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Study on Two-Phase Flow Structure in Rod Bundle Geometry

1999

TITLE: STUDY ON TWO-PHASE FLOW STRUCTURE IN ROD BUNDLE GEOMETRY( Abstract_要旨 ) AUTHOR(S): Khoirul Huda CITATION: Khoirul Huda. STUDY ON TWO-PHASE FLOW STRUCTURE IN ROD BUNDLE GEOMETRY. 京都大学, 1999, 博士(工学) ISSUE DATE: 1999-03-23 URL: http://hdl.handle.net/2433/181807 RIGHT: ホイルル 氏 名 フダ KHOI RUL HUDA 学 位 (専 攻 分 野 ) 博 士 学 位 記 番 号 工 学 位 授 与 の 日付 平 成 11年 3 月 23 日 学 位 授 与 の要 件 学 位 規 則 第 4 条 第 1項 該 当 研 究 科 ・専 攻 工 学 研 究 科 原 子 核 工 学 専 攻 学 位 論 文題 目 S TUDY ON TWO‑ PHAS E FLOW S TRUCTURE I N ROD BUNDLE GEOMETRY 博 第 ( 工 学) 1 81 8 号 (ロ ッ ド ・バ ン ドル 内の二相 流構 造 に関す る研 究) ( 主査) 論 文 調 査 委 員 教 授 芹 滞 昭 示 論 文 内 教 授 小 森 容 の 要 悟 教 授 三 島嘉 一 郎 旨 本論文は加圧水型原子炉蒸気発生器 における伝熱細管破断事故の原因 とされてい る気液二相流 による流体弾性振動 を解 明 す るための基礎研究 として,蒸気発生器 内逆U字管群流路 を模擬 し,格子及び千鳥配列状 に配列 された傾斜管群流路内の気 液二相流動機構 を実験 と数値解析の両面か ら考察 した結果 をま とめた ものであ り,全 7章か ら構成 されている。 第 1章は序論であ り,本研究の背景 と目的,従来の研究 との関連か ら見た本論文の位置づ けを明 らかに し,また,研究全 体の構成 を説明 した ものである。 第 2章では,本研究全体 を通 して用いた種々の実験装置及び実験方法,計測手法な どについて述べてい る。特 に傾斜管群 配列は実機 に近い形状が設定 されてい る。 第 3章では,水平及び傾斜管群内を流れ る単相流及び空気一水系気液二相流 における渦の発生 に及ぼす管群の傾斜角や配 列の影響 を実験的に明 らかにす ると共 に,数値 シ ミュ レーシ ョンによる解析 を行い,両者が良好 に一致す ることを確認 して いる。特に傾斜管群での流れ場は傾斜軸 に沿 う渦流れや水平方向の圧力勾配 に基づ く二次流れの存在が明 らか とな り,気液 二相流の流れのパ ター ンに大きな影響 を与 えることやミ 明 らかに された。 第 4章では,水平及び傾斜管群流路 における単一気泡挙動 を詳細に観察 し,管群 に気泡が衝突 した際の気泡の剛体性や反 跳機構 を明 らかに した。 また,気泡衝突時の反撹係数 を定量的に求めると共に,反跳時の気泡の回転や体積振動, さらには ラグランジュ的に記述 された気泡の運動方程式 とk‑E乱流モデル による液相運動 を連成 した数値 シ ミュ レーシ ョンの結果 を 総合 して,仮想質量力,揚力,圧力勾配 に基づ く力な どを評価 した。 さらに,気泡の相対運動 に基づ く付加的乱流生成機構 として気泡 のジグザグ運動に起因す る渦の放 出現象 を見出 し,従来の後流モデル の見直 しを提案 している。 第 5章 では水平及び傾斜管群流路内気泡流及びチヤー ン流における相分布,気泡数分布,気泡径分布,気泡速度分布 な ど を測定 し,流れのマクロ構造 に与える気液流量,管群の傾斜角や配列の影響 を考察 している。特 に,円管内気液二相流特性 と異な り,傾斜管群 内の相分布 は不均一で極 めて複雑 な特性 を示す こと,そ して このよ うな特性 が従来か ら知 られ てい る bubbl es eg r e g at i o nを含 めて 4つの機構 によって説明できることを新たに見出 した。 第 6章では,水平及び傾斜管群流路内気液二相乱流特性 を測定 し,その結果 に基づいて乱流機構 を考察 している。傾斜管 群流路では壁乱流 に加 えて,管群 グ リッ ドによる乱れ渦の発生 と細分化,乱流散逸,管群 によって誘起 され る速度勾配 によ る乱れの生成,気液の相対運動に伴 う付加的乱れの生成 と散逸,変形気液界面によるダンピング効果な どが予想 され るため, 乱流特性 に及ぼす気液流量条件や管群傾斜角な どの影響は極 めてランダム とな り,系統的な依存性 が見 られない ことを明 ら かに してい る。 第 7章では,本研究で得 られた成果 をま とめて結論 とし,今後の展望について も言及 してい る。 ‑ 843‑ 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 加圧水軽水炉蒸気発生器 にお ける伝熱細管破 断事故の主要 な原 因 とされてい る気液 二相流 による流体弾性振動 の機構解 明 は加圧水型原子炉の信頼性や安全性 の向上 を図 り, よ り適切 な工学的設計 を展開す る上で極 めて重要 である。本論文は蒸気 発生器 内逆U字管群 を模擬 した傾斜管群流路内の気液二相流動機 構 を実験 と解析 の両面か ら究明 した もので,得 られた成果 を要約す る と以下の通 りである。 1.水平及び傾斜管群流路 にお ける渦 の発生 に及 ぼす傾斜角や配列 の影響 について実験及び数値解析 を行い,液単相流れ, 気液 二相流の何れの条件下で も両者 が良好 に一致す ることを確認 した0 2.水平及び傾斜管群流路にお ける単一気泡挙動 を詳細 に観察 し,管群 に気抱が衝突す る際の気泡 の持つ剛体性や反眺機構, 気泡 による連続相 内の付加的乱れ生成機構 を明 らかに した。 3.管群流路 内の流体弾性振動 に大 きな影響 を与 える流路 内相分布機構 を律す る気泡 の横方向輸送機構 に 4つの機構がある ことを見出 し,また,仮想質量力,圧力勾配 による力 を評価 し,管群流路内二相流動 シ ミュレー シ ョン‑の適用性 を考察 し た。 4.気泡流及びチ ヤー ン流領域 にお ける相分布 ,乱流分布 ,気泡数分布 ,気泡径分布 ,気泡速度分布等 を測定 し,流れのマ クロ構造 に与 える管群 の傾斜角や配列 の影響 を明 らかに した。特 に傾斜管群流路内の相分布 は単純形状流路内相分布 と著 し く傾 向が異な り,非均質性 の強い流れ場が形成 され ることを明 らかに した。 以上,本論文 は加圧水型原子炉蒸気発生器 の信頼性 ・安全性 に関連 して重要な流体弾性振動 に係 わ る気液二相流動機構 を 考察 し,多 くの有用な知見を提供 した ものであ り,その成果 は学術上,実際上寄与す る ところが少 な くない。 よって,本論 文は博士 ( 工学)の学位論文 として価値 あるもの と認 める。 また,平成 1 1 年 2月 1 8日,論文内容 とそれ に関連 した事項につ いて試 問 した結果,合格 と認 めた。 ‑8 4 4‑