サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
CES 2025
www.nounow.jp
ノーベル文学賞がボブ・ディランさんに授与されるときいて、驚いた方も多かったのではないでしょうか。いわゆるポピュラーミュージックが文学賞の対象になるのかという議論は別にしても、彼の絞り出すような歌声に心を揺り動かされた人は少なくありません。今回は「歌」がもつ力についての研究をご紹介します。(監修:医師 奥真也) 思い出の曲が記憶を呼び覚ます 三重大学の佐藤正之准教授らのグループは2015年に、「歌う」ことがアルツハイマー型認知症の患者さんにどのような影響をもたらすかについて、論文を発表しました。 実験には、軽度から中等度のアルツハイマー病の患者さん10人 (平均年齢78.1歳)に参加してもらいました。 どの患者さんも今までに歌のレッスンを受けたことはありません。レッスンとして、週1回のプロの指導者によるカラオケと、ボイストレーニングを6カ月間続けてもらいました。また、歌のレッスンを開始する以
「スーパーエイジャー」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか? お年を召してもなお、若い頃の記憶力を保っている高齢者の方たちのことです。今回はスーパーエイジャーに関する脳の研究をご紹介します。 スーパーエイジャーって? 「Superager」を日本語にすると「超高齢者」とでもなるのでしょうが、彼らは普通のお年寄りとは少し違います。80歳を超えてもなお、55歳前後の人々と同程度の記憶力をお持ちだというのです。 その記憶力は一体どれほどすごいのでしょう? 具体的な例を挙げると、15分の間に15の単語を覚えてもらったとして、80歳以上の高齢者では5つぐらい思い出せるのが普通だそうです。しかしスーパーエイジャーは、その倍近い9つを思い出すことができるというのです。 どうしてこのような高い記憶力を保っているのでしょうか? 2016年7月にハンガリーで行われた国際記憶学会で、シカゴのノースウェ
よく「記憶力がいい」とか「記憶力がおちた」などといいますが、「記憶力」とは簡単にいえば「思い出す」ことではないでしょうか。今回は、「思い出す」という脳の働きが年齢によってどのように変化するかを、みていきましょう。 思い出すとはどういう過程なのか 電車やバスなどでこんな経験はありませんか?「前の席にいる人、以前どこかで会ったことがあるような気がするけど、誰だったかなあ。」 「思い出す」とは、難しい言い方をすれば、脳の中に収納されている情報を適切に「取り出す」プロセスです。もしこのプロセスが破たんしてしまったら、危険な物や場所さえ思い出すことが出来ないのですから、毎日心穏やかに暮らせそうにありません。 「記憶を取り出す」過程には2種類にあると言われ、一つは「リコレクション(Recollection:回想とも)」、もう一つは「ファミリアリティー(Familiarity:熟知性とも)」とよばれます
fMRIのソフトウェアにバグが発見され、直近1年のfMRI画像に基づく研究結果が無効になるようです。科学が再発防止のためのシステムを内包する事が望まれます。 fMRIとは fMRI (functional magnetic resonance imaging) は日本の小川誠二東北福祉大学特任教授が原理を確立した、脳や脊髄の活動に関連した血流動態反応を視覚化する方法の一つです。(尚、小川教授はノーベル賞候補にもなっています) 脳の活動には酸素が必要で、血液中にあるヘモグロビンという物質が脳に酸素を運びます。このヘモグロビンが、酸素を運んでいるかどうかを光を用いて計測することで、脳のどの領域が働いているかがわかる、という仕組みです。 fMRIが約20年前に開発されたことにより、脳のどの領域がどのような活動を司っているかについて解明が進み、脳科学が飛躍的に進化してきたのです。 fMRIのソフト
食事からあるいはサプリメントからのビタミン摂取の効果に関する研究をいくつか紹介します。どのビタミンが認知症予防にきくのでしょうか? 抗酸化ビタミンの効果 ビタミンE、ビタミンC、βカロテンには抗酸化作用があることが知られていますので、老化防止に役立つと思います。しかし、ビタミンE 製剤をアルツハイマー病の方に投与して効果をみる臨床試験では芳しい結果が得られませんでした。強力な効果はないようです。 またこれらの抗酸化ビタミンをサプリメントとして多量に摂取しても効果はないようです。逆にβカロテンの過剰摂取では皮膚剥離の副作用が出ることも報告されていますので、サプリメントでは取り過ぎに注意が必要です。 ビタミンB群の効果 それでは次に、野菜などに含まれるビタミンB群 (B1、B2、B6、B12、葉酸)はどうでしょうか。ホモシステインというアミノ酸の一種が血液中に増えると、動脈硬化が加速され、脳梗
肥満、特に内臓脂肪の増加は、アルツハイマー病と脳血管性認知症のリスクを高めることが疫学研究で示され、カロリー制限はアミロイドベータ沈着の減少を促すことが動物実験で報告されています。やはり脳にも肥満は大敵のようです。 脂肪と肥満 肥満は万病のもとと言われます。昨今の健康指向の流れの中で、内臓脂肪やメタボリック症候群など話題には事欠きませんが、認知症との関係も調べられています。 わざわざ研究成果を示さなくても、肥満が認知症の危険因子であることは容易に想像がつきます。 なお、本記事での主役は、皮下脂肪ではなく、もっと奥の内臓の周りにある脂肪、内臓脂肪です。腸管や腎臓などの周り、そして腸を覆う網のような大網という組織に大量の黄色脂肪組織が付着します。本来、脂肪は飢餓に備えて栄養を蓄える組織です。 北海道のクマは秋にサケをたくさん食べて脂肪を増やし、冬眠に備えます。人間は美味しいもので脂肪を増やして
お肉や揚げ物は生活習慣病の観点から控えめにすべきということは分かってはいるけれどつい・・・という方必見!それらを食べすぎることにより認知症など様々な病気の発症リスクがあがることを、前編と後編にわけて解説します。 現代日本人はやっぱりお肉が好き? 皆さん、肉料理と魚料理、どちらが好きですか? 年齢を重ねるとだんだんさっぱりしたものが好みになってくるとは思いますが、まだまだ「肉のほうが好き」という方も多いのではないでしょうか。 一昔前まで、日本人は魚介類中心の食生活だったわけですが、コレステロール値を上げる動物性脂肪の摂取が増えてきていることが、厚生労働省の国民健康・栄養調査結果からも見て取れます。 脂質の種類と性質 少しここで、話題の中心となる「脂質」について、整理しておきましょう。脂質は少量で大きなエネルギーを生み出しますが、その構成成分である脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分けられま
仕事で時間に追われたり、ストレスを抱えすぎていませんか?スウェーデンでの30年近いスパンの観察研究によると、50代で仕事上の時間的ストレスに追われている人は、認知症発症リスクが○○倍になるんです! ストレスと認知症の関係とは 現代人でストレスがないと自信を持って答えられる人はほとんどいないかもしれません。働いていると仕事だけでなく人間関係でもストレスを感じますし、女性の場合は育児や家事などの家庭のストレスも加わることが多いです。そしてストレスは、糖尿病やうつ病、心疾患などさまざまな病気のリスクになることがわかっています。 また、ストレスが認知症やアルツハイマー病の発症に影響を与えていることは、今までもすでにいくつかの研究で報告されてきました。具体的には、持続的にストレスを感じるとコルチゾールというホルモンが分泌され、記憶に関わる脳の海馬という部分を萎縮させ、認知症を引き起こすという報告があ
ここぞ、という時に集中できていますか?そして余計なことが頭をよぎってませんか?運動中も含め脳波を測定でき、リアルタイムで可視化できる製品が発売されています。脳の状態を把握し、思考習慣をトレーニングすることで、あなたもトッププロやパフォーマンス力の高いビジネスマンになれる!? リアルタイムに脳の状態を把握できる、「FocusBand」 これまで、運動中の脳波を計測することはできませんでした。従来の脳波計では運動中の筋電により脳波のみの抽出が困難であったためです。 ※筋電…筋が収縮し筋力を発揮しているときに筋線維から発生する個々の活動電位のこと しかし、昨年11月に世界で初めて、運動中はもとよりどんな状態でもリアルタイムの脳波状態が計測できるMotion Based Brain Training Systemと呼ばれる製品「FocusBand」が発売されました。 (引用)「FocusBand」
うつと認知症。どちらが引き金になりどちらの症状がでるかについてはまだ決着がついていません。今回はうつが認知機能低下につながるとする論文を紹介します。 うつと認知症の関係 認知症の本を読んでいると老人性のうつ病と診断されていたのによくよく調べてみると認知症だったという話がでてきますが、はたして認知症と抑うつ症状の間にはどのような関係があるのでしょうか? 様々な研究から抑うつ症状と認知症は密接な関係が有ることは示されていたのですが、どちらが引き金になってどちらの症状が出るというのは今ひとつ決着がついていなかったようです。 今日取り上げる論文は、この抑うつ症状と認知機能の関係について調べたものです。 うつは認知機能低下幅を大きくする この研究では約1200人の高齢者を対象に抑うつ経験のあるなしがその後の認知機能の低下とどのような関係にあるかについて特殊な統計方法を用いて調べています。 やはりまず
今年1月に脳トレ業界最大手LumosityがFTCに誇大広告に対する和解金200万ドル支払いに合意したニュースが話題になりましたが、今度はLearningRxが同じく誇大広告で和解金支払いに応じたとのことです。業界各社はあらためて広告表現を見直すべきです。 LearningRxとは LearningRxはコロラド州にある、主に子供向けの脳トレ会社であり、認知機能向上プログラムを提供しています。 ホームページによると子供が長い時間のタスクに集中できるようにしたり、容易に混乱させられることを減らし、複数のことを同時に行うことを可能にするとしています。 そのLearningRxが、先月18日にFTCと20万ドルの和解金支払いに応じ、同社のプログラムが自閉症やADHDを改善したり、利用者のIQや収入を大幅に向上させることができるとする科学的な根拠のない主張をやめることで合意しました。 「IQが向上
コーヒーが酸化を防止したり、コレステロールを下げることや、心臓病や脳卒中による死亡リスクを低くすることなどはこれまで多々報告されてきました。では、アルツハイマー病についての予防効果は!? コーヒーの成分と日本人の関係 コーヒーには良く知られているカフェインという成分とポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が多く含まれています。ポリフェノールとは、植物に由来する抗酸化物質のことです。酸化とは、動脈硬化や老化、がんの原因になることが知られています。コーヒーのクロロゲン酸のように、大豆のイソフラボン、緑茶のカテキン、赤ワインやブルーベリーに含まれるアントシアニンなどもポリフェノールの仲間です。 日本人というと緑茶をよく飲んでいる印象があるかもしれませんが、実は日本人のポリフェノール摂取量の多くは緑茶ではなく、コーヒーによることがわかっています。ネスレリサーチセンターが日本人8768人を対象に行っ
アメリカからの最新現場リポート。様々な分野への転用で今話題の「VR」を使ったスポーツマン向けの認知力向上トレーニングジム体験をご紹介いたします。 神経科学をトレーニングにとりいれた世界初のアプローチ 米国では以前nounowでとりあげた「ニューロフィードバック」などメンタルトレーニングの一環としての認知機能トレーニングがトレンドになっています。 スポーツマンの認知機能トレーニングを行うサービスもいくつかでてきていますが、ミシガン州マルケット市に今年1月設立されたNeuroTrainerはVR(Virtual Reality)デバイスを活用したスポーツマンの認知力向上トレーニングジムです。 創業者のジェフ・ナイクイスト氏が提唱する学説に基づく、認知能力・運動神経をトレーニングするプログラムを提供しており、長時間の脳の活動、視野の拡大、集中力の向上、注意力の向上などに効くとしています。神経科学
認知症予防に効果的な食習慣は何か――。この疑問に答える研究成果はいくつかありますが、今回は3年前に行われた「日本人にとっては何が良いのか」という研究成果をご紹介します。 アジア人(日本人)を対象にした、世界初の研究 認知症と食の関係については、これまでもいくつかの研究が行われてきましたが、いずれも欧米での研究であり、アジア人を対象とした「認知症と食事の関係性」についての研究は、行われてきませんでした。一般的に地中海料理が良いといわれますが我々日本人が全面的に地中海料理に移行するのは困難でしょう。 そこで、九州大学の小澤未央氏らは、世界で初めて「日本人における食習慣と認知症のリスクに関する潜在的な関係性」についての研究(2013年)を行いました。 “日本人高齢者における食習慣と認知症のリスク” Dietary patterns and risk of dementia in an elder
動物を飼うことには様々なよい効果があり、世界各国で医療現場に動物介在療法が取り入れられています。では動物介在療法は認知症にも効くのでしょうか? 動物介在療法とは 動物を飼うことによる人間へのよい効果としては、身体的効果、精神的効果、社会的効果があるといわれています。動物を抱いたり、なでたり、話しかけたり、必要な場合は散歩に出かけたりすることで日常生活動作が増え、リハビリとしての身体的効果を期待できます。また、1人でいるよりも言葉を使うようになるという効果もあります。 動物をかわいいと思ったり、自分が必要とされていると思えることで気持ちが落ち着いたり、悲しみやストレスを緩和する精神的効果を期待できます。動物と接すると笑顔が増えるというのは想像しやすいかと思います。また、動物を介して他人とコミュニケーションをとりやすくなったりすることで社会活動が増し、社会的効果を期待できます。 動物介在療法と
定期的な運動は認知症予防に有効だし、様々な健康効果があります。しかしどうしても運動をしない理由を探してしまいがちな方、コマ切れ歩きからはじめてみてはどうでしょう? 運動をしない理由とは? 定期的・継続的な運動をおこなっていますか?認知機能を低下させないための運動として有酸素運動が最も効果があることは既に周知のとおりです。 運動をしたほうが良いことは頭で理解していても、アクションを起こせていない人も多いのではないでしょうか。以下の項目にあてはまるものがあればチェックしてみてください。 <運動要素のチェック項目> 運動を先伸ばしにして、“時間ができたら”やろうと思っている 本物の運動でないとか、得られるものが少ないなどといって、運動をするためのちゃんとした動機や“その気になる”ことが必要だと正当化している 運動をしていなかった時期が長すぎるので、今更やっても無駄だと思っている 既に健康上の問題
ヘーゼルナッツは心疾患、高脂血症、糖尿病に効くといわれ、イランの伝統医学においては認知症の症状に対しても使用されています。最近はラットの実験で記憶障害を改善したという論文も発表され、脳にも体にも良さそうです。 ヘーゼルナッツとは ヘーゼルナッツは、アーモンド、カシューナッツと並んで世界三大ナッツといわれています。ヘーゼルナッツは中央アジアで栽培がさかんに行われており、日本の輸入の約95%はトルコ産です。セイヨウハシバミと呼ばれる木の実のことで、形はどんぐりに似ていますが、どんぐりより少し大きいです。 皮をむいて煎ってから食べたり、お菓子の材料として使われることが多いです。主にクッキーやチョコレート、アイスクリームなどに使用されます。チョコレートとの相性は抜群です。 一方でヘーゼルナッツは、心疾患、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の予防に役立つ栄養成分を多く含んでいるといわれています。またイ
アルツハイマー病の原因は依然として詳細不明です。今回はアルツハイマー病の記憶障害の原因となる神経細胞を同定したとする研究を紹介します。 アルツハイマー病はまだ詳細不明の病気 アルツハイマー病は脳にアミロイドやタウと呼ばれるタンパクが異常に集積することは分かっているものの、その詳細なメカニズムは依然として不明です。また神経伝達物質であるアセチルコリンの産生が少ない、またはほとんどないことも原因の1つと考えられています。 私たちの体は多くの神経の働きによって、正常に動くことができます。例えば手足の神経がうまく働かないと歩いたり、何かをつかんだりできなくなります。脳の神経がうまく働かないと記憶や感情のコントロールができなくなります。これらの神経の動きをうまく機能するように神経と神経をつなげる役目をしているのが神経伝達物質で、先ほど挙げたアルツハイマー病で産生が低下するアセチルコリンもその1つです
米英製薬大手による認知症治療薬候補の臨床試験がフェーズⅢへ進むとの発表がありました。国内でも昨年12月、国立長寿医療研究センターが、マウスの実験で成果をあげています。様々な治療薬開発は実を結ぶのでしょうか? 米英製薬大手、臨床試験フェーズⅢへ 4月8日、イーライリリー・アンド・カンパニー社とアストラゼネカ社は、共同開発している経口アルツハイマー型認知症薬(治療薬候補)の臨床試験が最終段階の第3フェーズに入ったことを発表しました。 この治療薬候補は AZD3293と呼ばれ、アルツハイマー型認知症発症の原因物質とされるアミロイドベータに関連する酵素(BACE)を阻害することで、アミロイドベータの形成を抑制することが期待されています。実際のところ、 AZD3293は第1フェーズの臨床試験において、アルツハイマー病の患者および健康なボランティアの被験者の脳内アミロイドベータ値を低下させることが示さ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『nounow (ノウナウ)脳トレ・認知症予防の最新科学ニュースメディア』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く