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How is Electrical Power Stored?

2012, The Journal of The Institute of Electrical Engineers of Japan

第 三 ブチル アル コー ル脱 水 反 応 による熱移動 † 木 口雄 司 ・関 口 秀 俊 ・渡 辺 隆 行 ・神 沢 淳 東京 工業大学工学部化学工学科†† 緒 2. 言 熱 エ ネ ル ギ ー の 有 効 利 用 を は か る際 に 熱 の移 動 は重 要 な要 素 の 一 つ で あ る.通 常,熱 源 と媒 体 の温 度 差 が 小さ い と き は 熱 の 移 動 は 困 難 で あ るが,そ の よ うな場 合 でも 2 .1 実験結果 および考察 反 応 特 性 触 媒 層 出 口に お け る媒 体 の組 成 変 化 か ら転 化 率 XA が 求 ま る.実 験 結 果 は w が大 き いほ ど,ま た媒 体 の 流 量 m 効 率 よ く熱 を移 動 させ る方 法 の 一 つ に化 学 反 応 を 利 用 す が 小 さい ほ どXAは 大 き くな っ た. w と m を変 化 させる る こ とが 考 え られ る.そ こ で本 研 究 で は 媒 体 に液 相 の 第 と,触 媒 層 高 に 対 す る媒 体 の 滞 留 時 間 が 変 化 す る. そこ 三 ブ チ ル ア ル コー ル を使 用 し,吸 熱 反 応 で あ る 第 三 ブ チ で,転 化 率 と滞 留 時 間 の 関 係 を示 し た の が Fig.2 ル ア ル コー ル の 脱 水 反 応 を利 用 す る こ とに 注 目 した. 前 る.縦 軸 は, XA 報 (Kiguchi で,単 位 触 媒 体 積 当 た りの 転 化 率 に 相 当 す る.図 中 の 黒 et al., 1995) で は 触 媒 固 定 層 を用 い て, 熱 であ を触 媒 の 充 填 率 (1 ‑ ε) で 割 っ た もの 源 と媒 体 の 温 度 差 が 大 き い場 合 に お け る伝 熱 的 検 討 を行 い点 は 固 定 層 の場 合 を,白 い 点 は 流 動 層 の 場 合 を示 す. っ た.本 報 で は 前 報 で得 られ た結 果 を踏 ま え て 反 応 によ こ こ でw/waは る熱 移 動 に 着 目 し,熱 源 と媒 体 の 温 度 差 が 小 さ い 場 合を 定 層 に お け る触 媒 量 wa 想 定 した.そ の 縦 軸 の値 は この 横 軸 に 対 して ほ ぼ 一 つ の線 上 に ま とま して 主 に 触 媒 層 を流 動 層 に した場 合 の 実 験 っ た.よ を行 い,反 応 特 性 と熱 流 量 に つ い て 調べ た. 1. 長 さ が 0.25 m の 固 との 比 を と っ た もの で あ る. 図 っ て 触 媒 体 積 当 た りの転 化 率 は,流 動 層,固 定 層 に 関 わ りな く,触 媒 層 高 に 対 す る媒 体 の 滞 留 時 間 によ 実 験 装 置 お よび 方 法 本 研 究 で 用 い た 実 験 装 置 はFig.1に 使 用 し た触 媒 量wと る こ とが わ か る. 示 す よ うに 前 報 の も の と同 様 な二 重 管 構 造 の もの で あ る.内 管 に は 二 重 2 .2 熱 流 量 本 研 究 に お い てTw と Tin が 等 し い こ とか ら,化 学 反 管 の 入 口 と 出 口 の 部 分 に金 属 メ ッシ ュ を付 け,そ の 中 に 応 を伴 わ な い 場 合 で は 熱 の移 動 は 起 こ らず,熱 触 媒 を入 れ た.使 用 し た 触 媒 は Amberlyst で あ る.こ れ に 対 し反 応 を伴 う場 合 で は,吸 熱 反 応 に よ 実 験 は,装 15 E で ある. 置 の 環 状 部 に 一 定 温 度 の 水 を 流 し,触 媒 層 り媒 体 の 温 度 が 下 げ られ,熱 流量 は 0 の移 動 が 起 こ る.ま た反 応 へ 媒 体 で あ る 第三 ブ チ ル ア ル コー ル を流 して 触 媒 層 出 口 で 生 成 さ れ た イ ソ ブ チ レ ン の蒸 発 潜 熱 に よ り,媒 体 の 温 の 温 度 を測 定 し,組 成 を ガ ス ク ロ マ トグ ラ フ で 分 析 した. 度 は さ らに 下 げ られ る.こ の場 合 の 熱 源 か ら媒 体 へ の熱 こ の よ うな 手 順 で触 媒 の 量wを 流 量(の は,媒 体 が触 媒 層 の 入 口か ら 出 口の 間 に得 た熱 触 媒 層 の 長 さLを 変 化 させ た 場 合 お よ び 変 化 させ た 場 合 に つ い て 実 験 を行っ 量 で,前 報 と同様 に して 求 め た. た.本 実 験 で は 熱 源 と媒 体 の 温度 差 が 極 め て 小 さ い場 合 を 想 定 し て,装 置 の 環 状 部 に 流 れ る水 の 温 度 Tw ( 1) と媒 体 の初 期 温 度 Tin を等 し く し, 70℃ と した.ま た,環 状 部 ( 2) を 流 れ る水 の 流 量 を大 き く して水 の 温 度 変 化 が 無 視 で き る よ う に した.な お,ガ ( 3) ラ ス管 を使 用 した 実 験 を行 い, 触 媒 は 流 動 化 す る こ と を確 認 し,そ の 際 の 層 高 Lf ( 4) を測 熱 流 量 と媒 体 の 流 量 との 関 係 をFig.3に 定 し た. 示 す.前 報 のよ うに 熱 源 と媒 体 の 温 度 差 が 大 き い場 合 で は, m が 大 きい ほ どQTは 大 き くな っ た が,今 回 の場 合 で は,(の は実 験 の 流 量 域 で極 大 値 を持 っ た.こ れ を説 明 す る た め QT の † 1995 年 5 月 11 日受 理 ; 化 学 工 学 会 第 60 年 会 (大 阪, 1995 年 3 月) †† 〒 152 400 に て一 部 発 表 目 黒 区 大 岡 山 2 ‑ 12 ‑ 1 内 訳 に つ い て検 討 し た.そ の 一 例 がFig.4で あ る.図 中 の 線 は 内訳 を示 す ため 各 熱 量 を便 宜 上 結 ん だ もの で あ る. 反 応 熱 に よ る熱 流 量QRは 媒 体 の 流 量 に 対 して 単 調 増 加 化学工学論文集 Fig . 3 Effect on heat Fig . 1 Experimental of mass Relationships of heating medium apparatus Fig . 4 Fig . 2 flow rate flow between XA/ (1-s) Detail of heat flow and residence time (open symbols : fluidized bed, closed symbols : fixed bed) (QR + Qv) に 関 して 検 討 し た. QR + Qr は 次 式 の よ う に の傾 向 とな っ た 。 こ の よ うに な る の は,媒 体 の 流 量 が 大 きい ほ どXAは 整 理 で き る。 低 くな る が, m の 寄 与 が 大 きい ため で あ ( 5) る。 イ ソブ チ レ ン の蒸 発 潜 熱 に よ る熱 流 量(の は 媒 体 の 流量 に 対 して 極 大 値 を持 っ た.こ れ は, m 反応 は進 まず, yBが 低 くな る (Kato, が大 きいほ ど 1990) ため であ る.顕 熱 に よ る熱 流 量 Q5 は マ イ ナ ス とな っ た 。 こ れ は, 恥 と7㌃.が 等 しい た め,吸 熱 反 応 と イ ソ ブ チ レ ン の 蒸 上 式 の左 辺 は,媒 体 の 単 位 流 量 当 た りの 反 応 に よ る熱 流 量 を表 す 。 そ の 関 係 を 図 に 示 した もの がFig.5で こ こ で は伝 熱 面 積 が 等 しい場 合,つ ま りLが (0.5m)を あ る. 等 しい 場 合 取 り上 げ た。こ の 縦 軸 の値 は XA に対 して 一 つ 発 の影 響 に よ り,媒 体 は 初 期 温 度 よ り低 くな っ て触 媒 層 の 線 上 に ま とま っ た 。 以 上 の こ とか ら,媒 体 の 単 位 流 量 か ら出 て くるか ら で あ る.ま た Q3 は, M の寄 与 に よ っ て 当 た りの 反 応 に よ る熱 流 量 は,触 媒 の 充 填 状 態 に 関 わり 媒体 の 流 量 に 対 し単 調 減 少 の傾 向 を示 した 。 これ ら三 つ な く,転 化 率 に よ る こ とが わ か る。 た だ し, yB は XA の 熱量 が 合 わ さ り,熱 源 と媒 体 の 温 度 差 が 小 さ い場 合 で よ り変 化 す る た め,Eq.(5)の は,熱 流 量 は媒 体 の 流 量 に対 して 極 大 値 を持 っ た. 次 で は な い.ま たFig.5で 熱流 量 の 内訳 に お け る Q5 の 大 き さ は,今 回用 いた装 左 辺 の 値 はXAに に 対 し て一 は,実 験 結 果 は一 次 の よ うに 見 え るが,厳 密 に は こ の 直 線 で は 原 点 を通 らな い.反 応 置に特 有 な もの で あ り,装 置 を改 良 して 熱 源 か ら媒 体 へ が な い 場 合 (Xk = 0 ) は 熱 流 量 も0で あ る。以 上 の こ とか の伝熱 を良 くす る と Q5 を小 さ くす る こ とが で き る. そ ら,実 験 結 果 が 並 ん だ線 は 原 点 を 通 る曲 線 で あ る と考 え こで顕 熱 分 を 除 い た 熱 流 量,つ ら れ る。 第 22 巻 第 2 号 (1996) ま り反 応 に よ る熱 流 量 401 ⊿HR = heat ⊿ Hv between of = bed = length Mi = molecular weight m = mass rate Q = heat flow weight XA = Conversion = void fraction = isobutene in = inlet 触 媒 層 を使 用 し た実 験 を行 っ て 反 応 特 性 と熱 流 量 を調 べ out = outlet た.そ の 結 果,本 反 応 の 単 位 触 媒 体 積 当 た りの 転 化 率 は, R = reaction 触 媒 層 が 流動 層 も し くは 固定 層 で あ る こ と に関 わ りなく, S = sensible 触 媒 層 高 に 対 す る媒 体 の 滞 留 時 間 に よ る こ とが わ か った. T = total 熱 流 量 は媒 体 の 流 量 に 対 して極 大 値 を持 っ た.ま た, 媒 V = vaporization 体 の 単 位 流 量 当 た りの 反 応 に よ る熱 流 量 は転 化 率 に関 係 W = water い て,熱 源 と媒 体 の 温 度 差 が 極 め て 小 さ い場 合 を想 定し, す る こ とが わか っ た. こ に謝 意 を表 す る。 constant ・s ‑ 1] ] [ m・s‑1 ] [ kg ] [‑ ] [‑ ] [‑ ] bed heat cited Kato, Y.; "Study on the Chemical Heat Pumps with Reaction System of Alcohol Decomposition," Inst. of Tech., Japan (1990 ) Kiguchi, Y., T. Watanabe Nomenclature Dr. D. Thesis, Tokyo and A. Kanzawa ; "Heat Transfer Characteristics in tert-Butanol Dehydration Reaction Used for Heat Transport," Kagaku Kogaku Ronbunshu , pressure [ J •Ekg 402 isobutene Literature 本 研 究 は, 平 成 6 年 度 (財) 谷 川 熱 技 術 振 興 基 金 に at of fraction = 0.25 m fixed heat ] > B =specific [ kg catalyst a 第 三 ブ チ ル ア ル コー ル 脱 水 反 応 を利 用 した 熱 移 動 に つ cp [kg•Emol-1 velocity of = tert - butanol 言 よ っ て研 究 助 成 を受 け た こ と を記 し,こ [m ] i species [℃ ] A 辞] of [W = superficial <Subscripts [謝 bed flow = ε ‑ 1] [m ] of fluidized w = vapor ‑ 1] [ J・mol length = temperature YB [ J・mol (QR+ Qv) / m and conversion 結 isobutene Lf u0 Relationships reaction heat L T Fig . 5 of = latent - 1 •E K -1] 21, 746 - 752 (1995 ) 化学工 学論文集 Heat Transfer with tert - Butanol Dehydration Yuji Kiguchi, Hidetoshi Sekiguchi, Takayuki Atsushi Kanzawa Dept. Key Words: Heat of Chem. Transfer, Reaction, The tigated and the transfer under medium is dependent catalyst bed and in a fixed heating 第 2 号 of heating medium (1996) that was is related catalyst The of Tech., Reaction, the tert-butanol temperature extremely on the residence medium. Inst. Watanabe Tokyo Catalyst and 152 Bed, Endothermic - 2 - propanol in an endothermic the condition heating Tokyo Chemical 2 - methyl catalyst flow rate 第 22 巻 heat Eng., Reaction small. time bed. The heat dehydration difference The of heating heat reaction between conversion medium, per both flow has a maximum flow by this reaction was inves - the heat unit source volume of in a fluidized with the mass per unit mass flow rate of to the conversion. 403