これ(!)と決めた機器の潜在能力を引き出すこと、オーディオファイルの愉しみの1つといえます。特にハイエンド機器の魅力はその期待値の大きさにあるといえるのかも知れません。例えば空間の広さや高さを再現する3次元情報の再生は大きなテーマ。それはホールトーンの拡がり方や高さ方向に抜けて行く音を如何に豊饒かつ精緻な再生ができるか、という命題となります。そしてその情報は極めて微細で精妙な信号であるため再生には特に軽量でハイスピードなダイヤフラムが必要となります。あるいはまた深々とうごめく低音の再生には大口径ウーファーや大型電源部を擁する大出力アンプが想起されます。スタックスが追求してきたエレクトロスタティック・オーディオは、極限ともいえる軽量化を実現する厚さわずか数ミクロンの高分子フィルム製ダイヤフラムを静電気の電圧変化で全面フルレンジ駆動する最も理想に近い再生方式。音楽の微細な変化をそのままロスする
オーディオ機器に求められる性能の第一は、どんなに微細な信号をも的確に耳に聴こえる空気の振動=音波に変換する能力です。だとすればまず電気信号→空気振動への変換系であるスピーカーにおいてはその振動体=ダイヤフラムは可能な限り軽量であることが必須条件。点駆動では避けられない分割振動も全面駆動を可能とすれば極少化も可能です。さらにヘッドフォン形式を採れば駆動すべき空気の質量も小さく、より理想的です。そんな理想に最も近い方式がエレクトロスタティック(コンデンサー)型です。スタックスではこれをあえて“イヤースピーカー”と呼称しその理想形を追求してきました。また駆動には専用ユニットが必要となることからその開発は同時に電気信号系の高音質化への追求をも意味するものでした。エレクトロスタティック型スピーカーの駆動にはマッチングトランス方式とアンプ方式があり、アンプでは半導体もしくは真空管による回路構築が可能で
Valves' World 番外編その5 STAXイヤーSPドライブアンプ その独特な再生音で一部マニアの間では絶大な信頼を得ている STAXのイヤースピーカーですが、これを楽しむためには その構造上、特殊なドライブアンプが必要です。 今回の依頼者も 30年来メーカー製のトランス昇圧式ドライバーを 使っておられましたが、 真空管を使ってこのドライブアンプが 作れることをネットでお知りになり、 当工房へ相談に来られました。 お使いになっておられるのは70年代に発売された SR−5というタイプで バイアスはノーマル対応です。 アンプ本体にはプロバイアス仕様のイヤーSPにも 対応できるよう 二つのコネクターを設けました。 このコネクターは特殊な形状をしていますが、 メーカーさんのご好意で分けていただきました。 基本回路図 これ以外にもいろんな回路はありますが、 基本的には出力電圧2〜3
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