運
「運」とは、人の身に及んで境遇を左右するような出来事の巡り合わせ、および、その巡り合わせを支配している人知を超えた作用を意味する言葉である。
良い影響をもたらす巡り合せは「幸運」、悪い結果をもたらす巡り合せは「不運」、悪事をはたらいても相応の罰をまんまと免れるような巡り合せは「悪運」と呼ばれる。
「運」の基本的な意味
「運(うん)」は、人の身の上に起こってその人の幸不幸にかかわるような物事や、その物事をもたらす不可避の超越的な作用である。人の意志や努力ではどうすることもできない力という意味合いが多分に含まれる。「運」は、人生のどのような部分にかかわるかによって、金運、勝負運、仕事運、恋愛運、健康運、といった表現で呼び分けられる。
人が自ら「運」に働きかけ、幸運を引き寄せることができるかどうか、これに関する是非は見解や考え方によって異なる。努力や験担ぎによって幸運を味方につけることは可能であるとする立場もあれば、そんなことは科学的に不可能とする立場もある。
そもそも「運」の存在を否定する立場もある。たとえば「因果決定論」の立場では、あらゆる出来事はその出来事に先行する出来事によってのみ決定していると考える。いかなる現象もそれ以前の現象の単なる結果であるという点において、「運」は否定あるいは無視される。
漢字の「運」の意味
漢字1字としての「運」には「運ぶ・運搬する・進行させる」という意味があり、運用・運行・運動、などの熟語に用いられる。「巡り合わせ」という意味では「幸運・命運」のような熟語で用いられる。「運」を含む熟語・言い回し
運を上げる
「運を上げる」とは、運気をよくすることの意味で、「運気を上げる」「運気をアップする」などと言い換えることもできる。自分の力で運気を引き寄せるための法則として親しまれている「風水」は、「運を上げる」ための代表的な考え方である。運がいい
「運がいい」とは、事がうまく運んで幸運であることや、ツキがあることを表すフレーズである。幸運のおかげで何もしないのに良い結果を得られた時や、努力をしていないのに成功に結びついている時などに使われることが多い。また、他人の身に起こった「運がいい」ことを妬んだり、羨む気持ちなどを表現する時にも用いられる。運勢
「運勢」とは、人それぞれが持つ「運」の勢いや「運」の進み方を表す熟語である。人の持つ「運」の中でも、特に将来の「運」のことを指すため、占いや手相などで用いられることが多い。運占い
「運占い」とは、さまざまな「運」を知る手掛かりとなる占いのことである。一般的には恋愛運、金運、仕事運などの占いが多いが、自分が持つ最強運を知ることができる「最強運占い」も人気である。
運命の人
「運命の人」とは、主に恋愛や結婚の対象となる相手に対して使われる言葉で、「惹かれ合うべくして出会った相手」のことを意味する。前世から決まっていた巡り合わせによって引き合わされた人というニュアンスもあり、「運命の赤い糸で結ばれていた人」という表現を使うことも多い。出会った瞬間に「運命の人」だと気がつくケースが多いとされていて、いつか「運命の人」と出会いたいと考えている結婚願望の強い女性の気持ちを表す時にも登場する言葉である。運命の王妃(映画)
「運命の王妃」とは、2018年に製作された中国の時代劇である。中国歴史フィクションの代表作である『帝王業』を映像化した作品で、4年の製作期間と制作費170億円をかけた超大型スペクタクル時代劇として話題となる。国際派映画女優のチャン・ツィイーが主演し、映画界で活躍する一流のスタッフ陣によって、古代中国を舞台に繰り広げられる人間ドラマと王朝の権力闘争を描いている。うん【運】
読み方:うん
2 はこぶ。「運河・運送・運賃・運搬・運輸/海運・水運・陸運」
4 めぐりあわせ。「運勢・運命/悪運・開運・気運・機運・幸運・国運・社運・衰運・天運・悲運・不運・武運・命運」
うん【運】
うん【運】
運
作者芥川龍之介
収載図書芥川龍之介全集 1
出版社筑摩書房
刊行年月1986.9
シリーズ名ちくま文庫
収載図書芥川龍之介小説集 1 王朝小説篇
出版社岩波書店
刊行年月1987.6
収載図書改編 羅生門・鼻・苧粥
出版社角川書店
刊行年月1989.4
シリーズ名角川文庫
収載図書芥川龍之介全集 第2巻 偸盗 或日の大石蔵之助
出版社岩波書店
刊行年月1995.12
収載図書ザ・龍之介―芥川龍之介全一冊 増補新版
出版社第三書館
刊行年月2000.7
収載図書地獄変・邪宗門・好色・藪の中 他七篇
出版社岩波書店
刊行年月2003.4
シリーズ名岩波文庫
収載図書羅生門 鼻 69刷改版
出版社新潮社
刊行年月2005.10
シリーズ名新潮文庫
収載図書大活字版 ザ・龍之介―全小説全一冊
出版社第三書館
刊行年月2006.7
収載図書羅生門・鼻・芋粥 改版 新装版
出版社角川書店
刊行年月2007.6
シリーズ名角川文庫
収載図書王朝小説集
出版社ランダムハウス講談社
刊行年月2007.8
シリーズ名ランダムハウス講談社文庫
運
運
運
運
運
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/25 15:09 UTC 版)
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運(うん)とは、その人の意思や努力ではどうしようもない巡り合わせを指す。
概説
運が良い(幸運・好運)とは到底実現しそうもないことを、偶然実現させてしまうことなどを指す。運が悪い(不運・悲運)とは、楽しみにしていた旅行の当日に、発病してしまうことなどを指す。占いや、神社・寺院のおみくじは、この運を予言する力があるとされる。
勝負事などで運が良いことは「付き」(つき、ツキ)、「付いている」などともいう[注釈 1]。ものごとが滞りなく行われること、かよい[1]。
運には「運が良かった」などと過去の状況説明として用いられる場合と、「運の強い男」など個人の特性を説明するために用いる場合がある。「運」を用いた説明は好ましくない(妥当でない)と考える者もおり、「運」に関する信念の違いがおのおのの表現には反映されている。「運」を統制することができるかについての主観的な感覚にも個人差があり、合理的な努力の成果やポジティブシンキングの結果として運を掴まえる者もいる。一方でギャンブルのような統制可能性が低いものでさえ、何らかの努力で成功を得られると考える者がおり、因果関係ぬきで結果に対して満足感を得るために自分の行動に張るラベリングとして「努力」概念を導入し、不確実な事象の結果として満足が得られない者が「運が弱い」などと呼称することがある[2]。
決定論の一つである因果的決定論に立てば、実は幸運や不運の意味はなく、過去や未来はすべて決定されているという考え方になる。ラプラスの悪魔に代表されるような存在によって結果はすべて見通されているということになる。ただし未来を見通す力がない人間にとってはどのような未来が到来するかは不確かであり、その意味で運が生じる。現在では古典物理学の決定論は否定され、量子論では起きる事象は確率的である。
世俗的なものの考えでは物の道理をよくわきまえ人情に通じ、確率的な危険性を適切に回避するなり他者の妨害を回避しながら、あるものごとを上手く成就させる才能と考えることもできる。但しこの視点はあくまで結果論による定義であり、運のよい人物が先験的に判別しうるかどうかはわからない。何事かをなす場合、うまくやる人とうまく出来ない人がおり、その理由がよく説明できないさいに「運が良い」「運が悪い」などと評論することがある。客観的に見て明らかに「運が良い」手法・手段[注釈 2]、「運が悪い」手法・手段[注釈 3]は存在するが、話者にとって判然としないもの[注釈 4]は「運」で語られることが多い。
意志と運
意志の力や祈りで運(幸運・不運)を変更できるとする主張が多い。歴史上数多くの実験が繰り返されており、またアメリカなどのカジノでは常に情報を集計している。意志の力や祈りなどで運を変更できれば良いとする気持ちは多くの人間が持っている感情であるが、そのような事が可能であるとする証拠は一切ない。また、事前に運を知ることができるとする主張も同様である。小説や漫画などの世界では、このようなことが可能であることを前提とした物語が多い。
人の人生は生まれたときから、運に支配されていると言われており生年月日、出生地、性別、血液型、容姿などは運により決定づけられるとする話が多いが、このような話には曖昧さがつきまとう。決定論的に人間の一生の運勢が出生時に決まっているのか、それとも生まれた時に大体の運勢は決まっていて細部で運勢が上下するのか、また運勢が決定されるメカニズムの問題等、多数の問題点がある。
運の流れ
運には「流れ」があるとする主張がある。つまり、運が良くなると良い傾向が続き、運が悪くなると悪い傾向が続くとする主張である。麻雀などのギャンブルで多用される考え方である。だが、これは錯覚の一種であるとする主張もある。人間はランダムな現象からも一定の法則を錯覚により見いだしてしまう。人間の主観ではなく、冷徹な統計学処理においてはカジノでの統計でも運の流れのようなものは見いだされていない。
この運の流れを事前に知ることができるとする主張もあり、人々を惹きつけるが、このような行為が可能であるとする確証は一切無い。
ここで良く誤解されるのは運の偏りである。完全にランダムな現象でも、そこに一定の傾向を見いだすことができるのである。たとえば、1枚のコインを投げて地面に落とし、表か表かどちらが出るかを見る行為でも、双方の面が出る確率がそれぞれ0.5であっても
- 裏、表、裏、表…
などのように表裏が均等に現れることは逆に少なく、どちらか一方に偏りが起きる。実際には
- 裏、表、表、表、裏、裏…
などのように現れることがほとんどである。人間はこのランダムな現象の「ゆらぎ」に規則性を見いだしてしまうのである。実際にプログラマに乱数用のプログラムとして使用されているメルセンヌツイスターでプログラムを作成し、上記のコイン投げをシミュレートした例を提示してみると次のようになる。
- 表、表、裏、裏、裏、裏、裏、表、裏、表、表、裏、表、表、表、表、裏、…
多くの人にとって上の結果は「異様に表か裏に偏っている・分布が固まっている部分がある」と感じられるのではないだろうか。実はこれは錯覚の一種であり、クラスター錯覚という。クラスター錯覚から理屈を組み立ててしまうことをテキサスの射撃手の誤謬と呼ぶ。ギャンブルなどで負けがこみ、サンクコストが発生しているさいにはこの種の誤謬に陥りやすい。
ジンクス・まじない
ジンクスやまじないには何らかの手段で、運あるいは運の流れを自分に有利な方向に変更できるとする行為がある。ジンクスやまじないの一部には科学的根拠があり有効性が確認されているものもあるが、運に関する事柄の多くは上記のような間違いに起因するものが多い。
その他
- 運に関連したことわざとして、「運に兵法(優れた戦術・策戦も強運者には勝らない)」がある(鈴木棠三 広田栄太郎 編 『故事ことわざ辞典』 東京堂出版 1968年 p.123)。
- 運に関係したビジネスには、社会通念上正当化されるものから、悪徳商法まで様々なものがある。
脚注
注釈
出典
参考文献
- ツキの法則 「賭け方」と「勝敗」の科学、谷岡一郎、PHP研究所、ISBN 978-4-569-55763-2
- 村上幸史「「幸運」及び「不運」の持続性を探る」『対人社会心理学研究』第3巻、大阪大学、2003年、doi:10.18910/6638。
- 村上幸史「「運の強さ」とその認知的背景」『社会心理学研究』第18巻第1号、日本社会心理学会、2002年8月19日、doi:10.14966/jssp.KJ00003722513。
関連項目
- 幸福
- 偶然 - 必然
- 縁起 - 因果
- 疑似乱数
- ランダム
- 気
- 占い - ギャンブル - くじ
- 錯覚
- 時間
- ジンクス
- マーフィーの法則
- 前後即因果の誤謬-幾何分布#無記憶性-クラスター錯覚
- 塞翁が馬
- 運命
- 天命
- セレンディピティ
- テュケー
- シンクロニシティ
- ビギナーズラック
- 生存者バイアス
外部リンク
- デジタル大辞泉『運』 - コトバンク
- 村上幸史「ギャンブラーは「ツキ」をどのように読むか : レース後のコメント分類から探る」『対人社会心理学研究』第1巻、大阪大学、2001年、doi:10.18910/3849。
- 「運を研究する」ということ てんむすフォーラム 第 2 号(2007) 村上幸史 大阪大学
- 村上幸史「「幸運」な事象は連続して起こるのか? : 「運資源ビリーフ」の観点から」『社会心理学研究』第25巻第1号、日本社会心理学会、2009年8月31日、doi:10.18910/3849。
運(DP)
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「松本亨の株式必勝学II」の記事における「運(DP)」の解説
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「運(DP)」を含む「松本亨の株式必勝学II」の記事については、「松本亨の株式必勝学II」の概要を参照ください。
運
運
運 |
「運」の例文・使い方・用例・文例
- 数字の13が不運をもたらすと信じるのはばかげている
- 彼女に運転しないほうがいいと忠告した
- 運送業者
- 賃上げ要求の運動をする
- 「彼は運転がうまい」「そうだね」
- 私の車は荒れた道でも運転できる
- ゆっくりと注意深く運転しなさい
- 妊娠中絶反対運動
- 反体制運動
- 運転手のほかに車には3人の人が乗っていた
- 運動したら食欲がわいた
- 彼は料金のことでタクシーの運転手と言い争った
- 休暇にグアムに行きたかったが,実際のところは,ここにキャンプに行ければ幸運だ
- 生徒たちは運動場に集まった
- 彼は環境運動に参加していた
- 競技会,運動会
- 気象条件に十分注意して運転をするようにしなさい
- 彼女は運転が下手だ
- いい運動選手は身体の平衡感覚がすぐれている
- 彼は運転を禁じられた
運と同じ種類の言葉
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