訳語とは? わかりやすく解説

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おさ〔をさ〕【訳語/通事】

読み方:おさ

外国語通訳すること。また、その人通訳通弁

鞍作福利(くらつくりのふくり)を以て—とす」〈岩崎推古紀〉


やく‐ご【訳語】

読み方:やくご

翻訳用いる語。また、ある語を訳した別の語。


訳語

読み方:オサosa

通訳


訳語

読み方:オサosa

外国語通訳すること、また、その人

別名 通事


訳語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/30 06:00 UTC 版)

訳語には2つの意味があり、これを「おさ」と読む場合は古代日本における通訳のこと。これは通事とも表記された。 「ヲサ」という音はおそらく古代朝鮮語。これを「やくご」と読む場合は、翻訳された語という意味で、翻訳前の言葉に対する翻訳後の言葉のこと。現代では後者の意味で使うことが多いが、当項目では前者について解説する。

通事のオサの歴史

古墳時代後期にヤマト王権中国大陸朝鮮半島との国家的な交流の増加とともに帰化人の中から通訳の事を行う一族()が登場し、彼らはのちに日佐(おさ)というかばね)を帯びた。

だが、世代を重ねるにつれて言語の変化もあって世襲の氏による訳語の価値が減じ、代わって留学経験者などが訳語の役目を務めるようになった。また、大学寮においても音道が設けられていたが、9世紀前半には世襲や大学寮による育成は形骸化[注釈 1]し、そのため来日外国人から教授を受けたり、当人を訳語に抜擢する方法が採用された。

延喜式』には遣唐使遣新羅使遣渤海使などに訳語・通事が置かれたことが知られる他、新羅訳語・奄美訳語などの官職が存在したことが知られている。新羅訳語・奄美訳語については、漂着時に備えて新羅奄美言葉を話せる者を同行させたとする見方と、新羅・奄美出身の訳語とする見方がある。

当時の東アジアでは漢字および漢文が広く用いられていたことから遣唐使なども文書を読むことや筆談に関しては支障がなかったとみられている。また、唐国内では遣唐使などの外国使節は役人以外の唐の人々と会話をすることは禁じられていた(『唐律疏議」巻8衛禁・越度縁辺関塞条疏議所引「唐主客式」)が、現実にはが漂着した時や必要文物の調達などのためには現地住民との会話が必要となるため、訳語の存在が必要であった。また、留学生においても同様であり、最澄は同行していた弟子の義真が訳語としての能力を有していたおかげで業を為し得たことが知られている(『扶桑略記』延暦21年9月2日条)。

なお、『唐六典』によれば、の鴻臚寺には定員20名の訳語が設けられていたと記されているが、その多くが新羅などの近隣もしくは使者の来訪が多い国の訳語であったとみられ、日本語の訳語はほとんどいなかったとみられている[注釈 2]

翻訳された語

脚注

注釈

  1. ^ 宝亀年間の請学生であった伊与部家守漢語中国語)に堪能であったが、その学を受け継いだ息子の善道真貞大学博士にまで昇ったものの、語学が全く駄目で四声も理解できなかったと酷評されている(『日本紀略』延暦19年10月庚辰条・『続日本後紀』承和12年2月丁酉条)。
  2. ^ ただし、唐に日本語の訳語がいた可能性もある。五代から北宋にかけての人物である陶穀が記した『清異録』によれば、唐の建中年間(日本の宝亀年間)の日本使(遣唐使)の1人であった真人興能(布施清直と推定されている)の書の見事さに訳者が彼の書を譲って貰った故事を載せている。前後のやりとりからこの訳者が唐側の訳語であった可能性が高い(榎本、2008年、P162)。

参考文献

  • 青木和夫「訳語」(『国史大辞典 2』(吉川弘文館、1980年) ISBN 978-4-642-00502-9
  • 森公章「訳語」(『日本歴史大事典 1』(小学館、2000年) ISBN 978-4-09-523001-6
  • 榎本淳一「遣唐使と通訳」(『唐王朝と古代日本』、吉川弘文館、2008年(ISBN 978-4-642-02469-3 原論文:2005年))
  • 森公章「遣唐使と唐文化の移入」(『遣唐使と古代日本の対外政策』、吉川弘文館、2008年(ISBN 978-4-642-02470-9 原論文:2008年))

訳語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 04:25 UTC 版)

美学」の記事における「訳語」の解説

日本語の「美学」は、中江兆民フランスのウジェーヌ・ヴェロン(フランス語版)の著作1878年)を訳して『維氏美学』(上 1883年11月、下 1884年3月)と邦題付けたことによる日本の高等教育機関における美学教育嚆矢東京美術学校および東京大学におけるフェノロサヘーゲル美学中心とした講義森林太郎森鷗外)による東京大学におけるE. V. ハルトマン美学当時同時代ドイツ美学についての講演、およびラファエル・フォン・ケーベルケーベル先生呼称知られる)による東京大学での美学講義である。また京都においては京都工芸学校においてデザイン教育中心とする西洋美学および美術史教育なされた。なお東京大学は独立の一講座として大塚保治教授任命美学講座開いた世界で最初1899年)の大学である。

※この「訳語」の解説は、「美学」の解説の一部です。
「訳語」を含む「美学」の記事については、「美学」の概要を参照ください。

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