AC部
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AC部(エーシーぶ[1])は、1999年に結成されたテレビ番組やCMを制作するユニット。
概要
多摩美術大学出身[2]の安達亨(あだち とおる)、板倉俊介(いたくら しゅんすけ)、安藤真の3名が1999年に結成した[3]。在学中に安達と板倉が制作した「ユーロボーイズ」が、NHK『デジタル・スタジアム』デジスタ・アウォード2000年グランプリを受賞したのをきっかけに、本格的に活動を開始した[4]。2016年現在、安藤はゲーム会社に就職しているため仕事として作品制作をしているのは安達・板倉の2人[5]。
高速紙芝居「安全運転のしおり」で第18回(2014年)文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品受賞[6]。
ユニット名
とあるゲームをやりこむ部活として[7]、在学中の1999年に結成[8]。「AC部」の名前はゲーム『アーマード・コア』に由来する[9]が、現在の活動自体に同ゲームとの関連性はない。
作風
作風は「違和感を感じる作品」を目指しており、暑苦しいリアルなイラストレーションをベースとする常軌を逸したシュールかつアバンギャルドなものが多く、わざとアニメーション作画を荒くしたり、デッサンを意図的に崩したりすることが多い。アイデア出しから動画制作まで、従来のアニメ制作の工程をもあえて踏襲していない[8]。それによって人々の固定観念を破壊し、新しい視聴覚体験をもたらすことを目指している。板倉によると、授業のデッサン講評においてひとつだけ下手なデッサンがまぎれ、その違和感に感じた面白さが原体験であるという[8]。
作品
TV
- みんなのうた(NHK)
- 哲学するマントヒヒ / クロコダイル・パパ(2003年8月・9月放送)
- タン・タン・タン / ワタナベフラワー&ゆーゆ(2013年6月・7月放送)
- 怪獣トットト / チームしゃちほこ(2015年8月・9月放送)
- おばけでいいからはやくきて / クリープハイプ(2018年2月・3月放送)
- 南の島のハメハメハ大王(2022ver.) / SAKANAMON(2022年8月・9月放送)
- 天才ビットくん(NHK Eテレ)
- B-Label(ア・イ・ツ、2004年度)
- ビットメン(2005年度)
- ビットメンG(2006年度)
- ビットワールド(NHK Eテレ)
- ビットレーサー(2007年度)
- BWW 〜ビットワールドレスリング〜(2008年度)
- アホちゃいまんねんビットやねん!(2009年度 - 2014年度)
- まじヤバいっす! とんでもナイッス島(2015年度 - 2017年度)
- GO!GO!社長ちゃん(2018年度 - 2021年度)
- 星新一ショートショート劇場(NHK)
- プレゼント(2007年)
- 親善キッス(2008年)
- 未来教授サワムラ(フジテレビ、2007年)
- 超最先端エンタメ情報番組 TOKYOブレイクする〜!(日本BS放送にて紹介、2008年)
- パワー☆プリン(TBS、2011年)
- テクネ 映像の教室(Eテレ、2014年)
- 第66回NHK紅白歌合戦「前向きスクリーム!(関ジャニ∞)」(NHK、2015年、背景映像担当)
- あわあわシャンポッポ(キッズステーション、2017年)
- ポプテピピック「ボブネミミッミ」(2018年、2019年、2022年)
- 神々のスマホ(NHK、2018年3月20日)
- 明日をまもるナビ「ヒビノくんの日々の暮らし」 (NHK、2021年)
アニメ映画
- 東京オンリーピック「『和卓球』Watakkyu」(2008年、監督)
自主制作
- ユーロボーイズ
- 調味マスター リョウ
- DVD「無差別級紙芝居のフェス」に収録[10]
- 海女ゾネス
- 高速紙芝居「安全運転のしおり」
- 第18回文化庁メディア芸術祭のエンターテインメント部門審査委員会推薦作品受賞[6]
- 第5回無差別級紙芝居 無差別級紙芝居の戦 第2回予選 第1位[11]
- 地球防衛運
- 第5回無差別級紙芝居 無差別級紙芝居の戦 決勝戦 優勝[11]
MV制作
- ショッキングブラック(ザマギ、2003年)
- マジカルDEATH(ザマギ、2004年)
- It's So Good Now (い・そ・ぐ・な)(ザマギ、2005年)
- GREAT GREEN(UNDER THE COUNTER、2006年)
- THERAPY(group_inou、2010年)
- GAL男宣言(ポリスマン、2011年)
- HEART (single mix)(group_inou、2011年)
- ORIENTATION(group_inou、2012年)
- ナタリー(さよならポニーテール、2012年)[12]
- 革命的ブロードウェイ主義者同盟(上坂すみれ、2014年)
- そりゃそうよ(DJやついいちろう feat.tofubeats、2014年)
- おつかれサマー!(でんぱ組.inc、2015年)
- SUSHI食べたい feat.ソイソース(ORANGE RANGE、2015年)[13]
- TENDON (味噌汁's、2016年)
- 最新世界心心相印(the chef cooks me、2016年)[14]
- New Tribe (Powder、2019年)
- 愛す(クリープハイプ、2019年)[15]
- 価値観揺さぶりソング (feat. AC部 安達) (1980YEN、2020年)[16]
- 安達のみ。作詞・歌・監督を担当
- Sugar Foot (ft. Jon Anderson, Prairie WWWW) (Battles 、2020年)
- ドレミのうた - インヴェンション(坂東祐大、2021年)[17]
Web・CM・PV制作
- 未来のライター Jii!Jii!Jii!、Jiiールドカップだ Jii!Jii! Jii!(USBライター Jii、2012年)
- スマートフォンアプリ「節約カネ子」(ミロク情報サービス、2013年、キャラクターデザイン・MV製作を担当)[18]
- 日本アニメ(ーター)見本市「月影のトキオ」(WEB、2015年、スペンサーアニメーション)[19]
- 未来は、ヤ◯イ。(西友、2015年)[20]
- 鳩に困ったら雨宮(雨宮、2015年)[21]
- TOHYO都(東京都選挙管理委員会、2016年5月)[22][23]
- JOYSOUNDは音がいい! ~ふつうのカラオケ vs JOYSOUND MAX~、JOYSOUNDは歌いやすい! ~ハイレゾカラオケ JOYSOUND MAX2~(JOYSOUND WebCM 、2016年 - 2017年)
- あわあわシャンポッポ(キッズステーション、2017年 - )[24]
- ガッテンアニメ(NHK1.5、2017年 - )
- トリvsブタ ぶっとびピザバトル(ドミノ・ピザ WebCM、2017年)
- 伊武雅刀公式Webサイト(伊武雅刀オフィシャルサイト制作)
- チョコミント(赤城乳業、2018年)[25]
- 新千歳空港国際アニメーション映画祭(新千歳空港国際アニメーション映画祭、2020年) - 大童澄瞳とのコラボレーション。
- 『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020 → 2022』幕間映像・高速紙芝居「声優アイドル奈々」(2022年)
- カップヌードル 味噌「MISO食べたい 篇」(日清食品、2022年)[26]
一部のみ担当作品
- MV「上京がむしゃら物語」(C&K、2010年)
- 大学の後輩の塚越規とのコラボレーション。
- 「三国志カードバトル」ミュージックビデオ(2012年4月、映像制作担当)[27]
- WEBサイト「もったいないオバケのヒミツの小部屋」(2012年、グラフィックデザイン担当)[28]
- SHORT PEACE 月極蘭子のいちばん長い日 (2014年1月16日)
- 安達、板倉がパートディレクターを担当。
- MV「Party Maker」(超特急、2018年)
- 板倉がナレーションとして参加。
- NO MORE HEROES 3(2021年8月27日、映像制作担当)
展示会
- 個展「部室大公開」(2015年4月11日(土)から4月26日(日)まで、東京・神田にあるギャラリー・TETOKAにて開催。)[3]
- 個展「九越 -Transmorph-」(2020年12月23日(水)から2021年1月4日(月)まで、東京・日本橋 (東京都中央区)にある三越本店のコンテンポラリギャラリーにて開催。)[29]
メディア出演
2020年11月22日、ライブストリーミング・チャンネルのDOMMUNEでAC部の特集が1時間半配信された。AC部のメンバーが出演して代表的作品を鑑賞しつつ結成以降の活動を紹介し、プレミア上映では新作MVとしてバトルス『Sugar Foot』が公開された。この番組は、AC部がPVを手がけた新千歳空港国際アニメーション映画祭(2020年)の特集内の特別プログラムでもあった[注 2][30]。
出典・脚注
注釈
出典
- ^ https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/01082168
- ^ 多摩美術大学 造形表現学部 デザイン学科 STUDENT REPORTS 第15回 AC部インタビュー
- ^ a b AC部「部室大公開」 Archived 2015年11月13日, at the Wayback Machine. JDN 2015年3月
- ^ テクネ・ワークショップ|テクネ 映像の教室
- ^ AC部が語る18歳選挙権の拡げ方「選挙広報のイメージをくつがえしたい」 - KAI-YOU.net
- ^ a b 安全運転のしおり 審査委員会推薦作品 エンターテインメント部門 第18回 2014年 文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品
- ^ クリエイターインタビューVol.6_AC部<前編>
- ^ a b c “あえて「ヘタ」に描く違和感で、AC部はアニメ界に挑む!”. WIRED (2018年3月24日). 2019年1月23日閲覧。
- ^ AC部と語る20年〜知られざる黎明期〜 |DIRECTIONS代表 長江 努対談企画 第1弾 ゲスト『AC部』#01
- ^ “あの伝説のイベント「無差別級紙芝居のフェス」がDVD化!!”. 青木基晃の日記 (2013年4月8日). 2018年10月4日閲覧。
- ^ a b “「無差別級紙芝居の戦」について”. 無差別級紙芝居 official web site. 2018年10月4日閲覧。
- ^ “80年代テレビアニメのOP風MV! AC部によるさよならポニーテール「ナタリー」”. white-screen.jp (2012年4月5日). 2016年6月10日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2016年6月21日閲覧。
- ^ “電子ドラッグ疑惑まで出たヤバイMV「SUSHI食べたい」がとにかくヤバイ”. ドーラ (2015年11月7日). 2016年6月21日閲覧。
- ^ the chef cooks me、AC部制作の「最新世界心心相印」のMVを公開 CDJournal、2016年12月9日閲覧。
- ^ “YouTube”. www.youtube.com. 2020年12月4日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/1980yen_account/status/1312372492166553600” (日本語). Twitter. 2020年12月4日閲覧。
- ^ “坂東祐大×AC部によるコラボMV「Invention」公開”. Billboard JAPAN (阪神コンテンツリンク). (2021年5月7日) 2021年6月2日閲覧。
- ^ “ムダに“クオリティ高すぎ”のPVも評判 家計簿アプリ「節約カネ子」の強烈なキャラが話題に”. EXドロイド (2013年11月29日). 2016年6月21日閲覧。
- ^ 第16話「月影のトキオ」配信スタート
- ^ “ネットをお騒がせ中のCM「未来は、ヤ◯イ。」!AC部が西友に答えたのはビジネスドキュメンタリーCM!?”. white-screen.jp (2015年11月6日). 2016年6月24日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2016年6月21日閲覧。
- ^ “【衝撃動画】いまだかつてないほど不安を掻き立てられるCM「ハトに困ったら雨宮~♪」がヤバイ”. ロケットニュース24 (2015年4月22日). 2016年6月21日閲覧。
- ^ “TOHYO都”. 東京都選挙管理委員会. 2016年5月31日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2016年5月31日閲覧。
- ^ “東京都選管の18歳選挙権啓発アニメ「TOHYO都」に批判殺到”. 産経新聞. (2016年5月30日) 2016年5月31日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/itakura_acbu/status/831146363161161728?lang=ja” (日本語). Twitter. 2022年12月4日閲覧。
- ^ “赤城乳業【公式】Twitter” (2018年3月13日). 2022年9月5日閲覧。
- ^ “ORANGE RANGE、寿司でなく「MISO食べたい」と歌うカップヌードル新CM”. 音楽ナタリー (2022年3月9日). 2022年3月11日閲覧。
- ^ 「三国志カードバトル」ミュージックビデオをYouTubeにて配信。テレビCMも 2012/04/17
- ^ 【制作実績】もったいないオバケのヒミツの小部屋
- ^ “AC部の大規模個展「九越-Transmorph-」が、日本橋三越本店で1月4日まで開催”. JDN. 2020年12月25日閲覧。
- ^ “SUPER DOMMUNE x NEW CHITOSE 2020 第三夜 TALK SESSION 2「AC部特別プログラム」”. DOMMUNE. (2020年11月20日) 2021年5月21日閲覧。
外部リンク
- AC部のページへのリンク