クインナルビー
クインナルビー | |
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1953年天皇賞・秋 | |
現役期間 | 1951年 - 1953年 |
欧字表記 | Queen Narubi[1] |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牝 |
毛色 | 栗毛 |
生誕 | 1949年4月13日 |
死没 | 1960年4月17日 |
父 | クモハタ |
母 | 第一シュリリー |
母の父 | レヴューオーダー |
生国 | 日本(北海道浦河郡浦河町) |
生産者 | 鎌田三郎 |
馬主 | 髙橋虎男 |
調教師 | 石門虎吉 |
競走成績 | |
生涯成績 | 44戦17勝 |
獲得賞金 | 7,264,890円 |
クインナルビー(1949年4月13日 - 1960年4月17日)は、1950年代後半に活躍した日本の競走馬。年齢表記は旧呼称とする。
経歴
[編集]現役時代
[編集]1949年4月13日、北海道浦河郡浦河町の鎌田三郎牧場にて生まれる。3歳時に阪神競馬場所属の石門虎吉厩舎に入厩し、訓練を積む。
1951年8月18日、札幌競馬場での未出未受競走に於いて、柴田不二男騎乗でデビューし、2着となる。その後札幌で2戦して2勝、秋の京都で2戦していずれも2着となる。暮れの阪神の条件戦で鞍上に境勝太郎を迎えて勝つとその翌週の第3回阪神三歳ステークスに連闘で出走して3着に入った。
1952年、4歳になると3月の阪神競馬場でのスプリングステークス[注釈 1]に出走、同期デビューで強豪牝馬の一頭に数えられるレダの前に1馬身1/4及ばず2着となる。4月13日の桜花賞ではレダに次いで2番人気となったが、5番人気で保田隆芳騎乗のスウヰイスーに敗れた。桜花賞の後、一戦して5月25日の第19回東京優駿に出走し、12番人気ながらゴール前でクリノハナ、タカハタと接戦を演じて3着に入った。東京優駿の後、平場オープン競走で3勝を挙げて10月5日の第13回優駿牝馬[注釈 2]に出走し、桜花賞の雪辱を期したが叉もスウヰイスーの前に5着と敗れた。優駿牝馬の後に地元関西へ戻り鞍上が土門健司に交代し、平場オープンを勝ち、チャレンジカップで2着、11月23日の第13回菊花賞では3着となった。年末に再び境勝太郎に鞍上が戻り、12月28日の鳴尾記念(秋)で優勝し、漸く重賞初制覇となった。
1953年、5歳を迎えて年明けの平場オープンで勝った後、3月には3週連続でオープン特別戦に出走するハードローテーションの中で連対を外さぬ安定ぶりを見せた。4月12日の阪神記念で2度目の重賞制覇を飾って5月5日の第27回天皇賞(春)に出走、好敵手レダの前に叉も2馬身半差及ばず2着となった。その後、鳴尾記念(春)では再びレダと対決してこの時はハナの差で勝利し、重賞3勝目となった。3ヶ月の休養の後、オープン競走を3戦した後に11月15日の第28回天皇賞(秋、東京 芝3,200メートル[注釈 3])に出走、3分23秒0のレコードタイムで優勝して悲願の八大競走制覇を果たした。天皇賞の後は毎日王冠、鳴尾記念(秋)と出走したが、勝つことは出来なかった。
1954年、6歳を迎えた1月の京都競馬に2回出走。1月17日の日本経済新春杯3着を最後に現役を引退した。現役時代は44戦して一度たりとも掲示板を外したことがなかったという安定した成績を残した馬でもあった。
繁殖牝馬時代
[編集]現役引退後に繁殖に上がったクインナルビーの産駒は、カツトシ(1958年中山4歳ステークス)が目立つのみだが、その牝系は遺した3頭の牝馬から繁栄し、子孫からオグリキャップ(有馬記念2勝、安田記念など)、オグリローマン(桜花賞)、キョウエイマーチ(桜花賞)、マルシュロレーヌ(ブリーダーズカップ・ディスタフ)、アンドレアモン(ウインターステークス、フェブラリーハンデキャップ)、ナミュール(マイルチャンピオンシップ)といった活躍馬を輩出している。
主な牝系図
[編集]牝系図の主要な部分(太字はGI級競走優勝馬)は以下の通り。
- クインナルビー 1949
- カツトシ 1955(中山4歳S)
- スターナルビー 1957
- センジユウ 1963
- ネヴアーナルビー 1969
- ホワイトナルビー 1974
- オグリシルバー 1981
- オグリプレス 1988
- タクミシルバー 1999(ほくてつニューイヤーC、いぬ鷲賞)
- オグリプレス 1988
- オグリドン 1984
- オグリマイケル 1997(笠松オールカマー)
- オグリキャップ 1985(有馬記念、マイルCS、安田記念ほか)
- オグリロード 1987
- オグリダンディ 1994(全日本3歳優駿)
- オグリビート 1988
- オグリビーナス 1997
- オグリタイム 2010(南部駒賞)
- オグリビーナス 1997
- オグリホワイト 1989(笠松ジュニアグランプリ)
- オグリローマン 1991(桜花賞ほか)
- オグリロマンス 1996
- クィーンロマンス 2001(新春盃、中京スポーツ杯スプリント)
- グラインドアウト 2021(花吹雪賞)
- クィーンロマンス 2001(新春盃、中京スポーツ杯スプリント)
- オグリピンキー 1998
- コウザンヒキリ 2012(仙酔峡賞)
- オグリホット 2003(ウイナーC)
- オグリロマンス 1996
- オグリシャダイ 1993(サラ・クイーン特別)
- オグリシルバー 1981
- ホワイトナルビー 1974
- ネヴアーナルビー 1969
- キタノマサコ 1967
- サンケイダイヤ 1982(東京障害特別)
- イーストナルビー 1983(花吹雪賞)
- センジユウ 1963
- スズキホープ 1985
- スズキナルビー 1960
- トミニシキ 1967
- ウラカワナルビー 1977
- トウシヨウホワイト 1983
- トキノアジュディ 1999(ニューイヤーC)
- トウシヨウホワイト 1983
- ニツトウカラード 1978
- ボーイフレンド 1995(九州ジュニアチャンピオン、中島記念)
牝系図の出典:Galopp Sieger、牝系検索α
血統表
[編集]クインナルビーの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ゲインズバラ系 |
[§ 2] | ||
父 クモハタ 1936 栗毛 |
父の父 *トウルヌソル1922 鹿毛 |
Gainsborough | Bayardo | |
Rosedrop | ||||
Soliste | Prince William | |||
Sees | ||||
父の母 星旗1924 栗毛 |
Gnome | Whisk Broom | ||
Fairy Sprite | ||||
Tuscan Maiden | Maiden Erlegh | |||
Tuscan Red | ||||
母 第一シユリリー 1937 栗毛 |
*レヴユーオーダー 1923 栗毛 |
Grand Parade | Orby | |
Grand Geraldine | ||||
Accurate | Pericles | |||
Accuracy | ||||
母の母 *シユリリー1925 栗毛 |
Treclare | Tredennis | ||
Clare | ||||
Warwhoop | Maltster | |||
Warfare | ||||
母系(F-No.) | シュリリー系(FN:7-d) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Bill of Portland S5×M5、Desmond M5×M5 | [§ 4] | ||
出典 |
- 全姉クニハタの曾孫にラドンナリリー(1981年東京3歳優駿牝馬優勝馬)、ラドンナリリーの産駒にリンデンリリー(1991年エリザベス女王杯・ローズステークス優勝馬)、リンデンリリーの産駒にヤマカツリリー(2003年フィリーズレビュー優勝馬)がいる。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 同じ1952年に創設された中山競馬場でのスプリングステークスとは別の競走である。
- ^ 優駿牝馬が現行のように5月開催になったのは1953年からであり、この年までは秋の開催であった。
- ^ この当時の天皇賞は春・秋とも3,200メートルで施行されていた。
出典
[編集]- ^ “クインナルビー”. 2023年12月9日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|クインナルビー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年7月9日閲覧。
- ^ a b c “クインナルビーの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年8月7日閲覧。
参考文献
[編集]- フェデリコ・天塩 『競馬ブック』 2001年4月7・8日号 昭和十番勝負(4)