ミレニアルズ
英語:millennial
米国で、1980年代半ばから2003年の間に生まれた世代を指す語。いわゆるデジタルネイティブであり、社会のあり方を変容させる世代として注目されている。
「M世代」や「ミレニアルズ」という名称でも知られる。西暦を1000年単位で区切った「millennial」が由来。アメリカのピュー・リサーチ・センターによると、1981~1996年に生まれた人を指すと定義されているが、1980年代以降に生まれた人や2000年代に成人した人を指すこともある。
ミレニアル世代の大きな特徴としては、物心がついた頃にはパソコンや携帯電話が普及していたため、デジタル機器に慣れ親しんでいたことが挙げられる。そのため、SNSやインターネットでの発信に抵抗がなく、情報リテラシーが高いという傾向がある。買い物を行うときの傾向としては、幼少期よりインターネットが近くにあった影響で、オンラインショップを利用することも多いとされる。また、リーマン・ショックによる景気低迷時に10代を過ごしたため、上昇志向を持つ人が少なく、会社への帰属意識が低い人が多いという見方もある。一方で、身体に安全な食品を求める、健康促進の商品を購入するなど、健康志向が強い傾向もある。
また、アメリカや中国、アジアの新興国では最も人口の多い世代となるため、購買力や政治の面で強い影響力を持つ。アメリカでは、ミレニアム世代の女性向けニュースサイト「theSkimm」が立ち上げられた。
1980年代から2000年代初頭までに生まれた「Y世代」、ベビーブーマー世代を親に持つ「エコブーマー」、幼少期からデジタル機器に親しんだ世代の「デジタルネイティブ」と重なる。
ミレニアム
ミレニアム | |
---|---|
系 | 暦法 |
量 | 時間 |
SI | 約3.156×1010秒 |
定義 | 1000年 |
ミレニアム(英語: millennium [注 1])、千年紀(せんねんき)とは、西暦を1000年単位で区切ったもの。
西暦元年(1年)から1000年ずつ区切った場合、1千年紀は1年から1000年まで、2千年紀は1001年から2000年までとなり以下同様であるが、3千年紀の開始に際して「2000年から」とするか「2001年から」とするか世界各地で議論があった(詳細は後述)。
ミレニアム騒ぎ
2000年には、これを新千年紀の始まりと見なす考え方とキリスト教の大聖年の祝いとが渾然一体となった祝賀イベントが世界各国で行われ、「ミレニアム」と騒がれた(この年の幕開けは世界中で新しいミレニアムを祝うカウントダウンイベントが開催されたが、同時に「2000年問題」の発生でも注目された)。
このことから転じて、「2000年のことをミレニアム(ミレニアム・イヤー)」と呼ぶようにもなった[1][2]。
日本では、フェリペ・フェルナンデス=アルメスト著の『ミレニアム』(1996年刊)の冒頭で、1001年前後から執筆が始まった[注 2]とされる紫式部の『源氏物語』に触れたことがきっかけで注目されるようになった[3]。ミレニアムブームとも呼べるこのブームは欧米に合わせる形で日本においても過熱して、「ミレニアムベビー」や「ミレニアム結婚」などのように使われた。
第三ミレニアム開始に関する議論
西暦には0年が存在せず1年から始まるため、定義通りには1〜1000年、1001〜2000年と区切るのが正しい。カトリック教会や多くの国の政府見解も公式にはこの区切りを認めている[3]。
3千年紀(第三ミレニアム)は、2000年からとするか2001年からとするか世界中で議論が巻き起こった。定義はともかく2000年という感覚的に繰り上がりの感じられる数字にしようという意見や、カトリックの大聖年である2000年と重なったため2000年からとする意見も多かった。
第三ミレニアム開始の各国の見解
イギリスのグリニッジ天文台では、2001年から始まるという見解を公式に発表している。また、カトリック教会の中心地であるバチカンでは、2001年から始まるとしながらも2000年からとする誤解は否定せずに、大聖年を1999年12月24日〜2001年1月6日と定めている。アメリカ政府は、2000年1月1日〜2001年1月1日を「ミレニアム・イヤー」と定め、当時のクリントン大統領も「2000年と2001年の2度祝えばいい」としている[3][4]。
中国ではミレニアムの公式見解はないが、1999年が中華人民共和国成立50周年にあたることもあり、21世紀は2000年からという見解を示していたが、後に2001年から始まると訂正している[4]。日本もミレニアムの公式見解はないが、21世紀はあくまでも2001年からとし、「2000年のことをミレニアム」とする風潮が強かった。
ミレニアムの語源と由来
ミレニアムは英語で“millennium”と綴られるが、語源はラテン語の「mille=千[注 3]」と「annum[注 4]=年」である。元々は、これまでの世界が終わりを遂げて、キリストが新たな千年間を支配する至福千年期が訪れるというキリスト教の千年王国を意味していたもの[注 5]が、100年間を表す“century”と同じように1000年間の意味でも使われるようになった[3]。
日本語訳では千年紀となる。millenniumには1000年間(千年期)の意味もあるが、千年紀は世紀と同様に西暦を区切った単位である[注 6]。
脚注
注釈
- ^ 複数形はmillennia、またはmillenniums。
- ^ 文献初出が1001年(長保3年)であるため、その頃にはすでに相当な部分まで成立していたとの見方もある。
- ^ milleはラテン語で、元々「たくさん」を意味していたが、転じて「千」を意味するようになった。milleを語源とする英語として他にもミリオン (million) などがある。
- ^ 「annum」は対格であり、主格では「annus」となる。
- ^ この千年王国と関連してセヴンスデー・アドヴェンチストやエホバの証人らが、千年期の到来、神のみ国、王国の実質年期と信仰している。
- ^ ただし、西暦の区切りとは関係なく1000年間の意味で千年紀が使用される場合もある。
出典
- ^ 新・地球世紀へのキーワード[共に生きる] (PDF) (調査季報144:新鮮力 角田定孝/横浜市企画局政策部調査課 2000年12月27日発行, ISSN 0387-8899)
- ^ ミレニアム(千年紀)って何?(長岡シティアンサンブル NONCE号外/だから何やねん)
- ^ a b c d 新たなミレニアム(千年紀)を考える(21世紀の歩き方大研究)
- ^ a b なぜ2001年が始まりなのか(21世紀の歩き方大研究)
関連項目
- millennialのページへのリンク