古代都市とは? わかりやすく解説

古代都市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 17:33 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

古代都市』(こだいとし、フランス語: La Cité antique)は、1864年ストラスブールで出版された、フランス歴史家フュステル・ド・クーランジュの最も有名な著作。著者は、デカルト的アプローチに依りながら[1]古代の歴史家や詩人たちが遺した古代についてテキストに基づいて、古代ギリシア古代ローマの社会における最初期の諸制度の起源を分析している。

概要

著者はこの本の序文で、古代の人々の習慣を検討する際に、現代の習慣を参照してしまうという誤りを犯さないよう、読者に警告し、古代の人々を研究するためには、われわれが偏見を捨て、事実に基づくことが求められるのだと述べている。

フュステル・ド・クーランジュは、古代のギリシア人やローマ人たちの諸制度の基盤に、宗教と信仰があったと考えた。すべての一族には、それぞれの信仰と神があった。財産や相続などをめぐる規則を司るのは、この小さなカルトであった。やがて時が経ち、人々の間に秩序が必要となり、一貫した規則が求められるようになり、それが及ぶ対象も徐々により広範囲に及ぶようになってゆき、遂にはひとつの都市国家全体を包括するまでに至った。したがって、都市の起源も宗教に根ざしており、ルストラティオ (Lustration) のように国勢調査と連動して定期的に実施される清祓の儀式や、地元の神々を讃えて誰もが参加して行われる祝祭の饗宴などが、それを証明している。

しかし、当初の法律は、貴族に特権を認めていたため、やがて平民の不満を呼び、遂には社会革命が起こって社会の福祉が宗教の新しい基盤となって都市の生活を再建し、キリスト教が普及するまでそれが続いた。

日本語訳

  • フュステル・ド・クーランジュ『古代都市』 田辺貞之助訳、白水社(上下)、1944年 - 1948年、改訂版(全1巻)、1995年

脚注

  1. ^ 後年フュステルは、「ジュール・シモン (Jules Simon) がデカルトの『方法序説』を30年ほど前に説明してくれたことが、私のすべての著作の始まりで、私は彼が手ほどきをしてくれたデカルト的懐疑の方法を歴史に応用してみたのである」と述べている。 (J. W. Thompson, A History of Historical Writing, vol. 2, New York: Macmillan, 1942, p. 363)

外部リンク

  • Fustel de Coulanges, La Cité antique - remacle.org(2011年11月16日閲覧)

古代都市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/10 02:30 UTC 版)

エスナ」の記事における「古代都市」の解説

ラトポリス」という地名ナイルパーチ学名 Lates niloticus と関係が深い。ナイルパーチナイル川にすむ52種のの中で最も大きく古代にはこの近辺多数生息していた。彫刻題材としてもよく見られ女神ネイト象徴1つとして、王権神性を表す卵形の盾または環で囲んで描かれることが多かった生贄として捧げられLates niloticus は町の西にある墓地埋葬された。 ラトポリス守護神は、クヌムネイトと彼らの子である Hak の3だったと見られている。エスナ神殿はこの3神々捧げられたもので、その建築美しさ壮大さ特筆値する建材には赤みがかった砂岩使われており、6本のが4列並んだポルチコそれぞれの柱頭ハス形で、しかもごとに柱頭形状微妙に異なる。 エスナから南に12キロメートルほど行ったところにほぼ同時代神殿が見つかっているが、その上に町があるため発掘調査されていないエスナから北に2キロメートルほど行ったところにラトポリスの3守護神小神殿がある(現在は el-Dayr というになっている)。その近くにはプトレマイオス3世時代紀元前246年-221年)の黄道十二星座小神殿もあった。しかし後者建物19世紀新たな運河建設する際に取り壊された。エスナ神殿19世紀中ごろ中に充満していた土や屑を取り除かれ、綿の倉庫として使われていた。 神殿入口脇柱現状土台部分)はトトメス2世エジプト第18王朝)のものだが、それ以外部分全てプトレマイオス朝ローマ帝国時代のものであるプトレマイオス3世上エジプト多く神殿修復している。ラトポリス神殿の壁にもその姿が描かれており、その後ろでライオンプトレマイオス3世の敵に襲いかかろうとしている。プトレマイオス5世の名も戸口刻まれている。遺跡大きさ印象的だが、その彫刻ヒエログリフエジプト美術衰退しつつあったことを示している。西側の壁にはプトレマイオス6世プトレマイオス8世レリーフがある。中央1つだけ入口ある様式はエドフ神殿似ている。この現在の姿再建されたのはクラウディウス帝の治世41年-54年以降のことで、ウェスパシアヌス帝のころに完成したウェスパシアヌス帝の名や肩書き入口奉納銘に刻まれている。入口天井にはやや大きな黄道十二宮図がある。皇帝ゲタの名もヒエログリフ書かれているが、部分的に兄で暗殺者カラカラ消している。それでもこの神殿書かれ最後の皇帝の名であり、読みやすいローマ人たちは神殿の再建にあたって従来神殿基礎部分から除去した見られている。埠頭神殿とを結ぶ儀礼用の道はこのころにはなくなっていたと見られる埠頭にはマルクス・アウレリウス・アントニヌスカルトゥーシュがある。 町の西にある墓地には Lates niloticus(ナイルパーチ)が埋葬されている。また、エジプト中王国時代から末期王朝までの人間の墓もある。

※この「古代都市」の解説は、「エスナ」の解説の一部です。
「古代都市」を含む「エスナ」の記事については、「エスナ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「古代都市」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「古代都市」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「古代都市」の関連用語






6
ウヌグ デジタル大辞泉
92% |||||

7
エレク デジタル大辞泉
92% |||||

8
オルバ デジタル大辞泉
92% |||||

9
ティリンタ デジタル大辞泉
92% |||||

10
テル‐マディーフ デジタル大辞泉
92% |||||

古代都市のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



古代都市のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの古代都市 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのエスナ (改訂履歴)、セウトポリス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS