社会的地位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/14 21:03 UTC 版)
社会的地位(しゃかいてきちい)とは、社会の中に確立された、人々の名誉や威信を伴う位置。
概要
近代社会では、職業が地位の主な規定要因と考えられている。前近代社会では、地位の格差は幅広かった。インドのカースト制度や日本の江戸時代の身分制度のように、時には社会的地位は、極めて固定的で階級や身分に基づいている。社会学では、社会階層構造や社会階級構造の中に、いくつかの社会的地位が存在すると考える。社会階級は、資本家、中間層、労働者の主に3つの地位(あるいは階級集団)からなる。社会階層は、多次元的かつ連続的に測定することが普通である。何らかの社会的資源を多く持つほど社会的地位が高いとされる。
社会的地位が変化することを社会移動(しゃかいいどう)、社会的移動(しゃかいてきいどう)、階層移動という。とくに親子で社会的地位(具体的には職業)が異なることを「世代間社会移動」、本人の学卒後の初職と現職などが異なることを「世代内社会移動」(職業キャリアの変化)という。日本は一度就職すると、その職を続ける人が多く、仕事をやめて大学などに入り資格を取って別の職につく人は少ない。このため世代内社会移動は少ない社会といわれる。また転職は少ないとも言われるが、実際には中小企業勤務者は勤務先を変えることは多い。ただ勤務先が変わっても本人の仕事内容が変わらない場合は社会移動とはいわない。
階層構造の閉鎖性
社会移動が少ないか困難なことを社会の閉鎖性が高いという。閉鎖性には大学定員や奨学金など進学機会が関連するが、実際には機会は直接測定できず、機会と結果を分けて考えることも難しい。しかし結果でなく機会の不平等が問題という主張も多い。西欧各国は貴族階級の優遇さえ残っており閉鎖性がある。また、管理職は国により定義が異なり、その定義を広くして、ほとんど部下がいないものまで管理職として扱えば、親が管理職でなくても現在管理職の人を多く見せることができる。データ分析上このような操作で閉鎖性を低く見せることができるので注意が必要である。またこれまでは、日本社会の閉鎖性は低いとする主張が社会学では多かったが、これは第二次大戦後の日本では、親が農民だが本人は農民でない人が多かったからである。日本に限らず、この影響を統計的に除くと、各国で閉鎖性が高いとする研究結果もあるが、統計的に様々な手法があり様々な結論を出すことができるため、議論の混乱のもとになっている。
関連項目
- ステータス
- ステータスシンボル
- 社会階層
- 階層
- 富裕層
- 階級
- 社会階級
- SSM調査(社会階層と社会移動全国調査)
- 上流階級
- 中流階級
- 下流
- 新中間層
- 旧中間層
- 資本家
- 労働者階級
- 階層構造
- ヒエラルキー
- 不平等
- 一億総中流
- 中流崩壊
- 格差社会
- 下流社会
- 2極化
- 職業の4次元
- 富の再分配
- 社会学
- 社会経済状況
- 地位の非一貫性
- ノブレス・オブリージュ
参考文献
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 |
- 原純輔・盛山和夫.『社会階層』東京大学出版会.
- 原純輔他編『日本の階層システム』1~6巻 東京大学出版会.
- 直井優他編『現代日本の階層構造』1~4巻 東京大学出版会.
- 安田三郎『社会移動の研究』東京大学出版会.
社会的地位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 01:53 UTC 版)
なお、発表に当たっては変名を使うのが普通であった。流行歌の地位は低いものであり、歌うことに対し体裁が悪いという思いがあったためである。新人歌手は会社を掛け持ちすることが多かったため、掛け持ちが露見しないようさまざまな名前を使うことが多かった。楠木繁夫は本名の「黒田進」も含めて55個もの名前を使用していた。他方、東海林太郎のように本名で歌うケースもあった。 発生以来、庶民の娯楽として圧倒的な支持を受け「唄は世に連れ、世は唄に連れ」ということわざまででき、流行歌はその時代の世相を映す鑑として、多くの人々に愛され口ずさまれた。しかし一方で音楽愛好家の間にはクラシック音楽を至上として考え、大衆の中から生まれて来た流行歌を卑俗なものとして蔑む傾向が強くあり、時に過剰な排斥や誹謗中傷が行われることもあった。だが、電気吹込み時代の昭和流行歌はクラシック・洋楽系演奏家による歌唱が主流となり、当時の中間層の娯楽である歓楽街、家庭でも聴けるような流行歌も作られている。ただし、音楽学校出身者やオペラ歌手が流行歌をレコードに吹込む時代とはいえ、音楽学校卒業前に流行歌をレコードに吹込むことは禁止された。特に音楽学校は流行歌でのアルバイトを禁じ、事実東京音楽学校(現・東京藝術大学音楽学部)に通っていた藤山一郎は一時活動休止を余儀なくされ、その後輩である松平晃は同様のアルバイト発覚により退学している。それ以外にも男女の自由恋愛や安易に身を売る女性などをテーマにした唄もあることから、風紀上好ましくないと言う意見も多かった。このため学校などで児童・生徒が唄うことは禁止されていた。戦後もその傾向は続き、昭和24年(1949年)にまだ12歳に過ぎない美空ひばりがデビューした時にも「あんなに幼い少女に流行歌を歌わせるとは何事か」という批判も少なからずあったという。 流行歌がその価値を正当に認められるようになるのは、流行歌の時代が終わってから10年ほど経ち、テレビが家庭に普及して「懐メロ番組」が組まれ、ブームとなって以降のことである。
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「社会的地位」の例文・使い方・用例・文例
- 低い社会的地位
- 社会的地位の高い人々
- それはあなたの社会的地位にとって良くない。
- 彼女は社会的地位をすごく気にする。
- 彼女達は社会的地位の向上を願った。
- 彼は社会的地位の低い人を軽蔑する。
- 彼は、社会的地位が上がるにつれて、ますます謙虚になった。
- 彼の収入は社会的地位とつりあっていない。
- 日本では看護婦さんは社会的地位が高いのですか。
- 人の価値は社会的地位よりも、むしろ人格によって判断すべきだ。
- 社会的地位を失う; 威信[信望, 面目]を失う.
- 社会的地位の高い人.
- 彼の社会的地位も失われるだろう.
- 社会的地位, 身分.
- 社会的地位の向上を目ざす, 社会的に認められようと努める.
- 彼は着々と社会的地位を向上させていった.
- それはまるで人も羨むほどの彼の業績や社会的地位を彼自身が足蹴にしているようなものだった.
- 彼女は「日本女性の社会的地位」と題する講演をした.
- 社会的地位
- 社会的地位を改善する
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