京都大学研究用原子炉
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京都大学研究用原子炉(きょうとだいがくけんきゅうようげんしろ、英: Kyoto University Research Reactor、略称:KUR)は、京都大学が保有する研究用原子炉である。京都大学複合原子力科学研究所(大阪府泉南郡熊取町)に設置されている。 一般研究、材料照射、放射性同位元素生産、開発研究および教育訓練を目的として建設された[1]。その後、使用目的に医療照射が追加され、中性子捕捉療法の医療照射が行われている。1964年6月25日初臨界[2]。
年表
[編集]- 1964年6月 - 初臨界達成[2]。
- 1964年8月 - 定格出力1,000kWに到達[2]。
- 1968年7月 - 定格出力5,000kWに到達(定格出力上昇)[2]。
- 2006年2月 - 高濃縮ウラン燃料を用いた運転を終了。
- 2010年4月 - 低濃縮ウラン炉心が初臨界到達[2]。
- 2010年5月 - 低濃縮ウラン炉心が定格出力5,000kWに到達[2]。
- 2014年9月 - 新規制基準に係る適合性の審査の申請。
- 2016年9月 - 新規制基準適合性に係る審査に合格(設置変更の承認)[3][4]。
- 2017年8月 - 運転再開[5]。
- 2026年5月 - 運転終了予定[6]。
仕様
[編集]- 原子炉本体
- 型式: 軽水減速・軽水冷却スイミングプールタンク型熱中性子炉
- 熱出力:5,000kW
- 燃料:20%低濃縮ウラン・シリサイド (U3Si2-Al) 板状燃料[注釈 1]
- 炉心寸法: 直方体、約51cm×約51cm、高さ約61cm
- 減速材:軽水
- 冷却材:軽水
- 制御棒:ホウ素入りステンレス鋼
- 付属実験設備
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2006年2月までは93%高濃縮ウラン・アルミニウム (U-Al) 合金燃料を使用していたが、2007年までにすべての高濃縮ウラン使用済燃料を撤去し、2010年5月から低濃縮ウラン燃料による運転を開始している。
出典
[編集]- ^ “京都大炉(KUR) (03-04-03-05)(原子力百科事典ATOMICA)”. 高度情報科学技術研究機構置. 2018年12月24日閲覧。
- ^ a b c d e f “沿革”. 京都大学複合原子力科学研究所. 2019年1月3日閲覧。
- ^ “福井・高浜原発 3、4号機のテロ対策施設「合格」”. 毎日新聞. (2016年9月22日) 2017年3月4日閲覧。
- ^ “新規制基準審査で高浜3、4号の特定重大事故等対処施設に初の「合格」、京大「KUR」も”. 原子力産業新聞. (2016年9月21日) 2017年3月4日閲覧。
- ^ “京大原子炉:研究用KUR運転再開”. 毎日新聞. (2017年8月29日) 2017年9月9日閲覧。
- ^ “京都大、研究炉1基を令和8年に運転終了 使用済み燃料処分の見通し立たず”. 産経新聞. (2022年4月5日) 2022年4月12日閲覧。