Kwiksetの新しいドアロック「Kevo」は、iPhoneを最もシンプルなデジタルキーに変える。ポケットやカバンの中にiPhoneがあれば、Kevoロックに軽くタッチするだけで家の中に入れる(iPhoneを取り出す必要はない)。
Kevoはもともと、UniKey社のフィル・デュマ最高経営責任者(CEO)が、ABCの番組「Shark Tank」(日本の番組「マネーの虎」の米国版)で投資家たちに売り込んだアイデアが元になっている。
デュマCEOは同番組で、マーク・キューバンとケヴィン・オリアリーといった投資家たちに対して500,000ドルを出資 するよう説得した。その後、リアリティーテレビの15分の枠を活用してさらに資金を集めた。このプロジェクトは結局、カリフォルニア州の錠前メーカーKwikset社の目に留まり、Kwikset社はデュマCEOの夢を実現するパートナーとなった。
Kevoの見た目は普通のロックと変わらないが、鍵穴の回りの光の輪が未来的な雰囲気だ。Bluetoothと位置サーヴィスを使用する アプリが、iPhone(残念ながらAndroidには非対応)をロックにリンクする。これで、鍵を探してポケットやカバンの中をごそごそ探し回る必要がなくなる。指でロックを軽くタッチして、光の輪が緑に点滅すればドアが解錠されたことがわかる。
iPhoneを持っている家族メンバーには、それぞれの「電子キー」を出すことができる。ドッグシッターや設備工事業者などにも、こうした電子キーを提供し、仕事が終わったら削除することができる 。
さまざまなレベルの暗号化を利用して、ハッキングを難しくしている(ただしハッキングが不可能というわけではない)。Bluetoothと位置サーヴィスを使用するのでiPhoneのバッテリーの消耗は速いだろうが、Kwiksetは驚くほどの速さではないと主張している。Kevoロックは単3電池2本でおよそ1年間使用できると同社は述べている。
iPhone信奉者ではない多くの人たちも心配しなくていい。Kevoロックは「Kevo Fob」であけることもできる。基本的には「iPhone+アプリ」と同じだが、ロックに付いてくるKevo Fobは1つだけだ。一緒に住んでいる人が複数いるなら、追加料金を払ってKevo Fobを複数入手する必要がある。
iPhoneやFobが使えない場合は、伝統的な錠前のように、物理的な鍵も使える 。発売は今年の夏と計画されている。
TEXT BY ALEXANDRA CHANG
IMAGE BY KWIKSET
TRANSLATION BY MIHO AMANO/GALILEO