AMS-LaTeX
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/09 16:40 UTC 版)
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最新版 |
v2.20
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プログラミング 言語 | LaTeX, TeX |
対応OS | Unix系、Windows |
プラットフォーム | TeX Live, MiKTeX |
種別 | ライブラリ |
ライセンス | LaTeX Project Public License |
公式サイト |
www |
AmS-LaTeXは、アメリカ数学会 (AMS) 向けに開発された、数学的記述のための LaTeX のドキュメントクラスとパッケージのコレクションである。複数行その他の数学的記述の組版、ドキュメントクラス、多数の数学記号を含むフォントなどを追加する[1]。
開発経緯
AMS は元々 Michael Spivak による TeX のマクロパッケージである AmS-TeX の開発を支援していた。しかし、その後レスリー・ランポートによって TeX をより使いやすくした LaTeX が開発されると、LaTeX の中で AmS-TeX の機能を使えるようにすることが望まれるようになり、Frank Mittelbach や Rainer Schöpf の主導のもと AmS-LaTeX が開発された[2]。
2023年2月現在、AMS が提供している LaTeX ユーティリティは以下の通り[3]で、AmS-TeX は過去のものとなっている。
- AmS-LaTeX:AMS 出版物のためのドキュメントクラス群 amscls と数式の書きやすさや組版品質を向上させるパッケージ amsmath の二部構成
- AMSFonts:数式用フォントの拡張や多数の数学記号を提供するパッケージ amssymb と Eular フォントを使用するためのパッケージ群(eucal, eufrak, euscript)
- amsrefs:AMS 論文誌用の文献目録スタイルを提供するパッケージ
- snapshot:LaTeX ドキュメントの外部依存関係リストを取得するパッケージ
高度な数式を使う際には amsmath と AMSFonts を使用することが標準的であるとされる[4]。
AmS-LaTeX の構成
(内部用パッケージ・ドキュメントクラスである amsgen.sty, amsdtx.cls, amsldoc.cls は省略した。)
- amsmath 部分[5]
- amsmath.sty:メインのパッケージであり、別行立て数式やその他の数学的な構成物のための機能を提供する。以下のパッケージを自動で読み込む。
- amstext.sty:別行立て数式中にテキストボックスを挿入する
\text
コマンドを提供する。 - amsopn.sty:基本的な演算子名(
\sin
,\lim
など)と演算子のユーザ定義のためのコマンド\DeclareMathOperator
を提供する。 - amsbsy.sty:数式におけるイタリック体の太字を提供する。現在は bm パッケージの使用が推奨されているが互換性のために残されている。
- amstext.sty:別行立て数式中にテキストボックスを挿入する
また、AmS-LaTeX のバージョン1.1までは AmS-TeX の影響が強く残り、バージョン 1.2 から LaTeX2ε に適合する形に刷新された[2]ため、旧バージョンとの互換性のための以下のパッケージが存在する。これらは amsmath によって自動的に読み込まれるものではない。
- amstex.sty:バージョン1.1までの AmS-LaTeX の中心であったパッケージ。
- amscd.sty:ごく単純な可換図式の描画機能を提供する。現在は diagram, xypic, kuvio などのパッケージの使用が推奨されている。
- amsxtra.sty:バージョン1.1に存在したコマンドで、現在の amsmath では取り除かれているものを提供する。
- amscls 部分
- amsart.cls:AMS の論文誌記事用ドキュメントクラス。
- amsproc.cls:AMS の学会論文(プロシーディングス)用ドキュメントクラス。
- amsbook.cls:AMS の書籍用ドキュメントクラス。
- amsmidx.sty:索引を複数箇所に分割する機能を提供する amsbook 補助パッケージ。
- amsbooka.sty:章ごとに著者が異なる場合向けの amsbook 補助パッケージ。
- upref.sty:
\ref
による参照を直立体にする。 - amsthm.sty:定理や証明を適切なスタイルで記述するための環境を提供する。
使用例
LaTeX2eの次のコードにより、AMS-LaTeXロゴが生成される()。
%%% -- AMS-LaTeX_logo.tex -------
\documentclass{article}
\usepackage{amsmath}
\begin{document}
\AmS-\LaTeX
\end{document}
パッケージには、複数行の式を書式設定するための一連の機能がある。例えば次のコード
\begin{align}
y &= (x+1)^2 \\
&= x^2+2x+1
\end{align}
は、次のように2行の等号が互いに整列するようにする。
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