WMDとは? わかりやすく解説

ダブリュー‐エム‐ディー【WMD】

読み方:だぶりゅーえむでぃー

weapons of mass destruction》⇒大量破壊兵器


大量破壊兵器(Weapons of Mass Destruction : WMD)

一般に生物、及び化学兵器を指す。

【WMD】(だぶりゅーえむでぃー)

Weapons of Mass Destruction の略。 大量破壊兵器のこと。


大量破壊兵器

(WMD から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/05 23:28 UTC 版)

大量破壊兵器(たいりょうはかいへいき、英語: Weapon of mass destruction、略称WMD)または物理兵器とは、人間を大量に殺傷すること、または人工構造物(建造物や船など)に対して多大な破壊をもたらすことが可能な兵器のことを指す。典型的には特に生物兵器化学兵器核兵器放射能兵器の4種類を指すものとして用いられる(放射能兵器を核兵器に含めるとして3種類と数える場合もある)。これらはそれぞれの英語の頭文字を取り、ABC兵器NBC兵器NBCR兵器などと総称される。

定義

核戦争核兵器を使用した戦争(広島市、1945年)

通常の用法では、大量破壊兵器はNBC兵器、つまり核兵器(英: Nuclear 原水爆および放射能兵器も含む)、生物兵器(英: Biological)、化学兵器(英: Chemical)の3種類を総称する言葉として使われている。

記録されている限りにおいて、大量破壊兵器に対応する英語の「Weapons of mass destruction」という語は、1937年ロンドンタイムズスペイン内戦日中戦争の際にドイツ日本爆撃機を指して用いられた例にまで遡ることができる[1]

Who can think at this present time without a sickening of the heart of the appalling slaughter, the suffering, the manifold misery brought by war to Spain and to China? Who can think without horror of what another widespread war would mean, waged as it would be with all the new weapons of mass destruction?[2]

今、戦争によってスペインに、中国にもたらされたぞっとする虐殺、苦痛、さまざまな悲劇を思って、心を痛めない人がいるでしょうか? さまざまな新しい大量破壊兵器を用いて行なわれる次の大規模な戦争が何を意味するか考え、恐怖を感じない人がいるでしょうか?

化学兵器は既に第一次世界大戦中に広く使われていたものの、核兵器は開発されておらず、この文脈には核兵器は含まれていない。その後、第二次世界大戦中に核兵器が実用化され、1948年の国際連合通常軍備員会 (the Commission for Conventional Armaments) においては、大量破壊兵器を核・化学・生物兵器とそれに類するものとした[3]。大量破壊兵器の語は、1955年ラッセル=アインシュタイン宣言においても用いられている。

また、1991年湾岸戦争終結時の国連安保理決議687においても、イラクの武装解除の主要な対象として言及された。

拡散防止

大量破壊兵器の拡散は、世界の安全保障にとって、不安定要因と認識されている[4]。このため、その運搬手段ともなりえる長距離ミサイルと合わせて拡散防止のための国際的な協調が求められ、2003年には拡散に対する安全保障構想が提唱され[5]主要国首脳会議では大量破壊兵器の不拡散宣言が出された[6]。2004年の国際連合安全保障理事会決議1540においては、WMDを用いたテロリズム防止に向け、各国の法制度整備や協力体制の構築を求めている。これらを受け、関連物資の輸出規制や技術移転の制限[注 1]、海上阻止行動の検討等[5] が行われている。

2017年4月6日に、当時のアメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプは、シリア・アラブ共和国大統領バッシャール・アル=アサドが、シリア内戦で化学兵器を使用した事に対する制裁として、アメリカ軍がシリアの空軍基地などへ計59発の「トマホーク巡航ミサイルを撃ち込み、国際情勢への武力介入も辞さない姿勢を見せた[7][8]

イラク戦争への影響

イラク戦争開始の根拠として、「イラクが大量破壊兵器を保有している可能性があること」および「国際連合の無条件査察を受け入れなかったこと」が挙げられている。なお、戦闘終結後、アメリカ合衆国などから派遣されたイラク調査団英語版が、大量破壊兵器の捜索をおこなったが発見されず、調査団団長チャールズ・デュエルファーは、2004年10月6日アメリカ合衆国上院軍事委員会の公聴会において、「イラク共和国に大量破壊兵器は存在しなかった」と最終報告書(デュエルファー・リポート)を提出した[9]

脚注

注釈

出典

  1. ^ Will Mallon. “WMD: Where Did the Phrase Come from?”. History News Network. 2009年12月16日閲覧。
  2. ^ "Archbishop's Appeal," Times (London), 28 December 1937, p. 9.
  3. ^ The Yearbook of the United Nations 1947-1948,United Nations,P477 The Working Committe resolves to advise the Security Council (1) that it considers that all armaments and armed forces, except atomic weapons and weapons of mass destruction, fall within its jurisdiction and that weapons of mass destruction should be defined to include atomic explosive weapons, radio active material weapons, lethal chemical and biological weapons, and any weapons developed in the future which have characteristics comparable in destructive effect to those of the atomic bomb or other weapons mentioned above; (2) that it proposes to proceed with its work on the basis of the above definition.
  4. ^ 2014年版防衛白書 大量破壊兵器の移転・拡散
  5. ^ a b 大量破壊兵器の拡散を阻止するPSIの活動,日本外務省,2012-06-13
  6. ^ 大量破壊兵器の不拡散,日本外務省
  7. ^ トランプ政権、シリアにミサイル攻撃 ロシアは侵略行為と非難”. ニューズウィーク日本語版 (2017年4月7日). 2017年9月23日閲覧。
  8. ^ 外交・安保、シリア攻撃で明確メッセージ”. 産経ニュース (2017年4月23日). 2017年9月23日閲覧。
  9. ^ YOMIURI ONLINE: "イラク大量破壊兵器、開発計画なし…米最終報告"(2004.10.7) 2013年10月7日閲覧

参考文献

関連項目

外部リンク


WMD

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/15 20:41 UTC 版)

ショーン・デバリ」の記事における「WMD」の解説

TNA時代フィニッシャー両膝をついた相手の頭を右脇に抱え込んだあと左足後ろ振り上げて反動をつけ、背中から倒れ込む同時に相手頭部強烈なDDTマット突き刺す

※この「WMD」の解説は、「ショーン・デバリ」の解説の一部です。
「WMD」を含む「ショーン・デバリ」の記事については、「ショーン・デバリ」の概要を参照ください。

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