eTRON
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/21 14:34 UTC 版)
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eTRON(イートロン、Entity and Economy TRON)とは、貨幣や各種証書、証券、チケットなどの価値情報をインターネットなどのオープンな通信基盤上で、安全に流通させるための広域分散システムアーキテクチャである。
特定の暗号、ハッシュ、認証方式などのアルゴリズムや特定のアプリケーションに依存しない、汎用的な枠組みを提供するものである。
アーキテクチャ
eTRONアーキテクチャは以下の要素から構成される。
eTRONノード
eTRONアーキテクチャ内で有効なユニークな128bit長の識別子 (eTRON ID) を持ち、価値情報を保持、操作を行う。eTRONコンテンツホルダとeTRONサービスクライアントの2つがある。この2つの機能を同時に有するノードもある。
- eTRONコンテンツホルダ
- 価値情報を安全に格納するもの。実装方法に応じて、ICカード型のeTRONカード、携帯端末に埋め込むためのeTRONチップ、据え置き型のeTRONボックスなどがある。
- eTRONサービスクライアント
- eTRONコンテンツホルダに格納する価値情報を発行、回収、変更、譲渡などの操作を行う。
エンティティ転送プロトコル
Entity Transfer Protocol、eTPとも呼ばれる。eTRONサービスクライアントがeTRONコンテンツホルダ内の価値情報を安全に操作するためのセッション層プロトコル。
eTP基盤
eTRONコンテンツホルダとeTRONサービスクライアントの間をeTPで通信するメカニズムを提供する。
- eTRON暗号認証基盤 (eTRON Authentication/Encryption Infrastructure, AEI)
- eTRONアーキテクチャが認証や暗号の処理を行うときに用いられるPKIである。
- eTRON応用ネットワーク基盤 (eTRON Application Network Infrastructure, ANI)
- eTRONアーキテクチャを使って、価値情報を扱うユーザサービスを提供する、サービス依存ネットワーク基盤システム。
eTRONチップ
eTRONノードを構成する価値情報を格納するセキュリティチップ。耐タンパー性を持ったハードウェアが想定されている。
特徴
eTRONは以下の特徴をもつ。
- 分散環境ノード
- セッション層のeTPをサポートし、ネットワーク上のサーバや他のeTRONカードと、eTP基盤のネットワークを介してeTPでPeer-to-Peer通信を行う。
- eTRON IDで特定する相互認証方式
- eTRONチップはユニークな識別子 (eTRON ID) を持つ。eTRONチップと通信セッションを構築する際には相互認証がなされ、相互にeTRON IDが把握される。このeTRON IDの正当性の確認は、eTRONカードに与えられたAEIの認証局が付与した証明書とその署名を確認することでなされる。
- eTRON IDに基づいたアクセス制御リスト方式による統合的な資源保護機構
- eTRONチップにはチップ固有のeTRON IDが割り振られており、相互認証によって通信相手を識別できる。eTRON IDに基づいたアクセス制御リストを提供する。このアクセス制御リストを用いて、eTRONチップ内の資源へのアクセスを限定し、価値情報を保護する。
- 転々流通のためのチップ間通信
- サーバを介さず、eTRONノード間で直接価値情報を交換できる。
- ロールバック可能なトランザクション機構
- 価値情報の作成、削除を安全に行えるために、トランザクション機構を持つ。
関連項目
外部リンク
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eTRON
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「TRONプロジェクト」の記事における「eTRON」の解説
ICカード、特に非接触のものの通信や、認証などのセキュリティなどの規格。2000年発表。 T-Engineを搭載したチップ同士が安全に通信を行うための公開鍵基盤(PKI)である。全てのモノがネットワークで接続されるユビキタス・コンピューティング社会においてはセキュリティを守るため、利用される全てのT-EngineボードにはeTRONが搭載されることが前提となる。
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