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Solid-Liquid Two-Phase Flows in Hydraulic Engineering

1984, Doboku Gakkai Ronbunshu

41 【 土木学会論文集 第351号/II‑2 委 員 報 1984年11月 】 告 水工学 にお ける固液混相流 SOLID-LIQUID TWO-PHASE FLOWS IN HYDRAULIC ENGINEERING 水理委員会固液混相流の力学小委員会 By Task Committee on Dynamics of Solid-Liquid Two-Phase Flows in the Committee on Hydraulics and Hydraulic Engineering, JSCE で, 改 め て57‑58年 1. ま え が き 度 に お い て そ の 内容 を一 部 改 訂 再 編 成 す る と と もに54, 55年 度 段 階以 後 の研 究 を補 足 す る た 混 相 流 の 研 究 は, その 構 成 要 素 の 物 理 的, 化 学 的 性 質 の 多 様 性 の ゆ え に き わ め て 多岐 に わ た り多 くの 学 問 分 野 め (4)混 相 流 に 関 す る 最 近 の研 究 の 動 向 に ま た が っ て い る. こ の た め, 混 相 流 の 問題 は個 々 の専 の 項 目 を追 加 して 報 告 書 を作 成 し, 昭 和58年6月 門分 野 で取 り上 げ られ研 究 さ れ て い た反 面, 学 際領 域 の 液 混 相 流 の 力 学」 と題 す る研 究 報 告書 を 水 理委 員 会 に提 に 「固 学 問 と して は い ま だ統 一 性 に欠 け て い た. しか し, 昭和 出 し た. 40年 代の 半 ば 頃 か ら工 学 の い ろ い ろ な分 野 で 混 相 流 の 本 文 は その 報 告 書 を論 文 集 用 に ま とめ 直 した もの で あ 力学 の体 系化 と い う観 点 か ら, そ れ ま で の 各 応 用 問題 と る. 紙 数 の 関 係 で 大 切 な部 分 で も割 愛 した もの が あ るが, して の そ の位 置 づ けの 見 直 しが 活 発 に 行 わ れ る よ うに な これ か ら この 分 野 の 研 究 の 一 層 の 発 展 の 契 機 を与 え 得 る り, 昭 和40年 もの と なれ ば幸 い で あ る. 代 の 後 半 か ら50年 代 の 前 半 にか けて は 日 本 学 術 会 議 水 力 学 ・水 理 学 研 究 連 絡 委 員 会(当 時 委 員 長 : 京 都 大 学 故 石 原 藤 次 郎 教 授)は この よ う な 混 相 流 研 究 の 体 系 化 を推 進 した. こ の よ う な 機 運 の 高 ま りの 中 で 土 木 学 会 水 理 委 員 会 は, 河 川 ・貯 水 池 ・海 岸 等 に お け る土 砂 や浮 遊 物 質 の 問 本 研 究 小 委 員 会 の構 成 は下 記 の よ う で あ る. 委 め て 同委 員 会 の研 究 小 委 員 会 活 動 の一 環 と して, 土 木 工 主 主 以 来, 本 研 究 小 委員 会 はそ の 調 査 研 究 を行 い, 次 の3 項 目 につ い て の 昭 和54, 55年 度 段 階 まで の 研 究 成 果 を取 り ま とめ た. そ の3項 (1)混 目とは 相 流 に関 す る数 学 モ デル (2)嗣 水 路 に お け る 固体 粒 子 浮 遊 流 (3)流 体輸送管路の固液混相流 で あ る. しか しそ の後 そ の印 刷 が諸 般 の事 情 で遅 れ た の 野 幹 雄(東 京 工 業 大 学 〉 山 田 査:岸 力(北 海 道 大 学)板 発 局)今 正(防 衛 倉 忠 興(北 本 博 健(京 都 大 学)福 海道 開 岡 捷 二(東 京 工 大) 非 ニ ュ ー トン流 体 と して の 固 液 混 相 流 分 科 会 主 した. 査:日 ニ ュ ー トン流 体 と して の 固 液 混相 流 分科 会 取 り上 げ, そ の 力学 に つ い て の研 究調 査 を 行 うた め 昭和 に 「固 液 混 相 流 の 力 学 研 究 小 委 員 会 」 を設 置 泰 造(中 央 大 学) 岡捷 二(東 京 工 業 大 学) 大学 校) 学 の水 工 学 に広 く関係 の深 い 固液 混 相 流 を テ ー マ と して 53年2月 長:林 混相 流 に 関 す る 数学 モ デ ル分 科 会 題 に関 す る混 相 流 の力 学 に統 一 性 を与 え, 混 相 流 と して 取 り扱 わ れ る も の の学 問体 系 を整 え る こ と の必 要 性 を認 員 委 員 兼 幹 事:福 査:松 尾 友 矩(東 京 大 学) 流体輸送管路の固液混相流分科会 主 査:林 泰 造(中 央 大 学)那 須 浩 平(高 知 高 専) 混相 流 に 関 す る最 近 の研 究 の動 向分 科 会 主 査:林 泰 造(中 央 大学)福 山田 正(防 衛 大学 校) 岡捷 二(東 京 工 大) 42 2. 水理委員会固液混相流の力学小委員会: 究 以 来, Oseen, 混 相 流 に関 す る数 学 モ デ ル Goldsteinな ど に よ り古 くか ら行 わ れ て い る. 一 方 実 験 的 研 究 も数 多 くあ り, 形 状 の効 果, 底 ー 般 に単 相 の流 体 に相 の異 な っ た物 質 が混 入 した流 れ 面 お よ び側 面 の影 響 等 が論 じ られ て い る. これ らに 関 し は混 相 流 と呼 ばれ て お り, 単 相 の流 体 と は異 な っ た流 れ て は次 に述 べ る複 数 個 の粒 子 沈 降 の場 合 も含 め て河 村 の の 特 性 を有 して い る. 本 章 で は, 混 相 流 の 数 学 モ デ ル に 成 書14)に詳 述 され て い る. 関 す る研 究 の 現 況 を整 理 ・報 告 す る. (1) (2)複 数 個 の粒 子 の沈 降 a) 個 々の粒子の運動 こ の問 題 は通 常 ク リー プ運 動 の方 程 式 を解 い て求 め ら 単一粒子の運動方程式 れ る が, 流 体 の慣 性 を無 視 す る た め に, 粒 子 に働 く揚 力 (1)Basset方 程 式 (壁 に 直 角 方 向)が 静 止 流 体 中 を 運 動 す る 球 に 関 す る 運 動 方 程 式 は, Basset方 程 式 と呼 ば れ て い る1). (2)Tchenの 子 の 沈 降 の 理 論 を発 表 し, 実 験 と の一 致 を示 して い る. 乱 流 場 に お け る粒 子 運 動 に 関 し てTchen2)は 基 礎 式 を 式 を解 析 し, Basset 項 等 の 各項 の オ ー ダー 評 価 を行 って い る. b) 欠 落 して し ま う. 最 近Vasseur・ singular perturbation 手 法 に よ り壁 面 と1個 の 粒 子, 壁 面 と(ま た は無 限 の広 が りの 中 で の)2粒 方程式 与 え て い る. Lucian3)はTchenの Cox15)は, (3)粒 子群の沈降 上 記(1), (2)の問 題 は粒 子 レイ ノル ズ数 が 小 さ い と して 理 論 的 に論 じられ て い るが, 粒 子 レイ ノル ズ数 が 増 加 す 静止 流 体 中 の 粒子 の 回 転 運 動 に よ る力 る と後 流 部 に カル マ ン渦 が 発 生 し, 粒 子 の 挙 動 は確 率 的 1個 の球 が無 限 静止 流 体 中 を一 定 角 速 度 で 回 転 し, か に な る. ま た粒 子 レ イ ノル ズ 数 が 小 さい と きの 粒 子 群 の つ一 定 速 度 で並 進 して い る と きの 球 に 働 く抗 力 と揚 力 は 沈 降 の 問 題 はSaffman16)に よ っ て取 り扱 わ れ て お り, 粒 Rubinow・Keller4)に 子 を点 と み な すpoint particle approximation よ っ て理 論 的 に 解 か れ て い る. こ の揚 力, 抗 力 に 関 す る研 究 はHappel・Brennerの 書5)に 詳 述 さ れ て い る. c) (2) せ ん断 流 中 の 粒 子 に働 く抗 力 ・揚 力 を用 いて 解析 が進 め られ て い る. a)粒 粒子懸濁液一 単 一相 と して の取 扱 い 子 懸 濁 液 の有 効 粘 性 係 数 せ ん 断 流 中 の 粒 子 は抗 力 の ほか に揚 力 も受 け る. 研 究 有 効 粘 性 係 数 と は, 混 相 流 を一 つ の特 性 を もっ た流 体 の 対 象 と され る粒 子 の 形 と して は球 形, 楕 円体, 円板 等 と み な した と き に現 わ れ る み か け の粘 性 係 数 で あ る が こ が あ る. 壁 面 近 くの 球 や せ ん 断 流 中 の 球 に働 く抗 力, 揚 れ を 最 初 に理 論 的 に 導 き 出 した の はA. Einstein17)で あ 力 に つ い て はLighthill6)の 研 究 が 初 期 の もの で, その 後 る. この 理 論 の 紹 介 は数 多 くの 流 体 力 学 の成 書 にみ られ 多 くの研 究 者 に よ って研 究 され て い る. そ の う ち一 様 な る(た と え ばLandau・Lifshitz18)). せ ん 断 力 が働 い て い る 流体 中 の 球 に 作 用 す る揚 力 と して は, Taylorに Saffman7)の 得 た 揚 力 に 関 す る結 果 は, 前 に 言 及 し た とが で き る. 濃 度cが Rubinow・Keller解 し得 る場 合 に は, と は異 な り, 球 の 回 転 角 速 度 に 無 よ り一 般 的 な 場 合 よ って 行 な われBatchelorの 書19)にみ る こ 低 く, 粒 子 相 互 間 の 干 渉 を 無 視 関 係 と な っ て い る. d)せ ん 断 流 中 の 粒子 の 運 動 一 般 に低 レ イ ノル ズ 数 の 範 囲 で は流 体 中 の 粒 子 の 運 動 は, せ ん 断応 力 の 効 果, 壁 面 の 効 果, 回 転 の 効 果, 粒 子 μ*=[1+c(μ+2.5μ/μ+μ)]μ …… (1) で与 え られ る. こ こ に, μ*: 混 相 流 の 有 効 粘 性 係 数, 戸 :混 入 粒 子 の 粘 性 係 数, c:粒 子 濃 度 で あ る. 特 に混 入 の形 の効 果 が複 雑 に絡 み 合 い, ま た 液 中 の 粒 子 濃 度 の 効 物 質 が 固 体 の 粒 子 の 場 合μ → ∞ と す る と, 上 式 は 果 も入 っ て き て, さま ざま の運 動 形 態 が 現 わ れ て く る. Einstein 公 式 こ れ ら に 対 す る 実 験 的 研 究 の 報 告 は, 松 信8), 岡9), μ*=μ(1+2.5c) …… (2) Eirich10)らに よ っ て軸 集 中, シ グ マ 効 果, 管 壁 効 果等 と と な り, cが0. 02以 下 の 場 合 に は十 分 な 精 度 を有 して して詳 細 に報 告 さ れ て い る. い る とい わ れ て い る. な お よ り高 濃 度 の 混 相 流 の 場 合 に と こ ろ でせ ん断 力 中 を運 動 す る粒 子 は流 れ に よ りモ ー 適 応 し得 る実 験 式 がHappel・Brenner20)の 書 に 示 され て メ ン トを受 け て回 転 す るが, その 姿 勢 変 化 に関 して は, い る. ま たJefferyはEinsteinと Masson11), 行 い 固 体 が楕 円 体 の 場 合 の 有 効粘 性 係 数 を 求 め て い る. Goldschmidt12)の も の が あ る. ま た従 来 の 実 験 研 究 を ま とめ た もの に, Cox, Mason13)の 報 告 が あ る. e)静 (1)1個 止流体中の粒子の沈降 代 に入 り, Batchelor22)を 中心 に 再 び理 論 的 に取 り上 げ られ, 濃 度 の 二 乗 の オ ー ダ ーO の粒子の沈降 (c2)ま で の 議 論 やBrown運 静 止 流 体 中 の 粒 子 の 沈 降 に 関 して 最 終 沈 降 速 度 や抵 抗 係 数 を, 理 論 的 に 求 め る 試 み は1851年 この 問 題 は そ の 後1970年 ほ ぼ 同様 の 理 論 展 開 を のStOkesの 研 動 の 影 響 が 論 じ られ て お り, ま た細 長 い物 体 を混 入 した流 れ で は非 常 に大 き な応 力 の 発 生 が み られ る こ と 等 が 報 告 さ れ て い る. 一 方 水工学 における固液混相流 Lundgreen23)はBrinkman24)に 43 よ っ て 浸 透 流 の解 析 に 用 い られ た手 法 にSaffman16)に よ っ て提 案 さ れ て い る統 計 的 手 法 を加 え て, 有 効 粘 性 率, 粒 子 の 沈 降 速 度 等 を導 い a+V cvs=0 流体に関す る質量の保 存式 て い る. この ほか に も粒 子 の 濃 度 が 高 く な っ た場 合 の 有 効 粘 性 係 数 に つ い て 半 理 論 式 が い くつ か提 案 さ れ て お り, 化 学 工 学 あ る い は粉 粒 体 工 学 の 分 野 での 成 果 も数 多 い. b) 粒 子 懸 濁 液 の バ ル ク方 程 式 (3) (4) at+(1-c)vf=0 粒 子系に関す る運動量方程式 Cp8Ca+vsvvs) =-cvpS+cvr3+MS (5) 流体 に関す る運動量方程式 粒 子 懸 濁 液 で は流 体 中 に無 数 の 粒 子 が 存 在 す る た め, 粒 子 の 存 在 を確 率 的 に取 り扱 う必 要 が あ る. 無 数 の 粒 子 の 存 在 効 果 を統 計 的 に平 滑 化 して導 か れ た均 質 な流 体 と (1-c)pf(afi+v,vv) =-(1- c)v pf-(1-c)v r, +Mf (6) して の方 程 式 は, "懸 濁 液 の バ ル ク方 程 式"あ る い は"構 こ こ に, Cは 粒 子 の 体 積 濃 度, ρs,ρf, vs, vfは そ れ ぞ 成 方 程 式"と れ 粒 子 系 と 流 体 の 密 度 と速 度, ps, pf, τs, τfはそ れ Murray25), 呼 ば れ, こ れ に 関 し て, Batchelor22), Drew26), Hinch27)な どの 多 数 の 論 文 が あ る. こ の場 合 問題 と な る の は, (1)どの よ う な統 計 的手 法(平 ぞ れ の 圧 力 と せ ん 断 応 力(粒 ps=pf+2S/α 子 が 気 泡 の 場 合 に は, が 成 立 して い る. こ こ に, α は気 泡 の半 均 化 操 作)を 用 い る か, (2)応力 を ど の よ うに定 式 化 す る 径, Sは 表 面 張 力 で あ る), Ms, Mfは の か, (3)その結 果, 有 効 粘 性 係 数 等 は ど の よ うに表 現 さ の 相 互 干 渉 の 効 果 を示 して い る. 他 の 多 くの 研 究 者 が提 れ る の か, と い っ た点 で あ り, これ らの点 に 各論 文 の相 案 して い る 基礎 式 はほ ぼ 上 記 の 式 と同 じ形 式 を有 して い 違 が み ら れ る. 上 述 の 平 均 化 操 作 に はLandau・ るが, そ の 相 違 点 は運 動 量 方 程 式 の 右 辺 の 抵 抗項 の表 現 Lifshitzに に あ る よ うで あ る. た と え ば, Ungarish・Greenspan32) よ る 体 積 平 均(volume Batchelorに average)や, よ る ア ンサ ン ブル 平 均(ensemble average) が あ る. 通 常 の 目 的 の た め に は 両 者 の う ちど ち らを 用 い て も結 果 に 変 わ り はな い が, よ り広 範 囲 の 問 題 に 適 用 す る際 や, よ り精 密 な 議 論 を行 う と き に は, Saffmanや Lundgrenの 粒 子 系 と流 体 と ら は次 式 を与 え て い る. Ps a} +vsvvs + D(c) =-vps+D(c)sV2vs (7) ix 12 (vr-vs) 条 件 付 き ア ンサ ン ブ ル平 均 が 必 要 と な る. ま たHinchは こ れ らの 方 法 と は 別 に, 1個 の 粒 子 に着 目 し, これ らを 固定 した ま ま, ア ンサ ンブ ル 平 均 を行 い, 1回 目 の バ ル ク方程 式 を得 る. 次 に2個 の 粒子 を 固 定 し Pf aj+UfVUf)=Vpf+D(C)uJVZUf - D(c) ux1 2(Uf Us) (8) た ま ま, 上 記 の 方程 式 に さ らに ア ンサ ンブ ル 平 均 を施 し, こ こ に, α は 粒 径, D(c)は こ の 操 作 を繰 り返 す と い うい わ ゆ る"renormalization" す る 係 数, μs, μfは そ れ ぞ れ の 系 の粘 性 係 数, xは2 の 手 法 を提 案 し, 有 効 粘 性 係 数 の ほか, 懸 濁 液 中 の 重 い つ の 粘 性 係 数 の 比 で あ る. 粒 子 の 沈 降 速 度 や 多孔 質 の 透 水 係 数 を導 い て い る. c) 懸濁液中の沈降粒子 懸 濁 液 中 を懸 濁 粒 子 よ り大 き な粒 子 が沈 降 す る場 合 に は, 流 れ の 場 の ス ケ ー ル が懸 濁 粒 子 の間 隔 よ り大 き くな る. こ の た め, 球 に働 く抗 力 に は, ス トー ク ス の抵 抗 則 b) 種 々の 流 れ へ の 応 用 得 られ た方 程 式 に よ り, 種 々の 場 の 流 れ, た とえ ば, ・平 板 に沿 う混 相 流(層 流) ・平 板 に沿 う混 相 流‑粒 子 の 沈 降 や拡 散 を伴 う場 合(層 と は 異 な り濃 度 の 効 果 が 入 っ て くる. こ れ に関 して は 流) ・平 板 に沿 う混 相 流(乱 流) Brinkman24)ら の研 究 が あ る. ・混 相 噴 流 (3) a)基 混相流の基礎方程式 ‑多 相 流 と しての 取 扱 い 礎方程式 混 相 流 の 基 礎 方 程 式 は, Hinze28), Soo29), Murray25) に よ り一 般 的 に 論 じ られ て い る. 一 方Drew26)は 数 学 的 混 相 流 の 体 積 濃 度 に関 係 等 が 解 か れ て い る. これ らの 場 合 に は いず れ も境 界 層 近 似 が 可 能 で あ り, 流 体, 固 体 の 各 相 につ いて の 境 界 層 方 程 式 を"運 動 量 積 分 法"で 解 く こ とが で き る28). c)混 相乱流の取扱 い こ う した二 相 流 と して の取 扱 い を乱 流 の 場 合 に拡 張 す に よ り厳 密 に一 般 化 され た形 で こ れ を導 い て い る. こ こ る た め に は, 粒 子 運 動 に よ り発 生 す る レイ ノ ル ズ応 力 に で は 混 相 流 の 基 礎 方 程 式 と して 最 近 提 案 さ れ て い る つ い て完 結 問 題(レ Delhaye30)あ る い はIshii31)に よ る基 礎 式 を記 して お く. に表 現 し, 方 程 式 を閉 じるか と い う問 題)が 生 じる. こ 粒 子 系 に関 す る質 量 の保 存 式 れ につ い て は, 3. イ ノ ル ズ応 力 を平 均 量 その 他 で いか で述 べ られ る よ う に混 合 距 離 理 論, 44 水理委員会固液混相流 の力学小委員会: 加 速 度 平 衡 方 程 式, Obukuhov相 エ ネ ル ギ ー 平 衡 方 程 式, Monin‑ 似 理 論 の もと に 開 水 路 土 砂 浮 遊 流 の 乱 流 構 式 で はy=α で の濃 与 え て 濃 度 分 布 を 求 め て い る. 粒 子 を含 む流 で あ り, 拡 散 方 程 式 に よ る 限 りは, caの 値 を い か に精 開 水 路 にお け る浮 遊 砂 流 (1)浮 度ca)を れ の 底 面 の 境 界 条 件 は粒 子 が壁 面 を通 り抜 けな い41)こと 造 が 論 じられ て い る. 3. 合 に は便 宜 的 な境 界 条 件(Rouseの 度 よ く求 め る か と い う問題 に帰 着 す る. Yalin・Krishnappan42)は, 遊砂濃度分布 浮 遊 砂 現 象 は, 水 流 の 乱 れ に よ る拡 散 に よ っ て起 こ る 二 次 元定 常等 流 中 での浮 遊 粒 子 の 運 動 を ラ グ ラ ン ジ ュ的 に追 跡 す る こ と に よ っ て こ とか ら, 拡 散 方 程 式 に基 づ く取 扱 いが 一 般 的 で あ る. 濃 度 分 布 式 を導 い て い る. そ こ で は流 体 塊 が鉛 直方 向変 す な わ ち, 二 次 元 定 常 等 流 の 浮 遊 砂 濃 度 分 布 の 基 礎 式 は, 動 速 度v'に 次 式 で 表 現 され る. よ っ てv'・δt変 化 す る 間 に, 固 体 粒 子 は (v'‑ωt)δtだ け変 位 す る もの と し, 浮 遊 粒 子 の 変 位 の εsdc/dy+w0c=0 …… 確率密度関数 を (9) f(y+1, yn)=1/ σ こ こ に, c: 浮 遊 砂 濃 度, εs: 濃 度 拡 散 係 数, ω0: 沈 降 速 度, y: 水 路 底 か らの 高 さ で あ る. 運 動 量 輸 送 係 数 εm ・√2π exp[‑yn‑1‑(yn‑w0t/2y] …… (14) は, せ ん 断 力 の鉛 直 分 布 が 直 線 的 で流 速 分 布 のlog law が 成 立 す る とす る と, 式(10)と で 表 わ して い る. 基 準 点 濃 度 をcaと な る. εm=ku*h(1‑y/h) …… こ こに, h: と して 式(15)を (10) 水 深, u*: 摩 擦 速 度 で あ る. い ま εsと εn が 等 しい と仮 定 す る と 次 の 浮 遊 砂 濃 度 分 布 式 が 求 ま る. c/ca =(h‑y/y・a/h‑a)z …… (11) c/ ca Σ∞n=0fn(yn:y*) (15) Σ∞n=0fn(ya:y*) こ こ に, y*は こ こ に, す る と濃 度 分 布 式 得 る. 浮 遊 粒 子 の 初 期 高 さ で あ る. Yalinら の 濃 度 分 布 は1.25≦u*/ω0≦10. 0の 範 囲 で 実 測 値 を よ く 説 明 す る. z=w0/xu * …… 上 式 はRouseの (12) 濃 度 分 布32)と呼 ば れ る. 式(11)で 流 路 床 付 近(y=a)の 吉 川, 石 川41)は, 平 衡 な浮 遊 砂 濃 度 分 布 の 形 成 に は粒 は 子 が壁 を通 り抜 けな い とい う境 界 条 件 を取 り込 む こ とが 濃 度caを 知 れ ば, 濃 度 分 布 を求 必 要 で あ る と の 考 えの も と に, Yalinら と 同様 に 粒 子 運 め る こ と が で き る. εsに(12)と 異 な る 関 数 形 を採 用 動 を確 率 的 に 取 り扱 い, 濃 度 拡 散 係 数 を求 め, これ よ り す れ ば, 異 な っ た式 形 の 濃 度 分 布 式 が 得 られ るが33)〜35) 拡 散 方 程 式 を用 い る 限 りはRouse型 ほ どの 差 は な い. Rouseの の濃度 分布 とそれ 濃 度 分 布 は, ω0/u*が 小 さ い と こ ろ で は 実 測 濃 度 分 布 を よ く説 明 す る が, ω0/u* が 大 き く な る とRouse式 Rouseの 濃 度 分 布 式 の 指 数z1と して, z1=z/β'=1.18(1‑ω) …… (16) を得 て い る. こ こに, ω は で 求 ま る も の よ り も一 様 な 分 ω(2‑ω)=exp{‑1.77(1‑ω)w0/u*} …… 布 に近 づ く. εs=β・ εn …… (13) よ り求 め る. 図‑1は 式(16)と (17) 実 測 値 の比 較 を示 す. と お き, β=1. 2と お く と, 実 測 値 と の 対 応 が 平 均 的 に よ く な る. 両 者 の 関 係 を式(13)で 現 し, 実 用 上 は β=1.0に β の 値 に つ い て, 表 と る こ と が 多 い36). Carstens37), Ismail38), Simgasetti39), Jobson・Sayre40)ら の研 究 が あ る が, 実 験 者 ご と に異 な る. この 理 由 は, そ れ ぞ れの 対 象 と す るせ ん断 乱 流 の 場 が異 な る こ と や測 定 精 度 が 必 ず しも満 足 の ゆ くも の で は な い こ と と関 係 す る. しか し, 両 者 の 拡 散 特 性 に差 が現 われ る機 構 につ い ての 説 明 は い ま だ十 分 に な され て い な い. 拡 散 方程 式 で は 境 界 の存 在 を直 接 基礎 方 程 式 の 解 の 中 に 取 り込 め な い た め に, 境 界 が あ る場 図‑1 Rouse 分 布 の指 数 の 変 化 水工学にお ける固液混相流 (2) a) 45 b)流 流 れ と浮 遊 砂 の相 互 作 用 固 体 粒 子 浮 遊 流 の特 性 粒 子 浮 遊 流 の 内 部構 造 を 清 水 流 と同 じ精 度 で議 論 す る 浮 遊 砂 を含 む流 れ の構 造 が 清水 流 の構 造 と異 な る こと がVanoni43)に れ と浮 遊 砂 の相 互 作 用 を 考慮 した モ デ ル よ っ て 指 摘 され て 以 来, 浮 遊 砂 流 は流 れ の 抵抗 と の 関連 で 水 工 学 の 中 心 課題 の1つ とな った. こと は現 状 で は 困 難 で あ る と ころ か ら, 実験 で 得 られ た 知識 を基 礎 に 理論 的 な 面 か ら粒 子 浮遊 流 の 力 学 を探 ろ う とす る 試 み が な され て い る. 流 水 中 に 固 体粒 子 が存 在 す 浮 遊砂 流 と清 水 流 の 大 きな 相 違 は流 速 分 布 にみ られ, る と, 流 速 分 布, 抵 抗 係 数, 乱 れ の 構 造 に 影 響 を及 ぼ す 同 一 の 水 理 条件 の も とで も浮 遊 砂 流 で は濃 度 増 加 と と も の で, 浮 遊 砂 の 存 在 を考 慮 し た乱 れ エ ネ ル ギ ー の 平 衡 式 に 流 れ の 流 速 勾 配 が 急 に な り, 対 数 速 度 分 布 式 の と連続 条件 を 用 い, 流 れ と固 体 粒 子 の 相 互 作 用 を考 慮 し Karman定 た 解析 が 行 わ れ て い る. 数 が 減 少 す る. Vanoniは, 乱 れエ ネル ギー 流 体 と 固 体 粒 子 の 相 互 作 用 の 研 究 は, Ippen51),52), と平 均 流 の 関 係 か ら この こ と を最 初 に考 察 した. Einstein・Chien44)は, ギ ーPsと 粒子 浮遊 に費や されるエ ネル 流 れ が 摩 擦 に よ っ て失 うエ ネ ル ギ ーPfの Ps/Pf =Σcw0/uIeps‑p0/p0 …… 比 (18) 岸53), 福 岡54)によ っ て レビ ュ ー され て い る. 志 村55)は, 二 次 元 等 流 の 場 で乱 れエ ネ ル ギ ー の平 衡 式 と して粘 性 底 層 δか ら水 面 ん ま で積 分 した形 ∫haτdu/dy‑∫hDdy‑∫p0(rs‑1)c'v'gdyu=0 とKarman定 数 の 変 化 を関 係 づ け, 実 験 資 料 に よ っ て確 (19) か め て い る. こ こ に, τ は浮 遊砂 体 積 濃 度 の 断 面 平 均値, I, は エ ネ ル ギ ー 勾 配, π は 平 均 流 速, Σ は 各 粒 径 ご と を用 い た. 粘 性 に よ るエ ネ ル ギ ー 逸 散 項D'は, 乱れの の和 で あ る. Karman定 2乗 用 い, 数 の 濃 度 に よ る変 化 が式(18) の 関 係 で 表 現 さ れ る こ と に よ り, 2. b)に 述 べ る 流 体 と 粒 子 の 相 互 作 用 を理 論 的 に研 究 す る糸 口 が与 え られ る こ 平 均 平 方 根 税 と 乱 れ の 平 均 渦 径Lを D∞ ρ・π3/Lで 表 現 し, こ れ と 連 続 式 よ り浮 遊 砂 流 の Karman定 数 に 関 す る 式 を 導 い た. こ の 式 は, Karman 定 数 の濃 度 に よ る減 少 を説 明 し, 物 理 的考 察 に よ っ て導 と と な っ た. 最 近, 今 本 ・大年45),46)は滑面 と粗 面 水 路 に お ける 浮 遊 砂 流 の抵 抗 係 数 に つ い て 系統 的 な 実験 を行 い, 次 の 結 果 か れ た式(18)に 理 論 的 裏 付 け を与 え た. 日野56)は土 砂 流 お よ び中 立 粒 子 浮 遊 流 を統 一 的 に説 明 を得 て い る. 浮遊 砂 流 の 抵 抗 係 数 の 増 減 は粗 度 レ イ ノル す る粒 子 浮 遊 流 の 理 論 の 構 築 をめ ざ し, 式(19)に ズ 数 に 支 配 され, 滑 面 上 の 浮 遊 砂 流 で は濃 度 増 加 と と も に 粒 子 の 存 在 に よ る乱 れ の 有 効 逸 散 体 積 の 減 少 を加 え た に 抵 抗 係 数 が 増 大 す るが, 完 全 粗 面 領 域 で は減 少 す る. 乱 れ の エ ネル ギ ー方 程 式 を用 い, これ と乱 れ の 加 速 度 平 一 方, 不 完 全 粗 面 領 域 で は粗 度 レ イ ノル ズ 数 に 応 じて 抵 衡 方 程 式 か らKarman定 抗 係 数 の 増 減 傾 向 は 異 な る. ま た 抵 抗 係 数 の 変 化 は フ 式 を導 い た. ル ー ド数 が 小 さい ほ ど顕 著 で あ り, レイ ノル ズ数 に よ っ て は, ほ とん ど影 響 され な い. 固 体 粒 子 浮 遊 流 の 乱 れ 構 新た 数 の 変 化, 乱 れ の 強 さの 変 化 の xo Lo 1-t-aC) i y= T = [1 +11+4 B, xa (1 +l c) S,] (20) 造 に関 して は, 乱 れ 計 測 用 の 測 定 機 器 の 開 発 に よ っ て, 数 多 く調 べ られ る よ う に な っ たが45),47), 固体 粒 子 が流 速 分 布 や抵 抗 係 数 に及 ぼ す影 響 ほ ど 明確 で は な く, い ま だ 統 一 的 な解 釈 を行 え る ほ ど確 度 の高 い結 果 は得 られ て い (21) な い. 浮 遊 砂 の 運 動 が 浮 遊 砂 自身 の 沈 降 速 度 と乱 れ 速 度 と い う分 離 して評 価 しに く い2つ の 要 素 に強 く影 響 され る た め, 浮 遊 砂 流 の 内 部 構 造 の 理 解 に は, 必 然 的 に沈 降 速 度 が無 視 で き る中 立 粒 子 を浮 遊 した流 れ の 内部 構 造 の研 究 へ と進 ん で い っ た48). Elata・Ippen49)は, 二 次元 開水 路 流 の実 験 に よ り, 中立 粒 子 浮 遊 流 で も流 速 分 布 は浮 遊 砂 (22) こ こ に, 流 と 同様 に粒 子 濃 度 の増 加 と と もに勾 配 が 急 に な る が, (23) 抵 抗 係 数 と乱 れ の強 度 は逆 に増 加 す る こと を見 出 した. この実 験 事 実 は, 粒 子 浮遊 流 に 対 す る考 え 方 を今 一 度 見 u: 乱 れ, t*: 直 す 必 要性 を示 す こ と とな った. 粒 径 の や や 大 きい 中 立 図‑2は, 渦 の 寿 命 時 間 で あ る. Karman 定 数 の 濃 度 に よ る減 少 に 関 す る理 浮 遊 粒 子 を用 い た管 水 路 実 験 に お い て も, 開 水 路 流 にお 論 と 実験 の 比較 を 示 す. 日野 の研 究 は 固体 粒 子 浮 遊 流 の け る もの と ほ ぼ同 様 な 実 験 結 果 が 得 られ た50). 乱 れ の 構 造 まで 説 明 し よ う とす る もの で 先 導 的 な研 究 で 46 水理委員会固液混相流の力学小委員会: 分布式 (25) を得 る. こ こ に, φ2=ah/Lで あ る. 上 式 は φ2=0の と きRouseの 式 (11) に 一 致 す る. 4. 貯 水 池 の 水 温 分 布 と濁 水の挙動 自然 河 道 に築 造 され た ダ ム に よ り貯 水 池 内 に河 川 水 が長 期 間滞 留 す る と き, 水 温 の変 化, 微 細 な粘 土 鉱 物 の浮 遊 に よ る濁 水 化, 富 栄 図‑2浮 遊 砂 流 の 濃 度 とKarman定 数減少の関係 養 化 な ど ダ ム建 設 以 前 に は存 在 し なか っ た新 しい水 質 問 題 が 現 われ あ り, そ の時 点 ま で発 表 され た乱 れ の デ ー タ を説 明 す る. て き た. 大 規 模 貯 水 池 の建 設 に伴 う 自然 環 境 へ の イ ンパ 最 近, 板 倉 ・岸57)も浮 遊 砂 流 の 乱 れ の 構 造 を 検 討 して ク トを軽 減 す る た め に は, 濁 水 軽 減 対 策 と並 行 して貯 水 い る. しか し, 乱 れ の構 造 に 関 して は, 確 度 の 高 い 実験 池 水 の水 温 分 布, 成 層 場 で の洪 水 に伴 う濁 水 の挙 動 を十 デ ー タ が乏 し く理 論 の構 築 の過 程 ・仮 説 を検 証 で き る精 分 理 解 し, そ れ らを予 測 す る解 析 ・数 値 モ デ ル を構 築 す 度 の 高 い デ ー タの 蓄 積 が 最 も望 まれ る と こ ろ で あ る. る こ とが 必 要 で あ る. 吉 川 ・福 岡 ・石 田58)は, 乱 流 中 の粒 子 の運 動 を式(19) の左 辺 第3項 の よ う に平 均 的 な運 動 と して 記 述 す る よ り 貯 水 池 水 は, 日射, 大 気 圏 との 熱 の や り と り, 流 入 水 ・ 放 流 水 に伴 う熱 の 流 出 入 に応 じて 水 温 分 布 を形 成 す る. も乱 流 場 を近 似 的 に で も表 現 し, そ の 中 で の 粒 子 と流 体 水 温 分 布 は池 内 水 の 流 動 形 態 を支 配 す る ため, 貯 水 池 水 の相 対 運 動 を論 じる こ と が で き れ ば, よ り精 度 の 高 い エ 質 現 象 の 把 握 に は, 第 一 に 水 温 成 層 型 貯 水 池 水 の 挙 動 を ネ ル ギ ー平 衡 式 を定 式 化 で き る と考 え た. この た め, 流 明 らか にす る こ とが 必 要 で あ る. れ を振 動 流 で, 定 常 な濃 度 分 布 を もつ 土 砂 浮 遊 流 を 一 定 (1)貯 の砂 粒 子 配 列 を も っ た格 子 で モ デ ル化 し, 流体 と砂 粒 子 自 然 湖 沼 の 水 温 分 布 を 求 め る 試 み は 古 くか らな され て の相 対 速 度 に起 因 す る 抵 抗 に よ る エ ネ ル ギ ー 逸 散 を 求 い る が, 近 年 は 水 の 有 効 利 用 を図 る うえ か ら ダム 貯 水 池 め, その 適 合 性 の 検 討 を行 っ て い る. Itakura・Kishi26)は, の 水 温 予 測 の 必 要 性 が生 じて きた. 吉 川 ・山 本60)は, 自 エ ネルギー平衡方程式 に気象学 の 分 野 で 一 般 的 なMonin‑Obukhovの 水 池 内 の水 温 分 布 とそ の解 析 理 論 を適 用 し, 浮 遊 砂 流 の 流 速 分 布, 濃 度 分 布 式 を導 い た. 然 湖 お よ び 全 国26か 所 の ダ ム貯 水 池 の 水 の 流 動 の年 周 変化. 温 度 躍 層 の 発達 ・破 壊 ・消 滅 と そ の 原 因 に つ い て 詳 細 に調 べ, 水 理 学 的 ア プ ロ ー チ に よ り水 温 分 布形 成 の 流 速 分 布 は 次式 で 示 され る. 大 略 把 握 を行 い, ダ ム築 造 前 と築 造 後 の放 流 水 の 水 温 変 化 を予 想 す る方 法 を提 案 した. 貯 水 池 の流 動 は, 水 温 分 布 の特 性 か ら成 層 型 お よ び混 (24) 合 型 に分 け られ る. 安 芸 ・白砂61)・62)は, 貯 水 池 の流 動 が ど ち らの形 態 を と る か の判 断 基 準 と して こ こ に, φ=α・v/u*・L, x=0. 4, α≒7.0, 1/L=κg(γg‑1). ω0c/城, ks: 浮 遊 砂 流 の 相 当 粗 度, v: け る動 粘 性 係 数, B: u*ks/vの 浮遊砂流 にお 関 数 で あ る. 特 性 長L は, 浮 力 に よる エ ネ ル ギ ー輸 送速 度 と 粘性 に よ るエ ネル ギ ー 逸 散 速 度 の比 でMonin‑Obukhov長59)に 式(24)に 相 当 す る. よ れ ば, 浮 遊 砂 の流 速 に 及 ぼ す 影 響 は 底 面 近 く よ り もu*y/vが 増 大 す る 水 面 近 くで 大 き い こ と が わ か る. 次 に, 得 られ た流 速 分 布 と拡 散 方 程 式(9)か ら濃 度 α= 貯水池年間総流入量 貯水池総容量 1洪 水総流量 砧貯 水池総容量 (ZS) を用 い て い る. す な わ ち, α<10程 度 な らば安 定 した成 層 型, α>20程 度 な らば混 合 型 に な る. 岩 佐 ・野 口 ・児 島63)は, 貯 水 池 の 成 層 形 式 を分 類 す る た め の指 標 と して貯 水 池 の平 均 的 内部 フ ル ー ド数 ‑Fdを 用 い て い る. Fa=nQ/po/(-9 d). (27) 水工学 にお ける固液混相流 こ こ に, L: 貯 水 池 の 長 さ, D: 47 平 均 水 深, Q: 流 出量, vt: 総 貯 水 容 量, p0: 代 表 密 度, ρ: 貯 水 池 内 密 度, y 適 用 す る. ∂Qv/ (28) ∂y=qi‑σ0 : 鉛 直上 向 き に と っ た座 標, で あ る. 岩 佐 らは, わ が 国 の ダム 貯 水 池 を次 の4つ の 成 層 形 式 に分 類 した. (a) 成層I型: 水 文 気 象 要 因 に よ って 成 層 化 が な さ (29) れ る貯 水 池 (b) 成 層II型: 水 温 成 層 の 形 成 に対 し移 流 熱 量 の 占 (c) (d) 混 合 型: 夏 期 の ご く短 い期 間 を 除 け ば1年 を 標 高yの 鉛 直 方 向 流 量, qi, 貯 水 池 内 水 温, Dm: T(y, q0: 貯 水 池 T): 分 子 拡 散 係 数, E(y, t): 標 高yの 乱 流拡 散 通 じて顕 著 な成 層 が み られ な い 貯 水 係 数, Tin(t): 流 入 水 の 水 温, φb(y, t): 標 高yに 池 る熱 輻 射, A(y): 標 高yの 中 間 型: これ らの 性 格 を あわ せ もつ 貯 水 池 年 総 流 出 量Q0と こ こ に, Qv: へ の 水 平 方 向 流 入 量, 流 出 量, め る割 合 が大 き い貯 水 池 総 貯 水 容 量Vtの 比(Q0/Vt) の 関 係 か ら成 層 型 の 分 類 を示 した もの が 図‑3で 達す 貯 水 池 水 面 積 で あ る. 池 内 流 れ お よび 流 出 流 れ の 流 速 分 布 は 運 動 方程 式 を解 とFd か ず, 選択 取 水 の 式 を用 い る. 適 切 な 初 期 条 件, 境 界条 あ る. 件 の も とで, これ らの 基 本 式 を解 く こ と に よ り貯 水 池 内 こ の 図 よ り, わ が 国 の貯 水 池 で は成 層 化 と非 成 層 化 の境 水 温 分 布 お よ び取 水 水 温 を よ い精 度 で 予 測 して い る. 01で 与 え られ, 貯 水 池 の 成層 化 の 目安 と し 貯 水 池 水 温 の 一 次 元 予 測 モ デ ル は わが 国 の 電 力 中 央 研 て α=18. 5が 得 られ て い る. 「ダ ム 貯 水 池 に関 す る 水 質 究 所 に お い て も開 発 され て い る(電 研 モ デ ル)66). 電 研 調 査 委 員 会」 で は, 全 国 の85の モ デ ル はMITモ 界 はFd=0. 既 設 ダム につ い て 貯 水 池 の 成 層 型 と水 理 指 標 の 関 係 を調 べ, 表‑1の 結 果 を得 て い る64). こ こ に, α,は7月 総 流 入 量 と貯 水 池 総 容 量 の る62). (2) 比 で あ る. デ ル を 改 良 し, 濁 度 解 析 も可 能 な よ う に 拡 張 され, 多 くの 貯 水 池 の 濁 度 解 析 に 用 い られ て い 成 層 化 貯 水 池 の濁 質挙 動 とそ の解 析 成 層 化貯 水池 にお い 温 度 成層 が あ る貯 水 池 に 濁 水 が 流 入 す る と, 一 般 に濁 て は, 等 温 線 は年 間 を通 じて縦 断 方 向, 横 断方 向 に ほ ぼ ‑様 で, 貯 水 池 の水 温 構 造 は鉛 直 温 度 分 布 で表 現 で き る 水 は 貯 水 池 と同 じ密 度 の 層 に 侵 入 す る こ とが 観 察 され て Huber・Harleman・Ryan65)は, い る. 洪 水 時 に 池 内 に 貯 留 され た濁 水 が 沈 殿 す る こ とな こ と に着 目 し, 水 温 分 布 の 一 次 元 予 測 モ デ ル(MITモ く滞 留 し常 時 の 放 流 に よ って 長 期 間 下 流 の 河 川 に 放 流 さ デ ル)を 構 築 した. 貯 水 池 は 各標 高 の 平 均 幅 を もつ 厚 さ れ る現 象 を濁 水 の 長 期 化 現 象 と い う. この 現 象 は洪 水 終 △y長 方 形 の 水 平 層 の積 み 重 ね で 構 成 さ れ て い る もの と 了 後 数 か 月 に及 ぶ 事 例 も報 告 され て お り, ダ ム建 設 後 の 考 え, そ れ ぞ れ の 層 に つ い て 質 量 保 存 式, 熱 の 保 存 式 を 水 質 変 化 の 予 測 お よ び水 質 保 全 対 策 の 効 果 の 評 価 の ため に水 理 学 的 面 か ら と らえ た予 測 法 を確 立 す る こ とが 重 要 Φ 成 層I型 ○ 成 層II型 ○●中 ● 混 で あ る. a) 成 層 型 貯 水 池 に お ける 流 入 濁 質 の 運 動 間 型 合 型 洪 水 時 の濁 水 が貯 水 池 に流 入 す る と, 潜 入 部 で貯 水 池 水 と激 し く混 合 し, そ れ 自身 が広 い密 度 分 布 を もつ よ う に な る. こ の よ う な濁 水 が成 層 して い る貯 水 池 内 を進 入 す る と き, 周 囲水 と の密 度 の 大 小 関係 に よ り濁 水 の流 動 は 図 一4に 示 す よ う な5つ の代表 的 な領域 に分 け られ る. 図‑3 FdとQ0/Vtの 間の関係 (1) 流 入 部 の 希 釈 混 合 と潜 入(2)下 部(3)下 層 密 度 流 先 端 部(4)中 度 流 分 岐 部(5)中 層 密 度 流等 流 層 密 度 流 と下 層 密 層 密 度 流 上 流 部(6)中 層密度流 先端部 表‑1 貯水池 の成層型 と水理指標 の関係 (1)潜 入 点 位 置 貯 水 池 流 入 端 の 潜 入 点 位 置 は, 貯 水 池 密 度 流 の 境 界 条 件 と な る の で 重 要 で あ る. 江 頭 ・芦 田75)は, 潜 り込 み位 置 付 近 の流 れ に対 し運 動 量 式 を た て, こ れ と等 流 水 深 か ら潜 り込 み 水 深h. の推 定 式 を 求 め て い る. hpは 単 位 幅 48 水理委員会固液混相流の力学小委員会: (3) 中 層密度 流 (1) 貯 水池流 入部 の 潜 り込み (4) 躍 層 面での 分岐 密度 流 図‑4 流動 の無 (2) 下層 密 度 流 成層型貯水池の密度流 密度差と流路床勾配の積の詠 こ比例 す る式 形 を と る. 福 岡 ・福 嶋 ・中村73)は潜入 位 置 付 近 の 密 度 流 は急 変 流 と な る こ と に注 目 し, 急 変 流 解 析 に基 づ き潜 入 点 水 深, 界 面 形 状 を求 め て い る. 潜 入 点 水 深hpま θ を底 勾 配 とす る と式(30), た はHρ はSin (31)で 表 わ さ れ る. np 1 3/1 QZH p cos B cos 8 F F9 FZ- (1-h2)2cos 面IIの 下 層 水 深, LI, LII: 潜入点水深 (30) B+(1+h2)x1 sin Al 0p -1 I(1-y tan こ こ に, h*2=h2/hp, x1=LI/hp, 図‑5 7R'+l'rnc A (31) xII=LII/hp, 断 面IとIIの β=∫h20u*II2dy*, y*=y/hp, u*II=uII/up, k2: 断 位 置, uII: 断II の 流 速, up: 代 表 流 速, λ'=∫h20p'*dy*, p'*=p1/2p2u2p, +d (gici-qoc)-a d,(w0Ac). (32) を加 え て 濃 度 予 測 を 行 っ た. こ こ に, c(y): 標 高yの 濃 度, ω0: 懸 濁 粒 子 の 沈 降 速 度 で あ る. この モ デ ル は 等 温 度 線 が 水 平 面 内 で ほぼ 一 様 で あ る こ とが 要 求 され て お り, この 条件 が 満 た され て い る貯 水 池 の 濁 度 分 布 の 予 p'は 静 水 圧 か らの 差 圧, で あ る. 未 知 の 係 数 β', λ'は, 測 に は 有 効 で あ る. 式(32)は, 貯 水 池 密 度 流 に類 似 の キ ャ ビテ ィー 流 れ76)の解 を用 い て 流 ・拡 散 ・沈 降 に 支 配 され, 各 項 の 見 積 りの 正 確 さが モ 計 算 さ れ, xII=0.1でh2*=0.882, デ ル の予 測 精 度 を 支 配 す る こ と を示 して い る. 足 立 ・中 β'=1.142, λ'=‑ 0.396で あ る. 式(30)と 実験 室, 野 外 の実 測 と の比 較 を 図一5に 示 す. 貯水池の濁度分布が移 村81),82)は, 横山ダム貯 水 池 の 濁 度 解析 を 安 芸 ・白 砂 モ デ ル で行 っ た結 果. 沈 降速 度 を一 定 と した 解析 で は 洪 水 時 (2)下 層 密度 流 ・中層 密 度 流 ・分 岐 密 度 流 の流 入 濁 質 粒 度 の 変動 お よ び 分級 に よる 貯 水 池 内 の 濁 質 図 一4に 示 す よ う な 濁 水 密 度 流 に つ い て は, 福 岡 粒 度 の変 化 を取 り込 む こ と が で き な い た め濁 質 現 象 を十 ら70)〜74)が室内 実 験 に よ って 調 べ, 流 動 機 構 を 明 らか に 分 に把 握 で き な い場 合 が あ る こ と を指 摘 し, 流入 濁 質 の して い る. さ らに, 非 定 常 運 動 量 方 程 式, 連 続 式 を用 い, 変 化 を考 慮 し安 芸 ・白砂 モ デ ル に改 良 を加 え て い る. 宮 下層 流 か ら中層 流 と新 た な 下層 流 に 分 岐 す る位 置, 分 岐 永 ・安 芸83)は, 電 研 モ デ ル に よ り水 温 分 布, 流 れ を求 め, 流 量, 先 端 部 の移 動 速 度, 濁水 の 最 大 厚 さな どに つ い て これ に濁 質 粒 度 の 変 化 と濁 度 係 数 の粒 径 依 存 を考 慮 して モ デ ル を提 案 し, 二 次元 ・三 次元 成 層 型 貯 水 池 の 濁 水 の 新 た なモ デル を提 案 して い る. 流 動 過 程 の総 合 化 を行 っ て い る. 以 上 の モ デ ル は い ず れ も一 次 元 モ デ ル で あ る. 洪 水 芦 田 ・江 頭 ・中川77),78)は, 下層密 度流 に つ い て 先端 部 中 ・洪 水後 に 濁 水塊 が 貯 水 池 内 を流 下 した り, 成 層 破 壊 へ の 周 囲 水 の 混 入 を 考 慮 す る こ と に よ り, 平 野 ・羽 田 が起 こる よ うな貯 水 池 流 動 の場 合 に は 一 次 元 解析 法 で は 野79)も, 混 入 を考 慮 に 入 れ, 特 性 曲 線 法 を用 い る こと に 不 十 分 と な る. この場 合 に は 現 象 の 一様 性 を 満 足 す る程 よ り先 端 部 高 さ, 先 端 速 度 お よ び濃 度 の流 下 方 向変 化 の 度 に 流下 方 向 に も分 割 した コ ン トロ ー ル ボ リュ ー ム を と 式 を導 き実 験 と比 較 を行 っ て い る. こ の ほ か, 躍 層 上 を る二 次 元 解析 が必 要 と な る. 進 入 す る濁 水 が ダ ム壁 に衝 突 す る こ と に よ っ て形 成 さ れ る段 波 の 挙 動 につ い て研 究 が され て い る80). b) 貯水池濁度の予測モ デル 濁 水 の 長 期 化 現 象 を 解 明 す る た め, 安芸ら66),67)は MITの 水 温 予 測 の た め の 一 次 元 モ デル に濃 度 収 支 式 芦 田 ・江 頭84)は, 潜 入 点 位 置 よ り上 流 を一 次 元 分散 方 程 式, 下 流 で は二 次元 拡 散 方 程 式 で表 現 し, 二 次 元領 域 を下 層 密 度 流 と 中層 密 度 流 に分 割 し, 濁 度 分 布 の解 析 を 行 っ て い る. 岩佐ら68),69)は, 貯水池 を水 平 と鉛 直要 素 に 分 割 し, そ れ ぞ れの 要 素 で水 流 の連 続 式, 流 下 方 向 ・鉛 水 工 学 にお け る固 液 混 相 流 49 直 方 向 の 運 動 方 程 式, 濁 度 収 支 式, 水 温 収 支式 を適 用 し, ガ ム流 体 の レイ ノル ズ数, ヘ ッ ドス トレー ム 数 と呼 ば れ さ らに, こ れ らの式 を階 差 式 に変 形 し, 与 え られ た初 期 る. Heは 条 件, 境 界条 件 の もと に 濁 度 と 水 温 の 変 化 に つ い て 解 い 指 標 と み な す こ と が で き る. こ こ に 定 義 さ れ るfを て い る. この モ デ ル は, う と ビ ン ガ ム 流 体 の 損 失 水 頭(hf)は 1日 程 度 の 時 間 ス ケ ー ル で の 水 温 分 布 変 化, 濁 度 分 布 変 化, 濁 度 の 伝 播 過 程 を比 較 的 よ く説 明 す る こ とが で き る. ビ ンガ ム 流 体 の 特 徴 で あ る降 伏 応 力 に関 す る に式(36)で 式(33)と 使 同様 表 わ さ れ る. (36) hr=f・L/D・u/2g 以 上 の こ とか ら, 予 測 精 度, 計 算 時 間 な ど を考 慮 す る と, 年 間 を通 じて の 水 温 ・濁 度 予 測 に は原 則 と して一 次 元 モ デ ル を用 い, 洪 水 時 な ど短 期 間 予 測 に は二 次 元 モ デ ル を用 い るの が 適 当 で あ る と い わ れ て い る62). 濁 水 の 予 測 法 の 確 立 の ほ か に濁 水 の軽 減 対 策 も重 要 で あ る. こ の た め に は, ま ず流 域 の管 理 を適 切 に行 う こと, 次 に, 洪 水 中 の貯 水 池 内濁 水 を早 く流 下 させ る こと お よ び貯 水 池 密 度 分 布 を利 用 した選 択 取 水 を行 う こと が必 要 で あ る85). 5. の フロ ッ クは 多 くの 場 合 汚 泥 と呼 ば れ る 固 液 混 相 流 体 と して 扱 う こ とが 行 わ れ る. 汚 泥+流 動 に 関 して は ビ ン ガ ム 流 体 と して 挙 動 す る こ とが 知 られ て い るが, こ こで は, ビ ンガ ム 流 体 の 流 動 特 性 と い う観 点 か ら汚 泥 の 管 路 輸 送 系 にお け る摩 擦 損 失 につ い て 整 理 し考 察 を加 え て い く. (1)ビ ン ガム 流 体 の 層 流 流 動 と摩 擦 抵 抗 よ う な 関 係 を 与 え た. 1 =63e+3 He 64 b) (37) 粒 子 浮 遊 流 の ビ ン ガ ム 流 体 と して の 粘 性 係 数 の 表示 水 処 理 汚 泥 もそ の 一 つ の 例 で あ る が, 粒子 浮遊 流 は 固 に対 す る粘 性 係 数(η)は 歴 史 的 に はEinsteinの (式(56))を 粘 性 式87) 原 形 と して 体 積 分 率 で 表 わ した 固 体 濃 度 (φ) の 関 数 で 表 示 す る 方 法 が と ら れ る. こ こ で は Einstein, Brinkman88), 森 ・乙 竹89), らが提 示 し た粘 性 式 を結 果 だ け示 して お く. (a)Einsteinの 粘性式 (38) た だ し, η: 粒 子 浮 遊 流 の 粘 性 係 数, η。:液体 側 の粘 性 通 常 の ニ ュ ー トン流 体 を 対 象 と す る 管 路 流 に お い て 関 係 式(33)に 係 数(ニ ュ ー トン に 流 体 の 粘 性 係 数), (b)Brinkman (33) D 29 た だ し, hf: 摩 擦 損 失 水 頭, f: 摩 擦 抵 抗 係 数, L: φ:固 体 の 体 積 分率 よ っ て表 わ さ れ る. 管径, y: 子 浮 遊 流 は多 くの 場 合 ビ ン ガ ム流 体 と して 挙 動 し, そ れ η=(1+2. 5φ)η0 …… 礎的関係式の整理 は, 摩 擦 損 失 水頭 はDarcy‑Weisbachの D: 関 数 形 に つ い て 式(37)の な い 液 体 の 粘 度 と は異 な る粘 度(粘 性 係 数)を 示 す. 粒 上 水, 下 水 の 水 処理 プロ セ ス に お い て 形 成 され る各 種 h'- f は 式(35)の 体 粒 子 を浮 遊 して い る とい う理 由 に よ って 固 体 を浮 遊 し ビン ガ ム 流体 の 流 動特 性 a)基 Hedstrom 管 長, の粘 性 式 η=(1‑φ)‑2.5η0 …… (c) η={1+3/(1/φ‑1/0. 断 面 平均 流速 (39) 森 ・乙 竹 の 粘 性 式 52)}η0 …… (40) た だ し, 固体 粒 子 は球 形 粒 子 と仮 定 して い る. ニ ュ ー トン流 体 の 層 流 条 件 下 に あ って は 抵 抗 係 数fは た だ し, v0: ニ ュ ー トン流 以 下 に お い て は, 疑 似 水 処 理 汚 泥 と して, 凝 集 性 フ ロ ッ 体 の 動 粘 性 係 数)の 関 数 と して 式(34)の よ う に示 され る. ク, 微 細 カ オ リ ン粒 子, 活性 汚泥 フ ロ ッ クを浮 遊 させ た レ イ ノル ズ数(Re=Du/v0, f=64/Re …… 粒 子 浮 遊 流 を使 っ て, (1)Hedstrdm数 (34) こ れ に対 し て, ビ ン ガ ム流 体 の 場 合 に あ っ て は パ ラ メ ー ター と な る物 性 値 が, ビンガム流体 の粘 性係 数 η と ビ ン ガ ム 流 体 の 降 伏 値 τyとの2つ に なるため解析 は 若 干 複 雑 に な る. この 問 題 に対 し て, Hedstrom ドス トレー 云)は 次 元 解 析 の観 点 か ら式(35)の (ヘ ッ 関係 を 認, の 諸 点 を検 討 す る ため に行 っ た実 験 結 果 を簡 単 に紹 介 して い く. C) 実 験 お よ び実 験 結 果 の概要90),91) の粘 度 計 を 使 用 した. 管 路 部 を約1mと =F(Re= Dup n, He=ry n2p た だ し, f: 性, (3)粘性 式 中 で の 液 体 側+粘 性 係 数 の か か わ り方 の確 層 流 流 動 特 性 を測 定 す る装 置 と して は大 型 の 毛 細 管 型 導 入 した. f を導 入 す る こ と の 有 効性, (2)汚 泥 流 動 に 際 して の 粘 性 係 数 の推 定 式 の適 用 (35) ビ ン ガ ム 流 体 の 摩 擦 抵 抗 係 数, F[]: 未 は 容 量 約37lで 温 度 調 節 ・加 温 用 の ヒー タ ー を 備 え て い る. 知 の 関 数, ρ: ビ ンガ ム流 体 の 密 度 こ こ に導 入 さ れ た無 次 元 量Re, 長 くす る こ と に よ っ て安 定 的 に高 精 度 を得 る よ う に して あ る. 貯 留 槽 Heは それ ぞれ ビ ン 対 象 と した疑 似 汚 泥 は 前 述 した3種 の粒 子 浮遊 流 で あ 50 水理委員会固液混相流の力学小委員会: る. い くつ か の 実 験 を行 っ て い るが, こ こ で は前 項 に お 液 相側 の粘性 係数 の温度依 存性 で説 明す ることが でき い て列 挙 した3点 につ い て実 験 結 果 の 概 要 を示 す こ と に る. す る. (a) (c) 汚泥 を ビ ンガ ム流 体 と した場 合 の粘 性 係 数 の推 ヘ ッ ドス トレー ム数 をパ ラメ ー ター と す る解 析 結 果 は図‑7に 示 され る. Re, He, fを 求 める ために 定 式 の 適 用 性 の 検 討 結 果 は, 図一6に 示 さ れ る. 粘 性 係 は 実 測 さ れ た ηお よ び τyを使 っ て い る. 同 図 中 に示 さ 数 と 固形 物 濃 度(体 積 分 率)の 関 係 と して は, 低 濃 度 域 れ た 点 線, 破 線, 一 点 鎖 線 はHeを で はBrinkmanま 1000と た はEinsteinの 関 係 式 が, 高 濃 度 域 で は森 ・乙竹 の 関 係 式 が よ く適 合 して い る と い え る. な お, 体 積 分 率 の 求 め 方 と して は, 5oOm4の メスシ リ ンダ ー に 粒 子 混 合 液 を と り20時 間 静 置 した と きの 粒 応 が 認 め られ る. (2)ビ ン ガ ム流 体 の乱 流 下 で の摩 擦 抵 抗 式(57)に 定 義 され た ビ ンガ ム 流体 の 摩擦 損 失 水頭 の 子 界 面 の 沈 降 高 さ に対 す る初 期 高 さ に対 す る比 率 を と る 表 示 式 に お け るf, 方 法 を使 っ た. るfとReの (b) そ れ ぞ れ50, 200, し た場 合 の 計 算 値 で あ る. 実 測 結 果 と の よ い 対 Reの 関 係 をニ ュ ー トン流 体 に お け 関 係 の ア ナ ロ ジ ー で 解析 した結 果 に つ い て 液 相 の粘度 の影響 を温度 を変化 させる ことに 報 告 す る. 定 性 的 に は乱 流 条 件 下 に お け る 流 れ の せ ん 断 よ っ て調 べ た. ビ ンガ ム流 体 の粘 性 係 数 に 対 す る温 度 変 応 力 が 管 断 面 の 全 領 域 に お い て 大 き くな り τyの影 響 は 化 の影 響 は非 常 に高 い 固形 物 濃 度 の場 合 を 除 い て, ほぼ 相 対 的 に 小 さ く な る こ と が予 想 され る. しか し, ηの影 響 につ い て は ニ ュ ー トン流 体 の場 合 と ほ ぼ 同様 な影 響 が 現 わ れ る こ と が予 想 さ れ る. この よ うな傾 向 は 従来 か ら も 汚 泥 の 乱 流 の 場 合 の 解 析 に ニ ュ ー トン流 体 に お け る Hazen・Williamsの 関 係 を適 用 し, Hazen‑Williamsの 係 数 を補 正 す る こ と で実 用 的 な解 析 が進 め られ て き て い た こ とか ら も裏 付 け られ る. 以 下 に お い て は ビ ンガ ム流 体 の特 性 値 で も あ るR. と fの 関 係 を 検 討 し た結 果 を 示 す. 対 象 と す る 固 形 粒 子 と して は, 非 常 に破 壊 され や す い 凝集 フ ロ ッ ク, 破 壊 は され な い が 微 細 な カ オ リ ン粒 子, 破 壊 され な い プ ラ ス チ ック粒 子, を使 って そ れ ぞ れ が 示 すReとfの 調 べ清 水 が示 すReとfの 関係 を 関 係 と比 較 した. 実 験 お よ び実 験 結 果 の概 要 は 次 の よ うで あ る92). 実 験 装 置 と し て は, 6mの 測 定 区 間 を もつ 管 路 系 を使 い, 損 失 水 頭 を求 め 解 析 を 行 っ た. 各 粒 子 浮 遊 流 の η は別 途 定 め て い る. 図‑6 φの関数 と しての相対粘性の変化 解 析 結 果 は 図 一8に 示 さ れ る. 縦 軸 はfま 測 定 値 を, 横 軸 はReを た はfの 取 っ て い る. (He) θSI55 ●SIIl27 ○SIII205 ▲KI1133 △KII972 ロFI237 ・FII238 ▼ フ ロ ッ ク51220 図‑7 ヘ ッ ドス トレー ム 数 をパ ラ メ‑タ‑と 層流抵抗係数 する (a)粒 子浮 遊流(b)粒 図一8乱 子浮 遊流 (c)フ 流 における抵抗係数 ロ ッ ク, カ オ リン浮遊流 水工学における固液混相流 51 相 対 的 に い っ て, 破 壊 され やす い凝 集 フ ロ ック お よ び 微 細 カ オ リ ン粒 子 に つ い て はReを 使 え ば摩 擦 抵 抗 係 数 と レ イ ノル ズ 数 の 関係 は ニ ュ ー トン流 体(清 水)の 場 合 とほ ぼ 同様 に 整 理 され る こ とが わ か る. しか し, 破 壊 さ れ な い プ ラ ス チ ッ ク粒 子 の場 合 はReを 使 っ て も清 水 の 場 合 の 関 係 式 と は若 干 の 乖 離 が 認 め られ る. 粒 子 径 の 影 響 あ るい は強 度 の 影 響 をい か に評 価 して い くか は今 後 の 問 題 とな ろ う. 本 論 に お い て は, 水 処 理 汚 泥 と い っ た扱 い に く い固 形 図‑9 物 を対 象 と した 固液 混 相 流 の流 動 状 態 を い か に整 理 して い くと い う観 点 か ら ビ ンガ ム流 体 に特 有 の 降伏 応 力, 粘 性 係 数 を解 析 の主 要 な パ ラメ ー ター と して い く方 法 の有 効性 を 示 した. ニ ュ ー トン流体 へ の 単 な る ア ナ ロ ジー, 補 正 係 数 の 導 入 とい う解析 法 か ら, 今後 は そ の 流体 の 物 性 値 を直 接 評 価 の 対 象 と して 研 究 を進 め て い く こ とが 重 要 で あ る. 6. 流体輸送管路の固液混相流 固体 粒 子 群 の管 水 路 に よ る輸 送 は, 固体 粒 子 群 を液 体 図10 の管 路 流 送 と 同 じ形 態 と して流 体 輸 送 す る も の で, 固体 の 輸送 が連 続 的 に行 え る こと, 輸 送 コ ス トが他 の方 法 に 比 べ て一 般 に低 簾 と な る こと, 粉 塵 の発 生 な ど環 境 汚 染 が な い こと, 管路 設 置 に 場所 を と らず地 下 埋設 も可 能 な こ と, 等 多 くの 利 点 を 有 して い る. この 輸 送 方 法 の 採 用 に あ た って 生 ず る諸 問 題 の 大 部 分 は次 の2点 に集 約 され よ う. そ れ は, 1)輸 送 エ ネ ル ギ ー の 効 率 を高 め る こ と, 2)管 路 閉 塞 の 防 止, で あ る. (1)固 体粒子群の管路内流動形態 Durandg4)はDurand&Condoli0sg5)が 行 っ た水 平 管 図11 路 内 の 砂 礫 の 流 送 につ い ての 広 範 な一 連 の 実 験 か ら, そ の 管 内 流 動 形 態 を次 の4つ 1. に分 類 した. 域, す な わ ち流 動 形 態IVの 領 域 で あ り, そ の領 域 の右 端 粒 子 は完 全 浮 遊, 断 面 内一 様 濃 度 の 流 れ(均 質 浮 遊 流) II. の 流 速 を 限 界 堆 積 流 速(critical deposit velocity)(記 号VL)と 粒 子 は完 全 浮 遊, 図‑9の しか し断 面 内 濃 度 は 一 様 で な III. 粒 子 は 浮 遊 と 跳 躍(saltation)に (2)限 よ り運 ば れ る て 運 ばれ る流 れ(静 止 堆 積 層 を伴 う非 均 質 流) との 関 係 を, 流 送 濃 度(吐 出 をパ ラ メ ー ター と して 図 示 す る と, 典 型 的 な 変 化 の 様 子 は図‑9の よ う に な る こ とが わ か っ て い る95). す な わ ち, 一 定 濃度 で 流 し た場 合 に は, 動 水 勾 配tの 値 はVnの あ る値 に対 して極 小 値 を と る. 同 図 中 の破 線 は こ の極 小 と な る点 を連 ね た も の で, この と き の 流 速 を限 界 流 速(criticalvelocity)(記 号V, )と い う. ま た, 同 図 中 の 斜 線 を施 した部 分 は静 止 堆 積 層 を伴 う領 限 界 堆 積 流 速V、 につ い て VL/√2gD(γs‑1)=FL …… 静 止 堆 積 層 を形 成, 粒 子 は そ の 層 上 の 跳 躍 を し し濃 度)(体 積 比)C. 界 堆 積 流速 Durand&Condoliosg5)は 流 れ(摺 動 層 を伴 う非 均 質 流) 管 路 の動 水 勾 配tとV彿 濃 度 一 定 の線 に 沿 っ て の 流 動 形 態 区 分 を概 念 的 に書 き入 れ た もの が 図一10で あ る. い流 れ(非 均 質 浮 遊 流) IV. い う. で与 え られ た無 次元 値FLを (41) と り, こ の値 を 混 合 砂 礫 に つ い て 図一11の よ うに 与 え た. た だ し, 為:粒 子 の比 重, D: 管 径, dm: な る とFLの 平 均 粒 径, で あ る. dmが1mm以 値 はdmに 上に ほ と ん ど無 関 係 と な る こ と が こ の 図 か ら認 め られ る. (3) Durand 〜25mm, 管路の流送抵抗 & Condoliosg5)はD=40〜580mm, CF2〜22. 5%, dm=0.2 流 動 形 態IVを 含 まぬ310個 の 測 定 値 を整 理 して 次 式 を導 い た. 52水 理委員会固液混相流の力学小委員会: L-Lw r Vm 4/Lp-3/2 i C..173 n fl ホ ウ砂, そ れ に各 種 鉱 石, (42) I た だ し, t :粒 子 混 合 体 流 送 時 の 管 路 の 動 水 勾 配, tω : 固液 混 合 体 の 断 面 平 均 流 速Vmと 同 一 の 流 速 で清 水 の み を 流 送 す る と き の 動 水 勾 配, CD: 粒 子 の 抗 力 係 数, Cv: 粒 子 の 流 送 濃 度(吐 出 し濃 度)(体 式 で あ る. ωfを 静 水 中 の 粒 子 の 沈 降 速 度 と す る と, CDは CD=α(γ3‑1)g(1/ω2r …… あ る. 65の 砂 礫 の 実 験 結 果 の み に 基 づ い て つ く られ た式 で あ り, それ 以 外 の 比 重 を もつ 流 送 物 質 に つ いて の この 式 の 適 用 性 は検 討 され て い な か っ た. しか しZandi & Govatosg6)はrs=2. 65以 外 の 比 重 を もつ 流 送 物 質 に つ い て 他 の 研 究 者 の デ ー タ に も適 合 す る よ う に 式(42)を 次 の よ うに 書 き直 し た. 値 と し て はK=81あ い ら れ て い る(後 に γs=2. 65を る い は121の2種 出 図 一12). K=81の し か し式(42)よ る の で, 現 在 で は 式(44)でK=81も い た 式 が Durand & り式(44)の Copdolios 類 の値 が 用 で 与 え られ る 無 次 元 量 で あ る が, そ の 内 容 は ψ との 共 か ど う か は検 討 の要 が あ ろ う. 彼 らが整 理 した実 験 値 の 対 す る物 体 形 状 の影 響, 物 質 の粘 着 性(し 流 体 の非Newton性)の た が っ て混 合 影 響, 等 が 明 らか に さ れ て い な い. この た め, 図 一12の 実 験 値 に つ い て は 今 後 さ ら に 再 整 理 が 望 まれ る もの の よ う に思 われ る. しか し, 既 述 の よ う にDurand & Condoliosの 式 は元 来 砂 礫 の 流 送 に 対 して つ く られ た もの で あ るか ら, 微 細 砂 や 土 泥 の 流 送 時 に対 応 す る ψの 値 の 範 囲 に 至 る と, は な る が これ は 理 論 的 に は不 合 理 で, Vπ→π で均 質 流 と な る か ら, f=fwと 仮定 する ときには ほ とんど一 方 が一 般性 が あ し く は121と お の 式 と い わ れ て 広 く用 い と な る は ず で あ る. さ ら に細 か く考 え る と, 粒 子 浮 遊 流 に お い て は 乱 れ が 抑 制 さ れ, 管 壁 の 摩 擦 抵 抗 係 数fは fwよ り小 さ く な る で あ ろ う か ら, ψ の 極 限 値 は γs‑1 られ て い る. (4) Durand Zandi & 2549個 (45) 通 部 分 が 多 く, こ の場 合 に最 適 なパ ラメ ー ター で あ っ た Vn→ ∞ で(t‑tω)→0と 場 合 に は 式(44) 代 入 す る と 同 式 は 式(42)と 致 す る. N1=V2m/(rs‑1)gDCv …… こ の式 は実 験 値 と しだ い に合 わ な くな る. 式(44)で (44) Kの 記 入 した折 線 式 を提 案 して い る. 同 図 中 の 凡 は 範 囲 は き わ め て 多岐 に わ た り, こ の た め個 々 の実 験 値 に (43) で表 わ され る. 粒 子 が球 形 の 場 合 に は α=4/3で 式(42)はrs=2. & Condolios の式 は実 験 値 との 適 合 性 が悪 くな る と して彼 らは図 中 に 積 比)で あ る. こ れ がγs=2. 65の 砂 礫 の み を 流 送 対 象 物 と した と きの Durandの リ ン酸 肥 料 等 と 多種 多様 で あ る. 横 軸 ψ の 値 が 大 き く な る とDurand & Condolios Govatosg6)は 彼 ら よ り以 前 の 研 究 者 に よ る の 測 定 値 を 図‑12の は 砂 礫 の ほ か, 石 炭, の 式 に 対 す る補 正 よ う に 整 理 し た. 石 灰 岩 粒 子, 流送物質 セ メ ン ト, カ オ リ ン, よ り は小 さ く な る こ とが 予 想 され る. この よ う な立 場 か らつ く られ た もの と解 釈 で き る式 と してCharles φ=120ψ‑3/2+(γs‑1) …… (46) お よび 久 光 ・東 海 林 ・小 杉 の 式98) Cr‑(%) dm(mm) ○11.6 0.68 ●17.5 e29.1 石少 (8: ψ=V2mVCD/(rs‑1)gD 図12 図13 の 式97) 0.75 0.71 2.68) 水工学 における固液混相流 53 φ=120ψ‑3/2+(√rs‑1) …… な ど で あ る. 図 一13は (47) ψ の 値 が 大 き な 範 囲 に お け る実 c)管 験 値 と計 算 式 の比 較 を示 した もの で あ る. (5)掃 流砂, 浮遊 砂 と管 内 三 次 元 的 現 象 の 内 部機 構 前 節 まで の 記 述 は粒 子 輸 送 量, 混 合 体 流 量, 動 水 勾 配 等 の 相 互 関 係 を, 一 次 元 的 な量Vn, を計 算 す る こ と に よ り管 路 の輸 送 砂 量 を 求 め る方 法 を提 案 して い る. t, Cv, 等 を 測 定 水路 の粒 子 浮 遊 流 水 平 な管 路 の 粒 子 浮 遊 流 に対 して式(9)が は 成 り 立 つ こ と がHsu, Beken, 基本的 に Landweber nedy102)に よ り検 証 さ れ て い る. 式(9)に & Ken‑ 基 づ いて解 す る こ と に よ り求 め る い わ ば グ ロ ーバ ル な立 場 か らの考 析 を行 う場 合, 次 の 点 に開 水 路 移 動 床 の 場 合 とは 異 な っ え方 か らの もの で あ っ た が, 一 方, 粒 子 群 の管 路 輸 送 問 た問 題 が あ る. 題 の本 質 的進 展 を 図 る た め に は管 内 の三 次 元 的 な 現象 の 内 部機 構 を明 らか に す る こと も必 要 で あ る とす る 立 場 か (1)内 管 壁 か らの 粒 子 の はね 返 り. (2)管 路 輸 送 物 質 の粒 径, し た が っ て ω0の値 が 大 らの 研 究 もい ろい ろ とな され て い る. そ の 具 体 的 な 接 近 き い 場 合 が 多 く, ま たcの 方 法 は, さ しあ た り円 管 内 の 流 砂 につ い て も開 水 路 の 場 の 場 合 よ り大 き い の が 普 通 で あ る. この た めcω0の 値 値 も一 般 の 開 水 路 の 浮 遊 流 合 と同 様 に砂 の 輸 送 機 構 を掃 流 と浮 遊 と に分 け, こ の2 は 開水 路 の場 合 に比 べ て は る か に大 き く, オ ー ダ ー的 に つ の全 く異 質 の 力学 機 構 に基 づ く運 動 が管 路 と い う 限定 異 な る こ と もま れ で は な い. され た空 間 内 に共 存 す る場 合, これ らの全 体 的 な結 果 と 円 管 内 の 忽方 向 の 濃 度 お よ び 流 速 の 各 分 布 を 明 らか して 現 われ る量 で あ るVmやtに 対 して ど の よ う に寄 与 と した もの に 是 石 ・八 木 ・奥 出 の 研 究103)があ る. 彼 ら して い るか を調 べ よ う とす る もの で あ る. 以 下 に この よ は100mm径 う な 考 え方 か ら行 わ れ た 特 徴 的 な い くつ か の 研 究 を記 ω0=35mm/sの す. 流 速 の 各 分 布 式 と して 次 式 を得 て い る. a) の ガ ラ ス管 内 にdm=0. 25mm, rs=2.65, 細 砂 を流 し て実 験 を行 い, 濃 度 お よ び c/Cv=(1+54.7ψ‑1.38) 管水路内の掃流砂の抵抗 管 路 壁 面 と 全 体 的 な摺 動 層 との 間 に 生 ず る摩 擦 力 は Vm増 す と掃 流 砂 の 一 部 が 浮 遊 砂 へ と移 行 す る た め の摺 (49) ・exp(‑26.5/φy/D) Vnの 増 加 と と も に 急 激 に 減 少 す る. 鮎 川 ・越 智100)は, v/vw=1+ψ‑1.25Cvξ (50) 動 層 自体 の重 量 が減 少 し, そ の結 果 と して流 動 粒 子 群 と 壁 面 と の 間 の 管 路 単 位 長 当 た りの み か け の 摩 擦 力Fが 減 少 す る と して, 減 少 の 割 合 を次 元 解 析 と実 験 に よ り次 た だ し, yは 管 底 よ り鉛 直 上 向 きの 座 標 30+871og1o(y/D) (0<y/D0. 5) 15+36. 61og10 (y/D) (0. 5<y/D<1) 式 を得 て い る. Vm: 混 合 体 の断 面 平 均 流 速. v: i- iw=1. 8(Ys-1)s cv(n ) 所 流 速. vm: (48) 粒子 を 含 ん だ 水 流 の局 Vmの 値 を同 じ くす る 清 水 流 送 時 の 同 じ場 所 で の 局 所 流 速. ψ, Cv, Dの 記 号 は前 と同 じ. 式(51)か らy/D<0. 45で は ξ<0と こ こ に, ξs:粒 子 の 空 気 中 の 固体 摩 擦 係 数, 他 の 記 号 は の 値 はCvの すべ て既 述 の と お り, と な る か らv/vω の 値 はC, b) (51) ξ= な る か らv/vω 増 加 と と も に減 少 し, yD>0.5で は ξ>0 の値 と と も に 増 加 す る様 子 が表 わ され て い る. 沈 殿 堆 積 を伴 う掃 流 管 路 内 を 流 れ る 固 液 混 合 体 のVnを 低 下 させ て ゆ く 7. 固 液 混 相 流 に関 す る最 近 の研 究 の 動 向 と, 液 体 の 掃 流 力 は低 下 し, 固 相 と液 相 の 分 離 が進 み, つ い に は管 底 を摺 動 して い る粒 子 の 動 きが 止 ま り, 静 止 堆 積 層 を形 成 す る よ う に な る. この 状 態 は管 路 輸 送 で は 本 章 は 固液 混相 流 の最 近 の研 究 の動 向 を と りま と め た もの で あ る. 最 も警 戒 を要 す る管 路 閉 塞 の 初 期 的 段 階 と も い え る もの (1) で あ る. しか し, 図 一9に 示 した よ うに, 限 界 堆 積 状 態 図‑14は, に相 当 す る流 れ に お い て はt‑tω の値 は い ま だ そ の極 小 固液 混相 流 の 流速 分 布 Kolanskyら Lumleyの 論 文104)の中 で 紹 介 さ れ て い る によって測定 された微粒子 を含む空気流 の 値 の近 くに止 ま っ て お り, この た め 限 界堆 積 流 の機 構 を 流 速 分 布 で あ る. 図 一15はMizushinaら105)に 研 究 す る こと はt‑tω 定 され た 高 分 子 を含 ん だ 管 路 流 れ の 流 速 分 布 を示 す. の極 小 値 の 力学 的 内 容 を把 握 す る う え で 有 用 で あ る. 那 須 ・林101)はこ の よ う な 考 え方 か 図‑14で は 粒 子 濃 度 の 増 加 に伴 うKarman定 よ っ て測 数 の変 ら限 界 堆 積 状 態 に あ る静 止 堆 積 層 を有 す る管 路 の 掃 流 の 化 は見 出 され ず, 粘 性 底 層 の 厚 さの み が 変 化 して い る. 問 題 を研 究 し, その 場 合 の 掃 流 砂 量 を求 め る た めの 連 立 図‑15で 方 程 式 群 を立 て, こ れ に よ りこ の状 態 に お け る掃 流 砂 量 は必 ず しも対 数 則 に乗 っ て い る よ う に はみ え ない. しい は粘 性 底 層 は 厚 く な っ て い る が 平 均 流 速 分 布 54 水理委員会固液混相流の力学小委員会: 図‑14Lumleyの 論 文104)に み ら れ るKo‑anskyら によ る 微 粒 子 を含 む 空 気 流 の 流 速 分 布 図 一16高 分 子 浮 遊 流 に お け る レイ ノ ル ズ 数‑バ ー ス テ ィン グ発 生 周 期TBの 関 係105) マ ン定 数 は 平 均値 的 な もの に な って い る. 熱線 流速 計 や, レー ザ ー ドッ プ ラー 流 速 計 に よ る測 定 結 果 が集 積 され て くる に つ れ て, 清 水 の 流 れ と い え ど も水 面 ま で, あ る い は管 路 中央 部 ま で 対 数 分 布 則 は成 立 して い な い こ と が 明 らか に な っ て き た. これ らの こ と を考 え る と き, 混 相 流 の平 均 流 速 分 布 につ い て も さ ら に検 討 さ れ な け れ ば な ら な い で あ ろ う. (2)混 相流の乱流構造 組 織 的 運 動 と抵 抗 一 粒 子 浮 遊 流 の 場 合 に は実 験 結 果 の 集 積 が 不 十 分 な の に 対 して, 高 分 子 を添 加 した 流 れ に つ い て は 近年 精 度 の 高 い実 験 が行 わ れ る よ うに な って きて い る. 高 分 子 添 加 流 で は, 浮 遊 粒 子 を 含 ん だ 流 れ に み られ る よ う な効 果(成 層 効 果, 有 効 体 積 の 減 少, 粒 子 間 相 互 作 用)は 存 在 しな い. しか し抵 抗 図‑15Mizushinaら106)に の減 少 と い う意 味 で は(中 立 浮 遊 粒 子 で は抵 抗 は よ る高 分 子 を含 む管 路 流 れ の 流 速 分 布 増 大 す るが)両 者 は共 通 して い る. した が っ て高 て 対 数 分 布 に合 わ せ る と, カ ルマ ン定 数 は大 き く減 少 し 分 子 を含 ん だ流 れ の抵 抗 則 を考 え る こと は, 今後 土 砂 を て い る. 一 方, 土 砂 浮 遊 流 で 先 駆 的 な 研 究 で あ るVanoniの 含 ん だ流 れ の抵 抗 則 を検 討 す る う え で役 立 つ もの と思 わ 流 速 分 布 の 測 定 値103)はカル マ ン定 数 が 大 幅 に 減 少 して い れ る. 土 砂 浮 遊 流 の 場 合 に は有 効 粘 性 の 増 大 に よ り粘 性 底 層 る. これ ら3つ の 異 な る混 相 流 は抵 抗 の 減 少 と い う意 味 厚 さが 増 大 し, そ の 結 果 と して 抵 抗 が 減 少 す る とい う解 で はす べ て 共 通 の 特性 を有 して い るが, 流 速 分 布 形 は異 釈 が 多 い が, 高 分 子 添 加 流 で は 粘性 係 数 の 増 大 は高 々1 な って い る. しか し この よ うな タ イ プの 異 な る混 相 流 に %程 度 で あ り, 粘 性 係 数 の 変 化 か らだ け で は粘 性 底 層 つ い て 同 じ程 度 の精 度 で平 均 流速 分 布 を測 定 した 例 が 少 厚 さ の増 大 は説 明 で き な い. そ れ に もか か わ らず 抵 抗 は な い た め に, カ ル マ ン定 数 が 変化 す る と 断 定 す る こ とは 最 大40%近 で き な い. 従 来 の実 験 デ ー タの 中 に は 本 来適 用 す る こと の 抵 抗 の 減 少 の 原 因 を乱 流 境 界 層 中 の 組 織 的 運 動 との 関 が不 適 当 で あ る管 路 中央 部 や 開水 路 の水 面近 くの 流速 分 連 の も と で 考 え て み る. 図‑16はMizushinaら106)に 布 に ま で対 数 分 布 則 を適 用 して い る た め, 得 られ た カル よ って 測 定 され た管 路 の 高 分 子 添 加 流 にお け る レ イ ノル く も減 少 す る. そ こ で, この よ うな 混 相 流 水 工 学 に お け る 固液 混 相 流 ズ数(Re=UD/v)‑バ 55 ー ス テ ィ ン グ発 生 周 期TBの 関係 を示 す. この 図 よ りわ か る よ うに 清水 の 流 れ と 高分 子 添 加 流 で は 抵 抗 が 異 な る が 両 者 のRθ‑TB関 係 に は変 化 は る を 得 な い で あ ろ う. 以 上 の 研 究 はす べ て 滑 面 固 定 床 上 の 流 れ にっ いて の も の で あ っ た. 粗 面 上 の 混 相 流 に つ い て はSaffman109)に み ら れ な い. この こ と は抵 抗 の 減 少 に よ り摩 擦 速 度u* よ っ て 準 渦 度 (pseudo vorticity)を 導 入 し た乱 れ の 構 が 減 少 す る と き に は バ ー ス テ ィ ン グの 発 生 周 期TBは 大 成 方 程 式 の 解 と し て ス リ ップ 速 度 の 変 化 が 得 られ て い レイ ノ ル ズ応 力 る. 移 動 床 上 の流 れ の抵 抗 則 に お い て も, 流 速 分 布 に お き く な っ て い る こ と を示 す. この 結 果, の大 部 分 を生 産 す るバ ー ス テ ィン グの 発 生 頻 度 が減 り, け る壁 面 で の ス リ ップ速 度 は 今後 検 討 され る べ き 問題 に 抵 抗 の減 少 が生 じた も の と推 論 さ れ る. 粒 子 浮 遊 流 に お な ろ う. い て も 同様 の考 え に基 づ く実 験 が望 ま れ る が, そ の た め (4) に は粒 子 浮 遊 流 の 新 し い 計 測 技 術 の 開 発 が 必 要 と な ろ 近 年 河 川 を対 象 と して 混 相 流 問 題 の 解 明 を 目指 し た研 河川工学上の混相流の問題 究 も多 い が, そ の 主 要 な もの を こ こ で列 挙 す る. う. (3) 混 相 流 に お け る抵 抗 の増 減 とその 理 論 的 研 究 混 相 流 の 乱 流 の 中 に 見 出 され る 組 織 的 運 動 に 関 連 し a) 洪 水 時 の 浮 遊 土 砂 と高 水 敷 へ の 浮 遊 土 砂 の 堆 積 洪 水 時 の 水位 と 浮 遊 土 砂 濃 度SSの 時 間 変 化 につ い て て, こ れ を少 し異 な っ た 観 点 か ら研 究 した も の と して 現 地 観 測 が 行 わ れ て き た. す で に 吉 川110)によ っ てSS Saffmanlo7)やLandahllo8)に ピー ク が洪 水 位 の ピー ク の前 に 現 わ れ る こと が指 摘 され 始 まる混相 流 の微小 撹乱 に 対 す る安 定 性 の 研 究 が あ る. Landahlは 混相流 について て い た が 木 下111)は, 石 狩 川 出水(1981年 の15号 で はSSピ 算 を行 って い る. そ の 結 果 混 相 流 で は変 曲 点 不 安 定 は安 こ って い る こ と を報 告 して い る. この 原 因 は流 れ と河 床 定 化 の 方 向 に向 か う こ と を確 か め て い る. す なわ ちそ れ 波 の 相 互作 用 に あ る とい わ れ て い るが, 浮 遊 砂 の 存 在 が だ け レイ ノル ズ応 力 の 生 産 が 減 少 し, 抵 抗 は減 少 す るわ 両 者 の 関 係 に い か な る影 響 を与 え て い るか を洪 水 時 の 河 け で あ る. 表 一2はLandahlに 床 形 態, 浮 遊 砂 の 現 場 実 測 を通 して 明 らか に して ゆ く必 よ っ て ま と め られ た い くつ か の タ イ プの 流 れ の 安 定 性 と抵 抗 の増 減 の関 係 を示 す も の で あ り, 流 れ の安 定 性 と抵 抗 の 増 減 は強 い関 係 を 間 前 に起 要 が あ る. 伊 勢 谷112)は茨 城 県 桜 川 で洪 水 時 の浮 遊 土 砂 の 観 測 を し, 次 の こ と を見 出 した. 河 道 中 央 部 で は高 水 敷 の 氾 濫 も っ て い る こ と が わ か る. こ れ に対 し てLumleylo4)は ー ク は 水 位 ピー クの 出 現 の6〜7時 台風) 粘 弾性 モ デ ル をつ く り, 変 曲 点 分 布 を もつ 流 れ の 安 定 計 浮 遊 粒 子 の 存 在 は平 均 運 水 位 に あ た る河 岸 満 水 位 を こえ る高 さで は本 来 浮 遊 し得 動 に対 して は流 れ の粘 性 係 数 を変 え な い が, 乱 流 運 動 に な い よ うな 粗 い砂 が 低 水 路 沿 い2〜4mの 対 して は み か け の粘 性 を増 す よ う に働 くと考 え て い る. 上 に堆 積 して お り, 堆 積 層 の上 層 ほ ど粗 く な っ て い る. こ の よ う に 考 え る とKolmogoroffス ケ ー ル η(=v3/4 この 理 由 と して高 水 敷 が冠 水 す る状 態 で は低 水 路 と高 水 ε‑1/4)は 清 水 に比 べ て 大 き くな り, 粘 性 逸 散 に 関 与 す 敷 の 境 界 付 近 で 強 いboilが 発 生 し, これ に よ っ て 粗 い る 波 数(∞1/η) 砂 が河 床 か ら浮 遊 させ られ, そ れ が高 水 敷 上 に堆 積 す る は 逆 に大 き くな る. よ って 粘 性 底 層 の す ぐ外側 の 乱 れ は 高 波 数 成 分 が 減 り, 結 果 と して粘 性 底 と推 論 して い る. 木 下m)はl981年8月 層 の 厚 さが 清 水 に 比 べ て 厚 くな り, 抵 抗 は減 少 す る とい 号 に よ る 石 狩 川 の 大 出 水(120oom3/s)で 範 囲の高水敷 の 前線 と 台風12 生 じた 高 水 う こ と にな る. この よ うな 解析 は今 の と こ ろす べ て 比 較 敷 上 の 堆 積 層 の 調 査 を行 った. 洪 水 時 の 高 水 敷 上 の 浮 遊 的 単 純 な 構 造 を し た流 れ で, か つ 粒 子 濃 度 も小 さい 場 合 砂 の 堆 積 現 象 は, 水 位 上 昇 期 に主 に発 生 して お り, 堆 積 に限 られ て い る. 水 工 学 の 分 野 で 現 わ れ る混 相 流 は多 く 機 構 につ い て は伊 勢 谷 の 推 論 を裏 づ け る もの と な っ た. の 場 合 複 雑 な境 界 条 件 を も ち, か つ 粒 子 濃 度 もか な り高 b)浮 い場 合 が 多 い. 工 学 的 に意 味 の あ る解 析 結 果 を得 る た め 浮 遊 砂 量 が支 配 的 な河 床 変 動 は, 河 口付 近 や航 路 でみ に は あ る程 度 大 胆 な仮 定 を持 ち込 ん だ モ デ ル を設 定 せ ざ 遊 砂 を伴 う河 床 変 動 られ, ま た貯 水 池 の堆 砂 現 象 も この種 の河 床 変 動 に属 す る. この 問題 を 解 明 す る に は浮 遊 砂 の非 平 衡 性 お よ び河 表一2Landahlに よ っ て ま と め られ た 流 れ の 安 定 性 と 混相 流の抵抗増減の関係 床 で の 境 界 条件 に つ い て 十 分 な 検討 を す る 必 要 が あ り, 今 後 に 残 され た課 題 で あ る. c)平 衡 河 道 横 断 形 状 に果 す 浮 遊 砂 の 役 割 一般 に河 川 に は平 衡 横 断 面 形 状 が 存 在 す る と いわ れ て い る. す な わ ち側 岸 の底 部 での 侵 食 量 と堆 積 量 が 平 衡 し て い る. こ の よ う な平 衡 横 断 面 形 状 が ど の よ う な機 構 で 生 ず る か は河 道 計 画 上 重 要 な 問題 と な る. 河 床 と河 岸 の 流 砂 が掃 流 砂 の み の場 合 は, 側 岸 部 の横 断 勾 配 の た め に 56 水理委員会固液混相流の力学小委員会: 境 界 上 の砂 粒 子 は流 路 中 心 に 向 か い掃 流 さ れ, 河 道 は拡 4) Rubinow, S. I. 道 中 心 部 で 巻 き上 げ られ 乱 流 拡 散 お よ び二 次 流 に よ っ て 側 岸 部 へ 輸 送 され, 堆 積 す る. この 堆 積 した砂 は側 岸 の 横 断 勾 配 の た め に河 道 中心 部 へ再 掃 流 され る. この よ う に 河 川 の 平 衡 横 断 形 状 を保 つ 浮 遊 砂 の 役 割 は 重 要 で あ る. し か し, こ の こ と に 着 目 し た 研 究 は わ ず か に 5) Lighthill, 7) Saffman, 8) 松 信 八 十 男: 9)岡 10) Mech., M. J. : J. Fluid Mech., Vol. 3, 1957. P. G. : J. Fluid Mech., Vol. 22, 1965. 日本 物 理 学 会 誌, 第27巻, 小 天:高 分 子16, Eirich, F. R. (editor) 第2号, 1972. 180〜185号, 1967. : Rheology, Vol. 4, pp. 85-250, 1967. 11) d)土 Keller, J. B. : J. Fluid Happel, J, and Brenner, H. : 2nd edn, Noordhoff. 6) Parker113)の研 究 が あ る に す ぎ ず 今 後 検 討 す べ き問 題 で あ る. and Vol. 11, pp. 447-459, 1961. 幅 され 続 け る. 浮 遊 砂 が 存 在 す る と き に は, 浮 遊 砂 は河 Masson, S. G, and Manley, R. St. J. : Proc. Roy. Soc. A. 238. 1956. 石 流 の流 動 と堆 積 12) 近年, 土 石 流 の 発生 機 構, 堆 積 機 構 に つ い て 多 くの 研 Vol. 6, edited by G. Hetsroni, 13) き た. 固液 混 相 流 と して土 石 流 を み る と, そ の 流 動機 構, 堆 積 機 構 の解 明 が 特 に重 要 で あ る. 巨礫 と 泥 分 か らな る 複 雑 な土 石 流 の 力 学 を明 らか に す る に は土 石 流 の流 動 を 適 切 に記 述 す るモ デ ルの 確 立 が 必 要 で あ る. 現 在 モ デ ル お り, 巨礫 を取 り巻 い て い る流 体 部 分 の 性 質 が 重 要 で あ 河村 三 郎: 土 砂 木理 学l, Vasseur, 16) 1977. Saffman, P. G. : Studies in applied mathematics, 17) て い る の で, 今 後 は石 礫 を取 り巻 い て い る 流体 中 の 泥 分 の土 石 流 の流 動 に及 ぼ す役 割 に つ い て は十 分 な検 討 が必 Vol. L 1973. Einstein, A. : Ann Phys, 17, 1905, Ann. Phys., 19, 18) Landau, L. and Lifshitz. E. M. : Fluid Mechanics, 19) gamon Press, 1958. Batchelor, G. K. : An Introduction Cambridge Univ. Per. to Fluid Dynamics, Press, 1967. 20) Happel, J, and Brenner, H. : Low Reynolds Hydrodynamics, Pentice-Ha11, 1965. 21) Jeffery, G. B. : Proc. Roy. Soc. A, 102, 161, 1922. 22) Batchelor, Number G. K. and Green, J. T. : J. Fluid. Mech., Vol. 56, 1972 (b). 23) Lundgreen, 要 で あ る. 24) Brinkman, e)高 濃 度 サ ス ペ ン ジ ョ ンの 問題 Vol. 80, 1906. の性 質 は二 次的 重 要 性 を もつ に す ぎな い. この よ うに 現 在 の モ デ ル は, 2つ の相 反 す る考 え 方 に よっ て 構 築 され Fluid 森 北 出版, pp. 17〜38. P. and Cox, R. G. : J. Fluid Mech., 11, No. 2, June., る. 後 者 で は 巨 礫 の 下 の礫 の 衝 突 に よ っ て生 じる 反 発 力 に よっ て 支 え られ て お り, 粒子 間 の 作 用 が 重 要 で 流 体 Press. Review 15) す る巨 礫 を支 え る機 構 が 全 く異 な っ て い る. す な わ ち前 者 で は剛 体 的 に 移 動 す る栓 流 に よ って 巨 礫 が 支 持 され て Pergamon Cox, R. G. and Mason, S. G. : Ann. Mech., Vol. 3, 1971. 14) と して は粘 塑 性 流 動 モ デ ル と ダ イ ラ タ ン ト流 動 モ デ ル の 2つ が あ る が114), こ れ らの モ デ ル で は, 土 石 流 が 輸 送 V. W., Householder, M. K., Ahmadi, G. and Chung, S. C. : Progress in heat and mass transfer, 究 が な され, これ に 関 す る学 問 上, 工 学 上 の 知 見 が 増 大 し, 流路 工 の設 計 や, 対 策 に も利 用 され る よ うに な っ て Goldschmidt, T. S. : J. Fluid Mech. H. C. : Appl. Sci. 51, 1972. Res. A1. 1947. 25) Murray, 日本 の河 川 で は大 き な 問題 と して扱 わ れ る こ とは 少 な 26) Drew, D. A. : Studies App. Math., Vol. L, No. 2, 1971. い が, 黄 河 を 中心 と した 中 国 の河 川 で は 高 濃 度 サ ス ペ ン 27) Hinch, E. J. Vol. 52, 1972. 28) Soo, S. L. : Fluid Dynamics of Multiphase Blaisdell Waltham. ん だ河 川 にお いて は, 濃 度 変 動 に応 じて抵 抗 値 が変 動 す 29) Delhaye, る ため に, 河 川 水 位 も数 分 か ら数 十 分 程 度 の 周 期 で変 化 30) Ishii, M. : Thermo-fluid Dynamic Theory of Two-Phase ジ ョ ンの 問 題 は重 要 な研 究 課 題 で あ る. Engelund115)ら は900kg/m3に もお よぶ 高 濃 度 の ウ ォ ッ シュ ロ ー ドを含 な特 性 を 明 らか にす る必 要 が あ る. た とえ ば文 献116) に よ る と高 濃 度 サ ス ペ ン ジ ョン流 で は粘 性 係 数 は清 水 の それ に 比 べ, 数倍 〜 数10倍 もの 大 きな 値 を と って い る. 1) 参 考 文 献 Basset, A. B. : A Treatise on Hydrodynamics, Deighton, Bell and Co., Cambridge, 1888. 2) 3) Hinze, J. 0. : Turbulence, McGraw-Hill, 1975. Lucien, M. B., Jr., Ho, H. W. and Yen, B. C. : J, Hydr. Div., ASCE, HY 1, pp. 149-160, 31) Ungarish Leal, Paris, L. G. : J. Fluid 1981. H. P. : Studies in Applied 1983. 32) Rouse, 33) 1937. Zagustin, ASCE, Vol. 102, pp. 463-543, 34) pp. 129-162, 1968. Willis, J. 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