CML, Ph+ALL
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 14:27 UTC 版)
「イマチニブ」の記事における「CML, Ph+ALL」の解説
通常、骨髄造血幹細胞の増殖は遺伝子情報のシグナル伝達により正常にコントロールされている。しかし、CMLでは、第9番染色体と第22番染色体が相互転座し、abl遺伝子とbcr遺伝子が融合したbcr-abl遺伝子を持つ異常染色体(フィラデルフィア染色体)が形成されている。このフィラデルフィア染色体は、チロシンキナーゼ活性が亢進された210kDのBcr-Abl融合蛋白 (p210) を生成する。その結果細胞増殖のシグナル伝達に異常が起こり、過剰な細胞増殖が引き起こされCML病態が形成される。Ph+ALLにおいても同様に、異常染色体であるフィラデルフィア染色体によってBcr-Abl融合蛋白(p185あるいはp190)が形成され、細胞増殖のシグナル伝達の異常によりPh+ALL病態が形成される。 イマチニブはBcr-Abl、v-abl、c-abl、PDGF受容体及びc-Kitチロシンキナーゼ活性を阻害するが、その抑制作用は、PDGF 受容体及びc-Kit のチロシンキナーゼ活性では、これらの自己リン酸化及び直接のリン酸化を阻害することによるものと考えられ、c-Ablチロシンキナーゼ活性では、ATPと競合拮抗することにより阻害することが示唆されている。
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