Markdownとは? わかりやすく解説

Markdown

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/08 04:13 UTC 版)

Markdown
MIMEタイプtext/markdown[1]
開発者ジョン・グルーバー英語版
初版2004年3月19日 (20年前) (2004-03-19)[2]
最新版
1.0.1
(2004年12月17日 (20年前) (2004-12-17)[3])
種別軽量マークアップ言語
拡張MultiMarkdown英語版
Markdown Extra英語版
CommonMark英語版
ウェブサイトdaringfireball.net/projects/markdown/

Markdown(マークダウン)とは、文書を記述する軽量マークアップ言語である。プレーンテキスト形式で手軽に書いた文書からHTMLを生成するために開発されたが、PowerPoint形式やLaTeX形式のファイルへ変換するソフトウェア(コンバータ)も開発されている。各コンバータの開発者によって拡張が施された各種の方言が存在する。

オリジナルのMarkdown

「書きやすくて読みやすいプレーンテキストとして記述した文書を、妥当なXHTML(もしくはHTML)文書へと変換できるフォーマット」として、ジョン・グルーバー英語版により作成された。アーロン・スワーツも大きな貢献をしている[4]Markdownの記法の多くは、電子メールにおいてプレーンテキストを装飾する際の慣習から着想を得ている。

Markdownはグルーバーによって書かれたMarkdown.plというPerlプログラムを指すこともある。このスクリプトは、Markdownの形式でマークアップされたテキストをXHTML文書もしくはHTML文書に変換するものである。Markdown.plはスクリプト単体として利用することができると同時に、BlosxomMovable Typeプラグインなどからも利用できる[4]

Markdown.plは、その後第三者によってCPANPerlモジュール (Text::Markdown) として再実装され、さらにPython等の他のプログラミング言語でも実装された。MarkdownBSDライセンスの下で配布され、いくつかのコンテンツ管理システム (CMS) でもプラグインとして利用できる[5][6]

利用例と方言

有名なMarkdown方言としてCommonMark英語版[1]Markdown Extra英語版[2]GitHub Flavored Markdown英語版[3]Marukuなどがある。その他のサービス・コンバータにおいてもソースコードの記法などで独自の拡張が加えられていることが多い。以下にMarkdownの利用例を挙げる。

  • Stack Overflowや他のStack Exchange Networkサイトは、Markdownを改変した方言をデフォルトのフォーマットシステムとして利用している[7][8]
  • PosterousMarkdownをマークアップの選択肢として提供している[9]
  • RedditMarkdownを利用している[10]
  • GitHubMarkdownの方言をコメント・メッセージ・その他のフォーマットに利用している[11][12]John Gruber has described this dialect as a "superior variant" for "situations like user-submitted comments".[13]。のちに、CommonMarkベースの仕様に更新している[14]
  • Bitbucketは、README記述用のマークアップ言語の選択肢としてMarkdownを提供している[15]
  • Instiki英語版Markdown拡張を使ってウィキ構文を提供している。この拡張構文はMarukuと呼ばれる[16]
  • Squarespaceはブログエントリ記述用のマークアップの選択肢としてMarkdownを提供している[17]
  • TumblrMarkdownでポストを編集できる[18]
  • MultiMarkdown英語版
  • CommonMark英語版
  • StackEditはオンラインMarkdownエディタの一つ。GitHub Flavored Markdownに、数式記述(MathJaxによる)とUMLシーケンス図フローチャートを記述できる拡張が加えられている。

記法の例

以下の例はMarkdownの記法の包括的なリストではないし、ひとつの効果を実現するために複数の記法が利用できる場合も多い。詳細はfull Markdown syntaxに記載されている。

段落

段落は1つ以上の連続したテキストであり、空行によって分けられる。通常の段落をスペースやタブでインデントしてはならない。

これは段落です。2つの文があります。

これは別の段落です。ここにも2つの文があります。

改行

テキストに挿入された改行は取り除かれる。これは、画面の大きさに応じて改行を行う処理はWebブラウザが担当すべきであるという設計思想による。強制的に改行したい場合は、2つ以上のスペースを行末に残した上で改行すると <br> になる。

見出し

テキストの前にいくつかの'#'を置くことで見出しを作ることができる。'#'の数が見出しのレベルに対応する。HTMLは見出しのレベルを6まで提供している。

# レベル1の見出し

## レベル2の見出し

### レベル3の見出し

#### レベル4の見出し

##### レベル5の見出し

###### レベル6の見出し

最初の2つのレベルには代替の記法が存在する。

レベル1の見出し
===============

レベル2の見出し
---------------

引用

> "このテキストは、HTMLのblockquote要素に囲まれます。
blockquote要素はreflowableです。テキストを好きなように
改行することができます。改行したとしても、変換後はひとつの
blockquote要素として扱われます。"

上記は次のようなHTMLに変換される。

<blockquote>
  <p>このテキストは、HTMLのblockquote要素に囲まれます。
blockquote要素はreflowableです。テキストを好きなように
改行することができます。改行したとしても、変換後はひとつの
blockquote要素として扱われます。</p>
</blockquote>

リスト

* 順序無しリストのアイテム
    * サブアイテムはタブもしくは4つのスペースでインデントする
* 順序無しリストの別のアイテム

+ 順序無しリストのアイテム
    + サブアイテムはタブもしくは4つのスペースでインデントする
+ 順序無しリストの別のアイテム

- 順序無しリストのアイテム
    - サブアイテムはタブもしくは4つのスペースでインデントする
- 順序無しリストの別のアイテム

1. 順序付きリストのアイテム
    1. サブアイテムはタブもしくは4つのスペースでインデントする
2. 順序付きリストの別のアイテム

コード

コード(等幅フォントで整形される)を含める場合、インラインコードは「`some code`」のようにバッククオート (U+0060) で囲むことになる。

これは段落です。文中に`コードテキスト`を含みます。

複数行にまたがるコードは、タブもしくは4つ以上のスペースを行頭に書くか、3つずつのバッククオートでコード全体をくくる。
開始を表すバッククオートの3つ目に続けて、任意で言語名を明記することができる。

    1行目
    2行目
    3行目
```javascript
(() => {
  'use strict';

  console.log('Hello world');
})();
```

Markdownは通常、改行や連続したスペースを削除するため、インデントやコードのレイアウトを壊す可能性があるが、この場合 Markdownは空白をすべて保持する。

水平線

1行の中に、3つ以上のハイフンやアスタリスクアンダースコアだけを並べると水平線が作られる。ハイフンやアスタリスクのあいだには空白を入れてもよい。以下の行はすべて水平線を生成する。

* * *

***

*****

- - -

---------------------------------------

リンク

リンクは次のように記述できる。

[リンクのテキスト](リンクのアドレス "リンクのタイトル")

参照目的のリンクとして、脚注として段落外に含めることもできる。

[リンクのテキスト][linkref]

段落外もしくは文書の最後に次のような記述があれば、それは参照リンクとして機能する。

[linkref]: リンクのアドレス "リンクのタイトル"

強調

*強調* もしくは _強調_(斜体として表現されることが多い)

**強い強調** もしくは __強い強調__(太字として表現されることが多い)

画像

画像は以下のように埋め込める。リンクの冒頭に ! が付いている形式である。

![Altのテキスト](/path/to/img.jpg)
![Altのテキスト](/path/to/img.png "タイトル")

バックスラッシュによるエスケープ

Markdownが書式化コマンドとして解釈する文字は、バックスラッシュ(U+005C, 日本語環境では円記号として表示される場合もある)を加えることによって、その文字そのものとして解釈させることができる。例えば \* は、テキスト強調の開始ではなくアスタリスクとして出力される。バックスラッシュ自身を出力したい場合は、\\とする。

なお、Microsoft Windowsのファイルシステムではパスの区切り文字にバックスラッシュ\が使われ、ネットワークリソースには2つのバックスラッシュ\\で始まるUNC (Universal Naming Convention) パスが使われる[19]が、Markdownの文書内にそのようなパス文字列を含める場合は配慮が必要である。

インラインHTML

生のHTMLのブロックレベル要素の中にあるテキストに対してMarkdownはいかなる変換も行わないので、HTMLのブロックレベル要素のタグでテキストを囲むことによって、Markdownのソース文章の中にHTMLのセクションを加えることもできる。

<font color="red">赤</font>

脚注

  1. ^ RFC 7763”. IETF. 2018年12月12日閲覧。
  2. ^ Aaron Swartz (2004年3月19日). “Markdown”. 2018年12月12日閲覧。
  3. ^ John Gruber (2004年12月17日). “Markdown 1.0.1”. 2018年12月12日閲覧。
  4. ^ a b Markdown 1.0.1 readme source codeDaring Fireball - Markdown” (2004年12月17日). 2011年11月13日閲覧。
  5. ^ MarsEdit 2.3 ties the knot with Tumblr support - Ars Technica”. 2009年8月11日閲覧。
  6. ^ Review: Practical Django Projects - Ars Technica”. 2009年8月11日閲覧。
  7. ^ Markdown Editing Help - Stack Overflow”. 2010年4月29日閲覧。
  8. ^ Three Markdown Gotchas - Blog – Stack Overflow”. 2010年4月29日閲覧。
  9. ^ Markdown - Posterous Help”. 2011年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年6月26日閲覧。
  10. ^ Reddit's help document on Markdown”. 2010年7月20日閲覧。
  11. ^ Making GitHub More Open: Git-backed Wikis - GitHub”. 2010年9月1日閲覧。
  12. ^ GitHub Flavored Markdown - Introduction”. 2011年1月3日閲覧。
  13. ^ Daring Fireball Linked List: GitHub Flavored Markdown”. 2011年1月3日閲覧。
  14. ^ A formal spec for GitHub Flavored Markdown”. The GitHub Blog (2017年3月14日). 2019年3月16日閲覧。
  15. ^ README content”. 2023年3月28日閲覧。
  16. ^ Markup Choices in Instiki”. 2010年8月24日閲覧。
  17. ^ Markdown Syntax Reference”. 2023年3月28日閲覧。
  18. ^ Tumblr Preferences”. 2011年1月3日閲覧。
  19. ^ File path formats on Windows systems - .NET | Microsoft Learn

関連項目

外部リンク


Markdown

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/20 01:13 UTC 版)

GROWI」の記事における「Markdown」の解説

ユーザー軽量マークアップ言語のひとつである、Markdownでページ書くことができ、左右2画面でのリアルタイムプレビューが可能。言語ごとのコードハイライトや絵文字注釈footnotes)、タスクリスト、BoostrapによるHTMLコードにも対応している

※この「Markdown」の解説は、「GROWI」の解説の一部です。
「Markdown」を含む「GROWI」の記事については、「GROWI」の概要を参照ください。

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