ベニマツ
日本の本州中部の亜高山地帯にも分布していますが、市場で取扱われているものは、ソ連産のベニマツと呼ばれるものです。中国東北部、朝鮮、シベリアなどに分布しています。このマツの種子は大きく、食用になり、デパートなどのナッツの売場におかれていることがあります。ベニマツは、マツ類を硬松と軟松にわけるときには、軟松のグループに入れられます。日本産のものとしては、ヒメコマツが同グループに入ります。硬松類に比較すると、年輪のなかの細胞の形の違いが少なく、そのため、年輪はずっと見分けにくくなり、木材は軽軟です。日本市場ではソ連産の針葉樹のなかでもっとも高い評価をうけています。しかし、残念なことに、この樹種は、幹の中心部が菌の害をうけ易く、ほとんどといってよい程丸太は空洞になっています。したがって、木材として利用する場合には外側の部分が使われます。 ■木材 ■用途 |
ちょうせんごよう (朝鮮五葉)
五葉松
朝鮮五葉
朝鮮松
海松
韓松
PINUSKORAIENSIS
食品名(100g当たり) | 廃棄率(%) | エネルギー(kcal) | 水分(g) | たんぱく質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) | 灰分(g) |
種実類-種実類/まつ/生 | |||||||
種実類-種実類/まつ/いり |
チョウセンゴヨウ
(Pinus koraiensis から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/05/17 07:36 UTC 版)
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チョウセンゴヨウ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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チョウセンゴヨウ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
LOWER RISK - Least Concern (IUCN Red List Ver.2.3 (1994)) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Pinus koraiensis Sieb & Zucc. | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
チョウセンゴヨウ、チョウセンマツ[2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Korean Pine |
チョウセンゴヨウ(Pinus koraiensis)は、マツ科マツ属の樹木である。
名前と分類
マツ科マツ属、いわゆるマツ(松, 英語:pine)の一種である。学名 Pinus koraiensisの種小名 koraiensisは「高麗の」という意味。和名はチョウセンゴヨウ (朝鮮五葉)が一般的。他にチョウセンマツ(朝鮮松)など。中国名は紅松や果松、ロシア語名はКорейский кедр(韓国のマツ)やМаньчжурский кедр(満州の松)という。
我々の身近なマツであるアカマツやクロマツとは亜属単位で異なりStrobus亜属、いわゆる五葉マツの仲間に分類される。
分布
北東アジア地域原産。朝鮮半島、中国東北部、ロシア極東部と日本に天然分布する。日本では本州中部の福島県南部から岐阜県にかけてと四国の東赤石岳にもわずかな群落が隔離分布している[3]が、比較的稀な種で山で見かけることは少ない。
花粉化石の分析などから、最終氷期には現在よりはるかに広い範囲で繁栄していたことが知られている[要出典]。
形態
成木は樹高30m以上、直径1.5mに達する。樹皮は灰褐色で幼齢時は平滑、成長するにつれて薄く鱗状にはがれる[4]。
針葉は名前の示すように五葉であり、短枝に5本が束生する。葉は濃い緑色で白い気孔がよく目立ち、遠目には青緑色に見える。長さは6-10cmで縁には鋸歯があり、ざらざらした触り心地である。葉の断面の樹脂道は同じく日本産五葉松のゴヨウマツ(Pinus parviflora)の2本に対して本種は3本ある[4]。
球果(松かさ)は8〜16 cmと日本産のマツ類では最も大形で、枝の先に3-4個がまとまって出来ることが多い。他のマツ同様多数の鱗片から構成される。色は若い時は緑色だが熟すと黄褐色に変わる。球果の鱗片は熟すにつれて外側に反り返る。マツ属の球果は一般に成熟後しばらく樹上に留まり、空気中の湿度に反応して開閉を繰り返し中の種子を散布する。しかしながら、本種及び近縁種は成熟後も決して開かないままに落果する。熟した球果は比較的分解しやすい他の五葉松類のものと比べても非常に脆く、素手で分解することも簡単である。球果の1つの鱗片には2つの種子が入っている。種子は2cm弱ある大型のもので、他のマツと違い翼を持たない。
生態
前述のように日本では比較的稀な種であり、純林を構成することはなく広葉樹林に混生する形をとることが多い[4]。一方、シベリアではトウヒ属(Picea)やカラマツ属(Larix)などの針葉樹と共に森林の主要な構成種の一つである。
本種はマツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)に感受性が高く、寄生されるとマツ材線虫病を発症して枯死に至ることが多い。ただし、本種は線虫接種試験に対する感受性自体は強いものの、実際の森林ではあまり被害を受けていないようである。マツ材線虫病が徐々に広がりつつある韓国においても日本産アカマツやクロマツに比べて本種の被害報告は遅かった[5]。
人間との関係
材は建築、パルプなどに用いる。庭園木、盆栽にする。種子は可食でいわゆる「松の実」として利用される。種子は海松子と呼ばれ漢方薬に利用される。韓国では葉も利用するようである[6]。
材は本種の主要産地の一つである中国での名を採って紅松 (ホンソン)などと呼ばれる。気乾比重は在来の二葉松類よりやや軽い0.45 -0.50[3]。
シベリアでも伐採が盛んである。シベリアでは絶滅の恐れのあるアムールトラやアムールヒョウといった大型肉食哺乳類を保護すること、経済価値の高い本種の違法伐採が後を絶たないことなどから本種の保護が叫ばれていた。2010年(平成22年)10月付でマツ属としては初めてロシア産の本種をワシントン条約に登録する措置が採られている[7]。
脚注
- ^ Conifer Specialist Group 1998. Pinus koraiensis. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b 平井信二. 1998. 木の大百科 -解説編-. 朝倉書店. 東京.
- ^ a b c 北村四郎・村田源.(1979) 原色日本植物図鑑 木本編2. 保育社. 大阪.
- ^ H. Han, Y.-J. Chung, and S.-C. Shin,(2008) First Report of Pine Wilt Disease in on Pinus koraiensis in Korea. Plant Disease 92(8), 1251-1251.
- ^ 御影雅幸・李奉柱・朴鐘喜・難波恒夫(1991)韓国産生薬の研究(第7報) : 民間薬「Jad Na Mu Ip」の基源. 生薬学会誌45(4), 336-341.
- ^ ロシアの森に吉報!チョウセンゴヨウが取引規制の対象に WWF Japan 2015年1月12日閲覧
関連項目
外部リンク
- Pinus koraiensisのページへのリンク