氷川:本日は金田さんともっとも一緒にお仕事をされていた、りん監督をお招きしています。りん監督から見て、金田さんはどんな方でしたか? りん:変なやつでしたよ。アニメーターには変わった人物も多いんですが、なかでも金田くんは特別ポップな人でしたね。カリスマがありました。アニメーションというのは時間軸が勝負の世界なのですが、彼は時間の使い方が際立っていたんです。現在はデジタルが主流ですが、フィルムは1秒が24コマごとに区切られています。彼がその1コマにかける執念はすばらしかったですね。 氷川:コマの流れに、彼なりの独特のタイミングがあるんですよね。 りん:手塚治虫の『鉄腕アトム』の放映が始まったときから、制作時間もお金もないなかで、いかにコマを繋げて効率よく描いていくか、日本のアニメーションはそこからスタートしています。僕と金田くんは、2コマで一枚の絵を描く際に、1コマだけ白や黒ベタにしてしまった