超大国の次期指導者に、当初は泡沫(ほうまつ)候補扱いだったトランプ氏が決まった。 不動産王として知られてはいたが、政治経験はない。イスラム教徒の入国禁止を叫ぶなど数々の暴言、失言で世間を騒がせた。そういう氏の勝利は衝撃的であり、同時にアメリカ国民の選択にも驚きを禁じ得ない。 その行方は不透明だが、米国が劇的な変化を求めた結果を冷静に受け止めるしかない。 日本は米国を最も重要な同盟国と位置付けてきた。問われるのは、自由と民主主義などの価値観を共有する関係を今後もいかに維持していくかの具体論である。 《価値観共有への努力を》 格差拡大をめぐる不満などに起因する国内の対立の解消は、米国自らの手で行う問題である。だが、トランプ氏が訴える「米国第一主義」が孤立主義につながりかねない以上、自由貿易拡大の理念を貫徹するよう、日本は働きかける必要がある。 予想外の展開、規格外の人物の登場により「トランプ・