頭蓋とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > ヘルスケア > > 骨格 > 頭蓋の意味・解説 

ず‐がい〔ヅ‐〕【頭蓋】

読み方:ずがい

とうがい(頭蓋)


とう‐がい【頭蓋】

読み方:とうがい

脊椎動物頭部骨格脳髄収容している脳頭蓋神経頭蓋)と、顔面形成している顔面頭蓋内臓頭蓋)とに分けられる。ずがい。


頭蓋

英訳・(英)同義/類義語:cranium

主に哺乳動物骨格で、頭骨のうち脳を保護する部分
「生物学用語辞典」の他の用語
個体の器官や組織など:  音受容器  頂端分裂組織  頂芽  頭蓋  頭骨    骨幹

頭蓋

読み方とうがい、ずがい
別名:頭蓋,ズガイ
【英】:Cranium

A02100001.jpg (49341 バイト)

頭蓋は日常語として一般にズガイ読まれているが、1943年昭和18年制定医学用語解剖学用語ではトウガイと読むことに定められた。しかし日常語としてズガイ併用されている。

頭蓋は1523個の骨、すなわち1016個の頭蓋骨および5種7個の顔面骨の連結により形成されている。また頭蓋は5種7個の脳頭蓋神経頭蓋)および1016個の顔面頭蓋内臓頭蓋)にも分類されている。

頭蓋骨1016個)を形成する骨は、後頭骨(1個)、蝶形骨(1個)、側頭骨(1対2個)、頭頂骨(1対2個)、前頭骨(1対2個)、篩骨(1個)、下鼻甲介(1対2個)、涙骨(1対2個)、鼻骨(1対2個)および鋤骨(1個)である。顔面骨(5種7個)を形成する骨は、上顎骨(1対2個)、口蓋骨(1対2個)、頬骨(1対2個)、下顎骨(1個)および舌骨(1個)である。

頭蓋は頭蓋冠頭蓋底にもわけられているが、前者頭蓋腔円蓋状におおい、後者は頭蓋の底部をなし、両者の境界冠する諸学者の見解一定していないが、一般に外後頭隆起上項線外耳孔上縁側頭下稜、眼窩上縁鼻棘をむすぶ環状線をもって境界定めている。

頭蓋腔円蓋状におおい、後者は頭蓋の底部成し両者の境界に関する諸学者の見解一定していないが、一般に外後頭隆起上項線外耳孔上縁側頭下稜、眼窩上縁鼻棘を結ぶ環状線をもっって境界定めている。頭蓋腔容積は1,200~1,500mlであるが、性差があり、女は男より約10%少ない。なお頭腔の大きさは、脳の大きさ密接な関係をもっている。頭蓋の形態個人差年齢差性差などのほかに人種差もあり、これは人類学的に重要な意義有している。骨格のうちで最も人種特徴差違著明現れるのは頭蓋であるといわれている。

頭蓋の人種間差違具体的に表すために、18世紀末より頭蓋計測おこなわれてきたが、多数計測値のうちで最も重要なものは最大脳頭蓋幅径最大脳頭蓋長で除して、その値に100を乗して得た頭蓋長幅示数である。この数の値によって頭蓋を長頭(74.9以下)、中頭(75.0~79.9)、および短頭(80.0以上)の3型大別することができる。頭蓋骨間の連結には下記4種がある。

(1)縫合1523個の骨のうち、下顎骨舌骨とを除いたすべての骨は、縫合という骨間結合組織によって不動結合をなす。頭蓋には34種の恒常性の縫合がある。

(2)軟骨結合頭蓋底軟骨性原始頭蓋すなわち後頭骨蝶形骨側頭骨みられる不動結合で5種ある。

(3)靱帯結合側頭骨の茎状突起舌骨との間にある頭蓋で唯一の靱帯結合すなわち可動結合である。

(4)関節結合下顎頭側頭骨下顎窩との間にある頭蓋で唯一の関節すなわち可動結合である。

A02100002.jpg (60872 バイト)

A02100003.jpg (14617 バイト)

A02100005.jpg (59728 バイト)

A02100006.jpg (83287 バイト)


頭蓋骨

(頭蓋 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/24 13:17 UTC 版)

河馬の頭蓋骨。

頭蓋骨(ずがいこつ、とうがいこつ)は、頭の全体的な枠組みとしてはたらく、有頭動物の骨様構造である。頭蓋骨は、顔の構造を支持し、を外傷から保護する。一般的な読みとしては「ずがいこつ」「とうがいこつ」双方を用いるが、解剖学では「とうがいこつ」とのみ呼称、形質人類学では頭骨と表記して「とうこつ」と称し、「ずがいこつ」という読み方は学問的には用いられない。なお、医療の場では他に橈骨が存在するため、「とうこつ」と呼ぶことは稀である。英語ではskullまたはcranium、複数形craniaである。

白骨化した頭蓋骨は髑髏(どくろ、されこうべ、しゃれこうべ)と呼ばれる。頭蓋骨に関する文化的な側面はそちらを参照の事。

脳を収めている脳頭蓋英語版(神経頭蓋)と、顔面部を構成する顔面頭蓋(内臓頭蓋)に分けられる[1]。内臓頭蓋(英語:Viscerocranium)は、顔の部分を構成するフェイシカル・スケルトン英語版からなる membranous viscerocranium、Splanchnocranium英語版からなる cartilaginous viscerocranium(軟骨性内臓頭蓋)に細分化される。

ヒトの頭蓋骨

骨: 頭蓋骨
ヒトの頭蓋骨
名称
日本語 頭蓋骨
英語 skull
ラテン語 cranium
画像
アナトモグラフィー 三次元CG
関連情報
MeSH Skull
グレイ解剖学 書籍中の説明(英語)
テンプレートを表示

ヒトの場合では、成人の頭蓋骨は通常28個の骨から構成される。下顎を除いて、頭蓋の骨格はすべて縫合(移動をほとんど許さない厳密な接合)によって互いに連結されている。幼児の脳が大きく成長するのに合わせるため頭蓋骨は複数が組み合わさってできている。

8個の骨格が神経頭蓋すなわち脳と延髄を囲む骨の保護円蓋を形成する。14個の骨格が内臓頭蓋(顔を支持する骨格)を形成する。中耳の6個の耳小骨は側頭骨の内側に包まれる。喉頭を支持する舌骨は頭蓋骨の一部と通常見なさない。舌骨は他の骨と連結していないからである。

頭蓋骨の発生

頭蓋は複雑な構造である。その骨格は膜性骨発生と軟骨性骨発生の両方によって形成される。内臓頭蓋の骨格、および神経頭蓋の側面および屋根は、膜性骨発生(あるいは真皮の骨化)によって形成される一方、脳を支持する骨格(後頭骨、蝶形骨、側頭骨、及び篩骨)は、おおむね梁軟骨や旁索軟骨などに起因する軟骨性骨発生によって形成されている。

誕生の時、ヒトの頭蓋骨は45個に分かれている骨的要素から構成される。成長とともに、これらの骨的要素の多くは、徐々に癒合して硬骨(例えば前頭骨)になる。頭蓋の天井をなす頭蓋冠は、前頭縫合、矢状(しじょう)縫合、ラムダ縫合、冠状縫合、鱗状縫合と呼ばれる5つの縫合という緻密性結合組織によって分けられる。新生児は産道を通過するときや成長のため、これらの部位は繊維状で移動可能になっている。

縫合の交点にある比較的広い結合組織の部分は泉門とよばれる。成長および骨化が進行するにつれ、泉門の結合組織に骨が入り込み、置き換わる。後部の泉門(小泉門)は、通常8週までに閉じる。しかし、前部の泉門(大泉門)が閉じるのはそれより遅く、18か月前後まで残る場合もある。前部の泉門は、前頭骨と頭頂骨の交点に位置し、赤ん坊の額にある「ひよめき」と呼ばれるものである。

病理

脳が外力をうけたり損傷した場合、重症になることがある。通常は、頭蓋骨はその硬い性質により損傷から脳を保護するが[2]、髄膜血管の出血や、脳自体の損傷によって、頭蓋内圧が高くなることがありえる。脳が膨張するための空間がないので、過大な頭蓋内圧が進行すると、大孔(大後頭孔)から延髄~脳幹部が脱出し、最終的にはヘルニアとなる(大後頭孔ヘルニア)。この段階に達すれば死は不可避であり、緊急手術により予防的な内圧低下措置が必要である。このため、脳に損傷を受けた患者は注意深く観察しなければならない。受傷直後は症状、頭蓋内圧上昇が軽微であっても、脳浮腫が時間とともに進行し、急激な転帰を見せることは珍しくない。

古来より、穿頭と呼ばれる頭蓋骨の手術が、単に人命救助の技術としての試みというだけではなく、しばしば神秘的な理由で実行されている。

頭蓋骨はさらに鼻腔穴を含んでいる。髄膜は頭蓋骨と脳を分ける薄膜である。

目や髪、肌の色といった骨に残らない特徴とともに頭蓋も系統関係を示すことは考古学者や法医学者に知られている。

ヒトの頭蓋骨を構成する骨

1:前頭骨、2:鼻骨、3:頭頂骨、4:側頭骨、5:蝶形骨、6:涙骨,7:頬骨、8:篩骨、9:上顎骨、10:下顎骨
1:前頭骨、2:頭頂骨、3:鼻骨、4:篩骨、5:涙骨、6:蝶形骨、7:後頭骨、8:側頭骨、9:頬骨、10:上顎骨、11:下顎骨
ヒトの頭蓋骨の3DCTスキャン映像

脳頭蓋

顔面頭蓋

耳小骨

ウォーム骨 (インカ骨を含む)

通常の骨化の中心のほかに、他のものが生じることがあり、そうした過程では、縫合骨あるいはウォーム骨(英語: Wormian bones[注 1]と名づけられた不規則な孤立した骨が生じる。それらは、ラムダ縫合に最も頻繁に生じる。泉門、特に後部泉門で時々見られるが、ここに生じた大きなサイズの骨をインカ骨と呼ぶこともある。別の部位に生じるこの種の骨、プテリオン小骨は、頭頂骨の蝶形の隅と蝶形骨の大翼の間にできることがあって、多かれ少なかれ頭蓋骨の両横に左右対称に位置するがサイズが異なる傾向を持っている。それらの数は、一般に2または3個までに限られるが、成人の水頭症患者の頭蓋骨で100個以上が見つかったことがある。

頭蓋骨のその他の特徴

頭蓋骨の孔

以下は頭蓋骨に開いている孔と、その孔を通っているものの一覧である。 腹側から背側の順で並んでいる。

顕著な縫合線

ほとんどの縫合線は、そこで接合する骨によって呼称する。 しかし、いくつかのものは特別の名前を持っている。

  • 矢状縫合(しじょうほうごう Sagittal suture) - 正中線に沿った頭頂骨の間。
  • 冠状縫合(Coronal suture) - 前頭骨と頭頂骨の間。
  • ラムダ形縫合(Lambdoidal suture) - 頭頂骨と後頭骨の間。その形が漢字の「人」に似ているので、「人字(じんじ)縫合」とも言った。
  • 鱗状縫合(Squamosal suture) - 頭頂骨と側頭骨の間。
  • 前頭縫合(Metopic suture) - 前頭骨の左右中間部にある縫合(注:通常は6歳頃に消失。残存する場合にこう呼ぶ)。

脊椎動物の頭蓋骨

概要

頭蓋骨の構成と発生

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ 17世紀デンマークの医師オーレ・ウォームにちなむ。

出典

  1. ^ 頭蓋. コトバンクより。
  2. ^ 監修山田敬喜、肥田岳彦『ぜんぶわかる 骨の名前としくみ事典』成美堂出版、2012年、22ページ、ISBN 978-4-415-31001-5

外部リンク


頭蓋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 18:22 UTC 版)

ルーシー (アウストラロピテクス)」の記事における「頭蓋」の解説

ルーシー全身骨格比較保存状態良かったが、頭蓋骨については破損大きく復元困難だったこのためアファール猿人頭骨が完全に復元されたのは、AL444-2が発見され1992年以降のことだった。しかし、他のアファール猿人頭骨との比較から、ルーシーの脳容量は400cc未満推測されている。その容量チンパンジーのものとほとんど変わらず、脳の大型化傾向無縁だが、構造上の進化形跡推測できるという。 かつては脳の大型化直立二足歩行の進化連動していると考えられていたが、そのような旧説見直しを迫るものだった

※この「頭蓋」の解説は、「ルーシー (アウストラロピテクス)」の解説の一部です。
「頭蓋」を含む「ルーシー (アウストラロピテクス)」の記事については、「ルーシー (アウストラロピテクス)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「頭蓋」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

頭蓋

出典:『Wiktionary』 (2021/07/03 13:36 UTC 版)

名詞

 (ずがい、とうがい

  1. 頭部骨格脳髄収納する脳頭蓋顔面形成する顔面頭蓋からなる

翻訳


「頭蓋」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



頭蓋と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「頭蓋」の関連用語

頭蓋のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



頭蓋のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JabionJabion
Copyright (C) 2025 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
船戸和弥のホームページ船戸和弥のホームページ
Copyright (C) 2025 船戸和弥のホームページ All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの頭蓋骨 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのルーシー (アウストラロピテクス) (改訂履歴)、獣歯類 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの頭蓋 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS