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「暗黒物質」に手がかり 未知の素粒子の可能性

国際チーム

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米航空宇宙局(NASA)や欧州合同原子核研究機関(CERN)などの国際チームは4日未明、宇宙に大量に存在する「暗黒物質」を知る手がかりとなる観測データを得たと発表した。暗黒物質が未知の素粒子である可能性を強めるデータで、星の誕生や銀河の形成などの解明につながると期待される。

成果は米科学誌フィジカル・レビュー・レターズ(電子版)に近く掲載される。暗黒物質は様々な観測結果から存在することはほぼ確実だが、光や電波を出さないため、詳しい正体は分かっていなかった。ただ暗黒物質が衝突して壊れた後は、電子とは反対のプラスの電気を帯びた「陽電子」が大量に出ると予想されていた。

国際チームは国際宇宙ステーションに設置した特殊な観測装置で宇宙空間に飛ぶ陽電子を測定。詳しくデータを解析したところ、陽電子の数が予想される量を大きく上回った。陽電子は様々な方向から飛んできており、暗黒物質が壊れたことにより出たとみられるという。ただ研究チームは「ほかの天体から出た可能性もあり、数カ月内にはっきりするだろう」としている。

今回の成果は、暗黒物質の正体が理論的には存在が指摘されているが発見されていない「超対称性粒子」と呼ばれる未知の素粒子である可能性を示唆するという。これまでもイタリアやロシアなどのチームが同様の観測データを得たと発表したが、その内容が正しいと裏付けることにもなる。

研究に参加する台湾中央大学の灰野禎一助教は「さらにデータを集めれば暗黒物質の正体に迫れるかもしれない」と話している。

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