地球における人工知能(AI)の未来をめぐっては様々な議論があるが、少なくとも1人の著名な宇宙生物学者は、自身が「ポスト生物的(生物以後の)知性体」と呼ぶものが、すでに宇宙の大部分に接触している可能性があるとする見解を示している。 歴史学者で、『AstrobioAIに移行したポスト生物的宇宙だと、ディックは説明する。宇宙は、少なくとも部分的にはポスト生物
2024年のノーベル化学賞は「コンピューターを用いたタンパク質の設計」の功績で米ワシントン大学のベイカー(David Baker)教授に,「コンピューターを用いたタンパク質の構造予測」で英国Google DeepMindのハサビス(Demis Hassabis)氏とジャンパー(John Jumper)氏に授与される。 タンパク質は20種類のアミノ酸が数珠つなぎになった分子だ。それがくねくねと折りたたまれて,複雑な立体構造をとる。この「数珠つなぎ」と「立体構造」の間に,「50年来の生物学のグランド・チャレンジ」と呼ぶべき,大きな未解決問題があった。タンパク質の立体構造予測だ。 タンパク質の立体構造予測は,タンパク質の生化学はもちろん,創薬や医学研究の観点からも実現が望まれてきた。タンパク質の形状や表面の微細な凹凸などがタンパク質の機能を左右するからだ。 構造予測の歴史 1970〜1980年代
プレスリリース (研究成果) 世界初!土壌中の根と根粒菌の相互作用をライブイメージングする「リゾフレームシステム」を開発 - 根粒菌の力で持続可能な農業をめざす - ポイント 農研機構は、土壌中の植物の根と共生微生物の相互作用をライブイメージングする「Rhizosphere Frame System(リゾフレームシステム)」を開発し、世界で初めて土壌中のマメ科植物の根と根粒菌1)が共生関係を築く過程を連続的に観察することに成功しました。このシステムを用いてマメ科植物と根粒菌の相互作用の解明が進むことで、化学肥料の使用量低減や温室効果ガスの削減に向けた根粒菌の農業への効率的な利用技術の開発促進につながることが期待されます。さらにこのシステムは、他の植物-土壌微生物相互作用研究への応用も期待できます。 概要 根粒菌は、ダイズなどのマメ科植物の根に住み着いて共生関係を築き、大気中の窒素を固定して
ホーム 研究成果 プロテインノックダウン技術の確立に一歩近づく ――花を葉化する細菌タンパク質「ファイロジェン」の 花形成タンパク質認識機構を解明―― 発表者 東京大学大学院農学生命科学研究科 北沢 優悟 (特任助教) 岩渕 望 (特任研究員) 前島 健作 (准教授) 発表のポイント ファイトプラズマの分泌するタンパク質「ファイロジェン」は、植物のMADS転写因子 (花を咲かせる因子) に結合し、分解することで花を葉へと変化させます。 ファイロジェン内のMADS転写因子との結合領域が、スクリーニング実験とAIによる複合体構造予測の併用により明らかとなりました。 本領域を改変することで、標的タンパク質を自由に制御し分解する (プロテインノックダウン) 技術の開発につながります。 発表内容 図1:ファイトプラズマに感染し「葉化病」を発症したアジサイ (右) 病原細菌ファイトプラズマは植物タンパ
佐賀大学の冨永昌人教授らの研究チームは、水田で“泥の電池”の実証試験を行うというプレスリリースを発表した。 泥と電池というのはどうも結び付かず、イメージがしにくいと思う。“泥の電池”とは、どのようなものなのか、どのようなことを目指しているのか、今回は、そんな話題について紹介したいと思う。 「泥の電池」とは? 少し前になるが、2020年9月28日に佐賀大学から「水田での“泥の電池”による発電を実現」というタイトルのプレスリリースが発表された※1。 そして2021年7月30日には「水田での“泥の電池”による発電~昨年度に引き続き、実証試験を始めます~」というプレスリリースが同じく佐賀大学から発表された※2。 “泥の電池”を開発した研究チームの佐賀大学 冨永昌人教授は、生物電気化学を専門にされている。 “泥の電池”以外にも、有機薄膜修飾による電極界面の機能化、炭素電極の酸化腐食反応、酵素触媒型燃
プラチナバイオ(株)、広島大学、凸版印刷の3者は、AIを活用し、ゲノム編集のデータ処理を簡易化するゲノム編集支援オープンプラットフォーム「Genome Editing Cloud」β版を開発。この成果は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業により得られた。 ゲノム編集支援オープンプラットフォーム 「Genome Editing Cloud」の操作画面 ゲノム編集は、目的とする遺伝子を狙った特性に改変する技術で、すでに医療分野では新たな治療法や新薬の開発に利用されている。また、農畜水産業や工業(バイオものづくり)などさまざまな分野でも革新的な基盤技術として今後活用されていくことが期待されており、三者はゲノム編集技術の普及と社会実装に向けて、技術と知見を融合し、新たなバイオビジネスの実現をめざす。 近年、ゲノム解析技術の革新により大幅なコスト削減・高速化が実現し、ヒトを含む
人間の食料生産は、気候変動を加速させてきた。これを持続可能な生産方法に切り替えたら、気候変動を逆転させる足がかりになるのだろうか。 デンマークにある牛舎の中に、温室ほどの大きさのプラスチック製ボックスが設けられ、その中に「デイジー」がいる。牛のデイジーは、持続可能な未来へ向けた農業界の希望の星だ。デイジーに必要な物は何でもそろっている。丁寧に量ったえさが与えられ、水はいつでも飲める。ここに閉じ込められる時間も長くない。えさが期待通りの効果を発揮するまでの間だけ。つまり、デイジーがげっぷをするようになるまでの間だ。 なぜデイジーをしばらく箱に入れる必要があるのか、デイジーを見守るオーフス大学のメッテ・ニールセン教授(畜産学)に話を聞いた。箱の中で、大小のげっぷや放出される気体がすべて測定される。牛のげっぷには温室効果ガスのメタンが多く含まれるため、畜産が気候に及ぼす悪影響をいかに軽減するか方
AI(人工知能)で食べられるキノコを判定。【2021年3月1日よりリリースします。!!】新たにハードウェアを購入しなくても既存のPCでも動作可能です。 ●食べても大丈夫なキノコかを判断します。※本システムでの判断はあくまで目安であり、実際に食べて良いかの判断は専門家に問い合わせ下さい。 キノコの傘の形状、表面、色やひだの色、胞子紋の色、匂いを選択肢より選んで頂くことにより、食べても大丈夫なキノコを判断致します。 ※本システムでの判断はあくまで目安ですので、実際に食べて良いかの判断は専門家に問い合わせ下さい。 弊社では、様々なご要望にお応えするように色々な観点から機械学習(ディープラーニング)を行い、 AIを活用したシステム開発を行っております。 ディープラーニングとは、 音声の認識、画像の特定、予測など人間が行うようなタスクを実行できるようにコンピューターに学習させる手法です。ディープラー
理化学研究所と科学技術振興機構(JST)は12月4日、人型ロボットとAIを使って細胞の培養を自動化するシステムを開発したと発表した。ロボットは2本の腕でピペットや培養プレートを操作し、人間が決めた目標値まで細胞を増やす。AIは増殖ペースの予測や進捗(しんちょく)管理、ロボットへの指令を行う。一部の実験現場に試験導入し、成果が得られたという。 使用するロボットは、ベンチャー企業のロボティック・バイオロジー・インスティテュート(東京都江東区)が開発した「まほろ」。腕を動かしてピペットに試薬を投入したり、ビーカーを振ったりといった操作に対応する。今回のシステムでは人間が定めた手順に従って、自律的に培養プレートを操作し、細胞を新しい培地に移す作業「継代」も行う。 使用するAIは、顕微鏡が取得した画像を認識し、細胞の密度や増殖のペースを推定する機能を持つ。細胞の量が目標値に達するまでの時間を予測する
理化学研究所バイオリソース研究センター植物ー微生物共生研究開発チームの市橋泰範チームリーダーなどを中心とする共同研究グループは、農業生態系における植物ー微生物ー土壌の複雑なネットワークのデジタル化に成功した。これまで熟練農家の経験として伝承されてきた高度な作物生産技術を、科学的に可視化できるようにした。 研究成果では、化学肥料に頼らず有機態窒素を活用することで、持続可能な作物生産が可能であることを示している。環境共存型の新しい農業に向け、持続的な作物生産の実現に貢献することが期待できる。 共同研究グループは、農業現場でのマルチオミクス解析により農業生態系のデジタル化に着手。この結果、農業生態系は作物が示す特定の形質(収量や品質など)と、特定の微生物種や土壌成分で構成された複数のモジュールにより、ネットワークを形成していることが明らかになった。 また、有機農法の一つである太陽熱処理により植物
農研機構は旭化成エレクトロニクスと共同で、水田や池に設置できる安価で実用的な微生物燃料電池とその電力を効率的に回収するエナジーハーベスタを開発した。この2つを組み合わせた微生物燃料電池(MFC)システムは、気温やCO2濃度などを測定するセンサーの駆動に利用することができる。 データ駆動型のスマート農業では、気温や湿度、CO2濃度などの環境因子を多くの地点で測定する際に、測定装置を駆動させる電源の確保が問題になる。その電源として注目されているのがバイオ電池のMFCで、土壌や池などに含まれている有機物を燃料として発電する。 農研機構が新たに開発したMFCは、ステンレス鋼の表面を炎で酸化した電極を負極に使うことで、従来より1/10以下のコストに抑えた。水田や池など水がある環境で利用でき、長期の使用に耐える。 MFCでセンサーを駆動するには、電気エネルギーを効率的に回収して出力電圧を上昇させるエナ
詳細情報 データ駆動型のスマート農業では、気温や湿度、CO2濃度などの環境因子を多くの地点で測定することが望まれます。多数の地点で測定を行う場合、測定装置を駆動させる電源の確保が問題になります。MFCは、その電源として注目されています。MFCとは、土壌や池などに含まれている有機物を燃料として発電する新しいバイオ電池です。発電細菌と呼ばれる細菌群がMFCの負極に付着して有機物を分解することで発電します。MFCは既存の発電法と比較して出力が低いので大規模な発電には不向きですが、センサーを駆動する程度の発電力は備えています。また、太陽光や風力発電とは異なり、MFCは天候に依存せずに夜間や無風でも24時間発電する利点があります。しかしながら、電極素材や正極の白金触媒、水素イオン交換膜などMFCの作製には高価な部材が必要であり、さらに材質が劣化しやすいなど実用化に向けて課題が残されていました。一方、
世界の生物の分布情報のデータベース化に取り組む京都大発のベンチャー企業、バイオーム(京都市下京区)は、生物の写真から名前を判定するいきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム、公式版)」の配信を始めた。生物の名前を即時判定できる人工知能(AI)を備えた独自開発のアプリで、ゲームのように楽しみながら、現実世界で生き物をコレクションでき、生態分布データの収集にも活用する。 アプリには国内のほぼ全種の約6万2635種類の動植物を収録。スマホで動植物を撮影すると、その画像と撮影した場所や時期などからデータと照合し、確率の高い種の候補を表示できる技術開発に成功した。 投稿した写真は「いきもの図鑑」に登録され、分布状況のデータベースに活用。絶滅危惧種には保全対策をして研究機関や行政機関などに分布データが提供され、環境保全に役立てられる。 生き物を集める過程は、リアルな「ポケモンGO(ゴー)」のよ
IT(情報技術)による農業変革をまったく新しい方法で実現しようとしている研究者がソニーグループにいる(関連記事)。新農法では、さまざまな植物同士あるいは昆虫・動物との持ちつ持たれつの関係に着目、ITを使って最適な関係づくりを手助けする。46億年の地球の歴史で培われた生態系の仕組みを積極的に活用して地球環境への負荷を抑えつつ生産性の向上を図る。世界の多様な地域社会で、それぞれの生態系と一体化した農法の構築を目指す。人類が生態系を顧みずに植物の生育環境を制御することで過去1万年に進化を遂げた農業は、転換点に来ているという。ソニーコンピュータサイエンス研究所の舩橋氏が、農地での実践を踏まえて解説する。(本誌)
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