MBA
「MBA」とは・「MBA」の意味
「MBA(Master of Business Administration)」とは、アメリカ発祥の、経営学を修めたものに対して認められる学位であり、その取得難易度は高いとされる。ビジネスに必要なマーケティングや経営戦略をはじめ、実務に基づいた思考能力や判断力の訓練など、MBAを取得するにはビジネスに必要だと考えられる分野を幅広く学習しなければならない。そのため、MBA取得者は高度(専門)人材として、広く周知されている。国内外の企業やその他の組織から、有益な人材として求められるケースが多い。MBAの学位を取得するための方法は地域や国家によって多少異なる。英米圏なら、実務経験者を対象にしたビジネススクール(経営大学院)で学ぶ必要がある。日本でMBAを取るのであれば、大学院修士課程もしくは専門職学位過程で学び、「経営学修士」あるいは「経営管理学修士」の学位認定を受けなければならない。
MBAが誕生したのは19世紀末のことだ。1881年、世界で初めてのビジネススクールとして、ペンシルベニア大学ウォートン校(ウォートン・スクール、Wharton School of the University of Pennsylvania)が誕生した。これは企業経営の近代化の要請を受けたものであった。その後、1908年にハーバード・ビジネス・スクール(Harvard Business School)が設立。この設立によって、現代のMBAの基礎ができ上がったとされている。その後、アメリカ以外にもビジネススクールの設立は進む。1958年にIESEビジネスクール(イエセビジネススクール、IESE Business School)がスペインのバルセロナに設立された。これによって欧州にも2年制ビジネススクールが誕生した。
MBAの学習プログラムの目的は、研究者の育成ではなく、企業経営の実務家の養成である。それ故に、研究者を育成するための課程とは異なった、実務家の利便性を考慮したコースが多く採用されている。例えば、実務経験豊富な企業幹部向けのEMBA(Executive MBA)の存在だ。日本では「社会人MBA」という言葉で呼ばれることもある。EMBAでは、学習期間を1年間にしたものや、夜間や週末、あるいは通信教育で受講できるものなど、実務家にとってデメリットが少ない学習コースを用意している場合が多い。ただし、受講するには社会人経験が必要だ。
MBAの取得に至るまでの難易度は入学したビジネススクールによって異なる。M7(Magnificent 7, Magic 7)などと呼ばれるアメリカの名門私立ビジネススクールの卒業難易度は非常に高い。これらのビジネススクールで認定を受けた人は、希少性がある学位を持つ者として扱われるだろう。
なお、M7に数えられるビジネススクールは以下の7つの大学のものだ。アメリカでは一般的に偏差値が使われていないため、難易度やすごさがどれほどのものかを知ることは難しい。そこで、すごさや難易度の基準となるようにタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(The Times Higher Education)が発表した「世界大学ランキング(2022年版)」の順位と、フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)が発表した「Global MBA ランキング2022」の順位を記載しておく。
M7の大学 大学ランキング MBAランキング
・ハーバード大学(Harvard University) 2位 3位
・スタンフォード大学(Stanford University) 4位 6位
・シカゴ大学(University of Chicago) 10位 7位
・ペンシルバニア大学(The University of Pennsylvania) 13位 1位
・マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology, MIT) 5位 11位
・ノースウェスタン大学(Northwestern University) 24位 5位
・コロンビア大学(Columbia University) 11位 2位
MBAは高いランクのビジネススクールで取得した方が、一般的に価値が高いとされている。世界ランキング100位以内のビジネススクールで学べば、就職や起業に優位に働くだろう。しかし、2022年の時点で日本のビジネススクールは、100位までに入っていない。アジア圏における100位までに入ったビジネススクールは16校。その内訳は、中国が6校・香港3校・シンガポール3校・インド3校・韓国1校だった。アジア圏内での最高順位は、中欧国際工商学院(China Europe International Business School, CEIBS)の16位であった。
ビジネススクールのランキングから、日本のMBAの評価は、世界で高くないことがうかがえる。その理由としてまず挙げられるのが、大学のランキングが高くないことだ。大学のランキングは、ビジネススクールのランキングにも影響を与える。優秀な大学ほど、優秀な学生が集まりやすい。それにともない、ビジネススクールの価値と得られる学位の価値の双方が高くなる。しかし、日本の大学はランキングにおける順位がそれほど高くない。「世界大学ランキング(2022年版)」に紹介された日本語の大学では、東京大学の35位が最高位であった。
日本人の英語力の低さも理由の1つといえるだろう。英語力はMBA取得のための学習には欠かせない。経営や企業の最新事例の多くは海外で起きる。それらを調べて分析するには英語が巧みでなければ難しい。くわえて、英語力が低い日本では、ビジネススクールの多くが英語で講義や指導をしない。そのため、海外の優秀な人材に講義や指導を任せることができない。このような状況にあるため、日本のビジネススクールでは、高いレベルの教育を受けることが難しいとされている。
現状では日本のMBAを取る意味がないと考える人もいる。だが、日本のMBAには強みもある。強みとは国際認証を受けているビジネススクールが多いという点だ。国際認証を受けるためには、ビジネススクールの規模・カリキュラム内容・授業の質・国際性・教員や学生の英語力などを一定以上の水準にしなければならない。国際認証の中でも、AACSB・EQUIS・AMBAは世界三大国際認証機関と呼ばれており、その認証取得は困難である。
AACSB(Association to Advance Collegiate Schools of Business)は1916年設立された、経営学教育の評価機関。世界30カ国以上で活動し、認定を受けたビジネススクールは約870校。世界にあるビジネススクールのおよそ5%が認定を受けた。EQUISは1967年に創設された欧州品質改善システム(EFMD Quality Improvement System、EQUIS)のことだ。非営利団体欧州経営開発財団(EFMD, European Foundation for Management Development)が運営している。約180のビジネススクールが認定を受けた。取得率は全体の1%ほどである。
AMBA(The Association of MBAs)は、ロンドンに設立された大学院ビジネス教育についての認定機関。設立は1967年。MBAプログラムのグローバルスタンダードの1つである。世界にあるビジネススクールのおよそ2%がこの認定を取得している。これらの機関から認定を受けている日本国内のビジネススクールは以下の通りだ。
学校名 AACSB取得 EQUIS AMBA
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS) 2000年 2011年(2021年で失効) -
名古屋商科大学大学院(NUCB) 2006年 2021年 2009年
立命館アジア太平洋大学経営管理研究科(APU) 2016年 - -
国際大学国際経営学研究科(IUJ) 2018年 - -
早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS) 2020年 2019年 -
一橋ビジネススクール(HUB) 2021年 - -
なお、AACSB・EQUIS・AMBAの3つの機関から認証を受けているビジネススクールは「トリプルクラウン」と呼び、そこで認定されたMBAは非常に高く評価されている。トリプルクラウンを達成しているビジネススクールは数少なく、世界に100校ほどしかない。世界のビジネススクールはおよそ1万6000校あるとされているので、トリプルクラウンを取得したビジネススクールは1%に満たないことが分かる。日本では名古屋商科大学大学院(NUCB)が2021年にトリプルクラウンを達成した。
「MBA」の熟語・言い回し
MBAは認定された学位を指すため、「ウォートン・スクールのMBAに必要な単位のほとんどを取得した」「コロンビア大学で、言語学の博士号とMBAを取得した」のように使う。熟語では「社会人MBA(EMBA)」「海外MBA」などがある。海外MBAとは
海外MBAとは、日本国外のビジネススクールで取得した経営学の学位(経営学修士・経営管理学修士)、あるいはその学習課程を指す。
MBAを取得するだけなら日本国内でも可能である。だが、海外MBAには次のようなメリットがある。1つ目はブランド力が得られるためだ。有名なビジネススクールはすべて海外にある。例えば、M7など世界で高く評価されているMBAが取得できる学校はすべて海外にある。2つ目は年収アップが期待できるためだ。海外MBAは採用などにおいて高く評価されることが多い。その評価の差は給料として現れる。3つ目はグローバルな人間関係ができることだ。ビジネスにおいては何よりも人のつながりが大切である。卒業後に起業したいと考えているなら、海外MBAで得た人脈は貴重なものとなるだろう。"
エム‐ビー‐エー【MBA】
読み方:えむびーえー
《Master of Business Administration》経営管理学修士。経営学修士。米国で、ビジネススクールと呼ばれる大学院修士課程で経営学を専攻・修了した者に与えられる称号。実業界で重要視され、MBAの資格がエリートの条件ともいわれる。
エム‐ビー‐エー【MBA】
MBA
4-メタクリロイルオキシベンズアミド
分子式: | C11H11NO3 |
その他の名称: | MBA、2-Methylpropenoic acid 4-(aminocarbonyl)phenyl ester |
体系名: | 4-メタクリロイルオキシベンズアミド、2-メチルプロペン酸4-(アミノカルボニル)フェニル |
ナイトロジェンマスタード
分子式: | C5H11Cl2N |
その他の名称: | ムスタゲン、メクロルエタミン、Mustagen、Mechlorethamine、N,N-Bis(2-chloroethyl)-N-methylamine、2-Chloro-N-(2-chloroethyl)-N-methylethanamine、クロルエタジンNFN、Chlorethazine NFN、クロルエタジン、Chlorethazine、Nitrogen mustard、ナイトロジェンマスタード、クロルメチン、Chlormethine、MBA、2-Chloro-N-(2-chloroethyl)-N-methylethan-1-amine、N,N-Bis(2-chloroethyl)methylamine、メクロレタミン、窒素マスタード、Mustin、ムスチン、Mustine、HN2、Methylbis(2-chloroethyl)amine、Bis(2-chloroethyl)methylamine |
体系名: | N-(2-クロロエチル)-N-メチル-2-クロロエタンアミン、ビス(2-クロロエチル)メチルアミン、N,N-ビス(2-クロロエチル)メタンアミン、N,N-ビス(2-クロロエチル)メチルアミン、2-クロロ-N-(2-クロロエチル)-N-メチルエタン-1-アミン、2-クロロ-N-(2-クロロエチル)-N-メチルエタンアミン、N,N-ビス(2-クロロエチル)-N-メチルアミン、メチルビス(2-クロロエチル)アミン |
Mba
MBA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/19 01:53 UTC 版)
MBA(エム・ビー・エー)
- 経営管理学修士(英:Master of Business Administration)
- MacBook Air - アップルの薄型ラップトップパソコン。
- Morbidelli-Benelli-Armi - イタリアのオートバイレースチーム。
- マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A) - 葡萄の一種。
- アメリカ抵当銀行協会(U.S. Mortgage Bankers Association)
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MBA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 06:30 UTC 版)
グリフィス大学のMBAは、CEO Magazine の2015年度MBAランキングにおいて、オーストラリアを代表するMBAプログラムのひとつとして認定された。これらのランキングは、International Graduate Forumによって編纂されたものであり、世界の著名なビジネススクールに関する正確な情報をもとに構成されている。グリフィス大学のMBAは、オーストラリアの様々なMBAプログラムの中でもトップクラスの、第6位として紹介されている。また、このグリフィス大学のMBAプログラムは、クイーンズランド州で唯一、同ランキングでトップ10入りを果たしている。そのほか、Aspen Institute’s Centre for Business Educationによる最新の[いつ?]Beyond Grey Pinstripes Global Top 100ランキングにおいては、オーストラリアMBAプログラムの中で最上位の世界第26位でランクインしている。グリフィス大学が上位にランクインした要因として、責任あるリーダーシップのあり方、持続可能なビジネス手法およびアジア太平洋地域に焦点を当てたプログラムであることが挙げられている。[要出典]また、グリフィス大学のMBAプログラムは、2015年のFinancial Review Boss Magazine MBA Surveyにおいて、オーストラリア国内で第4位と、最上位のMBAプログラムのひとつとして認定された。
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