橈骨とは? わかりやすく解説

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とう‐こつ〔タウ‐〕【×橈骨】

読み方:とうこつ

前腕親指側にある長骨。上は上腕骨尺骨に、下は腕骨につながる。


とう骨

同義/類義語:橈骨
英訳・(英)同義/類義語:radius

動物の前肢関節よりも下部(下腕部)を、尺骨と共に構成する長骨
「生物学用語辞典」の他の用語
個体の器官や組織など:  こぶ胃  さく状組織  しょう果  とう骨  やく  ろ胞  アラタ体

橈骨

読み方とうこつ
【英】:Radius

橈骨は前腕外側橈側または母指側)にある長管状骨(男約22cm、女約20cm)で、上端下端前腕内側尺側または小指側)にある尺骨関節する。下端上端比して著しく大きい。上端には円盤状の橈骨頭があり、円板外周にあたる部分尺骨橈骨切痕橈骨輪状靱帯接する。また、橈骨頭の上面は浅いくぼみになっており(橈骨頭窩)、上腕骨小頭関節をつくる。橈骨頭のすぐ下で橈骨体移行する部分急に細くなってなってくびれており、橈骨頚という。橈骨体上端を除く大部分三角柱状で、全体として外側弓形またがっており、前後および外側3面前後および内側の3縁が区別される内側縁は他の2縁と異なり鋭い稜線になっており、骨間縁とよばれる。この縁と尺骨同名縁との間には前腕骨間膜張っている。橈骨頚のすぐ下で橈骨体の前内側には卵円形にもり上がった橈骨粗面があり、上腕二頭筋の腱が停止するまた、外側面には回内筋の停止する粗面回内筋粗面)がある。橈骨下端外側面には茎状突起という下方伸びる突起があり、内側面には三角形関節面をもった尺骨切痕があり、尺骨の関節環状面関節をつくる。また、後面には3~4個の縦に走る溝がある。橈骨下端下面にあるくぼみは手根関節面で中央にある弱い隆線によって内外二つ関節面分けられている。内側関節面には月状骨が、外側のものには舟状骨接している。語源Radius一点から放散する光り、放線、転じて車輪の幅(スポーク)を意味し、この骨の形が幅に似ているころから命名された。また橈は、かい、オール意味する

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橈骨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/24 13:16 UTC 版)

骨: 橈骨
上橈骨の位置。"Radius" と書かれているのが橈骨。
番号1が橈骨
名称
日本語 橈骨
英語 Radius
ラテン語 Radius
画像
アナトモグラフィー 三次元CG
関連情報
MeSH Radius
グレイ解剖学 書籍中の説明(英語)
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前面から見た橈骨

橈骨(𣓤骨、とうこつ、英語: radial boneラテン語: radius, (複) radii)とは、四肢動物の前肢を構成する骨であり、前腕の二本の長い骨のうちの一つである。

断面は角柱状の形状を取り、尺骨と平行に並んで存在している。橈骨と尺骨の大きさや長さを比較すると、橈骨の方がやや小さく短い。解剖学的正位(腕を体の脇に下げ、掌の表側を前に向けた位置)において、体から離れた外側(がいそく)側に位置し、親指の側にあるのが橈骨である。

前腕および手の橈骨側を橈側(𣓤側、とうそく)という。同部位に対しては医学用語の外側(がいそく)が日常語の内側(うちがわ)に当たり、紛らわしい。橈側の反対側を尺側(しゃくそく)と呼ぶ。

構造

ヒトの橈骨は、左右の前腕に1本ずつ存在しており、尺骨とともに前腕構造を支持し、髄腔の存在する管状骨、すなわち長骨[1]に分類される。

近位端は馬蹄のような細長い構造をしており橈骨頭(𣓤骨頭、とうこつとう)と言い、遠位端に移行するに従って広く太くなる。

橈骨と関節する骨

近位端は上腕骨と腕撓関節を形成し、尺骨と上橈尺関節(肘関節の一部)を形成する[2]。遠位端も尺骨と下橈尺関節を形成し[3]舟状骨および月状骨三角骨と橈骨手根関節(手関節の一部)を形成する[4]

橈骨に接着する筋肉

橈骨の筋肉接着面 (前面)
橈骨の筋肉接着面 (背面)
筋肉 方向性 接着面
円回内筋[5] 停止 回内筋粗面
回外筋[6] 停止 橈骨下端の前面
上腕二頭筋[7] 停止
方形回内筋[8] 停止
腕橈骨筋[9] 停止
浅指屈筋(橈骨頭)[10] 起始
短母指伸筋[6] 起始
長母指外転筋[6] 起始
長母指屈筋[8] 起始

語源

解体新書巻之一に記載された「橈臂骨」及び「直臂骨」の説明

英語など欧州諸語で使用されている radius は、もともとラテン語で「光線の放射」「棒、杖」「車輪の(スポーク)」という意味である。

古い中国医学では、清代の『医宗金鑑』に(現在で言う)尺骨とまとめて「臂骨」と言われ、狭義では尺骨を「臂骨」(つまり総称と区別しない)と、橈骨を「輔骨」(俗に纏骨)と呼んだ[11]

橈骨は「撓(たわ)んだ」形の骨の意で、杉田玄白が『解体新書』で橈骨を「橈臂骨」と、尺骨を「直臂骨」と訳したのが始まりである [12]。ただし、『解体新書』の原文では「橈臂骨、其上端有二起処。其一者、挟臑内筋之処也。其微陥者、受直臂骨櫛之処也」とあり、橈臂骨の上端には臑内筋(上腕筋?)を挟む部分と、もう一方の骨の櫛(関節環状面)を受けるくぼみ(橈骨切痕?)があるので、橈臂骨=尺骨、直臂骨=橈骨であるようにも考えられる[11]。いずれにせよ、鈴木文太郎が1905年に著した『解剖学名彙』でradius = 橈骨の用語が統一された[13]

なお、大槻玄沢は『重訂解体新書』で、ラテン語を直訳して「梃骨(ていこつ)」(梃=棒)と訳した[12]

脚注

  1. ^ 森ら, p.130
  2. ^ 森ら, pp.206-207
  3. ^ 森ら, pp.213-214
  4. ^ 森ら, p.215
  5. ^ 森ら, p.347
  6. ^ a b c 森ら, p.359
  7. ^ 森ら, p.347
  8. ^ a b 森ら, p.351
  9. ^ 森ら, p.354
  10. ^ 森ら, p.348
  11. ^ a b 李強「解剖学骨名「尺骨」の由来を巡って医学文化史の世界を瞥見する」『大阪物療大学紀要』第2巻第0号、学校法人物療学園 大阪物療大学、2014年、53-61頁、doi:10.24588/bcokiyo.2.0_53ISSN 2187-6517NAID 110009771617 
  12. ^ a b 国分正一. “骨の逸話”. 東北大学整形外科学教室. 2018年8月17日閲覧。
  13. ^ 澤井直、2010、「昭和初期解剖学用語の改良と国語運動 (PDF) 」 、『日本医史学雑誌』56巻1号 pp. 39-52

参考文献

  • 原著 森於菟 改訂 森富「骨学」『分担 解剖学1』(第11版第20刷)金原出版、東京都文京区、2000年11月20日、19-172頁。ISBN 978-4-307-00341-4 
    • 原著 森於菟 改訂 森富「骨学」『分担解剖学1』、19-172頁。 
    • 原著 森於菟 改訂 森富「靭帯学」『分担解剖学1』、173-248頁。 
    • 原著 森於菟 改訂 大内弘「筋学」『分担解剖学1』、249-437頁。 

関連項目

外部リンク


橈骨

出典:『Wiktionary』 (2021/08/07 00:32 UTC 版)

名詞

 とうこつ

  1. 前腕外側にある骨。

発音(?)

と↘ーこつ
と↗ーこつ

翻訳


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