永遠なるものたち026「喪失と再生」 by Roman Kraft 私は変な地下アイドルだったかもしれない、と後になって思うのは、舞台で歌っている時、ずっと恥ずかしかったからです。 それも初めてのライブだけじゃなく、卒業するまでの10年間ずっと。 どうしてこの空間で私だけが歌っているんだろうという、恥ずかしいような、申し訳ないような、あの頼りない気持ち。 観客はきちんと歌を聴いているのに、私だけが立って歌っている。その状況の奇妙さは、月に何十回とライブをしても、不意に私を冷静さへと引き戻しました。 「人前で歌うってどんな気持ち?」とか、「拍手されると気持ちいい?」などの質問に素直な気持ちで答えると、人は意外そうにするけれど(中にははっきり「変!」と言う人もいた)、私はみんなが黙って聴いているのに、自分だけが歌っているのは、やっぱり恥ずかしく感じてしまうのです。 ライブ中は、頭の中でいろんな