蔡州 (河南省)
蔡州（さいしゅう）は、中国にかつて存在した州。隋代から元初にかけて、現在の河南省駐馬店市一帯に設置された。
魏晋南北朝時代
[編集]北魏により設置された豫州を前身とする。580年（大象2年）、北周により舒州と改称された。
隋代
[編集]隋初には、舒州は豫州と改称され、5郡を管轄した。602年（仁寿2年）に溱州と改称され、606年（大業2年）に蔡州と改称された。607年（大業3年）、郡制施行に伴い蔡州は汝南郡と改称され、下部に11県を管轄した。隋代の行政区分に関しては下表を参照。
| 隋代の行政区画変遷 | |||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 区分 | 開皇元年 | ||||||||||||
| 州 | 豫州 | 洧州 | 灊州 | 永州 | 息州 | ||||||||
| 郡 | 汝南郡 | 文城郡 | 初安郡 | 臨潁郡 | 広寧郡 | - | - | 城陽郡 | 汝南郡 | 新蔡郡 | 梁安郡 | ||
| 県 | 上蔡県 保城県 |
武陽県 灈陽県 |
安昌県 | 西平県 | 新蔡県 | - | - | 義興県 城陽県 真陽県 |
新息県 安陽県 白狗県 |
苞信県 長陵県 |
朗中県 | ||
| 区分 | 大業3年 | ||||||||||||
| 郡 | 汝南郡 | ||||||||||||
| 県 | 汝陽県 呉房県 朗山県 西平県 新蔡県 城陽県 真陽県 新息県 褒信県 上蔡県 平輿県 | ||||||||||||
唐代
[編集]621年（武徳4年）、唐が王世充を平定すると、汝南郡は豫州と改められた。742年（天宝元年）、豫州は汝南郡と改称された。758年（乾元元年）、汝南郡は豫州と改称された。762年（宝応元年）、豫州は蔡州と改称された。蔡州は河南道に属し、汝陽・朗山・遂平・郾城・上蔡・新蔡・褒信・新息・平輿・西平・真陽の11県を管轄した[1]。
宋代
[編集]北宋のとき、蔡州は京西北路に属し、汝陽・上蔡・新蔡・褒信・遂平・新息・確山・真陽・西平・平輿の10県を管轄した[2]。
金のとき、蔡州は南京路に属し、汝陽・遂平・上蔡・西平・確山・平輿の6県と保城・毛宗の2鎮を管轄した[3]。
元代
[編集]1293年（至元30年）、元により蔡州は汝寧府に昇格した[4]。