いじめ自殺報道がさかんである。連鎖自殺、ではなく連鎖報道とでもいうべきものだろうか。ほとんど場合は「少年少女が自殺する→実はいじめの事実があった→学校は気づいていた→学校の怠慢だ」というまるで神話のストーリーをなぞるかのように進行して行く。 バリエーションとしては、「学校の先生だって疲れている」とか「我が子の異変に気づくためには」という論じ方がなされる。そこにほとんど変化はない。あるいは、子供に対してアドバイスを述べるもの、「命は大切だ」とか「つらかったら学校に行かないでもいいんだよ」というものだ。 なるほど、いじめ自殺の数が減らないは、このように世の中がステレオタイプな言説を流しているだけだ、という皮肉を言うこともできる。最近の子供が弱いからだ、という論もあるが、あの過酷な高度成長期を駆け抜けた「大人たち」の自殺者も急増していることから、この論が正しいとは思えない。 なぜ自殺するかと言う