じ【寺】
じ【寺】
てら【寺】
読み方:てら
1 《礼拝所の意の朝鮮語chyölからとも、長老の意のパーリ語theraからともいう》僧または尼が住み、仏像を安置して、仏道を修行し、仏事を行う建物。寺院。精舎。伽藍(がらん)。
2 (延暦寺を「山」というのに対して)園城寺(おんじょうじ)のこと。
3 住職。
「去る—の仰せらるるは、…寺役(じやく)も勤めにくし」〈咄・御前男・二〉
4 「寺子屋」の略。
「—が大纏のかしらでも、もらふの引くのといふこたあ、五分でもならねい」〈洒・自惚鏡〉
「此の親父へ人をよこして、—をしてくれると思って」〈浄・矢口渡〉
[下接語] (でら)尼寺・氏(うじ)寺・縁切り寺・女寺・駆け込み寺・禅寺・檀那(だんな)寺・知行(ちぎょう)寺・投げ込み寺・野寺・古寺・宮寺・無縁寺・門徒寺・山寺・脇(わき)寺
寺
- 賭博開帳ノ現場。〔第三類 犯罪行為〕
- てらせん(寺銭)の略。博奕をする場所の借賃として其の出来高の中より割きて払ふ金。
- 賭博をする時に貸元又は堂元が集める場銭のことをいふ。寺銭の略である。〔犯罪語〕
- 賭博をする時に貸元が集める場銭のことをいふ。寺銭の略である。
- 賭博の場銭。
- 〔隠〕寺銭の略。賭博をするとき、貸元が集める場銭のこと。
- 賭博開張者の口銭を云ふ。
- 賭博開張者の口銭。或はそれより賭博開張の現場。「てらせん」の略。
- 賭博の主(賭物を貸して勝負金の一部を貰うこと)。岸和田。
- 寺銭の略、賭博のとき貸元が集める揚銭のこと、即ち場所の借賃として出来高より割いて払う金。
- 正しくいえば、博奕打ちの用語である。博徒の親分が賭場を開帳した節、そのバクチ場に集まってきた多くの人々を保護する代償として、客人の利益の内から、頭をはねるその銭のことである。〔香具師・不良〕
- 胴元が賭博を開帳したとき客の利益金から五分乃至六分を寺銭としてはねる 昔は賭博場の灯火代として「照銭」を集めたのがいつか寺銭となつたもの。〔博〕
- 賭博開帳者の口銭(貸元又は胴元が集める場銭)。「てらせん」の略。それより転じて賭博現場のこと。
寺
寺
寺
寺
寺
姓 | 読み方 |
---|---|
寺 | てら |
寺 | てらさき |
寺 | てらざき |
寺院
寺院(じいん、梵、巴: विहार vihāra)は、仏像が祀られ、仏教の出家者が起居し、修行を行う施設である[1]。寺(てら)、仏閣(ぶっかく)ともいう[注 1]。
キリスト教や神道などを除く諸宗教の教会・神殿を指す語としても広く用いられている(ごく稀に神社にも用いられることがある)。
概要
「寺」という漢字は、本来、中国漢代においては、外国の使節を接待するための役所であったが[2]、後漢の明帝の時にインドから訪れた2人の僧侶を鴻臚寺に泊まらせ、その後、この僧侶達のために白馬寺を建てさせ、住まわせたことが、中国仏教寺院の始まりである[2]。
寺院の建造物は、礼拝(らいはい)の対象を祀る「堂塔」と、僧衆が居住する「僧坊」とに区分される。
「堂塔」は、釈迦もしくは仏陀の墓を指すものであって、祖形は土饅頭型であったが、暑さを避けるために傘を差し掛けたものが定着して、中国などで堂塔となった。日本にも中国様式が入ってきて、三重塔・五重塔・七重塔などが立てられ、土饅頭の痕跡を残した多宝塔などが出現する。日本庭園に十一重や十三重の石塔などの多層塔を建てているが、これも同意のものである。
「僧坊」は、インドではヴィハーラと名づけられて、僧侶が宿泊する場所であり、祇園精舎(ぎおんしょうじゃ、jetavana-vihāra)のように釈迦在世の時代から寄進された土地を指したが、次第に僧坊が建設されたり、石窟に住んだりした。中国に入ると僧坊が建設されることが多くなり、堂塔が併設されたので、寺院というと、堂塔と僧坊が同所にあることが普通となる。
最初期の出家者の一時的定住地はāvāsa(住処)またはārāma(園、おん)と呼ばれた。都市郊外の土地が僧伽に寄進されたものを僧伽藍摩(そうぎゃらんま、saṃghārāma)・僧伽藍、略して伽藍(がらん)といわれた。出家者の定住化に伴って僧院が形成された。精舎(しょうじゃ、vihāra)・平覆屋・殿楼・楼房・窟院の5種がある。精舎や窟院では広間と房室を中心として諸施設が整備された。
信仰の対象としての「仏塔」は、はじめ在家信者によって護持されたが、起塔供養の流行に伴って僧院中に建設され、塔を礼拝の対象とする支提堂(しだいどう、祠堂のこと)と支提窟が造られた。やがて塔の崇拝は仏像の崇拝に代わり、中国・日本の金堂(こんどう)の原型となった。
「寺(じ)」は、「役所・官舎」の意(前述書)。西域僧が中国に仏教を伝えた時、はじめ鴻臚寺(こうろじ)に滞在し、のちに白馬寺(はくばじ)を建てて住まわせた。以後、宿泊所に因んで僧の住処を「寺」と呼ぶようになった。「院」は、寺中の別舎を指している。
日本語の「寺」の訓読みである「てら」というのは、パーリ語のthera(長老)の音写であるともいわれるが明らかではない[3]。
中国や日本の寺院では、寺院の名称に山号を加えることがある(「比叡山延暦寺」など)。詳しくは記事「山号」を参照のこと。
日本の寺院
概要(日本)
各地の寺院は、寺院近在を中心とした檀家と呼ばれる信者を抱え、墓地を保有・管理しているものが多い(檀那寺)。これら小規模な寺院は、神社と異なり檀家以外には門を閉ざしている場合が一般的である。これは他国には見られない日本独特の形態であり、神道が「死」を忌むという観念(穢れ)の違いから一種の棲み分けが進んだ結果である。葬式仏教、日本の仏教も参照。
一方、近畿地方の大阪府や奈良県、京都府などにある著名な寺院は、信仰や観光の対象として広範囲に参拝客を集める。
長い神仏習合の影響により神宮寺や、仏教の仏も祀る(正確には同一視、本地仏)とされる権現(熊野権現・山王権現など)の存在もあって祈願対象としての社寺の境は極めて曖昧である。神社仏閣などということもある。
寺院建築
寺院も神社建築と同様、その多くは日本古来の木造建築である。しかし現代では、建築基準法や消防法の規定上、法定の規模を超える建物は耐火建築とすることが義務化されており、昔のように大きな建物を木造とすることができない。そのため、大規模な寺院建造物には鉄筋コンクリート造が増えてきている。また、ビル形式の寺院や近代的モダン寺院も出現するなど概観のデザインも多様化しており、一目では仏教寺院と認識できないものも少なくない。また、寺院の伽藍配置や建物の用途、名称は、神社のように統一されておらず、宗派や各時代によって異なっている。
代表的な建築様式
- 和様(わよう) - 代表例は東大寺法華堂・唐招提寺金堂、平等院鳳凰堂など
- 禅宗様(ぜんしゅうよう) - 代表例は南禅寺三門、功山寺仏殿など
- 大仏様(だいぶつよう) - 代表例は東大寺南大門、浄土寺浄土堂など
- 新和様(しんわよう) - 代表例は長弓寺本堂など
- 折衷様(せっちゅうよう) - 代表例は観心寺金堂、鶴林寺本堂、明王院本堂など
- 寝殿造(しんでんづくり) - 代表例は毛越寺の庭園など
- 書院造(しょいんづくり) - 代表例は園城寺の勧学院や光浄院など
- 寺院の各施設
- 禅宗寺院では下の七施設を基本要素とし、いわゆる七堂伽藍と称する。
その他、寺院の規模により
- 方丈(ほうじょう)- 住職の居所。
- 参道(さんどう)
- 南大門(なんだいもん)
- 中門(ちゅうもん)
- 観音堂(かんのんどう)
- 阿弥陀堂(あみだどう)
- 開山堂(かいざんどう)
- 灌頂堂(かんじょうどう)
- 常行堂(じょうぎょうどう)
- 経蔵(きょうぞう)- 経典などの書庫。
- 鐘楼(しょうろう)
- 回廊(かいろう)
- 食堂(じきどう)
- 僧房・宿坊(そうぼう・しゅくぼう)
- 塔頭(たっちゅう)
- 多重塔(たじゅうとう)
- 多宝塔(たほうとう)
アジアの寺院
仏教以外の宗教の寺院
- 神道の寺院 - 神社を参照。
- 道教の寺院 - 道観を参照。
- ヒンドゥー教の寺院 - マンディル(mandir)と呼ばれる。
- ユダヤ教の寺院 - シナゴーグを参照。
- キリスト教の寺院 - 聖堂を参照。
- イスラム教の寺院 - モスクを参照。
脚注
注釈
出典
参考文献
この節には参考文献や外部リンクの一覧が含まれていますが、脚注によって参照されておらず、情報源が不明瞭です。 |
- むそうたかし『ほとけの乙女 : ミャンマーの仏塔・寺院と少女たち』雷鳥社、2024年3月。ISBN 9784844137979。
関連項目
寺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 05:44 UTC 版)
東大寺、興福寺、四天王寺などの諸大寺で、寺務を統括する長官に相当する僧職。ただし、寺院によっては「別当」以外の役職名を用いているものもあった。延暦寺の「座主」、東寺の「長者」などはその典型である。また、公卿など僧侶ではない者が別当に就任した場合には「俗別当(ぞくべっとう)」と呼ぶ。 仏教に関する公的機関である僧綱の一員としての資格を持つ者が有力な官寺の長を兼ねた場合には某寺別当と称せられ、その寺の三綱(上座・寺主・都維那)などを統轄指揮して仏法の振興・伽藍などの施設の修繕など寺院の経営などにあたった。別当は任期4年とされ、任期満了時その他欠員発生の際には、寺内の五師や大衆によって推挙された候補者が僧綱・講読師による審査を受けた後に太政官が任命したが、特定寺院とのつながりが深い寺院(藤原氏の興福寺など)では、当該氏族による簡定・推挙によって候補者が選ばれた。また、貞観12年(870年)以後は、退任時に地方の国司と同様に解由の手続の適用を受けた。平安時代中期には有力な院家(東大寺なら東南院・尊勝院など、興福寺なら一乗院・大乗院など)の主である門跡から別当に選ばれるようになった。また、別当(正別当・大別当)の下に僧侶の統率について補佐する小別当や、修繕などについて補佐する権別当なども設置され、度牒や試度などに関する庶務や朝廷など外部との交渉にあたる俗別当も設けられるようになった。 最初に別当が置かれたのは東大寺であるとされ、『東大寺要録』では天平勝宝4年(752年)に良弁が東大寺の別当に任じられたのが初任とされている。神護景雲元年(767年)には、実忠が別当として頭塔の造営を命じている。天平勝宝9年(757年)に慈訓が興福寺の初代別当に任じられている。別の説では、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}東大寺で最初に別当の存在が確認されるのは延暦23年(804年)のことで、興福寺などの別当設置もそれ以後のことと考えられている[要出典][誰によって?]。以後、都などの大寺院や定額寺、地方の著名な寺院などに設置され、造寺司の機能の一部を吸収した。また、神仏習合の進展とともに神宮寺が設置されるとその寺務を司るものも別当と称し、検校に次ぐ地位を持った。熊野別当・箱根別当、鶴岡八幡宮の若宮別当(後に雪下殿と称する)はその典型である。更に別当が居住した神宮寺の一部を別当寺とも称し、それを指す場合もあった。
※この「寺」の解説は、「別当」の解説の一部です。
「寺」を含む「別当」の記事については、「別当」の概要を参照ください。
寺
寺
「寺」の例文・使い方・用例・文例
- あなたの留守中に寺井さんという方が会いに来ました
- その小道は緩やかにお寺まで上っている
- 彫刻の施してある寺院の円柱
- このお寺は12世紀にできたものだ
- 彼は妻をしのんで寺を建立した
- 細心の注意を払って再建された寺院
- トルコ風の寺院
- 市はその古い寺を保存する方策を講じるべきだ
- 寺を修復する
- 新年を迎えるにあたり私たちは寺院に行く
- 寺院は戦後間もなく再建された
- 寺は高い木立ちに囲まれていて見えなかった
- 京都に来たのだから有名なお寺を訪ねてみよう
- その古い寺院は山の頂に位置していた
- 荘厳な大寺院
- この寺院は300年もちこたえている
- 清水寺
- 市は歴史的重要性のためその古寺の保存を決定した
- 古い寺院を訪ねる
- ベスは京都だけでなく奈良のお寺にも行った
寺と同じ種類の言葉
品詞の分類
「寺」に関係したコラム
-
ETFを取り扱う証券会社の中には、ETFのセミナーを開催していることがあります。また、インターネットを介した「Webセミナー」を開催しているところもあります。次の表はセミナーを開催している証券会社と過...
-
証券会社では、株式に関するさまざまなセミナーを開催しています。セミナーの内容は、株式取引をこれから始める人を対象にした入門セミナーや、チャートの見方、取引方法など、主に初心者向けのセミナーが多いようで...
- >> 「寺」を含む用語の索引
- 寺のページへのリンク