都名所図会
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『都名所図会』(みやこめいしょずえ)は、江戸時代後期に刊行された京都に関する地誌。「都名所」と称しているものの、その記述内容は洛中・洛外に限らず広く山城国全域に及んでいる。文章は秋里籬島・挿絵は竹原春朝斎。全6巻11冊。
概要
[編集]1780年(安永9年)に刊行され、好評を博したために1787年(天明7年)になって続編である『拾遺都名所図会』が出された。実地踏査に基づいて、代表的な名所だけではなく、隠れた名所や伝説・名物などについても詳細な解説を施し、更に豊富な鳥瞰図や風俗図などの挿絵が広い支持を受け、各種名所図会刊行のきっかけとなった。収録地域は、巻1から3では主として京都市中を、巻4と5では京都郊外の山城各地域(宇治・八幡など)を取り上げている。これはこの著に先行する「京童」「京雀」などに倣ったものであった。
刊行文献
[編集]- 『新訂 都名所図会』市古夏生・鈴木健一校訂、ちくま学芸文庫(全5巻)、1999年。
- 『都名所図会 上』竹村俊則校注、角川文庫、1968年 。
- 『都名所図会 下』竹村俊則校注、角川文庫、1968年 。
- 『都名所図会 新版』竹村俊則校注、角川書店、1976年 。
- 別著作の校訂版
参考文献
[編集]都名所図会 6巻、河内屋太助 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- 秋里籬島 著、竹原信繁 画『都名所図会 6巻(1)』河内屋太助、1786年 。
- 秋里籬島 著、竹原信繁 画『都名所図会 6巻(2)』河内屋太助、1786年 。
- 秋里籬島 著、竹原信繁 画『都名所図会 6巻(3)』河内屋太助、1786年 。
- 秋里籬島 著、竹原信繁 画『都名所図会 6巻(4)』河内屋太助、1786年 。
- 秋里籬島 著、竹原信繁 画『都名所図会 6巻(5)』河内屋太助、1786年 。
- 秋里籬島 著、竹原信繁 画『都名所図会 6巻(6)』河内屋太助、1786年 。
- 吉原健一郎「都名所図会」『国史大辞典 15』、154-155頁。吉川弘文館(1996年)
関連文献
[編集]- 『江戸雀、増補江戸咄、京童、京童跡追、京雀、難波鑑』国書刊行会〈近世文芸叢書 第1〉、1910年 。
- 増補京都叢書刊行会 編『京童、京童跡追、洛陽名所集、京雀』増補京都叢書刊行会〈亰都叢書 第1 増補〉、1933年 。
- 増補京都叢書刊行会 編『扶桑京華志、日次記事、山城名所寺社物語、都花月名所』増補京都叢書刊行会〈亰都叢書 第2 増補〉、1934年 。
- 増補京都叢書刊行会 編『近畿歴覧記、雍州府志』増補京都叢書刊行会〈亰都叢書 第3 増補〉、1934年 。
- 増補京都叢書刊行会 編『出来齋京土産、京師巡覧集』増補京都叢書刊行会〈亰都叢書 第4 増補〉、1934年 。
- 増補京都叢書刊行会 編『菟藝泥赴、京城勝覧、洛陽十二社霊験記』増補京都叢書刊行会〈亰都叢書 第5 増補〉、1934年 。
- 増補京都叢書刊行会 編『京羽二重、京羽二重織留』増補京都叢書刊行会〈亰都叢書 第6 増補〉、1934年 。